反撃の転生者―エレン―   作:KEIWORD

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頭が・・・上がりません・・・更新が猛烈に遅れてしまい本当にすみませんm(_ _)m


11―指頭と死闘―

 

 

「ねえアニ・・・?」

 

「言わなくても分かってるよベルトルト。エレンは座標を使っている」

 

「そう。エレンに意識は無いようなんだけど、エレンは座標を使って巨人を引き寄せ、それで戦っている」

 

「座標・・・ね」

 

―――座標を持って帰るにはどうやって移すのか分からないならばエレンごと持って帰ればいいんだけど、そんなのは無理に決まってる。きっとエレンは言うことを受け付けないだろうね。

 

「ところでライナーは?」

 

「兵士ライナーさんなら仲間のために頑張って戦ってるところだよ。もう撤退命令は出てるけど、撤退する仲間を援護しに行ったみたい」

 

「仲間・・・か。ライナーにも情が移っちゃったのかもね」

 

「・・・あんたもなのかい?」

 

「僕はこの街を見下ろした時、壁を蹴り破るのを一瞬躊躇ったんだ」

 

「・・・・・・まああんたは人間らしかったってことだよ。私はなるべく関わらないよう心がけてきたけど、ミーナと仲良くなってしまった。私は今ミーナのことを心配してる」

 

「・・・・・・覚悟を決めよう。僕らは戦士、奴らは敵だ」

 

「そうだね。私たちは故郷に帰る。でもそれはとてつもなく困難。違わない?」

 

「その通りだよ。あんな怪物が・・・エレンがいるなんて知ってたら僕たちはこんなところに来なかった。本来今日でウォールマリアを攻め落としているはずだった。エレンさえいなければ」

 

「エレンの力はまだ全て見えない。あんな立体機動のしやすい街に鎧の巨人が行ったらエレン1人に苦戦を強いられ、たとえ勝てたとしても時間が経ちすぎてライナーはきっと怪しまれてしまう」

 

「さらに僕たちはそのエレンの持つ座標を持って帰らないといけない」

 

「分かってんじゃん」

 

「僕だって頭は回るほうだからね」

 

「そう。エレンはきっということを聞かない。武力では私たち3人がかりで戦っても勝てるかどうかは分からないけど、私たち3人が巨人化して全力で戦うしかもう方法は無いんじゃないの?」

 

「そうだね。でもそれは最終手段だ。まだまだ僕たちにはここでやることがある。壁だって壊さないと」

 

「・・・・・・エレンがあの調子だといいんだけどね・・・」

 

「せっかく苦労して開けた穴を塞がれたら面倒だ」

 

「まったくエレンには振り回されっぱなしだね」

 

「・・・え?」

 

「いいや、何でもない・・・//」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アルミン危ない!その辺に落ちてくる」

 

その人影はどんどん近づいてき、それに何か叫んでいるようた。アルミンは立体機動で道路を挟んだ建物の上に飛び移る。

 

「ヒャッホーーーー!!!」

 

人影はガスを噴出して勢いを徐々に殺し、そして建物にアンカーが刺さる所まで来たらアンカーを射出してワイヤーに吊るされる形で勢いを完全に殺し、そしてアルミンらのいる方に降り立った。どうやらかなりの腕の持ち主のようだ。

 

「やあ!」

 

身長はミカサと同じぐらい、前髪は2つに分けて残りの髪は適当に後ろでくくっている。そして顔には縁のあるメガネがかけられていた。

アルミンとミカサが顔を見合わせて困惑していると、その後ろから少し低めの声が通ってきた。

 

「おい奇行種。ガスの無駄遣いはやめろ」

 

ミカサとアルミンが振り返ると、そこにはアルミンと同じぐらいの鋭い目をした調査兵団のマントを羽織った男が刃を柄につけたまましまうところだった。

 

「やだなあリヴァイ。こういうのは演出が大事なんだよ演出が」

 

「そうなのか?」

 

―――違います兵長。

 

「まあそんなことはどうだっていい。どいつかこの状況を説明しろ」

 

「私からも頼もう」

 

そう言ったのは大柄の金髪の男だった。リヴァイの後ろから現れ、真剣な眼差しを向けていた。

 

「調査兵団も援護しよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルミンはエルヴィン、リヴァイ、ハンジらと円をなしてウォールローゼ南のトロスト区の扉が破られたこと、そこで特別班として戦闘に出たエレンが右腕を失って巨人になったこと、そして住民の避難が完了し、この作戦が始まったことを伝えた。

そしてアルミンは最後に自分の考えた作戦を話した。

 

「エレンは恐らく、現在意識がなく、本能のままに行動しているか、意識はあるが、仲間を食われた怒りで復讐しているのどちらかだと思います」

 

「これは作戦なのだろう?後者だと作戦を放棄して仲間の犠牲を無駄にしていることじゃないか。聞いた話だとそのエレンはそんなに頭の悪い男じゃ無さそうだが?」

 

「ええ。ですが、彼は誰も死なせない覚悟で防衛戦に挑みました。前日の夜に彼が言ったんです。オレが全部守るって。その覚悟であの多くの数の仲間を失った彼は実際に、作戦の説明などの際もどこか抜けていた気がします」

 

「抜けていたって?」

 

「あたまを抑えていたり深い考え事をしているように見えました」

 

すると横のミカサも口を開く。

 

「私はどこかエレンがエレンじゃない気がしました」

 

「それは困ったな・・・」

 

「そこでなんですが」

 

アルミンは声のトーンを少し上げてここからが本題だということを示唆させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巨人化したエレンは未だに群がり続ける巨人に腕を振り続けていた。そして調査兵団と駐屯兵団の精鋭たちとミカサとアルミンは近すぎず、遠すぎない距離で時を待っていた。

 

―――よく見ていると、巨人は一定の周期で群がっていくようです。ある程度数が少なくなるとまた集団で寄っていき、それがまた少なくなると寄っていくといった感じです。チャンスはその少なくなった時です。

 

エルヴィンはタイミングを伺っていた。あの大型巨人に巨人が引き寄せられる前に、かつできるだけ巨人が少ない時をだ。それはとても難しい判断で、エルヴィンは一度失敗していた。

 

「今だ!!!リヴァイ!!ミカサ!!」

 

二人の才覚は指示と同時に屋根から飛び降り大型巨人の背後へと向かっていった。その他の物は未だ待機である。リヴァイとミカサは大型巨人に群がる巨人の手をかわし、時にはうなじをスピードを落とすことなく削ぎ落としてぐんぐん大型巨人への距離を縮め、そして地面にその体を擦りながら、立体機動の最高速度で大型巨人の脚の健を広く、深く削ぎ落とした。

グオオオと大型巨人は唸り声を上げる。すぐにエルヴィンは叫ぶ。

 

―――そしてそのタイミングで二人の精鋭が群がる巨人達をすり抜けてエレンの脚の健を削ぎ落とします。

 

「第2隊出撃!!!」

 

大型巨人の正面から、比較的ガタイのいい兵士たち15名が、同時に大型巨人の正面に向かってアンカーを放った。30本のワイヤーは途中で絡まることなく全て大型巨人に刺さった。

そして一斉に大型巨人に向かってぐんぐんと最高速度で近づいていく。そしてどん!という音と同時に15個の衝撃が大型巨人の前方にかかった。

大型巨人は脚の健がやられているので、衝撃の方向、後方へとズシンと重たい音を立てて尻もちをついた。小さな巨人が何体か潰された。

 

 

―――ここからは命懸けになります。大変危険ですが、エレンに群がる巨人を殲滅します。・・・いいえ、これが一番大切なことです。エレンに語りかけるにはこうするしかありません。

 

すぐにエルヴィンはこの作戦の最も重要かつ危険な指示を送る。

 

「総員戦闘開始!!!群がる巨人を殲滅せよ!!!」

 

全ての兵士が飛び出し、手当たり次第に巨人を倒しに行く。もちろん、大型巨人に体当たりをして倒した兵士も総出である。ただ一人、アルミンを除いて。

大型巨人は立とうとするが、その前にリヴァイとミカサに足の筋肉を削がれ、手をつこうとすると右、左と順番に切り落とされた。大型巨人は動こうにも体を動かすしか出来ない状態になった。

そしてミカサとリヴァイは巨人の殲滅にうつる。

兵士は全力を尽くして、巨人の血を浴びながら、迫り来る恐怖と戦いながら死力を尽くす。すでに数人は巨人に食われていたが、巨人の数も減っていく。

そしてアルミンはエレンのうなじへと向かった。

 

―――必ず・・・成功させなければならない・・・。今死んてでいる人は僕が殺した・・・!絶対に成功させる!

 

アルミンは戦場を通り抜けていく中で、血にまみれた兵士たちを振り返らず、まっすぐに大型巨人のうなじのほうへと向かっていく。すでに、命を擲つ覚悟を持って戦っていた兵士たちのおかげで、残る巨人はそこまで多くなく、大型巨人が転んだ際は巨人が大型巨人の肉を噛みちぎって食っていたのが多くいたが、すでにその光景はなくなり、代わりにその周囲に霧が発生したかのように蒸気が沢山の場所からしきりに上がっていっていた。

 

「アルミン!」

 

ミカサがアルミンの方を見てその名を呼ぶ。頼んだ、と目でしっかり伝える。

アルミンは一瞬振り返って、その目を見てすぐにまた前を見て、すぐそばまで迫った大型巨人のうなじに降り立った。

この作戦は時間との戦いがカギであった。アルミンはすばやく、かつ丁寧に自分の小さな体が振り落とされたりしないよう、アンカーを2本とも差し込んで固定し、そして刃を装着し、息を一つ吸い込んで吐き出し、振りかぶり、思いっきりうなじの少し右に突き刺した。

 

―――エレンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――眠い・・・

 

ここはどこだ、と目をこすりながら目を覚ました。視界のボヤけは次第になくなっていき、鮮明な景色が映るようになった。

そこはトロスト区と思われる場所だった。自分は壁の穴を無理やり塞いだすぐ前に、後ろにもたれかかって寝ていた。

そういえばどっかでこんなことしようとしたなと思いつつ、あまり調子の良いとは言えない体を起こし、立ち上がった。

辺りには、いつもの日常と言えるものが広がっていた。

荒れた建物が並んでいるが、市には多くの人が買い物のために集まってきている。賑やかであったが、治安の悪さが伺える、どこかに危機感を感じている人々の表情があった。

塞がれた穴から街の方へ歩いていくと、駐屯兵団がギョッとしてこっちを見て言った。

 

「イェーガーじゃないか!?いつからそこにいたんだ!?」

 

「え?」

 

そういえばなんであんな所に寝ていたのだろうか。いつから寝ていたのだろうか。エレンにはさっぱり分からなかった。どうやらかなり深く長く寝ていたせいで寝た時の記憶がなかった。

とにかく、エレンはなんとか誤魔化して、その場をやり過ごし、調査兵団の兵舎へ歩き出した。

刹那、爆発音に似た、頭の中まで響く音がトロスト区を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いは続いていた。しかし、人類の劣勢は覆らず、もう逃げ道は残っていなかった。

エレンは刃を振り続け、仲間も戦線を共にしていた。しかし、もはや挽回は不可能だった。

すると突然、戦うエレンの耳に、アルミンの声が響いてきた。

 

―――起きろエレン!!

 

エレンは無視した。自分は起きている。余裕はない。こんな時に何を言っているんだ。

戦いは壮絶を極め、仲間は次々と倒れていく。エレンは泣きながら巨人と戦い続ける。

 

「うああああああ!!」

 

もうエレンしか残っていなかった。しかし、何故かアルミンの声はずっと頭に響いていた。

 

―――目なんてとっくに覚めてる。でも夢であって欲しいんだよ。

 

―――穴を塞ぐんだろ!何があってもやって見せるって言ったじゃないか!

 

―――何のこと言ってんだよアルミン!さっきから訳わかんねえよ!!

 

―――君の仲間が死んでいっている・・・その命を・・・夢を・・・愛するものを!エレンは全て無駄にするつもりなのか!!

またあんな思いをしていいのか!!

 

エレンの視界がボヤけてきた。エレンは現在、戦場に独りで戦っている。当然仲間も失った。それは地獄のような苦しみで、エレンを強く苦しめてきた。そんな思いをまた繰り返すなんて絶対にしたくなかった。

そんな思いをリセットしたかった。

そんな時、エレンは自分の体を動かしてくる何かに気がついた。きっとこれに流されなければ何もかも元に戻る。また仲間の元に帰れると。

右手の刃を半分に折って捨て、残った半分の刃を心臓目掛けて突き刺した。

そして刃を抜いた瞬間、血は出ずに黄色く眩しい光が放たれた。世界は全てその光に包まれた。えれんは思わず目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「団長!大方の群がる巨人を殲滅しました!」

 

「総員対象を中心に円陣形を展開!巨人が近づき次第すぐに排除せよ!!」

 

「ハッ!」

 

すると円の中心からは軽い爆発音と共に白煙が立ち上がり、一時座り込んだ大型巨人が見えないほどになった。

 

「ミカサ!」

 

アルミンは円の中心付近から、ミカサのいる方へと駆け寄ってエレンの状況を少し嬉々としながら伝える。

 

「エレンが勝ったんだ!今・・・立ち上がって、エレンの任務を果たそうとしているんだ!」

 

「!?エレン!」

 

「エレンが岩を運ぶのを援護すれば・・・僕らの勝ちだ!」

 

すると横にいたエルヴィンがすぐに指示を出した。

 

「大型巨人巨人を岩まで誘導、保護せよ!人類の勝利はすぐそこだ!!」

 

「ハッ!!!!」

 

地響きのような足音がゆっくりと響き、三十mの巨体が身体から蒸気を発しながら少し離れた岩のある場所までゆっくりと進んでいく。周りでは大型巨人の15分の1以下のの小さな兵士たちが立体起動で飛び回っている。

大型巨人は足元まで岩が来たところで腰を下ろし、両手で岩を抱え込んで持ち上げた。砂埃が舞い上がり、岩は抵抗無く持ち上がった。大型巨人は肩にそれをかつぎ、トロスト区前門、穴の空いた部分へと歩いていく。

 

「おお!!」

 

「やった!!」

 

歓声が上がる。勝利がようやく現実になった瞬間だった。

しかし安心するわけにはいかない。門から未だに入ってくる巨人と、すでにトロスト区に入っている巨人が寄ってきていた。

 

「囮は私が引き受ける!」

 

「はああああっ!!!」

 

調査兵団が帰ってきていたことにより、少数精鋭の班は力を衰すことなくその兵員が倍以上に増えていた。そして彼らには怖いものなどなかった。

 

大型巨人は一歩ずつ確実にその地を踏みしめて壁に開いた穴へと近づいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――人は皆自由だ。生まれたその時から・・・

 

―――どれだけ世界が残酷でも・・・どれだけ敵が強くても関係ない。

 

―――炎の水でも氷の大地でもなんでもいい。それを見たものはこの世で最も自由な者だ。

 

―――その為なら命だって惜しくない。

 

―――戦え・・・

 

―――戦え。

 

―――戦え!

 

―――戦え!!!

 

 

 

 

『ウオオオオオオッッ!!!』

 

「いっけえええええエレン!!!」

 

 

頭の芯まで響く音と共に、トロスト区に開けられた縦8mもの穴は、一人の特殊な能力を持った者と、命を投げ打って戦った兵士たちにより閉じられた。

しかし、それを歓喜するには失った人々の人数があまりに多過ぎた。

 

 





今回一番構成が難しかった・・・(;´Д`)
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