反撃の転生者―エレン―   作:KEIWORD

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今回はどうしても原作と被ってしまう所が多いのですが、ご了承ください。

それでは、どうぞっ。


2―記憶―

―845―

 

 

「・・・ン・・・て」

 

―――巨人を駆逐するんだ。この世から一匹残らず。

 

「・・・レン・・・きて・・・」

 

―――俺が!この手で!

 

「エレン!起きて!」

 

「はっ!」

 

草原の中の一本の木の下にエレンはよりかかって寝ていた。風が吹くと、少しばかり寒さを感じ、木の葉が舞い落ちる。

 

「もう起きないと日が暮れる」

 

―――あれ?何だこの違和感・・・そうだ・・・

 

「ミカサ、お前、そんなに声が高かったっけ?」

 

「・・・・・・そんなに寝ぼけるまで熟睡していたの?」

 

―――そういえば、いつ寝たんだっけ?

 

「イヤッ・・・なんかすっげー長い夢を見ていた気がするんだけど・・・・・・何だったっけ・・・思い出せねえな・・・」

 

エレンは木に右手をついて立ち上がる。その際、手のひらに激痛がはしった。

 

「痛ぇっ!」

 

「どうしたのエレン?」

 

歩き始めていたミカサが振り向いて寄ってくる。エレンは自分の右手を見た。

エレンの右手の手のひら真ん中の方に、横1列に4つの細長いそれなりに深い傷と、人差し指の付け根の親指側に傷があることに気づいた。

 

「いてっ・・・

何でこんな傷が・・・」

 

「エレンの爪に血が付いてるから、自分で傷つけたんだと思う・・・帰ったら包帯巻いてあげるから、とりあえず帰ろう」

 

「ああ・・・」

 

「・・・・・・・・・!!

エレン、どうして泣いているの?」

 

「え・・・?」

 

―――え・・・!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

涙を啜りながら、薪を背負ったエレンと、無言のミカサはウォールマリアの門付近を歩いていた。

 

「言うなよ・・・誰にもオレが泣いてたとか・・・みっともねえ・・・」

 

「うん・・・・・・言わない。

でも、寝てる間に拳を握りすぎて血が出たり、理由もなく涙が出るなんて、一度おじさんに見てもらった方がいい」

 

「バカ言え!親父にこんなこと言えるか!」

 

 

「何泣いてんだエレン?」

 

「ハ・・・ハンネスさん」

 

近づいて来たのは駐屯兵団のハンネスだった。その頬は酒で赤く染まり、同僚と思われる駐屯兵団の服を着て近くで座っている男たちも、頬が赤かった。

 

「うわっ、酒くせっ。仕事中に酒なんか飲んでんじゃねえよ。そんなんでいざって時に戦えんの?」

 

「ん?いざって時って?」

 

「決まってんだろ!奴らが壁を壊して町に入ってきた時だよ!」

 

エレンのよく響く声が辺りに響く。ハンネスは酔っていて頭に響くのか、頭を押さえている。

 

「おいおい、急に大声出すなよ・・・」

 

「父さんが言ってたんだ!安心している時が1番危ないって!」

 

「エレン、もし壁が壊されたら俺だってしっかりやるさ。でもな、そんな事は最悪の事だ。俺たちがただ飯ぐらいってバカにされてる時の方が皆平和に暮らせるんだぜ?」

 

「・・・・・・!!」

 

「ハンネスの言う通りだ。まったく・・・壁の外に出ようっていう調査兵団の連中の気がしれねぇ・・・勝手に戦争ごっこに興じてろってな!」

 

「・・・・・・確かに・・・一生壁の中から出られなくても飯食って寝てりゃ生きていけるよ・・・でもそれじゃまるで家畜じゃないか・・・」

 

そう言い残して、ハンネスにくるっと背を向けて、エレンは歩いてく。当然ミカサもそれについていく。

 

「・・・・・・・・・まさかあいつ調査兵団に入りたいのか?」

 

 

 

 

 

「エレン・・・調査兵団はやめたほうがいい・・・」

 

「・・・・・・何だよ・・・お前も調査兵団をバカにするのか?」

 

「バカにするとかそういう問題じゃ・・・」

 

カンカンカンカン!!

 

人通りの多い商店街を歩いていたエレンとミカサの耳に入ってきた音は、壁の方からの、鐘の音だった。

 

 

「調査兵団が壁外調査から帰ってきたんだ!

行くぞミカサ!英雄の凱旋だ!」

 

「・・・・・・///」

 

エレンがミカ手を引いて、鐘の鳴った方向へ駆けていった。

 

 

 

「今回も酷いな・・・」

 

群衆の中のどこからか声が聞こえた。

担架で運ばれる片足の無い者。片腕で馬に乗っている者、右目を包帯で覆っている者。20人もいない調査兵団の姿に、エレンは何も言えなかった。誰かが泣いている。団員の誰かが叫んでいる。

 

「ミカサ・・・帰るか・・・」

 

「うん・・・」

 

 

 

 

 

 

「・・・エレン、調査兵団に入りたい気持ちは変わった?」

 

「変わらねえよ」

 

―――オレは壁の外に出たいんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

 

エレンが調査兵団に入りたいと知ったエレンの母のカルラはエレンの肩を掴んで辞めるように言うが、エレンは聞き入れず、口論になるのだった。カルラは夫のグリシャにエレンを説得するように言うが、グリシャはエレンに今度地下室を見してやると言って、診療に出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何してるんだお前ら!」

 

「エレンだ!」

 

「あの野郎今日こそブチのめすぞ!」

 

「だ、だめだ!ミカサがいるぞ!」

 

「に、逃げろ!」

 

 

 

「大丈夫かアルミン」

 

「うん・・・」

 

先程いじめっ子にイジメられていたアルミンは、その時の傷を気にしながら、川原でミカサとエレンの間に座っていた。

 

「それで、人類はいずれ外の世界に出ていくべきだって言ったら、殴られた。異端だって」

 

「くそっ、何で外に出たいってだけで白い目で見られなきゃいけねぇんだ」

 

エレンが石を見つけて川に投げ込む。ポチャンと音を立てて、石が消える。

 

「政府が外の世界に興味を持つこと自体をタブーとしたんだ。でもエレン。調査兵団は危険だよ」

 

「な・・・なんだよお前までやめろっていうのか!?」

 

「だって危険だし・・・気持ちは分かるけど・・・

確かに、この壁の中は永遠に安全だと信じきっている人はどうかと思うよ

100年間壊されなかったからといって今日壊されない保証なんかどこにもないのに・・・」

 

ドオン!!!

 

アルミンが話終えたところで、地面が揺れるほどの大きな音が辺りに響いた。

 

「な・・・何だ!?」

 

音の発生源を探していると、近くに居た人が1つの方向をみて唖然としているのを見た。家で見えないので、家の脇へ出ると壁の外から変な煙が上がっているのが見えた。

 

「あ、あれは・・・」

 

壁の向こうから、巨大な手が姿を現す。

 

「バ、バカな!あの壁は50mだぞ!?」

 

壁の上を掴み、超大型巨人が頭を現す。

 

「き・・・巨人だ・・・!」

 

「う、動くぞ!」

 

ドオオオオン!!!!!

 

砂埃が舞い、そこから壁の破片が飛び散り、街に降り注ぐ。思わず耳を塞ぐほどの爆音が僅かに遅れてやってきた。

 

「逃げようエレン、ミカサ・・・壁に穴を開けられたんだ。もうこの街は無数の巨人に占拠される・・・!」

 

顔から焦りと恐怖を発するアルミンが言うが、それとは裏腹にエレンは壁の方に走り出す。

 

「エレン!?どこ行くの!?」

 

「壁の破片が飛んでった先に家が!母さんが!!」

 

「!!」

 

エレンはそう言い残して、走り去る。ミカサもそれについて行く。

 

「あ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

――――家に当たってるはずない!とっくに逃げたに決まってる!ここの角を曲がれば、いつもの家が・・・

くそっ!

 

エレンの家は、巨大な壁の破片でほぼ全壊していた。駆け寄って、カルラを探す。

 

「いた!」

 

「母さん!」

 

ミカサが見つけ、エレンが駆け寄る。カルラは気を失っているようだ。

 

「ミカサ!そっちを持て!これをどかすぞ!」

 

ズシン!!ズシン!!

 

巨人がすぐそこまで迫ってきている。ふと、エレンの視界に巨人が入った。

 

ドクン,ドクン・・・

 

エレンは不自然に鼓動が速くなるのを感じたが、焦りのせいだと解釈した。

 

「ミカサ!急げ!」

 

「うん!」

 

その時、気を失っていたカルラが目を覚まし、状況を飲み込んだ。

 

「何してるの2人とも!私のことはいいから早く逃げなさい!!」

 

「オレも早く逃げたいよ!早く出てきてくれよ!」

 

「例えここから出られても、私の脚はがれきで潰れてて走れない!」

 

「オレが担いで走るよ!!」

 

「どうしていつもそう言う事を聞いてくれないの!最後くらい言う事を聞いてよ!!ミカサ、エレンと逃げなさい!!」

 

「いやだ・・・」

 

「!?」

 

急いでカルラの体を下敷きにしている柱をどかそうとするエレンとミカサだったが、柱は中々動かない。

そうこうしているうちに一体の巨人がエレンたちのすぐそこまできた。エレンたちを見下ろしている。

その時、見上げたエレンとその巨人の目が合った。

 

ドクンドクンドクン!!

 

エレンの鼓動がさらに早くなる。顔に憎悪が現れる。

 

―――駆逐してやる・・・

 

その時、エレンは柱をどかそうとするのをやめ、何かに取り憑かれたように巨人の方に歩いていく。

 

「逃げて!エレン!ミカサ!」

 

「そんなの嫌だ・・・・・・!

エレン!何してるの!速く!」

 

エレンに反応はない。我を失っているように見える。

巨人が手を伸ばし、エレンを掴もうとする。

ミカサとカルラは巨人に捕まりそうなエレンに声を届かせようと必死になっている。

 

ドクンドクンドクンドクン!!!

 

―――1匹! 残らず!!

 

「うおおおおおおおっ!!」

 

エレンは叫び声とともに、巨人の手のひらに殴りかかった。

 

ビリビリッ!

 

その瞬間、その巨人目掛けて周囲の巨人が一斉に襲いかかり、その巨人を貪り始めた。

 

「はっ!!

今オレ何してたんだ!?」

 

―――何で巨人が巨人を食ってんだ!?

 

ズシーン!!

 

エレンが大きな音に振り返ると、ハンネスがカルラを下敷きにしていた柱をどけた所だった。

 

「おいエレン・・・・・・それはお前がやったのか・・・?」

 

「いや、オレも分かんないんだけど・・・

それより母さん!足全然怪我してないじゃないか!」

 

「2人には生き延びて欲しかったから」

 

 

 

「とにかく、今のうちだ。カルラは脚は大丈夫なようだが、肋骨に少しヒビがいってそうだから俺がおぶってくから、さっさと巨人のいないところへ逃げるぞ!」

 

「ありがとう・・・ハンネスさん」

 

ハンネスにおぶられたカルラがハンネスに礼を言う。少し苦しそうな表情だ。

 

「エレン、ミカサ、さあ、走って!」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいベルトルト・・・」

 

「ああ、間違いない。あれが『座標』だよ。それより・・・」

 

「分かってるよ。顔はしっかり覚えた」

 

「さあ、行ってきてくれ!ライナー!」

 

「ああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――あれは何だったんだ?巨人を見ただけで胸がバクバクして・・・その後はハンネスさんが来るまで覚えてねぇ・・・

まあいいか、母さんは助かったんだし。肋骨は結局折れてたみたいだけど・・・

 

船に乗っていたその時、エレンは巨人が歩いているのを見た。

 

ドクン,ドクン・・・

 

―――なんで巨人を見ただけでこんなに感情が沸き立つんだ・・・?誰かを殺された訳でもないのに・・・・・・いつっ!?

 

頭痛がエレンの頭を襲い、エレンは頭を押さえる。

 

―――なんだこの光景・・・いつかの記憶・・・?いや、これはさっきの・・・

え・・・?さっきの巨人が母さんを・・・

やめろ・・・・・・

やめろ・・・

やめろおおっ!!

 

パキッ、ポキッ

 

―――こうなってたかもしれないのか!?母さんもオレもミカサも・・・だとしたら、巨人は・・・・・・

 

エレンの息が荒くなる。目が限界まで開く。さらに鼓動が速くなる。

 

―――オレが一匹残らずぶっ殺す!!!!

 

ドクンドクンドクン!!

 

エレンの顔が怒りの矛先へと向けられ、鋭く睨む。

 

―――駆逐してやる!!この世から ・・・一匹・・・残らず!!

 

 

―――そして、この与えられた屈辱を果たして、外の世界を探検するんだ。アルミンと一緒に!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?

エレンのお母さんがエレンとミカサを助けるために、自分の足は潰れていると嘘を言ったのがすごい感動的ですよね。原作では足からは血一滴も流れてなかったですもんね。

次回からは、訓練兵団編です!

転生した主人公の実力はどうなのでしょうか?
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