反撃の転生者―エレン―   作:KEIWORD

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訓練兵団編、半分を過ぎます。


5―始動―

 

 

「今日よりは、技巧術、座学、格闘術、馬術、立体機動、立体機動に必要な応用能力の強化などをそれぞれ開始する。立体機動は、少し座学で知識を学んでからになる。

これからの訓練では、各科目にそれぞれ数名の教官がいる。私は主任として主に実技科目で貴様らを指導、評価する。

これからの訓練はここまで残ってこれた者が受けられるものだ。例年では、ここまでで60人ほどの脱落者が出ている。しかし、今年はなんとわずか14人だ。これは素晴らしいことだ。しっかりこれからの本格的な訓練に励む様に!」

 

『ハッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえアルミン。脱落者が少ないのって・・・」

 

「エレンのおかげだろうね。僕もクリスタもエレンに助けてもらったでしょ?」

 

「う、うん・・・・・・///」

 

エレンという文字に顔を赤らめて下を向く。勘が鋭いアルミンはすぐに気づく。

 

(ああ・・・クリスタはエレンが好きなんだ・・・)

 

クリスタが少し好きだったアルミンは少し残念に思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―座学―

 

「今日の講義はまず、立体機動装置はどのように飛ぶのかというところから始めます。立体機動装置はすぐに事故につながるので、しっかり聞いて、メモもとっておいてください」

 

場所は講義室。女性教官が前で実際に立体機動装置を教壇に取り出して説明を始める。

 

「これが立体機動装置です。まず装着の仕方ですが、この部分を腰に装着してこういう風にして、これをこうします。そして―――」

 

実際に立体機動装置を装着しながら説明する。

 

 

「なあ、ベルトルト・・・」

 

教官が説明している中、小さな声でライナーが横のベルトルトに話しかける。

 

「・・・・・・何?」

 

話聞きたいんだけど、と言う様にでライナーを睨む。ライナーは気にしない。

 

「あの教官美人だな」

 

「・・・・・・ちゃんと話聞いてるよね?」

 

はあ〜と溜め息をつくベルトルトは、ライナーを無視して話に集中した。

 

 

 

 

 

 

「では装着が完了したところで、どのように飛ぶのか、ということを理解してもらいます。

まずワイヤーを照準、射出するのはこの両手の柄で操作します。引き金を引くと、アンカーが射出され、そのアンカーに取り付けられたワイヤーを巻き取る力と、高圧のガスの噴出によって飛ぶことができます。では、詳しい説明ですがこういうふうに足の裏のベルトに体重をかけることで、ワイヤーを巻きとっている最中に細かく素早く空間を移動することができます。その際、注意することは―――」

 

 

 

「おいコニー、起きろ」

 

トーマスが教官に聞こえないよう、小さな声で話し掛けながら横で寝ているコニーを叩いて起こす。

 

「ここで寝てたら、ずっと分からなくなるぞ!」

 

「う・・・う〜ん・・・」

 

「何か夜夢見ちまってちょっとホームシックになっちまったんだとよ。んでそれで寝てない」

 

「ガチ寝してるよこいつ・・・」

 

隣のトーマスが困った顔をする。

 

「おいコニー起きろ、憲兵団に入ってお前の母さんを喜ばせんだろ?」

 

メモを取りながら、トーマスの反対側に座っていたエレンが手を止めることなく言う。はっ、とコニーが起きて、エレンに礼を言う。

 

「いいって、それより寝てた時の分は明日の最初の立体機動の訓練の時に教えてやるから今やってるとこは しっかりおさえとけよ?」

 

「おう、サンキューな」

 

重ねて礼を言うコニーに手で返事を返し、講義に集中する。コニーも眠そうな目ではあるが、集中する。

 

(何でオレが言った時は起きなくて、エレンが言った時は起きたんだ?別に声の大きさは変わらなかったのに・・・)

 

講義を聞きながら、首を傾げる。

 

 

 

 

その後の講義は、立体機動の詳しい操作の仕方と、今後の立体機動の訓練の概要だった。

 

「今日の講義は以上です。次の時間は応用能力ですね。では起立、礼」

 

『ありがとうございました!』

 

 

 

 

 

 

 

―応用能力―

 

場所は屋外の崖付近。高さは30メートルほどといったところだ。教官が崖側に立ち、訓練兵は教官の前に整列している。

 

「君たちにここに来てもらったのは知っている通り、応用能力の強化だ。ではその応用能力とは何なのか、ということだけど、立体機動において欠かせない、対G能力、空間把握能力、そして目を回さないための三半規管などの普通の体力強化だけでは鍛えられない能力を鍛える。また、空中で素早く自分の状況を認識してパニックにならないための強い精神力も必要だから、それも鍛えていく。

立体機動を始めるにあたっては、まず高い所や空中での恐怖は取り去る必要がある。それもまた同時に進めていくことになる。

この訓練は一歩間違えればすぐ死に繋がるとても危険な訓練だ。実際に、毎年死者が出ている。ただ、これができないと、君たちはただの巨人の餌だ。集中して訓練に励むこと!いいな!」

 

『ハッ!』

 

「ではまず、君たちに崖の下まで降りてもらう。命綱はあるから安心してくれ。

本来、人間は2次元的な動きをする動物だ。空中を舞うなんて、自然には成し得ないけど、その人間を3次元に適応させるには、やっぱり過酷な訓練が必要になる。この応用能力では、その力を養成する。

それでは訓練を開始する。1列目、前に出てくれ」

 

 

教官が最前列の中の真ん中のコニーに近づき、コニーを例に命綱の付け方や、細かい注意事項を説明する。周りの者はそれを見て真似る。

つけ終わって、しっかりと命綱が結ばれていることを確認したところで、最前列のほとんどがが崖に慎重に近づき、ゆっくりと足を崖の向こう側へやり、恐る恐る降り始める。真ん中のコニーはするするとテンポよく降りていく。軽い身のこなしであっという間に下までたどり着いた。

それを見届けたあと、教官がああしまった、という顔をしてほかの訓練兵に補足する。

 

「あ、言い忘れてたごめん。今回は回転の良くない訓練だから、待っている者並びに降りた者には別のことをやってもらう。何かというと、器械体操だ。器械体操は応用能力の主な内容になる。器械体操は俺は見れないから他の教官に見てもらうから、その教官の言うことを聞いてすること。崖の下にもマットはあるから、時間を無駄にしないように」

 

(こんな大事なことを言い忘れるなんて・・・)

 

(お茶目な教官だな・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ!ふっ!」

 

―――エ、エレン速え!あれほぼ落ちてるじゃねえか!?

 

ジャンと同時にスタートしたエレンは、落ちるように降りていき、あっという間に地面にたどり着いた。

 

―――エレン速い・・・ここでも置いていかれている・・・

 

同じくエレンと同時にスタートしたミカサはそう思いつつも、かなりのスピードで降りていった。

 

 

 

 

 

 

 

―――今年はキースさんの言ってたとおり逸材がゴロゴロいるなあ。それに、全体的にも例年より大きく良い成績だし。それにはさっきの落ちるように崖を降りてったやつ、エレン・イェーガーが関係しているってキースさんが言ってたけど・・・

な!?訓練初日で20回連続前転をあんなスピードで!?しかも終わってもなんともなさそうだ!なるほど、彼は怪物になりそうだね。それと、ミカサ・アッカーマン。エレンには遠く及ばないようだけど、あんな大技の組み合わせを早くもこなしている。その他にも優秀なやつは沢山いるなあ。これは3年後が楽しみだ。

 

「よーし、みんな降りたなー!次は登るぞー!」

 

 

 

 

 

 

―馬術―

 

「馬術ではその名の通り、馬を操る。まず、何よりもやってはいけないのは馬をダメにすることだな。馬1匹を価格に置き換えると、生産者の障害年収に該当するからな。そうなったら馬鹿みたいに重い罰則が・・・馬だけにな」

 

『・・・・・・・・・』

 

教官は何もなかったかのように話を続ける。

 

「じゃあまず馬についての知識だけど、ここをこうやってやるとすごい喜ぶ。それに、馬の体にもいいからな。あとな――――」

 

 

 

 

 

―2時間経過―

 

「―――ということだから、馬はずっと人間の足として活躍してきた。

まあ言いたかったことはこれだけだな。じゃあ訓練の説明を始めるか」

 

 

(長い・・・・・・)

 

(やっとか・・・・・・)

 

(ん?なんかデジャヴ)

 

 

「では、まず馬に器具を取り付ける所から始めようか。この器具はこういうふうにして、そしてまたがるのはこの部分。この時――――」

 

 

 

 

 

 

「クリスタうまいな」

 

馬に器具を取り付け、乗ってゆっくりと歩いているクリスタにライナーが話しかける。

 

「そうかな?動物が好きだからかな?」

 

(うむ、可愛い・・・・・・)

 

(ライナー・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

「うわっ、何だよ!?」

 

「エ、エレン気をつけて!」

 

エレンが乗っている馬は暴れていて、それをエレンは落ないように必死にしがみついている。

 

「どうしたんだよ!?」

 

必死になだめようとするが、馬は暴れ続ける。

 

「エレン、その乗り方は馬が嫌がっちゃうよ!こんな風に乗ると落ち着くよ?」

 

トコトコと馬に乗ったままエレンに駆け寄り、クリスタが実際にやって見せるのを、エレンが見よう見まねで真似ると、馬が暴れるのをやめる。

 

「お、本当だ。サンキュークリスタ!」

 

エレンは笑顔で礼をいう。

 

「ど、どういたしまして・・・///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コニー、その器具前後逆ですよ」モグモグ

 

「え?何食ってんのサシャ?」

 

サシャの言葉は手に持っているものでコニーには届かない。

 

「茹でた芋ですけど・・・?」

 

「お、おい、教官が来たぞ!」

 

教官が笑顔で近づいてきて、サシャに話しかける。

 

「お、馬のために自分のご飯を残しておいたのか?偉いじゃないか。あまり良くないんことだが、馬のためというなら見のがしてやる。芋なら食べさしてもいいからな。さあ、食べさしてやれ」

 

「え?」

 

は?という顔をするサシャに、さすがのコニーも小声で忠告する。

 

(おいサシャ、その芋は諦めろ。また馬鹿みたいに走らされるぞ)

 

(そ、それは・・・でも、これは・・・)

 

(早くしろ!)

 

(ううう・・・)ポロポロ

 

涙を流しながら、自分の馬の口に手の芋を持っていく。馬は一口で食べる。

 

(耐えろ、サシャ!)

 

(はい・・・・・・)グスッ

 

「何の茶番だよてめえら・・・」

 

その茶番を横で馬にまたがりながら見ていたジャンがあきれ顔で話しかける。

 

「うおっ、ジャンどっちか分かんねえ!」

 

「ぶん殴るぞてめえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―格闘術―

 

「俺が主に担当する格闘術では、おもに対人格闘を行う。兵士になれば敵は巨人だけではなく、犯罪者の対処も行うからな。基本的な護身術や拘束術などを行っていく。んじゃまずは簡単な組み合いからやってくか。体格の近いものと2人1組でペアを作れ」

 

ガヤガヤとして、ペアを組んでいく。エレンはなぜかライナーと組むことになった。

 

 

 

「よし、余ってるやつは居ねえな。そんじゃ、まず簡単な力比べ。相手を転ばせたら勝ち。スタート!」

 

 

 

 

 

 

「ふふっ、僕に勝てるかな?ジャン!」

 

「お前には負けねえよマルコ!」

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ!」

 

「?」

 

ライナーがエレンに組みに行こうとした瞬間、まばたきをした間に空に投げ出され、約1秒の間空を舞い、重力に引き付けられる。

 

ズドン!!

 

「いてっ!!

な、何が起こったんだ!?」

 

「わ、わりいライナー!力の加減が下手なもんでな・・・」

 

何が起こったのか分からずにキョロキョロと周りを見回すライナーにスッと手を伸ばす。ライナーはその手を掴み、起きあがる。

 

「あ・・・・・・ああ、気にするな。それよりもよエレン、お前、力の加減ってもんを覚えた方がいいぞ。俺だったからよかったものの、他のやつなら怪我するかもしれん・・・」

 

「そ、そうか、気をつけるよ」

 

 

 

 

 

 

「アチョー!」

 

「いたっ!

あ・・・あのさコニー・・・相手を転ばせばいいだけだから空手チョップとかやめてくれる・・・?」

 

「え?戦いじゃねえの?」

 

「違うよちゃんと話聞いとこうよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やああああーーー!」

 

クリスタがアニに組もうとする。クリスタは組む前にヒョイっと持ち上げられ、割れ物を地面に置くようにそっと背中から倒された。

 

「え、ええ!?」

 

クリスタはあまりにあっさりやられて驚いている。

 

「あんた、軽すぎ」

 

はあーっとため息が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

「なあミカサ・・・」

 

「・・・」

 

「頼むからその目やめてくれないか?その獲物を見る様な目」

 

このペアはミカサとユミル。ミカサはじっとユミルを見つめている。

 

「まあいいや・・・」

 

ユミルがミカサに組もうとするが、背負い投げであっという間に倒されてしまう。

 

ドスン!!!

 

「いててて・・・

なあミカサ、もうちょっと加減ってもんがあるだろ?エレンと組めなかったからって私にあたるな」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

―――ほう、なかなかみんな筋がいいな。エレンとミカサとアニの3人は特に素晴らしい。

 

「次は勝ったもの同士負けたもの同士で体格が近いものとペアを組めー!」

 

「エレン、組も・・・」

 

「おーいマルコー!組もうぜー!」

 

「いいよー!」

 

(マルコに負けるとは・・・・・・くそっ、このままじゃ憲兵団なんて到底無理だ・・・もっと努力しねえと・・・)

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

(よしっ、ジャンはいねえな・・・)

 

「とーーーーうっっ!!!!」

 

アマイ!!

ナンダト!?カクレテイタノカ!?

ドスッ!!

グフッ!!!

ドオン!!!

バタッ!

 

 

ジャンが浴槽に飛び込むコニーを下から飛び膝蹴りで天井に叩きつける。

 

「くそっ、今日もダメだったか・・・」

 

「おいコニー、いつまでやるつもりだ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあアルミン、今日は楽しかったな」

 

「そうだね、僕は色んなことを知れて楽しかったよ」

 

「オレは実際にやる方がいいな。座学は苦手っぽいな・・・」

 

「実技は知識があってこそだよ?分からない所ができたら、僕が教えてあげるよ」

 

「ほんとか!?」

 

パアッとエレンの顔が明るくなる。

 

「うん!昨日までの恩があるからね」

 

「いや、大したことした覚えはねえんだけど・・・」

 

エレンは首を傾げる。

 

「そんなことないさ。自覚がないだけだよ」

 

「そんなもんか?」

 

「そんなもんだよ!」

 

「それよりよ、明日は立体機動の訓練だろ?楽しみだな!」

 

「僕はちょっと空を飛ぶなんて怖いけど・・・」

 

「大丈夫だって。アルミンならできるから」

 

「どうしてそう言えるの?」

 

「アルミンは根性あるからな。この1ヶ月間だって、お前は本当によく頑張ってた。ああいったのは結局のところは自分の根性次第だからな。だから立体機動もきっと大丈夫だ」

 

「あ、ありがとうエレン!」

 

ニコッと温泉に浸かりながら笑い合う2人。

 

 

(悪くねえ・・・・・・)

 

(ライナー・・・・・・君は一体どこへ向かって行くんだい・・・?)

 

 

ニシテモアイカワラズイイユダヨナ~

 

ボクガ1カゲツカンガンバレタノハエレントコノユノオカゲダカラネ~

 

 

 




馬が生産者の生涯年収に値するってのは現在公開可能な情報の公式設定です。あくまで調査兵団の馬ですが。

他にも、公式設定を元に執筆していっています。
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