コードギアスの世界にアミバの能力を持った転生者って需要が有るんですかぁ〜!? 作:TNKエース
あの空に浮かぶのは
「(綺麗に抉れてるな)」
アミバは徹夜明けの脳味噌に喝を入れる為にブラックコーヒーを飲み込む。
先程までは医務室は満員御礼。医療班は先程まで全力全開フルスロットルだったので一部は仮眠中だ、仮にもアミバの肉体を持つアミバには、かなりの余裕があった。
「そういえば、ブリタニアのシュナイゼルが停戦交渉しているって、誰かが言ってたな……」
アミバはコーヒーの容器をゴミ箱に捨てて、重傷患者の容体を見に行く。
そろそろ交渉も終わっただろうと、医務室で朝飯兼昼食の中華粥をハフハフと食べていると、
ドゴォン!!と轟音と大きな揺れが発生し、粥の中身を零してしまうアミバ(及び食事中の患者達や部下達)
「熱っ!熱っ!!」
何が有ったのか?ブリタニアからの攻撃?と外を見てみると、
「蜃気楼が……」
ゼロ専用機である蜃気楼が本来なら出てくる事のない場所から出てきたのだ。
しかも、ブリタニアのモルドレッドがそれを追いかけていく。
アミバは訳が分からなくなり、ブリッジへの内線を開く。
「ブリッジ!此方アミバだ!一体どうなっている!?どうして蜃気楼が!?」
『此方、ブリッジです!私にも分かりま…あっ『アミバか?扇だ!ゼロが裏切ったんだ!」
はぁ!?
アミバだけではなく、その場に居た全員が頭に?マークを浮かべる。
アミバは再び外を見る。
蜃気楼がモルドレッドに追いかけられ……何か瞬間移動していた。
アミバは俺の頭がおかしくなったのか?
と呟いた。
暫くして、蜃気楼を追撃して何故か海面に激突した暁隊のパイロット達の処置を終えて、俺は扇達の元に向かう。
そこには吉田や永田達の写真に手を合わせている扇とカレン達、旧扇グループの面々がいた。
「アミバか……」
「何が有ったんだ?」
アミバは扇を見据える。
「ああ、実は……」
扇は語る。
ゼロの正体はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
ブリタニアの皇族で有った。
ルルーシュはギアスと言う力で人を操り
あの大虐殺を起こした。
更にはルルーシュは旧中華連邦領地に有ったとある施設で、非戦闘員や少年少女を虐殺したとの情報もある。
アミバは頭を抱える。
そして、頭の中で線と線が繋がり、
「扇、その情報を持ってきたのは、シュナイゼルなんだな」
「ああ!」
「カレン。ナナリー総督とルルーシュは兄妹なんだよな……」
「えっ?うん。そうだけど……」
「ハァ……」
アミバは溜息を一つ。
「つまりは、敵国の宰相が出してきた情報を全て鵜呑みにして、我々のCEOを売り払い、超合衆国及び、全ての日本人を裏切ったのか……」
「違「アタァ!」うがぁ!」
アミバは、扇に向かって経絡秘孔の一つ『新膻中(術者が声をかけないと動けなくなる)』を突いた。
「南、杉山、扇を医務室に連れて行け。もしかしたらブリタニアに何かをされているかも知れない」
「ちょっと待ってくれ!俺は「アタァ!」アガァっ!」
今度は頬内(顎の力を無くす)を突く。
「他の奴から聞いたが、こいつの横にはブリタニアの女が居たそうだ。
恐らく何かしらの薬物による暗示をかけられたかも知れない」
「「「「!?」」」」
「って事は何か?扇がゼロを裏切ったのはブリキ女が何かしたって事か!?」
「可能性はある。そもそも優柔不断を絵に描いたような扇が、交渉ごとを強気で出れるか?」
「確かに……」「そういえばブラックリベリオンの時にあの女見たな……」「俺たちはシュナイゼルの掌で踊ってたって事かよ!」
カレン、南、杉山はアミバの言葉に同意してしまう。
「あ〜!あ〜!」
扇は何かを言っているが、顎の力がない為に何も言えなかった。
「安心しろ。扇……仲間であるお前を見捨てねぇよ。例え、ブリキの奴等に操られていたとしても……だよな!皆!」
玉城は扇の肩を持ち、他の面々もああ!と返す。
「よし、ブリタニアや藤堂が言った事を皆で手分けして、聞こう。考えるのはそれからだ」
「あっ、そう言えばゼロが、戦死したって公式発表どうする?」
アミバはお前らな……と呟き、
「とりあえず、それは保留だ。最悪代役を用意しないと……俺は公衆に立つのは苦手なんだがな……」
アミバは溜息を付き、出来ることを始めた。
斑鳩内の会議室
そこにはアミバ、カレン、南、杉山、玉城、ラクシャータ、顔に湿布を貼った藤堂が揃っていた。
「では、先ず俺から行こう。
医務室で扇の血液検査をしたが、一切の薬物反応が無かった」
アミバの言葉に、旧扇グループの面々が騒めく。
「その代わりに、MRAの結果大脳の一部に極軽度の異常が見付けられた。
通常、この部位に異常が発生する事は無く、有ったとしても、何かしらの言語障害や痴呆が発生する」
「つまり……」
「普通じゃあり得ないって訳ね。アタシも脳は専門外だけど、これが普通じゃないってのは分かるわ」
「そして、俺達は既に有り得ない事を知っている」
「「「あっ」」」
皆が気づいた。蜃気楼のあの不思議な動きを、まるで瞬間移動したかのような動きを……
「追ってた暁のログを見てたんだけどさぁ。
何か、急にパイロットの動きが止まってから落ちちゃったって感じだったわ」
「ほぅ、それはそれは、ではこの映像を見てくれ」
アミバはスクリーンを起動して、映像を出す。
映像には褐色のブリタニア人の女性。ヴィレッタ・ヌゥが映っていた。
何故か、彼女の前には縦に五等分されたカボチャが有った。
「さて、お嬢さん。貴女のお名前と所属は?」
「あ……ああ、私の名はヴィレッタ・ヌゥ。ブリタニア軍中佐だ…」
ヴィレッタは青褪めた顔で、自己紹介する。
「ディートハルトからの情報だと機密情報局と言う組織に所属していたそうだが?」
「あ……ああ……ゼロ……ルルーシュを監視する為にな……」
「それは何故?」
「C.C. ……と言う女を捕獲する為にだ」
「ほぉ、何のために?」
「それは……分からない……ただ皇帝陛下に命じられただけだ……」
「では、ギアスと言う能力に心当たりは?」
「そ……それは……」
言葉に詰まるヴィレッタ。
そこにアミバの手が先のカボチャを手に取り、
バキバキと音が鳴り響く。
「ヒッ!分かった!言う!言うから!!
陛下から聞かされた!陛下自身もギアスを持ち、部下にも時間を止めるギアスを持っている!!」
彼女の前にバラバラにされたカボチャが投げられる。
そこで映像は消えた。
「あのブリキ女を尋問したのかよ!」
「相変わらずスゲェ腕力だな!」
「ってか、ギアスってブリタニア側の超能力じゃねぇか!!」
玉城の怒りは最もだ。
ルルーシュ一人が持つ催眠術の様な力と思えばブリタニアの持つ超能力……マッチポンプである。
「そういえばさ……
カレンが出した紙には羽を広げた鳥にも見えるマークが刻まれていた。
「このマーク、神根島に有った遺跡にも有ったんだけど……これって偶然なのかな?」
カレンの疑問……神根島にいる皇帝……ギアスと言う超能力……アミバはこの三つに繋がりは無いかと思考するものの、何かしらを企んでいる程度しか考えられなかった。
「少なくとも、シュナイゼルには接触はやめておいた方が良いな……」
「しかし、この後は星刻や神楽耶様との停戦交渉が有る。
その時にはどうしてもシュナイゼルと顔を合わせることになるぞ」
場が静かになる。
「ってかよ。そのギアスってどうやってかけてんだ?
5円玉でも使うのか?」
玉城の的外れな一言で緊張した空気が少し綻ぶ。
「漫画とかだったら眼とかか?」
「いや、それだったら蜃気楼の一件はどうするんだよ」
「とりあえずさぁ、この後は神楽耶達が来てからにしない?」
グダグダな空気をラクシャータが締めて、その場は解散になった。
それから、暫くして星刻と神楽耶達が輸送機でやってきたので、これ迄の経緯を話す。
「ふむ、ゼロ……いや、ルルーシュがギアスなる力を持っていたのなら、高亥が黒の騎士団を受け入れたのも分かる」
「それに、ゼロ様の起こした奇跡の数々の正体も、シュナイゼルの言う通りにゼロ様がユーフェミアを操つ「ゼロはンなことしねえ!っつか、俺がそんなの持ってたら皇帝に死ねって、さっさとぶっ殺してるよ!」
神楽耶の日本人逆殺の真犯人がユーフェミアではなく、ゼロがユーフェミアを操って行った。と言おうとすると、玉城が反論する。
「俺ぁ…ゼロの話を聞かずに……親友だと思ってたアイツに銃を突きつけちまったんだ。
もう、ダチを疑いたくねぇんだよ!」
「玉城」
玉城の慟哭に南達はおろか星刻の心にも響く。
「俺もゼロがあんな事をするとは思えない。
ギアスの事を抜きにしてもユーフェミアの変わりようは異常の一言だ。
多少でもユーフェミアを知っている人間なら可笑しいと思うだろうし、そうなったらゼロが何かをしたと思うのは明白だ。
俺の予想でしかないが、シュナイゼルがギアスで後催眠の様な何かで日本人を虐殺しろと命じていたと考えたほうが自然だ。
何せ、弱肉強食の思考を持つブリタニアの王族だ。
使える物は異母兄弟でも使うんだろうさ」
アミバの中では、扇がルルーシュを絶対的な悪だと思っている様に、シュナイゼルは爽やかな顔の中に冷血非道な面を持っている。と認識していた。
まあ、曲がりなりにも正義の味方をしようとして、仲間の事を考えているルルーシュと敵側でその心に熱を持たないシュナイゼルでは信用は比較にならない。
「ふむ、しかし停戦交渉はどうするか……いっその事、通信モニターごしでやるべきか?」
「ですが、それでは超合衆国の威信に関わります」
「けど、シュナイゼルと目を合わしたら操られるんじゃ?」
皆が皆、意見がでず……悩んでいると、
「少し休憩にしよう。少し休めば何かしら良い案が出るかも知れない」
アミバの提案に皆、同意する。
一方その頃、アヴァロン内部ではスザクがロイド達にアルビオンを用意する様に命令をしていた。
そして、アミバは看板部分で砂糖多めのコーヒーを飲みながら、空を見ていた。
気分を変えれば、何か思いつくと思い……
洗脳される覚悟で自分が新血愁を突くか?と考えながら空を見ていると、
……北斗七星が綺麗だな……
と、関係のない事を考えていると、
その横に怪しげな星を見つけた。
「おいおい、まさか……あの空に浮かぶのは……」
死兆星……