コードギアスの世界にアミバの能力を持った転生者って需要が有るんですかぁ〜!? 作:TNKエース
ただいま
嫌な予感がする。理屈では無く、直感的な何かだ。
それは式根島……いや、神根島の方角。
ギアス……遺跡……ブリタニア皇帝……間違っているかもしれないが、俺の中の何かが繋がった。
神根島にある遺跡はギアス能力の増幅装置で、皇帝は遺跡でギアス能力を使って世界征服を行おうとしているのか?
無論、アミバの推理は的外れではある物の、世界をどうこうすると言う一点のみは合っていた。
星刻も、神楽耶も俺の様な偽の天才なんかより、よっぽど優秀だ。
後の事は任せて、俺は神根島へと向かう為に格納庫へと向かう。
途中で玉城と出会い、少し気になる事が有るから偵察に出ると言い。
玉城が何か言ってくるが無視して格納庫へと向かった。
格納庫の端に鎮座している。アミバ専用機『七星』(ななほし)
蜃気楼の変形機構の試作品をベースに、絶対守護領域を簡易化した守護領域と加速力と最高速度に特化したフロートユニット、蜃気楼をも超えるステルス性能を持つ。紅蓮聖天八極式やランスロット・アルビオンを除いた機体の中ではトリスタン(飛行モード)ですら追いつけない最速最弱の欠陥機である。
最速最弱の欠陥機?と言われてもピンと来ないだろうが、
守護領域の防御力は輻射障壁よりも高いものの、絶対守護領域に比べれば低い。
オマケにエナジーの消費も攻撃に対して適時に対応する絶対守護領域に対して、守護領域は一枚板の様なシールドを展開する事しか出来ない(形状は変えられる)。
そして、欠陥機の特徴と言われる存在……フロートユニット……見た目はブリタニア製のフロートユニットを基本としているが、このフロートユニットは先も言った通り加速力と最高速度に関してはピカイチである。
そう、Gもまたピカイチであるのだ。
ルルーシュが使えば死に、カレンやスザクですら最高速度に至れば失神する程の速度。
これを使えるのはギアス世界ではチートと言っていい肉体を持つアミバだけしか乗れなかった。
故の欠陥機
そして、武装は蜃気楼なら拡散構造相転移砲を持つが、七星には無く、代わりにエナジーフィラーを増設している。
故に、装備は自衛用のハドロンショットとスラッシュハーケンのみ。
サザーランド級ならともかくラウンズや斬月級の機体に比べたら最弱と言っていいだろう。
アミバは七星に乗り込み、神根島へと向かった。
アミバが神根島に向かった事を神楽耶達に伝えた玉城、
既に七星は出てしまい、通信にも応じない。
「アミバめ!何を考えている?」
星刻は眉を顰める。
「………ですが、アミバは一介の医師です。
本来ならここに来る人間ではありません」
傷の治療を終えたディートハルトの言葉に、それは分かっている!と怒鳴る星刻。
「寧ろ、彼が、向かった先にある神根島にはブリタニア皇帝がいます。
もしも、ギアスで操られでもすれば、ゼロ亡き黒の騎士団は完全に崩壊します」
本来の世界線では、扇にボコられて黒の騎士団を抜けようと考えているディートハルトだったが、アミバに治療された分の義理程度は返しておかないとディートハルト自身の気は済まなかった。
「分かっては…いる」
星刻は力無く、答える。
黒の騎士団……及び超合衆国はルルーシュ…‥ゼロの存在と、アミバのコネクションの二つが大きい。
ゼロの策謀とギアスによる戦果、アミバの北斗神拳による西洋医学では不可能な治療術……その凄さは星刻自身の身が知っていた。
その頃アミバは最高速度で神根島に向かっていた。
皇帝はグレードブリタニアか遺跡周辺のどちらかだろう……。
アミバとしては失敗は出来ないししたくない。
故に、馬鹿をやる事にした。
グレードブリタニアブリッジにて
モニカ・クルシェフスキーは周辺の警戒をしながらも、何故皇帝陛下はこの様な島に?と考えていた。
しかし、その考えは部下の声で掻き消された。
「クルシェフスキー卿!未確認の飛行物体が此方に接近!……速い!!」
「迎撃しろ!」
モニカは直様に迎撃を命じる。
ジノのトリスタンでさえ、この速度は出せないと知っているモニカは、弾道ミサイルだと判断し、グレードブリタニアの単装砲とブレイズルミナスで防御しようと指示を出す。
しかし、
「飛行物体!尚も接近!映像を出します」
「KMF!?馬鹿な!?……ロイヤルガードを出せ!直衛のKMFも「敵!さらに加速!!推定速度!マッハ3!?「何っ!?」
飛行するKMF……七星は守護領域を鏃の様に展開し、展開されていたブレイズルミナスをシャボンを割るかの如く貫き……そして、グレードブリタニアの中央部分を貫いた。
「ぐぅ……総員!直ちに侵入者を排除しろ!!」
モニカは部下に指示を出しつつも、自分の未来がない事を確信していた。ラウンズを降ろされ、修道院に入られれば御の字、悪ければ首が飛ぶであろう。
まぁ、そんな事を考えても、彼女にはもう関係が無かった。何故かって?
七星が自爆したからである。
元々サクラダイトは爆発する性質を持つ。流体化すれば掌サイズでも10メートル強は殺傷能力を持つ。
では、個体とはいえ、KMFのサクラダイトが爆発すれば?そしてそこが戦艦の内部だとすれば?
爆散し、僅かに残った両翼のパーツが海面に墜落した。
残った親衛隊達はそれを呆然と見ていた。
闇夜を利用して近づく影に気付かずに
アミバは海面を泳ぎながら、神根島へと辿り着く。
アミバがやったのはこうだ。
先ず、自動操縦で七星を動かし、ある一定の距離になったら、最高速度で突っ込む様に仕込んでおいたのだ。
そして、最高速度に達する直前に自分は七星の中に入れておいたマント(中東にて使用)を持ち、七星から飛び降りた。
降りる迄の風圧は守護領域を変形させ防ぎ、
飛び降りた後は、マントを忍者が使う様にブレーキとして使い、海面を走行し、最終的には泳いだが、無事に神根島に到着した。
アミバは濡れた黒の騎士団の制服を脱ぐ。
最後に七星に仕込んでおいた自爆装置を使って、グレートブリタニアごと爆発させたのだ。
そして、別に用意してきた服を着込んだ。白を基調とした……もっと言うなら、原作のアミバが来ていた様な服だ。
そこに扇やカレン達がつけているヘアバンドを付ける。
「行くか……」
そう呟き、アミバは駆け出した。
その頃、遺跡の方では、
皇帝を除いた面々、ビスマルクと研究者や護衛の親衛隊が騒いでいた。
「クルシェフスキー卿!応答せよ!クルシェフスキー卿!!」
ビスマルクは通信機でモニカと連絡を取ろうとするが、誰も通信に出なかった。
「ちぃ」
役に立たない無線を投げ捨てると皇帝の前に膝を突き、
「陛下。御身に危険が迫っております。此処は速やかに黄昏の間に退避をすべきかと……」
と、進言する。
「ふむ、遺跡の用意はどうなっている?」
「はっ!もうまもなく扉を開く事が出来ます」
「そうか……「陛下!!」
皇帝が油断した瞬間、森の中から幾つもの矢状の何かが飛んでくる。
ビスマルクは直ちに察知し、皇帝に向かってくる物を全て切り落とす。
「なっ?」
ビスマルクは驚く。
何故ならそれは矢でも銃弾でも無く、先を尖らせた木の枝だったのだ。
幾度も投げられる木の枝。
それは鋭く、近くに居た研究者の男の頭蓋を貫き、親衛隊の足や肩を貫く。
「くぅ!この野郎がぁ!!」
親衛隊の一人が手に持つアサルトライフルを乱射する。
放たれた銃弾は森の中へと吸い込まれていく。
ヒュッ
ズドッ
しかし、再び投げられた木の枝は彼の心臓を貫き、
最後は胸に突き刺さった木の枝に呆気に取られて死んでしまった。
そして残ったのは中にいる遺跡の中にいる研究者と皇帝とビスマルクだけになると、男は現れた。
白い衣服を身に纏う男。
「貴様……何者だ?」
皇帝は問う。
「……死神だ……」
男……アミバは左手を前に出し短く言い放つ。
「このワシの前で死神とは言え神を名乗るか!?」
「………」
アミバは答えない。最早問答は無用と言わんばかりだ。
「陛下。お下がりください。そしてラグナレクの接続を」
ビスマルクはアミバの前に立ちはだかる。
「うむ。俗事は任せるぞ。ビスマルク」
「イエス ユア マジェスティ」
皇帝は遺跡の奥へと進んでいく。
「逃すと思っているのか!?」
アミバは跳躍し皇帝へと向かう。
「させると思っているのか!?」
しかし、ビスマルクがインターセプトする。
そして二人は同じ事を思った。
「「((コイツ!強い!!))」」
「どうやら、お前を殺さなければ、皇帝を殺れないようだな」
「先も言ったが、させると思うか?」
アミバは南斗水鳥拳の構えを、ビスマルクは剣を構える。
「シャオ!!」
「ハァッ!!」
手刀と剣がぶつかり合う。
と思いきや、アミバは攻撃を一度止め、手刀を剣の側面に滑らせていく。
アミバの必死の一撃が迫るなか、ビスマルクは空手で言う前蹴りを放つ。
しかし、アミバはそれを膝蹴りで迎撃する。
二人の蹴りがぶつかり、その衝撃で離れる二人。
「フッ」
そこでビスマルクは自分が笑っている事に気が付いた。
ああ、そうだ。私は……この様な戦い……否!闘いを求めていたのだ!!
ビスマルク・ヴァルドシュタインは名門貴族のヴァルドシュタイン家の三男として生まれてきた。
貴族の三男坊なんて、予備の予備程度の価値しかない。
ビスマルクは手っ取り早く兄達と差別化を付けるために軍学校へと入り、その才覚で二十歳でナイトオブラウンズのナイトオブファイブに駆け上がった。
当時のラウンズの大半は自分より弱く、ナイトオブワンですら純粋な決闘ではビスマルクには勝てず、ビスマルクは有頂天になっていた。
しかし、その鼻っ柱は後に折られる。
ビスマルクが24歳の時、新しくラウンズ入りした女が居た。
その女の名はマリアンヌ。
当時まだ18歳の乙女だった。
高々平民の女風情がナイトオブラウンズか。ラウンズの格も落ちたな。
とビスマルクが侮辱し、マリアンヌは冷静に
では、お相手してくださいませんか?ナイトオブファイブ。
と、模擬試合を行うものの、結果はビスマルクの敗北。
それも完敗だった。
敗北した当初は自害しようかと思ったが…‥生来の性か、強くなってやると一念発起、今までしていた付き合いとしていた女遊びや賭け事と言った他のラウンズからの誘いを全て断り、
只ひたすら訓練と職務をこなしていった。
しかし、その翌年……ブリタニア皇帝シャルルに対しての反乱が起こる。その反乱は後に、
血の紋章事件
と呼ばれた。
その時、ビスマルクはナイトオブファイブとして、地方貴族の反乱の鎮圧を終え、帝都ペンドラゴンに帰還した時に、当時のナイトオブセブンとイレブンが現れ、皇帝に反旗を翻しす事をビスマルクに告げた。
無論、ビスマルクはこれを拒否し、二人を気絶させようと動こうとすると、二人は銃を取り出し、ビスマルクに向けて発砲。
しかし、この二人は既に戦闘体勢に入っていたビスマルクの手によって殺される。
そして彼が向かったのは玉座の間。
そして、彼が見たのは……
返り血を全身で浴びながらも凛とした美しさを失わないマリアンヌと、マリアンヌに斬られ、血を噴き出しながら倒れ伏せるナイトオブワン。
ビスマルクはその時、マリアンヌの強さと美しさに見惚れてしまった。
後にマリアンヌは皇帝を守った事から“閃光”
の二つ名を貰い、マリアンヌ・ヴィ・ブリタニアとして、皆も知っているルルーシュとナナリーを生み、
ビスマルクも今回の一件で反乱に一切の関わりが無い事が分かると、唯一のナイトオブラウンズとして長い間一人で皇帝を守ってきた。
その時に皇帝の同志となり、V.V.からギアスを授かる。
それでマリアンヌに挑むも善戦しても勝てず、暴走するまで鍛え、ギアスを使わずともある程度の相手なら動きを読める様になった。
しかし、そんな彼に不幸が起こる。
マリアンヌの死だ。
あのマリアンヌが死んだ。テロリスト如きに、
ビスマルクはその日、普段は飲まない強い酒をラッパ飲みする程に悲しみに暮れた。
最早、自分とまともに渡り合える者はいない。
生身でもKMFでも自分と戦えば敗北が決まっていた。
ナンバーズ初のナイトオブラウンズ。枢木スザクは自分を越えてナイトオブワンになろうと考えていたが……弱い。ジノやルキアーノと比べれば肉体的には強いが、自分に敵う程では無く、あくまでナイトオブワンになる事が目的なだけだった。
だが、しかし、目の前の男は何だ。
力、速さ、技、どれをとっても自分より強い。
ビスマルクの心は歓喜に満ち溢れていた。
「認めよう……」
ビスマルクの左眼の拘束にヒビが入る。
「お前は、マリアンヌ様に次ぐ実力者だと!」
そして、封じていたギアスを解放した。
「なっ?」
アミバは驚き、直ぐに左手でビスマルクとの視線を防ぐ。
「安心しろ。我がギアスは陛下の様な目と目が合えばかかる様なギアスではない」
「そもそも…ギアスとは何だ?」
アミバは当然の疑問だ。
アミバはコードギアスの名前は知っているが、
それが何を意味しているの迄は理解していなかった。
ギアスと言う言葉自体も扇から聞かされたのが初めてだった。
「さあな、ギアスを授けてくれた方が言うには王の力らしいが、私は只一人の騎士でありたい」
「ああ、そうか……」
話が終わりだと言わんばかりにアミバは攻撃を開始しようとするが、
「左手の突き……」
動く前に当てられ、動きを止めるアミバ。ならばと、
「右足の蹴りか……」
またもや当てられる。
「コイツ……」
「我がギアスは未来を読む!先程までと同じと思うな!!」
「未来予知だと?面白い……面白い?俺はそう言ったのか?」
アミバは自分で自分が言った事が信じられなかった。
アミバにとって戦いは目的を叶える手段でしかない。それを面白い?
「どうした?」
「いや、俺自身はそうだと思っていなかったが……俺もまた一人の拳法家だったと自覚しただけだ」
アミバは淡々と呟き、構える。
「黒の騎士団。斑鳩医療班班長アミバだ」
ビスマルクは少し呆気に取られるも獰猛な笑みを返す。
「我が名はビスマルク・ヴァルドシュタイン!ブリタニア皇帝シャルル・ジ・ブリタニアに仕える騎士なり!いざ!「「尋常に勝負!!」」
二人は勝負を叫び共に駆け出す。
数分が経過する。
「(攻めきれない!南斗水鳥拳を持ってしても!)」
「(捌ききれない!我がギアスを持ってしても!)」
アミバは未来を読むのなら、読まれ、反応する前に攻撃を届かせれば良いと考え、猛攻撃していく。
ビスマルクもその猛攻撃を剣で捌いていくも、僅かだが傷が増えていく。
無論ビスマルクもやられっぱなしではなく、幾度も反撃をするも服と皮膚を僅かに斬るのみだけだった。
アミバは埒が開かないと思い、一撃に……最大の技を持って一気にケリをつける事を決意する。
ビスマルクもまた、アミバの雰囲気が変わった事を感じ、己も渾身の一撃を放つ為に力を貯める。
「いくぞ!!南斗水鳥拳(模倣)奥義!!飛翔白麗!!」
アミバは空高く舞い上がる。
その動きは力強さに満ち溢れており、ビスマルクも僅かに見惚れる。
アミバもビスマルクも渾身の一撃の為に互いに集中していた。
故に気づかなかった。
皇帝を狙うもう一人の刺客の事を、
「ユフィの仇っ!!」
空高く舞い上がったアミバに覆いかぶさる様に飛び上がる刺客……枢木スザクが、アミバの背を斬り裂く。
背中を斬り裂かれたアミバは体勢を崩し、地へと倒れ落ちる。
「ヴァルドシュタイン卿!ご無事ですか?皇帝陛下は何処に?」
スザクはビスマルクの側に近寄ると、皇帝は何処にいるかを聞く。
全ては現皇帝であるシャルルを廃し、シュナイゼルを皇帝にする為に、
そして、日本を取り戻す。
スザクはビスマルクが皇帝の居場所を教えてくれると思っていたが……
「この……痴れ者がぁ!!!」
ビスマルクの激怒共に放たれた斬撃を何とか避けるスザク。
「いっ、一体何を!?」
スザクは混乱する。一応はまだ味方のはずのビスマルクが一方的に攻撃してきたのだ。
「枢木ぃ!!」
しかし、ビスマルクは止まらない。自分の渇望を満たしてくれるはずのアミバを後ろから、それと騎士として大切な決闘を穢されたのだ。
ビスマルクの攻撃を後方へと跳躍し回避するスザク。
しかし、
「ホァ〜っ!!」
倒れ伏したアミバが腕力のみで跳躍し、
「アタァっ!!」
そのまま蹴りをスザクの顔面に喰らわせた。
そのままスザクは近場の岩に頭を打ち、気を失う。
「痛た……」
アミバは背中を摩る。普通なら絶対安静だが、
アミバは秘孔を突いて一時的に痛みを紛らわす。
「………部下の非礼を詫びよう。済まなかった」
ビスマルクは頭を下げる。
「いや、結構だ……これは決闘だが、俺たちは戦争をしている……」
「……そうか」
再び二人は構えた。
問答は無用。
相手の隙を両者は探し出す。
何処かで爆発音が聞こえるが無視する。
ビスマルクの通信機から反乱の報告があるが無視する。
お互いにお互いしか見えていないし聞こえていなかった。
そして再びの爆音が響くと同時に、二人は動いた。
「「ハアァァァァァッ!!!」」
アミバ、ビスマルクの両名は互いの速度が遅くなっているのを感じる。
世界から色が、音が消えていく。
そして、
渾身の一撃が腹を貫いた。
アミバの腹を…….
ビスマルクの突きはアミバの横腹を貫き、アミバの両手突きは片方は外れ、もう片方はビスマルクの左肩に突き刺さっていた。
「惜しかったな……」
あと数センチ、突きの軌道が左だったらビスマルクの頸動脈を抉っていただろう。
しかし突き刺さったのは左肩だ。
ビスマルクは剣を引き抜こうとするが、
「はっ、引っかかったな……」
口から血を噴き出しながら、アミバは腹筋に力を込める。
「何っ?」
タンッ
アミバは一歩踏み込む。剣はアミバの腹を更に進む
タンッ
更に一歩踏み込む。更に剣は深く刺さるが、
「此処は俺の距離だ」
アミバは拳を握り込む。
「き、貴様は……まさか……」
ビスマルクは信じられないものを見る目でアミバを見る。
「この傷でお前と言う強敵に確実に勝つ為に俺は命を掛けたんだ!!」
アミバの言葉と共に筋肉が隆起し、上半身の服が破れていく。
「いくぞ!!ビスマルク!!
これが!俺の!!
あたっ!あたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたーーーーっ!!!」
アミバの高速の乱撃が……否!その全ての拳が秘孔を貫く。
「ぐおおおぉっ!!」
殴られたビスマルクは剣を手放し天へと吹き飛んだ。
「北斗百裂拳だ!!」
今度は自分が地面に倒れ伏し、ビスマルクはまだだと立ちあがろうとする。しかし、
肉体が激痛と共に肥大化していく。
嫌だ!まだこの闘いをしていたいと思っていると、
「ビスマルク……お前はまさしく……
アミバの言葉にビスマルクは一瞬呆け、そして……只一言、
「お見事」
その言葉を最後にビスマルクは爆散した。
Cの世界
ーーー陛下、申し訳ございませんーーー
「ビスマルク……破れたのか?」
皇帝の顔は驚愕に染まる。
帝国最強の騎士がマリアンヌ以外に敗北するなど、あってはならないのに……
皇帝は無言でラグナレクの接続を続けていく。
ルルーシュは皇帝を殺す為に式根島のブリタニア軍をギアスで操り、出撃しようとしたところで……皇帝専用の乗艦であるグレートブリタニアが撃沈してしまった事を知ってしまう。
一体誰が?と思うが、この機を逃す訳には行かず、残った敵機を奇襲で撃破し、自分は神根島に降り立つ。
そして、そこで見たのは……
「ビスマルク……お前はまさしく……
「お見事」
ビスマルクはどう言う原理か分からないが身体が爆発する。
ドスっ!
そしてアミバは膝立ちに倒れる。
無理もない土手っ腹には未だにビスマルクの剣が刺さっている。スザクに斬られた傷も治療せねば出血多量で死んでしまう。
アミバは腰のポーチから緊急医療キットを出すが、出血多量のせいか取り損ねてしまう。
「クソっ……流石に無茶し過ぎたか……」
あと少し、あと少しだけ動けば良い。
あのロールケーキヘアーに一撃さえ当てれば……
アミバは普段に比べれば稚拙な治療をしていく。
「アミバ……」
ルルーシュは何故、自分でも声を掛けたのか分からなかった。
「ゼロ……か」
二人の間を沈黙が交差する。
「皇帝はその遺跡の先だ……先に行け」
アミバは視線すら交わさずに言い放つ。
「………良いのか?」
「お前の方が怨みはでかいんだろう」
後で一発ぶん殴らせろ。と拳を向ける。
「分かった……済まない……」
ルルーシュはそう言うと遺跡へと脚を進めていく。
五分もしない内にアミバは応急処置を終わらせる。
しかし、腹の傷と背中の傷は包帯を紅く染めていく。
アミバは自分が死ぬのを感じていた……しかし、アミバに悲壮は無かった。
ゼロは再び奇跡を起こすだろう。
黒の騎士団も星刻がいるし、藤堂達もいる。
患者に至っては既に自分が居なくても快方に向かっている。
此処で死んでもあとは大丈夫だと確信していた。
だが、しかし、ブリタニア皇帝に対する怒りはある。
この命が残っている内に一発ぶん殴る。絶対にだ。
遺跡の方で爆発が起こる。
自爆!?
アミバは痛む身体を抑え、遺跡へと脚をすすめる。
しかし……それは叶わなかった。
何故?
アーニャ……いや、マリアンヌが駆るモルドレッドがシュタルクハドロン砲でアミバを撃ったのだ。
マリアンヌは
「ごめんなさい。本来の身体だったら騎士として一騎討ちに応じたかったけど、この身体じゃ貴方には決して勝てないわ」
マリアンヌはアーニャの身体では決して勝てないと分かっていた。それほどまでにアミバの実力は高い。
故に彼女は戦士としては失格だとしても大切な人を守る為に、生身の人間に対してシュタルクハドロン砲を撃ち放った。
ハドロン砲の一撃を生身で受けて生き延びる人間はいない……
マリアンヌはモルドレッドを降ろし、黙祷を捧げる。
この名も知らぬ。勇敢な戦士に対して……
そして、ルルーシュ、スザク、C.C.はシャルルとマリアンヌと対峙し、ルルーシュは明日を願った。
その結果、集合無意識はルルーシュの明日を選び、シャルルとマリアンヌは光になって消えていく。
「このぉ!賢しき愚か者めがあぁ!!」
シャルルは下半身が光になりながらもルルーシュの首を……掴もうとしたが別の手に掴まれる。
それは、ルルーシュでも、スザクでも、ましてやC.C.のものでもなかった。
「死神が貴様の命を刈り取りに来たぞ」
アミバであった。
「アミバ!どうして?」
「お前!?」
ルルーシュとC.C.が驚く。
ルルーシュは母から、C.C.は消滅する瞬間を見たが故に、
「そんな!まさか!?」
そんな中マリアンヌだけは理解した……
彼は自分と同じ様に精神力で擬似的な肉体を構成している。
マリアンヌと違うのは自分がアーニャの肉体を依代にしているのに対して、アミバはCの世界に取り込まれたのに自身を構築したのだ。
「ふっ…」
アミバはシャルルを掴んでいる手とは反対の手で自分を指差す。
「俺は……天才だ」
ルルーシュと
「何が天才だ!ワシを拒めばその先にあるのは彼奴の、シュナイゼルの世界だぞ!善意と悪意は所詮一枚のカードの裏表!それを貴様等は!!」
「「だとしても」」
ルルーシュはシャルルを睨み、
アミバは拳を握りしめる。
「「お前の世界は俺たちが否定する。消え失せろ!!」」
アミバの拳がシャルルの顔面にめりこみ、吹き飛びながらマリアンヌと共に消滅していった。
後に残るは四人。
「ゼロ……いや、ルルーシュ。俺はこの世界に取り込まれて、真実を知った。
ユーフェミアの事も、彼女には酷い事をした」
アミバは軽く頭を掻く。
「事故とはいえ、ルルーシュ。あの虐殺の原因はお前だ。
俺はお前を許さない」
アミバはルルーシュの眼をしっかりと見る。
「だから、お前は生きろ。生きて生きて生きて、ジジイになるまで人の為に生きろ。自分勝手に死ぬ事は許さん!」
アミバは次にスザクを睨む。
「枢木スザク。お前はもっと許さんがな!」
スザクをビシッと指差す。
「漢の決闘に水を差しやがって、ビスマルクの手前、ああは言ったがな、絶対に許さん!!」
いや、そっちかよと心の中でツッコむ三人。
「だから……ルルーシュを守れ。絶対にだ」
アミバはルルーシュとスザクの胸を軽く叩く。
「それが俺からの
「いいだろう。その
「俺もその
二人の返答に、アミバは優しく微笑む。
「C.C.……ピザの食い過ぎには気をつけろよ」
「おい待て!なんで私だけそんなんなんだ?」
アミバは踵を返し歩いていく。
そして風に吹かれる様に消えていった。
何もない世界をアミバは歩いていた。
いや、歩くと言う表現は可笑しい。足も何もないのだから、
しかし前に進んでいく。
そして、アミバは懐かしい顔を見つけた。
……よぉ、久しぶり。元気に……って死んでるのに元気も何もないか?
ああ、皆、元気にしてるよ。杉山と井上なんか子供まで作ってるんだ。
そうそう。カレンも元気にしてるよ。今じゃ黒の騎士団のエースだ。
お袋さんも元気だぞ。
ああ、俺を待っている人?あの二人か……ああ、ありがとう。ナオト
アミバは更に前へと進んでいく。そして、ついに見つけた。
色々話したい事が有ったが先ずはこれだなと思い、言う。
………先生、メグ。ただいま………
コードギアスの世界にアミバの能力を持った転生者って需要が有るんですかぁ〜!?完
コードギアス二次創作でもここまでビスマルクを書いたのはそう少ないと思う。
もうちょっとだけ続くんじゃよ。