ミソラ三中の番長 作:箱の中の破壊神
「……うっ。」
「あ、起きた。都森くーん、ユナちゃん起きたよー。」
都森とのLBXで倒れたユナは、ミソラ三中の保健室に担ぎ込まれ、ベッドに寝かされていた。
一応同じ女子なので都森に様子を見る様言われたユウキは、ユナが目を覚ましたことを廊下で待つ都森達に伝える。
「悪いなユウキ、見守らせちまって。」
「はい、ジュース。都森くんの奢り。」
都森と共に入ってきたムツキが片手に持った缶ジュース二本の内一つをユウキに投げ渡す。
一方目覚めてから身体を起こして大人しくしていたユナであったが、都森の姿を捉えると目を見開いた。
「あ……わ、私……負け…………捨てられる。また、捨てられ……!」
「……志島、落ち着いて聞け。」
気が動転しているユナに視線を合わせ、都森は優しくも力強く語りかける。
「オマエはまだ負けてない。」
「……………………え?」
「オレのズールはこの通り健在、だけどオマエのLBXも無事だろ?だったらまだ戦える。」
ユナとの戦いでダメージを負ったズールを見せながら言葉を続ける。
「オマエの勝利条件はオレを倒すことのようだけど、オレの勝利条件はちょっと別。ここを卒業するまでオマエに負けないことだ。」
「……負けない、こと?」
「そう、この一年が過ぎるまでオレはオマエに勝てない。つまり、オマエも負けないってことだ。ま、そのタイムリミットまでに勝てればだけどな。じゃ、オレはこれで。いくぞオマエら。」
保健室を後にし、ユウキとムツキもそれに続く。志島ユナただ一人が、保健室に残された。
『実験は順調かね?』
『はい、現在被験体二人を異なるアプローチで実験しております。』
『そうか、良い報告を待っている。』
『長い間目を瞑ってきましたが、志島ユナはダメです。制御性の不安要素が大きすぎる。』
『そのようだな。今後の実験は灰原ユウヤ主体で行うとしよう。失敗作は適当に処分しておくように。』
『志島ユナ、完全な自由とはいかないが、好きに生きろ。普通に学校へ通い、普通な生活を送り、普通の人生を過ごせ。そのためにできることはしよう。』
(
「都森、マスミ……。私の
「いやー、これでなんとか不登校出さずに済みそうだな。」
「あれ、今年誰も出なかったの?去年10人ぐらいいたのに。」
「
ぶっちゃけ今回の件は完全にダメかと思った。なんか色々ヤバかったし。
余計なこと言わないようにユウキとムツキをジュースで口封じ(物理)させてまで屁理屈述べたけど、アレで通じなかったらオレにもう打つ手は無い。かといって、逆に通じ過ぎて付き纏われるのが一番困るが……ま、大丈夫だろ!
「あ。」
「ん?どしたムツキ。」
「どうせなら一中や二中の一年もやろうかなと。」
「あのさ、今言ったばっかだよね?別のとこなら問題ないって話じゃないからな?」
「む、そろそろ定期連絡の時間か。」
黒スーツにマントを着用した男がCCMの着信に気づいて呟く。早速メッセージを開き、内容を確認すると……。
「なに?番長とその部下に絡まれただと?」
「何見てるんです?」
「例の志島ユナからの定期連絡ですか。」
「初日は欠席させちゃったけど、なんとか行かせられてよかったッスね〜。」
「……少々良からぬ輩に目を付けられたらしい。」
黒スーツの男は、同じく黒いスーツを身につけた女性と二人の男性にCCMの画面を向ける。
「はぁ〜?不良だぁ?」
「これは……考えうる限り最悪の事態ですね。」
「ユナちゃん可愛いから、寄ってきたんスかねぇ……。どうします?」
「不良とはいえ、相手も子供だ。私達が手出しするのは良くないだろう。」
「ちょっ、放置するんですか!?」
「助けを求められれば即座に行動に移す。それまでは様子を見るしかない。」
メッセージに添付されていた写真に目を落とす。そこには、黒髪青眼の少年・都森マスミの姿が写されていた。
(都森マスミか、覚えておこう。)
志島ユナを引き取り、学校へ通わせたことが裏目に出たことの責任を、黒いマントの男・
『ふたりはトラブルメーカー!』のせいで厄介事巻き込まれるように見えて実は本人が元々トラブル体質だったりする