「さくらさん…」
「どうしたの?」
「僕って弱いですか?」
「…正直に言っていいの?」
「うん。正直に言ってください」
「…弱いかな…」
目の前の結果に正直自分でも愕然としてしまっている。だっていくら自分でもこれは信じられない。今日はさくらさんが誘ってくれて事務所の中にある、休憩室で任天堂の有名なレースゲームをやっている。そしてそのゲームの結果に僕は愕然としている。
だってレースゲームが得意でないのは分かっていたことだけど、ここまで自分の結果がヒドイとは思わなかった。
「でも…まさか……全試合…12位」
さくらさんは少し驚いたように口にした。自分でも驚きを隠せない。こんなヒドイ結果になることがあるのだろうか。どれか一つの試合で11位だっていいじゃないですか。なんで全部12位なんて結果なんだろう。
もう何度落ちたことか、数えきれない。これ以上、やったとしても結果が見えていると言ってもいいぐらい。
「あ、でもでも上手くなってるよ!みこなんか下手くそでさ、いつも35Pに抜かされたりして怒ったりしてるんだよね!!」
明らかにさくらさんが気を使ってくれているのが分かる。ホロメンの方に気を遣わせてしまうなんてスタッフとしては失格かな。
「ありがとうございますね、僕を気遣ってくれて」
「い、いや…べつに……///」
「照れてる、さくらさんも可愛いですよ」
「か、かわいい…」
「はい。僕はそう思いますよ」
ホロライブを支えるスタッフの一人としてホロメンの方々の配信を見たりすることもある。さすがに仕事もあるから見れない日もあったりする。でも、なるべく、ホロメンの各々を知るためにも見たりする。ホロメンの方々と話す機会はそう多くないものの、ない訳ではない。だから、一人一人の配信をしっかりと見ることが大切なのだ。もし、会った時に話題を振れるように。
「さくらさんの配信を見たりするんですけど、皆さんがさくらさんのことを大切に想っているのが伝わって来ますよ。まあ、さくらさんの性格が優しい方だから周りに集まる人が優しい方なんですよ」
そう言い終えて隣に視線を移すとそこには…赤面のさくらさんがいた。手で顔を隠していますが、それでも赤面しているのが分かってしまうほどに赤い。
ここまで赤面している、さくらさんはあんまり見たことがない。
「……///」
「本当にさくらさんって可愛いですね」
それから僕はさくらさんに何度もゲームでボコられることになるのだった。