「はろーぼー」
「あ、ロボ子さん。おはようございます。今日は収録ですか?」
「うん。そうなんだ~~」
「収録は色々と体力のいるところですが、頑張ってくださいね」
「頑張るけど、社員さんの方こそ体調の方は大丈夫?」
「あ、それに関してはご心配をおかけしすいません」
あの後、症状が軽くなった後に携帯をチェックすると色々な人から連絡が来ていた。こんなに多くの人に心配を掛けてしまったんだと申し訳なくなったりしたと同時に自分は働いているんだと実感が出来た。社会のピースとして自分はハマっているんだと。
でも、本当にホロメンの方々にも社員の人にも心配を掛けたことは本当に申し訳なく思っている。そしてその一人が目の前のロボ子さん。
「ロボ子としてはキミが元気そうな顔をしていて僕に挨拶してくれるだけで嬉しい」
「そう言ってくださると嬉しいです」
「それで今日は恋人のシチュエーションボイスを取るんだって」
「そうなんですか。それは気合を入れて頑張ってください」
「でも、ロボ子も少し心配だから社員さん、少し手伝ってよ」
「え、ぼくですか?」
「うん」
そうして僕はロボ子さんに手を引っ張られて待合室のようなところまで来た。僕に手伝えるようなことはないんだけど。
「それじゃあ、ロボ子がボイスの台本を読むから社員さんをそこに立ってて」
「ここに立ってればいいんですか?」
「うん。それじゃあ、いくよ」
するとロボ子さんの雰囲気というか…この部屋の雰囲気が変わった気がした。ロボ子さんがさっきまでと違って集中している。ここまでロボ子さんが本気なのであれば自分もそれに答えなくてはと思ってしまった。
「今日はロボ子とデートだね。ロボ子はね~ずっとこの日を待ちわびていたんだ~~」
そう話す、ロボ子さんは本当に自分が楽しいデートの前のように満面の笑顔を浮かべていた。そして聞いているこっちも本当にデートに行くように聞こえて来る。僕はホロメンの方々の動画を見たことはあってもボイスを聞いたことは一度もなかった。もちろん、イヤホンとかヘッドホンで聞くのと目の前から普通に言われるのとでは全然違うとは思いますが。
「今日はロボ子と一番楽しい一日にしよう~~」
本当にロボ子さんの表現の幅を改めて再確認させられた。収録に立ち会うことなんて僕のような新人社員は絶対にない。だからこんな風にロボ子さんがボイスの文章を話しているところを見ると本当にすごいんだなと感じた。改めてプロだなぁと思った。