新入社員とホロメン   作:主義

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新入社員と惚れ薬と3期生

その日、いつもより早く事務所に着いた。遅れるよりも全然良い。 そして自分のデスクの目の前にまで来ると普段は置かれていない物が置かれていた。

 

なぜか僕の机の上に怪しい色の飲み物が五本も置かれていた。そしてペットボトルに入っているものの色が明らかにヤバい色だし、ラベルも何もない。

 

さすがに飲む訳にもいかないので事務所の冷蔵庫の中に入れておくことにした。先輩の社員さんが来たら何なのか聞けばいいしと思って、入れたのが全ての始まり。

 

 

 

 

 

それから、僕は準備であったり、これからの予定などを確認をすることにした。

 

「しゃいんさ~ん」

 

「どうしたんですか?なにか……」

 

言いかけたのと同時に後ろから手を回されて優しく抱きしめてきた。僕もさすがにその状況を理解するのに少し時間を有した。

 

「え、潤羽さん、どうしたんですか?」

 

「るしあはね、社員さんのことが好きなのです。だから誰にも渡したくないの」

 

「ほ、ほんとうにどうしちゃったんですか?潤羽さんはそんなことをするような人ではなかったはず」

 

どう考えても何かの影響を受けてしまったとしか考えられない。 そして可能性として考えられるのは……あの飲み物か。その理由として潤羽さんの服にあのドリンクと同じ色のシミが出来ている。御伽噺のような話だけど、あの飲み物を飲むと何だかの影響があるのかも。

 

「ううん。るしあは好きなのです。もう離さない」

 

そして予想以上に潤羽さんの力は強いもので僕が力を入れても外せない。

 

「だめだよ。るしあから離れようとしちゃ」

 

 

 

 

 

 

 

「ダメだよ。るしあ、社員さんを困らせるようなことをしちゃ」

 

声が聞こえてきた方向に視線を移すとそこには……宝鐘マリンさんが立っていた。

 

「あ、宝鐘さん!!潤羽さんを僕から離してください!!」

 

すると宝鐘さんは一歩、また一歩と遅い足取りで僕たちの方に近づいて来る。そして僕たちのところまで来るとなぜか笑みを浮かべた。

 

「ほ、ほうしょうさん…?」

 

「社員さんの匂いって船長ドストライクで好きなんですよね~~」

 

宝鐘さんは急に僕のYシャツの匂いを嗅ぎ始めた。前では宝鐘さんが匂いを嗅いで、後ろでは潤羽さんに後ろから手を回されている。

 

「どうにか前までの二人に戻さないと。それにこれ以上、あのドリンクの影響を受ける人が少しでも減らすために」

 

僕は渾身の力を振り絞って潤羽さんの手を離させて、宝鐘さんには悪いけど、少し突き倒すようになってしまった。そして二人が離れた隙を見逃さずに僕は勢いよく逃げた。

 

まさか、事務所の中で全速力で走る事になるとは思ってもいなかった。冷蔵庫の中を確認しらたが、そこには五本あったはずのドリンクが一瓶もなかった。 潤羽さんや宝鐘さんが二人で五本を飲んだのだろうか。その疑問を考えていると……すぐに答えが出た。

 

「やっと見つけたぺこ。ぺこーらはあんたのことが好きだった。だから、ぺこーらと一緒にいよう」

 

そして兎田さんが姿を現した。明らかにいつもの兎田さんと違う。目にはハート形がそして息遣いも荒い。そしてほぼ確実に『あのドリンク』を飲んだ。

 

「兎田さん、正気に戻ってください!」

 

「ぺこーらはいつもどおりだよ。あんたのことが好きなだけ…」

 

ここでこれ以上、兎田さんに言ったとしても多分、兎田さんを止めることは出来ない。後少しすれば他の社員さんも来るだろうからそれまでどうにか逃げれば。そんな淡い想いを胸に僕は兎田さんから駆け足で逃げる。

 

「ダメだよ。団長たちから逃げたりしたら」

 

「そうだよ。大人しく私たちに掴まってくれないかな」

 

すると目の前には想像したくないけど……視線を前に向けるとそこには不知火さんと白銀さんが立っていた。そして僕を追いかけてきた、兎田さんと潤羽さんと宝鐘さんが僕の退路を塞ぎ形で立ち塞がっている。もう完全にどこにも逃げ場所がない。さすがに五人に囲まれたらもう完全に逃げられない。

 

「もうどこにも逃がさないよ」

 

「船長のものになってください。その方が楽になれますよ」

 

「ぺこーらがいいよね。キミはぺこーらのもの」

 

「私と一緒にいよう」

 

「団長のものになって…そしたら優しくしてあげるから」

 

 

 

 

 

「や、やめてください……ちかづかないで…」

 

五人は着実に一歩ずつ僕のところまで近づいて来た。

 

そしてその後、どうなったかは記憶がない。

 

 

 

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