新入社員とホロメン   作:主義

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新入社員と0期生と買い物

「それで次はどこ行こうか?」

 

 

「ロボ子は皆が行きたいところでいいよ」

 

 

「それじゃあ、次はあの店行かない?」

 

 

「みこもさんせい~~」

 

 

「あそこって可愛いぬいぐるみとか置いてあるんだよね」

 

 

 

そんなことを話している五人は周りから視線を集めるほどの可愛いひとたち。一人でも目立つのにそんな人たちが五人も居れば目立つのは必然。

 

そしてその中に場違いな自分がいる。自分でも自分がここに居ることを不思議に思ってしまう。

 

「あの……みなさん」

 

僕は恐る恐る話し掛けた。ずっと何も話せなかったけど、このままだと場の空気に流されて何も言えない気がして。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「なんで僕はここにいるんでしょうか?」

 

五人は僕がおかしな事を聞いているような顔をした。

 

 

「ロボ子たちと買い物をするためだよ」

 

 

「それであれば五人で買い物をした方が良いと思うんだけど……僕なんかが居ても何も役に立てないですし」

 

それにこういうのは女性で買い物をした方が盛り上がると思うのは僕だけなのだろうか。変に男が一人居たとしても何も出来ないので。

 

 

「すいちゃんたちと一緒に買い物をするのは嫌なのかな?」

 

 

「そ、そんなことはないです。皆さんと買い物をするのはとても楽しいですよ」

 

 

「だったら全然問題ないじゃん」

 

 

「いや、問題はあると……」

 

 

「社員さんも楽しみましょう」

 

こんな風なことになってしまったのは今朝まで遡る。そらさんから連絡がきた。『急で悪いんですが、今日って予定空いてたりしますか?』という感じだった。いつものことながら休日はすることもないために僕はその誘いを受けることにした。

 

 

そして来てみるとそこにはそらさん、ロボ子さん、星街さん、さくらさん、AZKiさんが待っていたのだ。正直、驚かずにはいられなかった。そしてそれからなし崩し的にこんな風になってしまっている。

 

 

――――――――――

 

 

「すいちゃんはこの服が社員さんに一番似合うと思うよ!」

 

まるで着せ替え人形のように何度も五人が似合うと思う服を着ることになった。

こんなに服を何度も脱いだり、着たりするのは人生で初めての経験。僕は何だかんだ言って適当に服を決めてしまうから。

 

 

「いや、みこはこっちがいいと思うにぇ…」

 

 

「ロボ子はこの服が似合うと思うけどね」

 

どんどん服を持って試着室まで来る。本当に着せ替え人形だ。

 

 

「皆さん、あんまり服を持ってこないでください。さすがにこれ以上持ってこられても試着出来ないですし」

 

 

「え~~もっときてよ~」

 

星街さんはそんなことを言いながら僕に服を渡して次の服を探しに行ってしまった。本当に自由な人だなと改めて認識した。

 

 

「さすがにこれ以上は…」

 

それから僕は五人に振り回されながらショッピングを久しぶりにした。

 

 

 

色々と回ってさすがに疲れたので休もうという話になってベンチに腰を下ろした。その近くにあった、アイスクリーム屋を見て、五人が駆け出していくのを見てから僕は近くの店を見ていた。

 

 

「おかあさ~~ん」

 

 

「どうしたの?」

 

 

「このくまさんほしい!」

 

そんな親子の声が聞こえてきて、そっちに視線を移すと大きなクマのぬいぐるみを指さしながら話していた。

 

 

それから間もなくして五人が片手にアイスクリームを持って帰ってきた。

 

 

「やっぱり美味しいね」

 

 

「うん。社員さんもアイス食べる?」

 

 

「僕は大丈夫ですよ」

 

 

「すいちゃんの一口なら食べても良いよ~」

 

 

「いいえ、本当に大丈夫なので。それで一つお願いなのですが少し店を見に行って来てもいいですか?」

 

 

「別に行くけど、どこ行くの?」

 

 

「少し気になるお店があったので見てきたいと思ってまして」

 

 

「それならみこも行く!」

 

 

「少し一人で見てきたいと思っているので、さくらさんには悪いんですが一人にさせてくださると有難いです」

 

 

「社員さんがそういうなら一人で行かせてあげよう。みこち」

 

 

「う…うん」

 

さくらさんはかなり納得のいっていない不満そうな表情をしていたけど、そらさんから言われたこともあってどうにかその不満を言葉に出さないで居てくれる。

 

 

 

 

 

そして買い物を終えて、僕が五人のところに戻るとさっきよりも荷物が増えていた。あの後も色々と買い物をしたのが一発で分かるほど。まあ、僕もすごく大きな袋を持っているので皆さんのことを言えないけど。

 

 

「あ、しゃいんさん!お目当ての物があった?」

 

 

「はい」

 

 

「その袋からしてお目当ての物が買えたみたいだね」

 

 

「どうにかですけどね…」

 

 

「じゃあ、これぐらいにして今日はここで解散しようか。色々と買えたしね。社員さんも少しは楽しめたかな?」

 

 

「はい!とっても楽しかったです」

 

 

「よかった~~その答えを聞けて」

 

 

「っていうことは今日の第一目標は達成!」

 

 

「え、第一目標って」

 

 

「ああ、今回は社員さんを楽しませるために企画したことなんだ。休みの日に何をすればいいのか分からない見たいなことを言ってたってえーちゃんが言っていたから」

 

まさかそんなことを考えてくれていたとは露程にも思わなかった。

 

 

「僕のために……」

 

 

「うん。だって社員さん、私たちのために色々と頑張ってくれているのを知ってるしね。私たちが社員さんのために出来ることって何だろうと考えた時に少しでも休日を楽しんで貰えるようにすることかなって思ったの」

 

本当にいつもホロメンの方に支えられているなと改めて感じた。それから少し話して解散になろうとしたところで僕は袋の中から一つずつラッキングされたものを渡していく。

 

 

「これをどうぞ」

 

 

「……え?」

 

皆さんは困惑を浮かべていているのが見て分かる。前置きもなくラッピングされた物を渡されても困惑するのは当たり前。

 

 

「皆さんに喜んでいただけるかは分からないですが……」

 

 

「え、これ…」

 

 

「これは今日、誘ってくれたお礼として受け取ってください。一応、それぞれのイメージカラーにあったものを買ったつもりなんです」

 

僕が買ったのはくまのぬいぐるみ。何か今日のお礼として買おうと思ったけど、皆さんが喜んでくれそうなものを考えた結果にぬいぐるみとかの方が良いのかなと思って購入に至った。

 

 

「…う、うれしい…」

 

 

「かわいい。みこのぬいぐるみ、かわいい!」

 

 

「すいちゃんのは青色だ~かわいい」

 

 

「とっても嬉しい。私たちが社員さんを楽しませるためにこれを企画したのに」

 

 

「僕は本当に楽しかったんです。今までこんな風に楽しい休日を過ごすことなかったので。だからこんな楽しい日を送れたのは0期生の人たちのお陰なのでそのお礼として受け取ってください」

 

すっごく楽しくてあっという間に日々が過ぎていった。こんな風な休日は生まれて初めて。

 

 

「……いいの?」

 

 

「はい。受け取ってください。逆に受け取ってくれないと買った意味がないので…。いつもホロメンの方々には支えてもらっているのでそのお礼ということで」

 

 

「ありがとう」

 

 

全員が喜んでいる様子なので買ってよかったと思えた。誰かにプレゼントをするのは初めてなので喜んでくれるか心配だった。喜んでもらえなかったらどうしようと考えてしまう。

 

でも、喜んでもらえたなら本当に良かった。

 

 

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