宝鐘マリンの場合
「社員さん!!」
急に後ろから大きな声で呼ばれたものだから体がビクッとしてしまった。
「え、宝鐘さん。どうしたんですか?そんなに大声を出して」
「いや、その……社員さんってカッコいいですよね…」
そして沈黙が流れた。宝鐘さんはその言葉を口にした途端に口を塞いでる。そしてどんどん顔が赤くなっているのが目で見て分かる。
「あ、ありがとうございます…」
言われたこっちは宝鐘さんよりも顔があつい。今までそんな事を面と向かって言われるような経験をしてこなかったから余計に恥ずかしい。面と向かって言われるのがここまで恥ずかしいものだとは思いもしなかった。
「…社員さんは優しいですよ…」
「あ、ありがとうございます……。宝鐘さん、どうしたんですか?宝鐘さんにそう言ってくださるのは嬉しい事ですが」
ここまで褒められると何か疑ってしまう。
兎田ぺこらの場合
「いつもありがとうぺこ…とってもカッコよくて大好きぺこ…」
兎田さんも宝鐘さんと同じで急に顔が赤くなっていく。兎田さんは耳まで少し赤くなっている。
「兎田さんまで本当にどうしちゃったんですか?何か変なものでも食べてしまったんですか?褒めてもらえるのが嬉しいなのですが……」
「べ、べつにただ……思ったことを言っただけ…ぺこ…」
「そ、そうですか……ありがとうございます」
明らかに何かがおかしい。
不知火フレアの場合
「社員さんってカッコいい…」
「え?」
「い、いや、これはただ思っていることを言っただけ……って私どうしちゃったんだろう…」
「お世辞でもそんなことを言っていただけて嬉しいですよ」
でも、これで今日三回目。もしかして前のように何かの『薬』の影響を受けているのかな。でも、前と同じ感じはしないですし。
「あ……こちらこそ…」
「フレアさんもとっても可愛いと思いますよ」
「……///」
白銀ノエルの場合
「社員さん」
「はい?どうしました、白銀さん?」
「…あ、あの……」
「どうしたんですか?」
「…いつも社員さんのお陰で助かってます」
「あ、はい。ありがとうございます。白銀さんがそんな風に言ってくれるとは思ってもいなかったので嬉しいです。これからも頑張ります」
こんな風にお礼を言って頂けるのは素直に嬉しい。やってきてよかったなと思えるから。
「それと……」
「それと?」
「……カッコいい…」
「え……」
「カッコいい」
「本当にどうしたんですか?」
これで四人目。本当にどうしちゃったのだろうか。いつもの三期生の方々ではないのは接していて感じていた。また何かの影響だとすれば……早急に究明する必要性がある。
潤羽るしあの場合
「るしあはね、社員さんのことが好きなの」
「え、なにか本当に変なものを食べましたか?」
「?」
「いや、すいません。潤羽さんにそんなことを言って頂けて嬉しいんですけど、皆さん同じようなことを言うのでまた…『あの薬』のようなものを飲んだのかなぁと思ってしまって」
「……るしあは悲しいな。社員さんがそんなことを言うなんて……るしあは本当に社員さんが大好きなのに」
潤羽さんの目には涙が溜まっているのに気付いて僕は急いで否定した。
「あ、あ、そうですよね!!潤羽さんがそのように想ってくれて嬉しいです!!」
でも、正直なところ何かの影響があるとは思うんですけど。こんなに一斉に言われるなんて…。
「るしあは大好きですよ」