ホロメンの方々は定期的に配信を行う。どんな配信内容かはそれぞれ違ったりしますが、それぞれの特性を活かしたような配信になっているはず。そしてそれを見る視聴者の方々はコメントをしたりして配信を盛り上げる。コメントは誰でもできる。
そう…それはこんな僕でも。仕事を終えて端末で配信を見ることにした。これはいつもの日課。さすがに毎日見ることは不可能でも…見れる時は見たりする。この仕事に就くまではこういう配信を見ることは全くと言っていいほどになかった。
僕の登録名は『社員』。ありきたりと思う人もいるかもしれないけど
『面白いですね』
僕は皆のコメントにのって打ってみた。コメント欄の速度が尋常なく早いためにすぐに僕のコメントは見えなくなってしまった。それでも僕にとって初めてのコメントをした。
「あ、面白いですかぁ~~それは嬉しいですね」
そしてそれから時間は進んで質問コーナーのようなものに突入した。
「何か質問があったらコメントしてください。そしたら白上が拾える範囲で拾うので」
白上さんがそんなことを配信で言ったので…僕も気になっていたことを質問してみることにした。
『何かおすすめのゲームとかありますか?』
まあ、拾われる訳ないけど。僕は無趣味で休みの日はかなり暇を持て余してしまう。そんな時に白上さんや他のホロメンの人たちがゲームをやっているのを見て、僕もやってみたいなぁと思うようになった。でも、まずどのゲームから手を使えたらいいのか全然分からないんですよね。
「おすすめのゲームかぁ…そうだな……色々とありますけど、今はこれとかどうですかね?」
それから数秒もしない内に配信上にそのゲームのパッケージのようなものがのせられた。そのゲームは僕でも知っているようなメジャーなゲームだった。
コメント欄でも「これはおすすめ!!」だとか「神ゲー」というコメントが溢れている。
「このゲームか…。次の休みの日でもやってみようかな」
僕がそんなことを考えている間も配信は進んでいく。それぞれ視聴者の方々が質問をぶつけている。それに対して出来る限り白上さんは答えている感じだ。そんな感じで30分ぐらいが過ぎた。まだ質問に答えていた。僕も次の質問をコメントすることにした。
『ちゃんと寝ていますか?』
こんなことは…あまりコメントで打つべきではない内容かもしれないけど、気になってしまう。事務所で会うたびに思う。だって色々と仕事が忙しいはずなのに…普通に配信も行えているし。明らかにおかしい。白上さんは一人じゃないと考えてしまうほどに。
「…え、寝てますよ~~そんなに心配しなくても大丈夫ですよ~」
今回のにも白上さんは答えてくれた。それからも白上さんに何個か質問をした。そこで僕はある疑問が浮かんだ。だって白上さんが僕のコメントを絶対に拾ってくれる。最初に数回ぐらいは偶然だと思っていたんだけど、さすがにそこまで偶然は続かない。
そこまでで謎は解けない。
そして最終的に全ては解けなかった。でもその謎が解けるのはとても予想外な展開だった。
次の日に事務所で白上さんとすれ違った瞬間に―――――――
「あのゲームはおすすめなので」
と言われた。
これが全ての物語っていた。そんなことはないと思って除外していた。まさか僕のユーザー名を知っていたなんて…。でも、少なくとも僕は白上さんの前で一度もコメントをしたことはない。だってあれが初めてのコメントだったのだから。
だとしたら一体どこから白上さんは僕の登録名を知ったのだろうか。