新入社員とホロメン   作:主義

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新入社と星街すいせい

僕の目の前に満面の笑みを浮かべている、星街すいせいさんがいる。星街さんとは何度か話したりしたけど、その時の印象はとても優しそうな人だった。でも、星街さんの今の笑顔を見る限り、その印象は一瞬で吹っ飛びそうだ。

 

 

「な、なんですか?」

 

 

「ちょっと付いて来てくれるよね?」

 

 

「……はい」

 

圧に押される形で僕は肯定的な返事をしてしまった。そして星街さんの後を追っていくとそこは只の打ち合わせ用の部屋だった。

 

 

すると何かの大きな音が部屋中に響いた。

 

 

 

「うわああああああああああ」

 

 

僕はびっくりして大きな声を上げてしまった。逆に星街さんは笑っている。そして星街さんの手にはクラッカーが握られていて、僕は全てを理解した。

 

 

「びっくりした!?びっくりした!??」

 

 

「は、はい。びっくりしましたよ。こういう事をすると僕の寿命が縮んでしまうので避けてくださると有難いのですが…」

 

僕は別にお化けとかは問題ない。でも、逆に一瞬の大きな音とかはダメ。だからまとめると。じわじわ怖いような奴は大丈夫なんですが、大きな音はダメ。そしてそれをまさに知っているのかのように星街さんは僕の苦手なことをしたのだ。

 

 

「ごめん、ごめん、キミの驚く顔が見たくてさ」

 

 

「本当に勘弁してくださいよ…」

 

 

「ごめんね、でも、すいちゃんは満足だよ。キミの驚く顔が見れたからね」

 

星街さんは子供のような無邪気な笑顔をしていた。そんな風な顔をされるとこれ以上、何かを言う気はなくなってしまう。

 

 

「……これからはこういうことはなるべく止めてくださいね」

 

 

「うん!」

 

これは止める気がないのは分かる返事だ。

 

 

「それで今日、星街さんは何のために事務所に来たんですか?」

 

 

「これのためだよ!」

 

 

「…これ?」

 

 

「うん、キミの驚く顔が見たくて来たの」

 

 

「…はぁ……星街さんの行動力はすごいですね」

 

打ち合わせとかの用もないのに星街さんは態々、事務所にまで来たということか。

 

 

「だってキミの驚く顔が見たかったの」

 

 

「そんなに僕の驚く顔に価値はないですよ」

 

ホロメンが驚いたりするのは需要があるかもしれないけど、スタッフの僕の反応に価値はないと思うけどな。

 

 

「いや、すいちゃんにとっては価値のある事なの」

 

 

「そうなんですか……」

 

 

「そうなの。だから、今日はもう帰ろうかな」

 

 

「本当にこれだけのために来たんですね」

 

僕だったらこんな行動力は絶対にないですね。

 

 

「うん。キミと会えたし、キミの驚く顔も見れたし、今日はいい一日だよ」

 

僕としては心臓が止まりそうになるほどの衝撃を受けたから悪い日かな。でも、これからは星街さんには気を付けないといけないですね。

 

 

「僕はちょっと悪い日ですかね…でも、星街さんに出会えたので今日は良い日かもしれませんね。」

 

普段はあんまり会うことの出来ない、星街さんに出会えたんだから良い日なのかも。

 

 

「そうでしょ。すいちゃんに出会えただけで今日は良い日になるよ」

 

 

「はい、星街さんのようなとても可愛くて優しい人と会えたんですから」

 

少しからかってやろうと思ったけど、星街さんは全然動じていない感じだった。

 

 

「そうだよね。すいちゃんは可愛いからね。それに性格も優しい。まさに理想の女性像と言ってもいいよ」

 

星街さんがここまで自信たっぷりな人だとは思いもしなかった。まだ知り合って間もないから星街さんのことは分かっていない事の方が多い。

 

 

それから少し話して僕と星街さんは別れた。僕は仕事へ、星街さんは帰宅。

 

 

 

社員さんと別れた、星街すいせいは顔を赤らめて事務所を小走りで出ていく姿が目撃されたという。

 

 

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