一通り買い物が終わった。五月が試食に気を取られすぎたり、二乃が本気で何を作ろうか悩みすぎて、零穂に声かけられるまで材料とにらめっこしてたり、私は私でさらっと炭酸ジュース入れて、しょうがないような困ったような目をされたけど、まあ無事にスーパーから出ることができた。
?「あ、嬢ちゃん達!ちょっといいかい!」
帰り道、そろそろ家だというところで知らない女の人に呼び止められた。
それにしても、目つきの鋭い女の人だなぁ。
零「あの、すみません。どなたでしょうか」
下田「ん…?ああ!そうだね。名乗ってなかった。私は下田っていうんだ。よろしくな」
零「そうなんですか。それで、どうしたんですか?」
下田「実はね。私は先生……嬢ちゃん達のお母さんの教え子なんだよね」
まさかの衝撃の事実。気付かなかったし、なんならちょっと不良に引っかかったのかと思って怖かったよ。
っていうか、よく零穂も普通に話せたよねぇ。私なら無理だと思う。
零「そうだったんですか。それなら、今私たちも帰る所なので着いてきますか?あ、みんなはだいじょう……」
五「いいと思うよ。お母さんの話も聞きたいしね!」
四「うん!私もお母さんのお話聞きたいな!」
ニ「………うん、大丈夫だよ」
下田「そうか!ありがとうね。お礼に、昔の先生のこと、教えてあげるよ」
そうして、家までの短い道のりの間、下田さんはお母さんの事を話してくれた。
お母さんは昔は怖かったんだよとか、下田さんと上杉って人が毎日のように怒られてたとか、お母さんが先生だった頃の話をほんの少しだけど聞いた。
話をしていると時間はあっという間で、気がついたらもう家の目前まで来てしまった。
下田「……おっと、もう着いたのかな。それじゃ私はこれで。丸男にいじめられたら私に言うんだよ〜。私がシバいてあげる」
零「ははは……もしあったらお願いします。」
四「ありがとう!下田さん!!」
下田「んじゃ、みんなバイバイ、元気でね」
皆「バイバイ!さようなら!!」
そうして下田さんと別れ、家の中に入る。
二「ただいま〜。あぁ〜!疲れた〜」
四「ただいま!楽しかったぁ〜」
五「ただいま〜」
零「ただいまです。」
みんなが洗面台の所に集まり、手洗いやらうがいをして、買った物をリビングまで持っていく。
リビングには、ヘッドホンをしてうたた寝をしている三玖がいた。一花は相変わらず寝ていたけど。……なんでこんなに寝られるんだろう?不思議だ。
零「ほら、起きて。そのまま寝てたら風邪ひいちゃうよ?あ、ヘッドホン外すね」
零穂が三玖のヘッドホンを外し、肩を揺する。すると三玖はゆっくりと目を開け、「ん〜?」なんて声をだしながら伸びをする。
三「あれ?あ〜帰ってきてたんだ。えっとおはよう?」
零「うん。おはよう。2回目だけどね」
二「ほら三玖起きて!今からご飯作るんだから手伝って貰うわよ!」
四「そんなこと言って~二乃が一緒にやりたいんでしょ?正直じゃないんだから~!」
二「な!そんなことないわよ!!………とにかく作るよ!」
本当に……素直じゃないんだから。
………よし!作るぞー!!