あけましておめでとうございます。⇐遅すぎ。
……それではどうぞ
さて、買い物を終え、次は料理です。私たちが買ってきた物はみんなの好物なので心なしかわくわくしているように見えます。実際、わくわくしているし。
二「じゃあまずは何使おう?私のはスイーツだから最後に作るけど、あとのみんなはおかずとかでしょ?わたし的には冷めても大丈夫なものから作りたいんだけど」
四「じゃあ私のから作るよ!私は食べ物っていうか飲み物だし」
零「私のはおかずだから先にフライパン使うよ」
五「私もおかずだから、私と零穂は同時進行で良いんじゃない?使える場所2つあるし」
零「確かに。じゃあ私たちからコンロ使わせてもらうね」
三「じゃあ私はその後で」
そんな感じで料理作りが始まりました。
作る過程でフライパンの底が焦げたり、電子レンジに卵を入れそうになったりと、姉妹だけでの初めての料理だったので戸惑うこともありましたが、無事完成させることが出来ました。
二「よし完成~」
三「結構うまく作れたんじゃない?」
五「おいしそう」
零「じゃあ一花起こさないとね……って今起きたみたい」
のそのそと一花がゾンビのように這い出てくる。恐らくまだ眠いのだろう全然目が開いていない。そんな一花を零穂は起き上がらせて、洗面所に連れていく。その一花の姿はまるで持ち上げられた猫だ。
みんながそろって朝ご飯を食べ、食器を洗い終わり、各々がお医者さん……いや
零「来たかな?私が出るよ。」
零穂が玄関に手をかける。なぜだか嫌な予感がして、呼び止めようとしてしまう。
けれど零穂の方が早くて玄関の扉は普通に開き、そこに立っていたのはお父さんでも江端さんでもなく、誰かも知らない頭が禿げた男の人だった。
五「???え、えーとどなたですか?」
零「五月。大丈夫……
?「あぁ全然いいよ。でもみんなをここに呼んできてくれ。今から大事な話をするからね」
零「…わかりました。ごめんね五月、みんなを呼んできてくれる?話にはついていけてないとは思うけど………本当に大事な話になるから。」
本当に何を言っているのか分からない。目の前には真剣な顔をする零穂とか、零穂が知らない大人のことをお父さんと呼んでることとか、意味が分からない状況だけど、取り敢えず考えることをやめて、言われた通りみんなを呼ぶことにしました。
五「とりあえず、みんな呼んできたよ」
一「ねぇ、どうしたのその人?」
二「あのお医者さんじゃないよね?」
三「なんか、一瞬だけみたことあるような気がする」
四「ていうかなんの用なんですか?こんな時に…」
無「おぉ、やっぱり多いね。初めまして。僕は『中野無堂』というものでね。君たちの本当のお父さんだよ」
五つ子「…………」
無「あれ?反応がないね…お~い」
零「はぁ…とにかくそんな話をしに来たわけではないでしょう?お父さん」
無「あぁそうだね。早速本題に入ろう。端的に言えば…君たちのお姉さんの零穂を連れていくということかな」
四「は…え?…どういうこと?」
五「ありえません。だって私たちはみんなで一つなのです。一人でも欠けることは…」
そう。お母さんはことあることに言っていました。「あなたたちは六人で一つ」だとすると私たちの困惑を見ていた零穂が口を開き、唐突に質問をしました。
零「ねぇ。みんな。みんなはさ、自分の一番大切な人のことを自分が助けられるって知ったらどうする?」
二「え?…そんなこと言われたって……それにその人の言い分はおかしいでしょ?!だって零穂を連れて行くって言ってるんだよ?そんなの可笑しいじゃん!!」
三「…私もおかしいと思う。それに零穂にはいなくなってほしくないよ…」
すると、最近はしなくなったいつもの笑顔を浮かべながら零穂は言った。
零「みんな。勘違いしてるみたいだけどさ…私が頼んだんだ。みんなから離れたいって。だから、なんにもおかしいことなんてないし、私が……望んだことだから」
みんなはその笑顔を見て固まった。だって、今零穂が浮かべているのは…!
無「それじゃあ車はあるから。早速行くよ。荷物はまとめているんだよね?」
最初みたいに普通で
零「はい。大丈夫です」
普通過ぎる…
零「それじゃあみんな」
零「バイバイ」
零穂が黒い軽自動車に乗って手を振る。笑みを浮かべたまま。
みんなは泣き叫ぶし、私ももう頭が回っていない。
頭の中が真っ白になる。
でも……ただ一つだけ思うのは、
五「なんで、そんな悲しそう顔で離れようとしてるのかな?ほんとは望んでないんでしょ?そもそも零穂そんなへたくそな笑顔じゃ…ごまかせてないよ…もう」
あぁ、やっと離れられた。私の顔見られてないかな?多分ひどい顔だったし…ごまかしきれたのかなぁ?
零「それで、どこに向かうつもりですか?お父さん」
無「とりあえず東京にある僕の塾に向かうよ。その後も僕は臨時の講師として、転々といろんなところに呼ばれると思うから………」
自分から話しかけたのにもう、いろいろな思い出が溢れてくる。泣きそうだ。
でも今泣いたら、絶対にお父さん…いや、クズでいいや。このクズは煽ってくる。
そうだ、もうこいつの目の前以外では、男のように振る舞おう。聞いた感じ、中学校も転々としそうだし、そもそも毎回入れさせてくれるのかでさえ怪しいから。
髪は……切りたくないな。まとめよう。口調も元に戻して、『俺』とかどうだろう。よし、何となく決まった。
無「それじゃあここから高速に乗るからもう故郷とは離れるよ。さっきも言ったけど、もうしばらくは戻れないと思った方がいい」
零「…そうですね。ですが選択したのは私なので、気になさらずとも結構ですよ。お父さん」
無「うん。そうだねわかった。娘の言うことは素直に聞いておこう」
零「………ありがとうございます」
ブランクが…ブランクがすごいよぉ。