最強生物の息子、百獣のカイドウを倒すのは俺だ!!   作:t-eureca

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ジャックとガブ初めての共同任務

狼のミンク族ガブが百獣海賊団に入り、ガオウの直属の部下になって数日経過した。

その間ガブは百獣内での雑用やガオウの仕事のサポート、ジャックと共にカイドウから稽古を受け叩きのめされていた…。

 

「どう…りゃあ!!」

 

夜、訓練場で一人、大剣「彼岸花(ひがんばな)」を構えて力を溜めているガオウ、その視線の先には巨大な岩が置かれていた。そして精一杯の咆哮を上げながら「彼岸花」を降り下ろす。振り下ろすと同時に斬撃が飛び岩を真っ二つにしそれを見たガオウは満足げな顔を浮かべ地面に座り肩で息をする。

 

「はぁ…はぁ…できたぜ飛ぶ斬撃…!これでまた攻撃の幅が広がるってもんよ…!」

 

前回のモリアとの戦いの反省で自身の素の身体能力の強化と獣系悪魔の実の変形をもっと活かした戦闘技術を身に着ける事や「熱線」以外の中距離や遠距離に対応できる技の習得を考えていたのだ、先程使った「飛ぶ斬撃」もその為に習得した技の一つであった。最初は要領が掴めず思い悩んでいたが、斬撃を飛ばすイメージをしながら「彼岸花」を振りかぶるって行く内にコツを掴んでいき遂に発動できたのである。その後ガオウは結果に満足し自室に戻り眠りにつくのであった。

 

「かぁ~…良く寝たぜぇ…ん?」

 

「うるせぇ…!うだうだ言ってんじゃねぇ!!それ以上ほざくとぶっ殺すぞ…!!」

 

朝になり目を覚ましたガオウは欠伸をしながら廊下を歩いているとカイドウの怒鳴り声が響きカイドウがいる部屋の方へ振り向く、部屋には電伝虫を持ったカイドウが誰かと話して怒鳴りちらし通話を切った、ガオウは話してる相手が誰なのかを察しカイドウに話しかける。

 

「あ~またオロチか?」

 

「ガオウか…あぁそうだ!全く一々口出ししてきやがって…!!」

 

ガオウに話しかけられたカイドウはガオウに振り向き、通話していた相手の事を不機嫌そうな声で肯定する。

 

それを聞いたガオウは頭を掻きながらカイドウに謝罪した。

 

「あ~…悪いな、毎度毎度…」

 

「あぁ…?フン…!お前の方針は俺が許可したんだ…つまりお前のやり方に異を唱えるって事は俺に異を唱えるって事だ、だからお前は気にするんじゃね…わかったか!!」

 

ガオウの謝罪にカイドウは乱暴な言葉遣いだがガオウをフォローする。それを聞いたガオウはカイドウにお礼を言った。

 

「ありがとうな、親父」

 

「あ?おう…それよりどこに行く気だ?」

 

「ガブに村を案内させるんだよ、仕事に慣れたら村の警備も任せようと思ってるんだ」

 

「おうそうか…稽古の時までに帰って来いよ…?」

 

「わかってるよ!じゃあ行ってくるわ!!」

 

「おう、気を付けていけ…!」

 

ガオウは意気揚々とガブとジャックの方に走って行き、暫くしてジャックとガブに合流をし二人もガオウの姿を確認しガオウに頭を下げる。

 

「おはようございますガオウさん!!」

 

「おはようございます…」

 

「おう、揃ってるな?今日は村の様子を見に行くぞ?」

 

「わかった、すぐに準備する…!」

 

「わかりましたっす!」

 

ガオウが言葉を言い終えた後にジャックとガブは急いで出発の準備をして準備が完了した後ガオウはドラゴンになり二人を掴んで空を飛翔するのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

ガオウが治める村はゲッコーモリアの襲来時には住民はヤマトが避難させた為村人から犠牲者は発生せず、村もモリアが襲撃を掛ける前にカイドウ達に叩き潰された為被害は被らなかっ。先日のモリアとの戦いに参加していた村に常駐している百獣海賊団の船員達が怪我を抑えながら会話をしていrrう。

 

「よう、傷の方大丈夫か?」

 

「あぁ…にしても本当凄まじかったよな~カイドウ様、巻き込まれないように逃げるのに必死だったぜ」

 

「俺もだ…いや~でもやっぱりすげぇよなカイドウ様、あんなに強いカイドウ様なら絶対海賊王になるぜ…」

 

「ガオウ様とヤマト様も凄かったよな、ゲッコー・モリア相手にあそこまでやれたんだからよぉ~」

 

身体の所々に包帯が巻かれ治療を受けた痛々しい痕があったが武闘派の海賊で知られている百獣海賊団の為タフな船員も多い、その為思ったより元気があった。その時百獣海賊団の船員達に近づく人影達がいた。

 

「あ、あの…」

 

「あん?なんだよ?」

 

「何か用かって…あん?」

 

「あの…少ないですが良ければ召し上がってください…」

 

声を掛けられた船員達が振り返ると村人達が数人集まっており、少しオロオロしながらもお結びと漬物を船員達に差し出して船員達に深々と頭を下げて感謝の言葉を述べた。

 

「村を守ってくださった御礼です…これ位しかできませんが…村を守って下さり本当に…本当にありがとうございました…!!」

 

「え?お、おう…」

 

予想だにしなかった村人達の御礼に少し困惑しながらもお結びと漬物を受け取り最後にまた頭を下げて去っていく村人達を見送った後、受け取ったお結びを見る。

 

「あ~っとどうする…?」

 

「まぁ…食おうぜ」

 

船員の一人の言葉に続いてお結びを取り食べ始める船員達、暫く経った後お結びと漬物を食べ終え別の船員が口を開いた。

 

「美味いな…」

 

「おう…」

 

「なんか悪い気はしないな…」

 

「「うん…」」

 

海賊になって以来この様な純粋な善意を受けた事が無かった為、先程の出来事は船員達にとって新鮮な気持ちであった。そして船員の一人がハッとした表情で喋り始める。

 

「!…なぁもしかしてガオウ様ってこれを予想してたんじゃ…!!」

 

「え?いや流石に考えすぎだろ?」

 

「何が考えすぎだって?」

 

「おわぁ!が、ガオウ様!?」

 

急に現れた船長の息子に船員達は大きく驚きながらも何も変な事を話してない事を弁明する。

 

「い、いや何でもないっす只の世間話でして…!」

 

「そうか?なら良いんだけどよ…そろそろ休憩時間だからキリの良い所で交代しろよ?」

 

「「「はい!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後ガオウはガブに村の案内をさせ村でやる百獣海賊団としての仕事をガブに教えていく、ガブもその説明をよく聞きながら村を観察していく。ガブは村に行くまで実際にガオウがどんな風に村を治めているのか想像もつかなかった為実際に見てガオウの統治に感心していた、百獣海賊団が徹底された実力主義の武闘派海賊団の為統治も力任せの圧政による統治をしているかと思っていたがその予想に反して善政を敷いていたのだ、ガオウは思わず言葉を漏らす。

 

「へぇ~思ったより友好的に治めてるんだな?」

 

「黙って付いてこい…」

 

「わかったわかった、そんなに怒るんじゃねえって…」

 

ジャックに窘められガブは謝罪をする、村を案内させた後ガオウの邸宅に案内されガオウの部屋に入り置いてあった書類を手に取り眺めていた。

 

「…わかってると思うがガオウさんに舐めた口利くんじゃねぇぞ?」

 

「わかってんよ」

 

「いや~村とはいえ結構書類来るんすね、幸いわかりやすい範囲っすけど…」

 

「まぁ時給と工場に出た日数を数えればいいだけの奴だからな、確認してその分の金額書き込めばいいんだ」

 

「成程~そういやカイドウさんよく許可出してくれましたね?」

 

「カイドウさんは、実力と実績があれば誰であろうと公平に認めてくれる、誰だろうとな…」

 

「あ~そういや確かにミンク族の俺も普通に受け入れてくれたな…」

 

「そういうこった、お前も強くなって実力を示せ、そうすりゃ親父も認めてくれて出世できるぜ?」

 

「うっす!!」

 

その後残りの書類を片付けた後、鍛錬の為にカイドウの元に向かう、ガオウとジャックはやる気に満ち溢れていたが、ガブは「死にませんように…」と内心祈るのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おらぁ!!」

 

「ぐべぁ!!」

 

「ぐぅ…!」

 

「いったぁ…相変わらず強烈だよ…」

 

カイドウの攻撃をガオウは回避したがヤマト、ジャック、ガブは直撃し吹っ飛ばされ地面に叩きつけられる。ヤマトは頭を摩りながらすぐに起き上がるがジャックは額から血を流しながら起き上がりガブは白目を剥いて気絶していた…。

 

「ウオロロロ…どうしたぁ?立ってるのはガオウだけだぞぉ!!」

 

「このクソ親父…!目にもの見せてやる…!!」

 

豪快に笑うカイドウに目を鋭くさせてガオウは「彼岸花」を振り下ろそうと構える、そして大きく深呼吸し両腕に力を漲らせる。

 

「ん…?なんだその構えは…」

 

(かま)威太刀(いたち)…!!」

 

「…!?」

 

地面に罅が入る程足を踏み込むと同時に彼岸花を全力で振り下ろす、すると同時に斬撃がカイドウに向かって飛んでいきカイドウに叩き込まれる。直撃したカイドウは少し怯んだが直後に豪快に笑い始めた。

 

「ぐぅ…!ウォロロロ新しい技か、やるじゃねぇかガオウ!!」

 

「クソが!傷一つねぇとかふざけんなよ…!!」

 

「ウオロロロ…!もっと技を極めるんだなぁ…!」

 

折角作った新技を直撃しても全く無傷のカイドウに悪態をガオウは悪態を付くがその直後カイドウの鉄拳がガオウに直撃し壁に勢いよく叩きつけられ、それを見たヤマトやジャックはすぐに駆け寄った。

 

「兄ちゃん!大丈夫…!?」

 

「ガオウさん…!」

 

「クソがぁ…軽く流血位はすると思ったのによぉ…!」

 

「あんなに勢いよく叩きつけられたのに…」

 

「流石だな…」

 

頭を摩りながら立ち上がるガオウ、吹っ飛ばされはしたが目立った外傷は全く無い状態にヤマトとジャックは驚いていた。そしてカイドウが笑いながら近づきガオウの肩に手を置き新しい技を創ったガオウを称賛する。

 

「ウオロロロ…そうしてぇなら威力を上げるんだな!…だが飛ぶ斬撃とはやるじゃねぇかガオウ、今日はここまでだ!!次も楽しみにしてるぞ…!!」

 

「次は岩を5連続で切れる位の威力にしてやる…!」

 

「ウオロロロ…!その意気だ…!ヤマト!ジャック!ガブ!お前達も精進しろよ…!!」

 

息子の成長に喜び上機嫌に笑いながらカイドウはヤマト達にも激励を自室に戻って行く、その姿を見送りながらガオウ達は身体を洗うために風呂場に行くのであった…。

 

「ガオウさん、ジャックだ入っても大丈夫か?」

 

「おお、入れ」

 

ガオウの返事の後にジャックが入りその後に続くようにガブも部屋に入室する。

 

二人が部屋に入ったのを確認したガオウは二人を呼んだ理由を説明する。

 

「ガブもいたか、丁度いいお前らに頼みたい事があるんだ」

 

「何でしょうか…?」

 

「ドンパチですかい?」

 

「その通りだ、最近この辺りに不審な連中が夜に徘徊しているってのは知ってるよな?」

 

「はい、恐らく豊かになったガオウさんの村を狙おうとしてるんじゃないかと…」

 

「そいつらを潰すんすか?」

 

「あぁ、だからお前らにそいつらの根城の偵察を頼みたい。もし可能だったらそのままぶっ潰しても構わねぇ」

 

ガオウは獰猛な笑みを浮かべながら話し、話を聞いたジャックとガブの表情は気を引き締めてガオウからの仕事を承諾する。

 

「わかった、俺に任せてくれガオウさん…」

 

「了解ですガオウさん」

 

部屋から退室した後ジャックとガブは即座に準備をすべく自室に急ぐ、ジャックは曲刀を、ガブは鉄球が付いた鎖鎌『三日月満月(みかづきまんげつ)』を持ち屋敷から出て行く。

 

「おい、お前鼻は利くんだろうな…?」

 

「狼のミンク族だぞ?任せろって…!」

 

互いに軽口を叩きながら屋敷を出て行く二人、その後に怪しい集団が目撃された村のはずれの森を散策し始める。暫く探索していると刀と槍をもった二人の男の姿を発見した。

 

「…あれか」

 

「ああ、村の人間の臭いじゃねぇな…行くか?」

 

「当然だ、行くぞ」

 

そしてジャックとガオウは男達を尾行し始める、尾行しながら相手の武器や装備を観察し始める。

 

「一人は腰に刀もう一人は槍持ってるな、防具は胴と腰にしかつけてない…」

 

「…不意打ちで一人やるぞ、もう一人は根城の場所を吐かせる」

 

「了解だ」

 

ガブは木の陰に隠れて遠吠えを上げ、遠吠えに反応した二人は周りを警戒するがその瞬間ジャックが飛び出し曲刀で槍を持った男の首を掻っ切り、刀を持った男を殴り飛ばす。

 

「何だ?遠吠え…グっ!?」

 

「おい、どうし…ギャッ!!」

 

そして刀を持った男の頭を掴んで持ち上げジワジワと握る力を強めていく。

 

「喋んじゃねぇ…ここでその頭握りつぶすぞ…?」

 

「があああああ!わかった!喋る喋る!!!」

 

ミシミシと頭が割れるような音と激痛により男はジャックの質問に全て答え始め、聞きたいことを全て聞き終えた後首を真っ二つにして止めを刺した。

 

「え~っとこいつら含めてメンバーは10人、武器類は刀剣か…まぁ銃とか持ってるよかマシか」

 

「こんな連中にガオウさんの村を荒らされて溜まるか…全員皆殺しにしてやる…!」

 

「怖…まぁ確かにガオウさんの村荒らす輩を見逃すわけにはいかねぇな…!」

 

青筋を浮かべながら怒りを露わにするジャックの剣呑さに引きながらも命を助けてくれた恩人のガオウの村に害を与えようとする輩達に嫌悪感を抱く。

 

「足引っ張んじゃねぇぞ…!」

 

「わかってんよ…!!」

 

それから聞き出した情報を元に廃屋を見つけ、ガブが静かに近づき廃屋の中に煙玉を投げ込み爆破させると同時に山賊達が武器を持って一斉に外に出る。

 

「何だ!?」

 

「敵襲だ、ぶっ殺せぇ!!」

 

「よし全員外に出したぞ、ジャック踏みつぶせぇ!!」

 

それを見たガブは待ってましたと言わんばかりにジャックの名を叫ぶマンモスの姿になったジャックは雄たけびを上げながら盗賊団に襲い掛かった。

 

「叩き潰してやる…!」

 

「な、なんだ!?」

 

「見たことあるぞ、確か百獣の…ギャア!」

 

ジャックは山賊の一人を踏みつぶすとそれを見ていた山賊達は恐怖に慄き逃げようとするがそうはさせじとガブが山賊の足を切り裂き逃げきれないようにする。

 

「死ね…!」

 

「ヒッ…!逃げ…ギャア!!」

 

「逃がすかっつぅの…!」

 

そのまま次々とガブは山賊の足を鎌で切り裂いていきジャックはそのまま踏みつぶし鼻で吹っ飛ばし、牙で薙ぎ払っていった…。

 

「ま、待て待ってくれ!!助けてくれ、家来にでもなんにでもなるから…!」

 

最後の一人が涙を流しながら命乞いをするがジャックは聞き耳を持たず右前脚を振り下ろす。

 

「じゃあ死ね…!」

 

「ぎゃあ!!」

 

何度も何度も踏みつけ遂には原型を留めなくなる状態にまでなるまで踏みつぶしていく、それを見たガブは「うわぁ…」と顔を顰める、暫くすると踏みつけられていた山賊はミンチの様に肉片が散乱していた。

 

「うーわ…容赦ねぇ…」

 

「ガオウさんの村に手を出そうとしたんだ、その時点で生かすつもりはねぇ…!」

 

「あ~…それでこいつらどうする?埋めるのか?」

 

「ああ、とっとと穴を掘るぞ…」

 

「はいよっと…」

 

その後ジャックの怪力もあり山賊達の死体を埋めれる深さの穴を掘りその穴に山賊達を投げ込んで埋めた後ガブはジャックに質問をする。

 

「なぁ…」

 

「あ?」

 

「ちょっと聞くんだがよ~?こういうドンパチするのきつくねぇのか?」

 

「…俺は破壊が好きだ、それにカイドウさんとガオウさんやヤマトさんの役に立つならなんだってやる…!」

 

「そうか…」

 

きっぱりと言い切るジャックに少し複雑な顔をすると今度はジャックがガブに質問をした。

 

「…逆に聞くがテメェはカイドウさん達が嫌いか?」

 

「馬鹿言うなよ、死にかけてた所を拾ってくれた恩があるんだ…ガオウさん共々裏切るつもりはねぇよ」

 

「ならいい…とっとと帰るぞ、ガオウさんに報告だ」

 

「了解だ」

 

ガブのその言葉を聞いて満足したのかジャックはそれ以上言及せずにガオウの待つ屋敷に向けて歩き始める。

 

ガブもジャックについていき帰路に付くのであった。

 

「ガオウさん…ジャックです、入っても大丈夫か?」

 

「おぉ、ジャックか?入ってくれ」

 

扉を叩いてガオウの許可を貰った後ジャックとガブは入室し任された任務完了の報告を伝える。

 

「今戻った、仕事は無事終わったぞガオウさん…」

 

「おう、よくやったな!ガブもお疲れさん」

 

「ウス…!」

 

戻ってきたジャックとガブに麦茶を差し出し、2人に山賊達について尋ねる。

 

「で?連中は何か言ってたか…?」

 

「いや、特に何も言ってなかった…」

 

「単純にガオウさんの村を狙おうとしてたんじゃないすかね…?」

 

「そうか…オロチの嫌がらせかと思っていたが…」

 

ガオウが顎に手を添えて考えているとガブが不思議そうにガオウに尋ねる。それを聞いたジャックはガオウの代わりにその疑問に答えた。

 

「オロチってあの将軍の?なんでガオウさんに嫌がらせなんてするんすか?」

 

「オロチの馬鹿はガオウさんのやり方が気に入らねぇんだ、あのバカ将軍はワノ国の人間を苦しめる事しか考えてねぇからな…」

 

「えぇ…?自分の国民苦しめるのが好きってあの将軍捻くれすぎでしょ…?」

 

何度か付き添いでオロチを見た事があるガブだが自分の治める国の人間まで苦しめている事を聞いてオロチの性格の悪さに呆れていた。

 

「まぁお陰でワノ国のヘイトを彼奴に向けさせてこっちにワノ国の人間達の支持を得るというやり方に切り替えたんだけどな…」

 

「てか命知らずっすね、ガオウさんにイチャモンつけたらカイドウさんが黙ってないでしょうに…」

 

「当たり前だ…最初にオロチがカイドウさんに苦情を言いに行った時、カイドウさんは覇気を放出する位怒り心頭だったからな…!」

 

「まぁそれで苦情が来るのは時々になったけどな…」

 

「怖ぁ~…」

 

ガオウの言う通り何度か強気にカイドウに苦情を入れていたオロチであったがその後直接カイドウが城に来て覇王色の覇気を全開にしながら一喝されそれ以降は強気に出られずになっていたのだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

とある屋敷で顔に白粉を塗っているが気品を漂わせている男が茶を点てながら配下と思わしき武士からの報告を受けていた、武士は平伏をしながら淡々と言葉を綴る。

 

「…してその後の村の様子はどうなっている?」

 

「は…先の海賊を返り討ちにしたというのもあり村人の明王様の子息と子女達への信頼は更に高まっているらしいです、如何致しましょう烏魔操磨様…?」

 

白粉の男…『烏魔操磨(からすまあやまろ)』は茶を点て終えると二つの茶碗に茶を注ぎ、片方の武士に茶碗を差し出し武士は「ありがとうございます」と感謝の言葉を伝え茶碗を手に取る。操磨は茶を一口付けた後一息ついた後口を開いた。

 

「ふむ…やはり百獣のカイドウの武力とその子供達の求心力に賭けるしかあるまいか…」

 

「しかし…宜しいのですか?賭けにしてもあまりに危険な賭けでございますが…」

 

操磨の言葉を聞いて武士は一筋の汗を搔きながら喋りその言葉を聞いた操磨も自身の考えてる事が如何に危険だという事を感じていた…それでも操磨は一呼吸置いて言葉を続ける。

 

「わかっておる…だがオロチはこの国を滅びの道に引きずり込もうとしている、当初目を付けていた光月おでんはオロチの口約束を鵜呑みにして裸踊りするばかりで何もせずだ…あれではオロチを討ったとしてワノ国の未来を託すことはできん…!」

 

操磨が言葉を荒げながらドン!と畳を殴ると同時に振動で茶碗が倒れコロコロと少し転がる、少し冷静になったのか操磨は茶碗を拭きながら武士に今後の指示を出し始める。

 

「秋彦、使用人達に一週間以内に鬼ヶ島に向けての準備をする様に伝えい、それと余が贔屓にしている酒商人達にワノ国中から銘酒を取り揃える様に伝えろ、金額に関しては言い値で払うと伝えて構わん」

 

「畏まりました、直ぐに手配いたします!…そう言えばオロチ将軍にはお伝えいたしますか?」

 

「そうだな…念のため伝えておこう、小心者の子蛇だが狡賢いからな難癖付けられるわけにはいかぬ…」

 

「畏まりました…」

 

操磨から指示を受けた武士…秋彦(あきひこ)は操磨に一礼をしそそくさと部屋を後にする、秋彦が退出をした後操磨は神妙な顔をしながら一人言葉を零した。

 

「百獣のカイドウ…その子供であるガオウとヤマト…果たしてワノ国の未来を託すに相応しい者達であると良いが…」

 

自身の賭けがワノ国を破滅に向かうかそれとも栄華を極める結果になるかを思案するのであった…。




武器解説:三日月満月
ガブが扱う武器で鎖鎌の分銅部分が鉄球になっている、鉄球部分には海楼石が仕込まれている。
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