最強生物の息子、百獣のカイドウを倒すのは俺だ!! 作:t-eureca
日の光が全く通らないほどの暗雲が立ち込める鈴後の付近、その道を進んでいくゲッコー・モリア率いる海賊団。船長のモリアの目はギラギラと野心の火を燃やしながら目的地の村へと進んでいく。
「おい、確かに村があったんだな…?」
「はいモリア船長!確かに確認しました、見た所侍って剣士はいなかったからすぐに制圧できると思います!!」
船員の言葉を聞いてモリアはニヤリと笑い、意気揚々と声を上げる。
「そうかそうか…ならとっとと襲って道案内役を連れて行こうじゃねぇか!!」
それを聞いた他の船員達も大きく声を上げているとモリアは何かを察知したのか他の船員達に止まる様に指示を出す。
「…ん?」
「どうしましたモリア船長?」
「静かにしろ!…一瞬だが何か聞こえた」
モリアの言葉に船員が少し驚いたがモリアに小さく聞き返した。
「空耳じゃないんすか?」
「いや確かに聞こえた…ちょっと待てこれは…上か?」
モリアが上空を見上げる。空は日の光一つもない暗雲一色であり何もない、しかしモリアは本能的に何かを感じていた、見分色の覇気も使ってそれを探しているとモリアは何かに気付いた。
(鳥…?いや形が微妙にちげぇ…なんだ?)
最初は鳥かと思っていたが形は普通の鳥とは違う形をしておりそれが徐々に近づいて行っている。
近づくにつれてその姿は大きくなって行き、それが肉眼でもある程度捉えられる程の距離まで来るとモリア降下してくるモノの正体に気付いて驚きの声を上げた。
「!?…まさか!?」
『
「!?避けろテメェらぁッ!!」
上空から熱線が放たれるのを見てモリアは回避したが多数の船員達が熱線によって吹っ飛ばされる。
自分の仲間達がモリアはその熱線を放った相手を忌々し気に睨みつける、そしてその相手は勢いよく降下し咆哮を上げる
「うわぁあああっ!!」
「なんだ…!?」
モリア達が降下してきた相手を見て驚きの声を上げる、目の前には大柄のモリアも見上げる程の巨体の赤いドラゴンが咆哮を上げており自分達を睨みつけている。
それを見た船員達は驚愕と狼狽の声を上げた。
「ドラゴン…!?」
「ド、ドラゴンだって!?」
「ワノ国にはドラゴンがいるのか…!?」
「落ち着けテメェら…!ちぃ!!」
動揺している船員達を見てモリアは檄を飛ばして船員達の動揺を解こうとするが、ドラゴンは飛翔してモリアにその巨大な右前脚を振り下ろす。
「オオオオオオオッ!!」
回避したモリアをそのまま左前脚や噛みつきで襲い掛かるドラゴンはモリアが後ろに跳躍して距離を取るのを確認すると隠れている仲間に指示を出した。
「ジャック!突っ込めぇ!!」
「何!?」
ドラゴンの指示の後に森から地響きを立てながらマンモスの姿へと変形したジャックを先頭に百獣海賊団がモリア達に襲い掛かる。
「うわあああ!?マ、マンモスだぁ!?」
「ドラゴンの次はマンモスかよ!?」
「お、おい後ろに百獣海賊団が来てるぞ!!」
「こっちからもだ!クソぅッ!!」
ジャックが鼻の一撃で数人を纏めて弾き飛ばし踏みつぶしていく、そしてジャックの上に乗っていたヤマトは金棒をモリア達の方角に向けて船員達に指示を出し斬りかかって行く。
「チっ…嵌められたか!」
(さっきこのドラゴン言葉を喋ったよな…?もしや能力者か?)
百獣海賊団の襲撃に舌打ちをしながらドラゴンの攻撃を回避しながら目の前のドラゴンが先程百獣海賊団の船員達に指示を飛ばしていたのを見ていたモリアは目の前のドラゴンが悪魔の実を食した能力者じゃないかと勘繰り、自分が食した悪魔の実の能力を使い始める。
「フン…まぁいいカイドウの前哨戦にしては丁度いいな…
「!?」
突如モリアの影がモリアと同等の身長の人型になりドラゴンに猛攻を仕掛ける。
『影法師』が連続で殴打を繰り出し本体のモリアが武装色を纏った刀でドラゴンに切りかかる。
「キシシシ!!行くぜぇ!!」
「グぅ…!」
ドラゴンは刀を回避しようとするが『影法師』の拳を喰らい仰け反りそれを見逃さずモリアが切りかかる。
ドラゴンは次第に焦りが生まれ始めていた。
(ドラゴンのままじゃスピードで不利だ!!)
巨体とそこから生み出される膂力、そして強力な熱線を放てる獣型であるドラゴンの姿だがやはり巨体による被弾面積の拡大と小回りが利かないという欠点がある。
素早い身のこなしと『影法師』と共に抜け出す隙の無い怒涛の攻撃を繰り出してくるモリアは相性が悪い相手であった。
ドラゴンの姿から徐々に人の姿に戻り本来の姿であるガオウに戻りその姿を見てモリアは若干驚くがすぐにガオウに攻撃を繰り出す。
「…ガキだと?まぁ関係ねぇ、ガキだろうとぶっ殺してやる!!」
「『
分裂し多数の蝙蝠が現れガオウに襲い掛かるがガオウは即座に獣型になり空中に飛び熱線で蝙蝠達を薙ぎ払う。
「チッ!!『熱息』!!」
「ほう…俺の『影法師』を破壊するとは…中々やるな、だが…!」
モリアは蝙蝠達を飛行しているガオウに繰り出した、蝙蝠達はガオウの身体に群がり噛みつき始める。
「…!?」
「キシシシ!空に逃げる事くらい想定済みだ!!」
「~!グオオオオ!!『
ガオウの身体に蝙蝠達は牙を突き立て皮膚を食い破ろうとする、しかしガオウは凄まじい大音量の咆哮を上げ蝙蝠達を吹き飛ばす。余りの音量にモリアは耳を塞ぐがすぐに次の一手を出した。
「っ…!なんて馬鹿でけぇ声だ!だが甘いぞ…!
「…!?」
蝙蝠達が再びガオウに群がると箱に変身しその箱にガオウを閉じ込める。箱は地面に墜落をしモリアはその箱を思い切り踏みつけた。
「キシシシ!これで身動きとれまい…潰れろぉ!!」
「兄ちゃん!!」
「ガオウさん…!」
武装色で硬化した足で何度も何度もガオウを踏みつける。それを見たヤマトとジャックはガオウの援軍に向かおうとしたがモリアの船員達によって阻まれてしまう。モリアはこのまま刺し殺してしてやろうと覇気を纏わせるがモリアはある異変に気付き振り下ろす手を止める。
「キシシシ!キシシシ!!…!?」
モリアが手を止めると『影箱』の中からガオウの声が聞こえ始める、そして次の瞬間武装色を纏ったガオウが『影箱』を突き破りモリアにその拳を叩き込む。
「『
「『
「ぐぼぉっ!?」
ガオウの拳が顔に直撃したモリアは大きく吹き飛ばされ地面に叩きつけられる。吹っ飛ばされたモリアを見て船員は驚愕の声を上げた。
「モ、モリア船長ぉ!?」
「いてぇ…!?」
モリアは即座に起き上がり顔を上げると目の前に彼岸花を構えたガオウが迫ってきておりモリアに振り下ろした。
「『
「ちぃ…!?」
モリアは刀でその斬撃を受け止める、しかし予想以上の威力だったのかモリアは僅かに顔を強張らせた。
モリアに切りかかったガオウの姿は人型であったがドラゴン時の様な赤い鱗に赤い翼、そして角や尻尾も生えた人獣型になっていた。
「クソガキが!クソガキの分際でいてぇパンチ喰らわせやがって…!!それにその姿…人獣型だな!?」
「正解だ蝙蝠野郎!顔面ぶっ潰してやる…!!」
怒鳴るモリアを言い負かす勢いでガオウが叫び彼岸花と体術を合わせた攻撃をモリアに浴びせる。
モリアはそれを難なく防いでいたが攻撃の勢いを捌くのに気を取られカゲカゲの実の能力を使えなかった。
(こいつ勢いに任せて俺に『欠片蝙蝠』を使わせない気だな…!ガキの割に考えてやがるが…!)
「勢いだけで押し切れると思うなよクソガキ!!『影法師』!!」
彼岸花を刀で受け止めて力任せにガオウを突き飛ばすとモリアは再び『影法師』を出してガオウに襲い掛かる。
「またそれか!?」
「キシシシ!臓物をぶちまけろぉ!!」
再び襲い掛かってくるモリアと『影法師』に向かってガオウは口から熱線を放って迎撃をする。
モリアは『影法師』でガードをして『影法師』を分裂させガオウに差し向ける。
「『熱息!!』」
「甘いな…『欠片蝙蝠!!』」
蝙蝠達がガオウに群がり再び噛みつき始める、その様子を見てモリアは高笑いするが次の瞬間モリアは驚愕の表情をする。
「キシシシ…!貪り食われ…何!?」
「ウオオオオオ!!」
蝙蝠達に噛みつかれながらもガオウは雄たけびを上げながらモリアに襲い掛かる。
噛み付かれながらも猛攻を仕掛けるガオウにモリアは思わず冷や汗を流す。
(噛みつかれながら突っ込んで来やがっただと!?イかれてんのか!?)
「イかれてんのかてめぇ!…ッ!!?」
「イかれて無くて最強になれるかぁっ!!」
モリアの罵声に応えながらガオウは武装色で硬化した頭で頭突きを繰り出した。
しかしガオウは勢いを緩めずモリアを殴りそして蹴り飛ばした。
「何馬鹿な事言ってんだテメェは…グガァ!!?」
モリアは体勢を立て直そうとするがガオウは再び『轟雷八卦』をモリアの顔面に叩き込んでモリアをぶっ飛ばした。それを見たモリアの船員達は驚愕の表情を浮かべる。
「モリア船長!?」
「嘘だろ船長がまさか…!?」
「兄ちゃん!」
「やった!ガオウ様が討ち取ったぞぉ!!」
狼狽する船員達とは対照的にヤマトや百獣海賊団の船員達は歓喜の声を上げるがガオウの顔は警戒心を解いていなかった。吹っ飛ばされたモリアは立ち上がり額に青筋を浮かべながらガオウを睨みつけ怒号を上げた。
「クソガキが…散々舐めた真似してくれやがって…!俺を誰だと思ってる!?俺はゲッコーモリア!海賊王になる男だぞ!!」
先程よりも凄まじい怒気と気迫を見せるモリアにガオウは一瞬臆するがすぐにモリアに切りかかるがモリアは再び影から蝙蝠を大量に繰り出して襲い掛からせる。
「ウォーミングアップは終わりだ!嬲り殺しにしてやる『欠片蝙蝠』…!!」
「グっ…チッ!またあの箱みたいなの使われてたまるか…!!熱…」
ガオウは口から熱線を放とうとするが先程よりも凄まじい速度でガオウに群がり始める、熱線を放っても蝙蝠は更に増えて蝙蝠に群がられてしまう、ガオウは再び『影箱』に閉じ込められる前に何とかしようと動こうとするが突如蝙蝠達が蜥蜴の様な形になりガオウの身体を貫いた。
「『
「ガっ…!?」
蜥蜴が刺さった箇所から出血をしておりガオウは出血で手を抑えるがその間にモリアはガオウに拳を振るい地面に打ちのめす、ヤマトとジャックはガオウを助けようとモリアの船員達をぶっ飛ばして助けようと暴れていた。
「ガオウさん!グっ…!!」
「フン…手間取らせやがってぇ!」
モリアは打ちのめしたガオウの首根っこを掴んで悪態を付きながら持ち上げる、先程よりもある程度冷静さを取り戻したのかガオウの強さに興味を抱き始めていた。
(だがガキの癖にこのパワー…獣系の悪魔の実の能力者としてもこいつは強い、何者だこのガキ…?)
モリアは少し考えた後にガオウに問いかける、それは自分の部下への勧誘だった。
「…おいクソガキ、お前を殺すつもりだったが気が変わった、お前の態度次第では生かしても良い!俺の船に乗れ、そして俺を海賊王にする為の力にな…チぃ!人が話し終える前に!!」
モリアが言い終わる前にガオウが口から熱線を吐いてきたのでモリアは顔を逸らしてそれを避ける、ガオウは息を切らしながらモリアに啖呵を切った。
「グっ!…ハァ…はぁ…誰が…なるかよ!」
「チッ、可愛げのねぇガキが!!」
「『
「何!?…がぁ!?」
モリアは更にガオウを痛めつけようと腕を振るおうとしたがモリアの後頭部に衝撃が叩き込まれる。
その衝撃でガオウを掴んでいた手を放す地面に着地したガオウはモリアを攻撃した人物を見て驚いた。
「ヤマト!?」
「兄ちゃん大丈夫!?」
モリアに強烈な一撃を浴びせたヤマトはガオウの元に駆け寄りガオウを心配をかけるがモリアの攻撃が飛んでくるのを見てガオウはヤマトを抱え込みながら地面に伏せ攻撃を回避した。
「あぁ、助かったぞ…危ねぇ!!」
「うわ!」
「いてぇ…糞が!!クソガキがもう一人出しゃばりやがって!!諸共殺してやる…!!」
ヤマトの攻撃を受けたモリアは更に激昂し『影法師』と共にガオウとヤマトに襲い掛かる。
モリアの攻撃を回避し、防御して防いでいたが防戦一方となっていた。
「チっ!影の攻撃が厄介だな!!」
「どうすんの兄ちゃん…!!?」
「…ちょっと耳貸せ」
「ん?」
ガオウはヤマトにコソコソと耳打ちをする、モリアはそれが気に食わなかったか『影法師』を突撃する。
「何こそこそしてんだ!!」
ガオウは再びドラゴンになって飛翔しモリアに襲い掛かる、モリアは嘲りながらガオウを迎え撃とうと刀に武装色で硬化する。
「またドラゴンか!ワンパターンなんだよ!!」
『影法師』を突撃させガオウを抑え込もうとするがガオウは『熱息』を口から発射して迎撃した。
「『熱息!!』」
「だから無駄だと…!」
それを予想していたモリアは跳びあがりガオウの頭上に刀を突き立てようとするが、モリアの前にガオウの頭に隠れていたヤマトが武装色で硬化して金棒をモリアに振り下ろした。
「『雷鳴八卦!!』」
「何ぃ!?」
「よくやったヤマト!『轟雷八卦!!』」
完全な不意打ちにモリアは対応しきれずヤマトの一撃はモリアに直撃し勢いよく地面に叩きつけられる、そこに間髪入れず急降下したガオウは武装色で硬化した右拳をモリアに向けて叩き込んだ。
「ガアアアアアアっ!!」
人型に戻ったガオウにヤマトが近づきモリアの様子を伺ってるとガオウは彼岸花を後ろに振るい襲い掛かってきたモリアを受け止めた。
「やったかな…?」
「わからねぇ…!?後ろだ!!」
「え…!?」
「死ねぇ!!」
「グっ…!」
更に猛攻を掛けるモリアに防戦一方になりながらも何故モリアがダメージを受けてないのかを考えていた。
(マジか!?タイミングは完璧だった筈…!)
「キシシシ…!さっきのは肝が冷えたぜぇ~?影の位置とすり替えて無きゃ潰されてたかもなぁ…?」
(影の位置をすり替えただと?そんな事までできんのか!?)
モリアが何故ダメージを受けなかった理由がわかりガオウは目を見開くが武装色で硬化したモリアの拳が顔面に直撃し吹っ飛ばされるがモリアに首根っこを掴まれる。
「キシシシ!この俺を手古摺らせたのは褒めてやるが、お前は生かして置いたら後々禍根になるかもしれぇからな!きっちり殺してやる…!!」
ガオウを助けようとモリアに攻撃を仕掛けようとするが『影法師』に取り押さえる。
「兄ちゃん!グっ…!!」
押さえつけているヤマトを一瞥した後ガオウに武装色を纏わせた刀を突き刺そうとする。
「ふん…せめてもの情けだ一思いに心臓をぶっ刺してやる…!」
その時モリアは眉をひそめる、突き刺そうとしているガオウの顔は恐怖に慄くわけでもなくかといって怒り狂ってるわけでもない、笑っていたのだ。
「あ?何が可笑しい…?」
「俺の勝ちだからだよ…」
「あ?何を言って…!?」
訳が分からないと言いいたげな顔をしていると後ろから今まで受けた攻撃とは比較にならない衝撃を脳天に叩き込まれモリアは地面に叩き着けられる。
モリアから離れたガオウは後ろにいた人物の姿を見て息を切らせながら笑みを浮かべる。
『テメェ…俺のガキ達に何してやがる?ぶち殺すぞ…!!』
「お、お父さん…!」
「遅いぞ親父…!」
ガオウとヤマトの父親…『百獣のカイドウ』が金棒『八斎戒』を担いで立っていた…。
次回は早めに投稿したいですね…(;´・ω・)