10月25日、トラック諸島を出撃した第一機動艦隊及び第二機動艦隊、第二艦隊はガダルカナル島へ接近しつつあった。
第一機動艦隊
司令長官 三好将和大将
参謀長 宇垣束少将
旗艦『加賀』
第一航空戦隊
『加賀』【零戦54機 彗星27機 天山27機 彩雲12機】
『雲龍』【零戦30機 彗星18機 天山18機 彩雲6機】
第三航空戦隊
『蓬莱』【零戦30機 彗星18機 天山18機 彩雲6機】
『葛城』【同上】
第一防空隊
『祥鳳』【零戦27機 彩雲3機】
第三戦隊
『河内』『因幡』
第五戦隊
『妙高』『羽黒』『鈴谷』『高雄』
第八戦隊
『利根』
第一護衛隊
『五十鈴』
第六十一駆逐隊
『涼月』『冬月』『霜月』『春月』
第六十二駆逐隊
『宵月』『夏月』『満月』『花月』
第一水雷戦隊
『阿武隈』
第十七駆逐隊
『浜風』『磯風』『浦風』『雪風』
第三十一駆逐隊
『長波』『風雲』『朝霜』『夕雲』
第三十二駆逐隊
『清風』『妙風』『山霧』『海霧』
第二機動艦隊
司令長官 小澤智里中将
参謀長 楠木多恵少将
旗艦『翔鶴』
第二航空戦隊
『蒼龍』【零戦27機 彗星18機 天山18機 彩雲3機】
『飛龍』【同上】
第五航空戦隊
『翔鶴』【零戦27機 彗星27機 天山27機 彩雲6機】
『瑞鶴』【同上】
第二防空隊
『瑞鳳』【零戦27機 彩雲3機】
第十一戦隊第二小隊
『比叡』『霧島』
第十二戦隊
『九頭竜』『筑摩』
第二護衛戦隊
『長良』『名取』
第六十三駆逐隊
『天雲』『照月』『初月』『新月』
第四駆逐隊
『嵐』『萩風』『野分』『舞風』
第七駆逐隊
『潮』『曙』『漣』『朧』
第21駆逐隊
『初春』『若葉』『子日』『初霜』
第二艦隊
司令長官 近藤伸子中将
参謀長 白石美代少将
旗艦『愛宕』
第四戦隊
『愛宕』『那智』
第七航空戦隊
『龍鳳』【零戦27機 彩雲3機】
第二水雷戦隊
『神通』以下10隻
第四水雷戦隊
『那珂』以下10隻
「彩雲からの報告はまだ無いか?」
「あぁ、まだ無しだな」
将和の問いに宇垣はそう答える。
「まぁ予想の本番は明日だからな。案外今日は無いかもしれんな」
将和は腕時計を見ながら呟く。時刻は既に1600を指そうとしていた。結局のところ、25日は敵機動部隊発見の報は無く勝負は26日に持ち越しとなったのである。
そして翌26日0340、第一機動艦隊から彩雲隊20機が再び発艦して敵機動部隊の捜索を開始したのである。
この時の天気は晴れ、風速北西10ノット以下であったが度々のスコールが確認されていた。
事態が動いたのは0455だった。
『千早隊長!! 右下方!!』
「……いやがったな……高度を下げろ!!」
『了解!!』
そして千早少佐の彩雲は北西方向ーー第一機動艦隊に向かう敵機動部隊ーーヴィンランド海軍の第16任務部隊を発見したのである。
「長官、来たぜ来たぜ!! 敵機動部隊発見だ!!」
「読め」
「『敵大部隊見ユ。空母2 他15 敵空母ハエンタープライズ及ビワスプ』」
「長官」
その瞬間、将和は艦橋から窓を開けて身を乗り出して飛行甲板で待機していたパイロット達に向かって叫ぶ。
「第一次攻撃隊、全機発艦!! 始めェェェェェ!!」
『オオオオオォォォォォォォォ!!』
男女のパイロット達は片腕を挙げて雄叫びをあげて愛機に乗り込んでいく。この時、第一機動艦隊では以下の攻撃隊の準備完了していた。
第一次攻撃隊
『加賀』
零戦18機 彗星18機 天山18機 彩雲2機
『雲龍』
零戦9機 彗星9機 天山9機 彩雲1機
『蓬莱』
零戦9機 彗星9機 天山9機 彩雲1機
『葛城』
零戦9機 彗星9機 天山9機 彩雲1機
『帽振れェ!!』
第一次攻撃隊は将和らの帽振れに見送られながら発艦していくのである。そして第一次攻撃隊が水平線上に消える前に将和は動く。
「直ちに第二次攻撃隊の準備を急がせろ。奴等に休憩させる暇を与えるな!!」
「おぅッ!!」
第一機動艦隊は急いで第二次攻撃隊の準備を急がせ第一次攻撃隊が発艦してから一時間47分後に第二次攻撃隊を発艦させたのである。
第二次攻撃隊
『加賀』
零戦18機 彗星9機 天山9機 彩雲2機
『雲龍』
零戦9機 彗星9機 天山9機 彩雲1機
『蓬莱』
零戦9機 彗星9機 天山9機 彩雲1機
『葛城』
零戦9機 彗星9機 天山9機 彩雲1機
さて、第一機動艦隊から発艦した第一次攻撃隊は接敵した彩雲からの誘導電波に従いつつ約一時間と少しで第16任務部隊上空に到着したのである。
『敵、空母2を視認しています』
「『蓬莱』『葛城』隊は『ワスプ』に向かえ。『加賀』『雲龍』隊は『エンタープライズ』を攻撃する」
第一次攻撃隊隊長の三好将弘少佐は列機に指示を出しながら眼下で海上を航行する第16任務部隊を見つめる。
(またしても同じ空母を沈めるか….これも運命なのかねぇ……)
将弘はそう思いながらも『エンタープライズ』に進路を取り降下する。零戦隊が上空警戒のF4F40機と空戦しているがどう見ても零戦隊が優勢であった。
『2中隊が左に回ります』
偵察員からの報告に将弘は状況を確認しつつ伝声管に向かって叫んだ。
「全軍突撃せよ!!」
将弘機からト連送が発信され各中隊は攻撃を開始したのである。先に攻撃をしたのは高橋定少佐の彗星隊18機であった。
「掛かれ掛かれェ!!」
『加賀』彗星隊18機は編隊爆撃で急降下を開始する。眼下の『エンタープライズ』は対空砲火を撃ちまくるが彗星隊は臆せず腹に抱えた500キロ爆弾を投下する。
「回避、急いで!!」
「駄目です、直撃来ます!!」
ジェニファーはそう叫ぶが回避は間に合わず『エンタープライズ』は500キロ爆弾4発が命中し飛行甲板は大破した。
「消火急いで!!(やはり……コイツらは違う……)」
指示を出しながらもジェニファーは思う。
(奴等の爆弾の威力が思いっきり違う……インド洋では500ポンドと聞いていたのに……珊瑚海……ミッドウェー……そして南太平洋……これじゃあ1000ポンド爆弾と同じじゃない!?)
新型機を投入したという話はおぼろ気ながらの情報だった。だがそれは確信に変わる。
「『ワスプ』被弾炎上!?」
『ワスプ』にも彗星隊が襲い掛かり6発が命中、『ワスプ』は完全に空母としての機能を喪失していた。しかし、その左右から天山隊が超低空飛行で襲い掛かるのである。そして『エンタープライズ』にも将弘の天山隊が襲い掛かっていたのである。
「高度3メートル……」
将弘隊は3メートルという超低空飛行で『エンタープライズ』の左舷から侵入していた。
「左舷から雷撃機!?」
「マイガッ!? 何ていう低空飛行を……」
ジェニファーは思わず感動すら覚えてしまう将弘隊の超低空飛行であった。
『距離700!!』
「撃ェ!!」
将弘は投下策を引き91式航空魚雷改六を投下する。投下された91式航空魚雷改六は見事な航跡を描きながら『エンタープライズ』に48ノットの高速で突き進みーー四本の水柱を噴き上げさせたのである。
「ダメージ・コントロール!!」
「駄目です、左舷に四本も命中しています。浸水の量が激しすぎます!!」
「傾斜、酷くなります!! 艦が沈みます!!」
「クッ……総員退艦!! 急いで!!」
斯くして『エンタープライズ』『ワスプ』は第一次攻撃隊が引き上げる前に波間に没する事になる。だが、まだヴィンランド海軍は隠し球を用意していたのである。
「空母は2隻だけじゃないだろう……まだ至近にいる筈だ。汲まなく捜索をしろ」
「分かりましたわ。直ちに残りの彩雲を……」
「失礼します!!」
『加賀』の艦橋で話していた将和と嶋野達、そこへ伝令がやってきた。
「電探室から緊急報告です!! 艦隊1時方向から100機余りの反応有り、距離8万。敵機です!!」
「……嶋野、彩雲は1時方向を重点的に捜索。零戦隊は全機発艦!! 全艦に発令、対空戦闘用意!!」
「ハッ、対空戦闘用意!!」
南太平洋の戦いはまだ始まったばかりであった。
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