「……全く。次から次へと面倒事が絶えないな」
朝から一般(?)生徒達に絡まれ、昼は会長に絡まれ、午後には侵食体が湧いて来ると言う濃い1日だった。そしてその日の夜。ミゾレは予定通り、アンカレッジの修理作業に勤しんでいた。
『侵食体の出現は流石に予定外でしたね〜』
「ああ、願わくば出食わす前にこの世界から出立したかったが、そうは行かなかった様だな……」
艦船の外装部の傷んだ場所の亀裂に食い込んだ邪魔なモノを取っ払う。今は材料が無いので内部からブルーシートを被せる程度でしか出来る事は無い。正直、この状態でダイブなんて真似は無茶だな〜。と思えた。
『それで侵食体の残骸は如何したのですか?』
「学園地下に運ぶとよ。既に原石は回収して全部ウォッチのチャージに回した。一先ず、首の皮は繋がったわ」
『ですが、エタニウムの供給は出来て居ない状態ですのでCRFは多用しないで下さい。タダでさえ貴方の場合、消費量が多い人に入ります』
能力と言うのは強ければそれに伴う対価も強くなるのは至極当然の結論だ。出力が強ければ強い程に消費量も増す……常に諸刃の剣を振るって居る様なモノなのだ。
「ああ、そうだな。何もバカみたいに放てば勝てるんなら誰も苦労しねぇよ」
——師匠はそう言うのは苦手なイメージしか無い。味方殺しやら過激派で有名だし。だから、そう言うのは教わった記憶が無い。
「……モネカ。此処と向こうの時間の流れってやはり違うと思うか?」
『そうですね……メンズ戦隊の件が有りますので充分、有り得るかと』
——そうなると、帰還した時には既に滅亡して居ました。と言う最悪なオチもあり得るな……‼︎
「ええい、やはり急ぎ修理を終わらせて艦船にエタニウムをチャージせねばならんか……‼︎ この世界の事情など拘う余裕は無いな」
『そうですけど……余り適当にやると次元トンネル内で瓦解しちゃいますから、その辺は慎重にお願いします』
「分かっている‼︎ が、材料が足りないのが本音だな……いや、本当に如何するべきか」
——1人で侵食体の軍勢を相手取るのは幾ら何でも無茶過ぎるんだよ‼︎ いや、師匠なら『やれ』って言われそう。先輩からも『第三種侵食体程度、1人で仕留めて当然です』って言いよるしパイセンだと『お先に失礼〜』とかだし……。
「侵食体が湧くのは別に構わない、が。正直な所、モネカの意見はどう見る?」
『適応出来る迄に多大な犠牲を強いる事になると思われます。大浄化戦争もそうですが管理局の時も多数の死者を出しました。まだデータ不足な面もあるので断言は出来ませんが……』
この世界の人間達が侵食に対抗出来るかと聞けば案の定、分かり易い返答が返って来た。侵食現象に対して現状では死者を出しながらの戦闘が続くだろうと言う結果だ。
「…………だろうな。調べた限り……ISのシールドバリアに頼り切りのゴリ押し戦法が主流らしいな」
シールドバリアが存在するが故の優位性を全面にした戦法。無論、それは極論に過ぎないが、その概念故に戦力の大多数がISに集中している。そしてIS史上主義なる概念まで生まれている。つまる所、依存症に近い状態となっている。
『……確かにバリアの存在は精神性を保つのに有効ですが……慣れ切ってしまうと』
「いざ、窮地に陥った時には使い物にならなくなるな。遅咲きのトリガーハッピーって奴……』
——この世界の中ではそれで良かったかも知れんが……別の理となると通用するかどうか……。カウンターであっても大半の連中が『ちょっと体が丈夫な奴』と言う認識が大部分を占めているからな。
「……いずれにせよ、この世界で起きた事象である事に変わりは無い。この世界の事はこの世界の連中に任せるのは筋だろう。招かれざる客は早々にお帰り願うのが当然の帰路だな」
『……やはり、ミゾレさんも寂しいと言う感情が浮かぶんですね』
「……何故、其処でそんな単語が出て来るんだ? 必要だから急務だと言うだけだ。そして余計な面倒事に巻き込まれたく無いだけだ」
——政治絡みとなると尚更だ。一介の傭兵に何を求めて居るのやら……。
『あ、そのボルト。緩んで居ますよー。徹夜の連続は身体に良くありません。オーマイ、真空管です』
「ホライゾン見たいな事を言うな……」
『彼女が目の前に居れば『ホライゾンではありません。ホライズンです、ヒューマン』って言われますよ? 良い加減に名前を覚えてあげて下さいね』
「アイツの名前、覚え難いんだもん。仕方ねぇだろ」
『あはは……彼女よりも覚え難い名前の方の方が多い気がしますよ。ミゾレさんのご友人は』
——…………そうかねぇ。
『兎も角、今、焦っても非効率的です。ですので、今日はもう休みましょう。何事も身体が大事なんですよ?幾らカウンターでも身体が壊れれば戦えなくなるんですよ』
「…………」
『……此処にリリーちゃんが居ないのが悔やまれます……。居たら、即効性の睡眠薬で解決出来ますのに』
「……彼女の使う睡眠薬は効果キツ過ぎるから出来れば遠慮したいんだよ……」
——ベロニカの鎮痛剤も結構、キツいからな……あの時は応急処置感覚だったが、やっぱアレも今後使う時は考えておこう……。フローラメイドサービスの元は毒物マニアの組織って話だったから、余計性質が悪い上に怖い。
『なら、寝れる時に寝て下さい。後で管理者様に報告してサービス残業撲滅指令を頂きますので』
「其処で先生を引き合いに出すのは反則じゃね⁉︎ 確実に『止めなさい』って言われる‼︎」
『やはり管理者様には頭が上がらないんですね。此処まで効果があるとは……』
モネカの
それを恐れたミゾレは渋々と言った体で徹夜明けの作業を中断する事を決めた。
「……はいはい、寝りゃ良いんだろ。寝りゃ」
『はい。良く出来ました』
「子供扱いしないでくれ」
『私から見れば殆どの方は子供に見えますね〜』
——……はぁ。制御システムに子供扱いされるとなぁ、格好付かねえや。
カウンターサイドの人物をもっと登場させる?
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(・ω・)ウニー
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(・w・)ンニー