カウンター・ストラトス   作:夢現図書館

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発覚

 

 

 

 

『ミゾレさん。流石に言い過ぎだと思いますよ?』

 

「しかし、必ず直面する事になる。直前で言われるよりは幾分かマシだろ。俺の場合は師匠からシャドウに遭遇した時から聞いたぞ。その話は……」

 

 無線でモネカからもう少し言い方があったのでは無いのかと言う苦言が飛んで来た。確かに圧迫面接にも等しい言であった事は認める。

 しかしながら、カウンターならばその場面はいつかは必ず直面する。その時に動揺すればその瞬間に死ぬ事になる。

 原理は解明出来ていないが侵食体が現れる事となれば遅かれ早かれ、この世界の人間達はカウンターの存在に気付くだろう。

 

——本音を言えば、丸っ切り無関係であって欲しかったな……この因果、何処に繋がる事やら。

 

『…………あ、更識さんから連絡が来ていますよ? クラックしたついでに此方の飛ばし(・・・)番号を残して置きました。連絡が取れると言うのは有益ですからね』

 

——相変わらず仕事が早いな、モネカは。

 

「分かった。機種が全く違うと言うのに、相互互換性を構築するとはな……」

 

『あ、本当に繋がった。ハァーイ、ミゾレ君』

 

「悪い、会長。失敗った」

 

『え? いきなり何⁉︎』

 

「だから、専用機の件。予期せぬ事態に直面して有耶無耶と言うか何とも言えん状況になっちまった。敢えて言うなら、上手く話が纏まらなかった」

 

『……本音からの報告と学園生活の様子から、対人関係は余り得意じゃ無さそうとは思わなかったけど……。ちょっと、話があるから学園長室に来てくれないかしら?』

 

「そうかい。此方も話しておくべき事がある。簪の件だ。その予期せぬ事態に関する事だ」

 

『……! ええ、分かったわ。学園長室で待って居るわ』

 

「……ふう、コレから先、何が起ころうとも驚かん自信が出て来たな」

 

 

 

 

 

 

 楯無からもミゾレからも話があるとの事で指定された学園長室に集まった一同。学園長室には学園長と楯無、そして千冬の代わりに真耶が待っていた。かく言う真耶は未だに慣れて居ないのか萎縮気味であった。

 

「2日ぶりですね、ミゾレ君。そして織斑先生と更識君の話から聞きましたが我が校の生徒を救援して頂きありがとう御座います」

 

「それは聞き飽きている。で、大将。話ってのは何だ?」

 

 くだらない前置きは必要ないので先に相手側の要件を聞く事にした。

 

「はい。実は君の所有する艦船の事に関する件です。IS学園は治外法権とし凡ゆる第三者からの干渉を認めないと規定して居ますが、形骸化して居る事はご存知かと思います。撮影、盗聴の危険性は常に孕み続けています。生徒自身が母国政府に報告して居るのも当然の帰路」

 

「そうだろうな。その辺は把握して居るさ。生徒の日本の人間以外の国籍の人間は大半が選抜メンバー。多かれ少なかれ政府の息が巻いているのは当然だろう」

 

 その表現にミゾレに関しての情報量が少ない真耶は疑問符を浮かべていた。苗字は不明だが下の名前は日本風なのに、日本を外国と認識して居る話し方に違和感を感じて居るのだろう。

 

「ならば話が早いですね。よって遅かれ早かれ君の艦船の所在がバレる可能性があります。極めて高度なステルス迷彩技術を搭載して居るようですが、裏を返せばその技術を欲しがる国や勢力は数多と言えるでしょう。

 その状態と言うのに屋外と言うのは危険と言えます」

 

「……否定は出来ないな。ステルスモードで欺瞞こそはして居るが個人的に想定外の状況が立て続けに起きている。可能性は否定出来んな、で?」

 

「IS学園の第六アリーナを貴方専用の施設として貸し出します。そのアリーナは長い間、未使用状態でした。各アリーナにはISの整備用としての整備室も備わって居ます。貴方が屋外で寝泊まりして居る状態と聞きましたので、諸々の理由と利害が一致する事でしょうから其処を拠点として使って下さい」

 

「成程、それは有難い話だが良いのか?」

 

「用心深いのは良い事です。しかし、貴方の秘密はまだまだ多いでしょう。その秘密に触れた第三者が現れると我がIS学園も苦境に立たされる事になります故に、そう言う意味でもリスクは減らしたい思惑があります」

 

 隠蔽体質。隠せば隠す程、発覚した時のリスクが大きくなる。小さな綻びもやがて倒壊の礎にもなり得る。

 

「……分かった。座標を教えてくれ、最低限の移動機構は辛うじて修理が終わった。流石に次元潜航はまだまだ厳しいが、同次元の極短距離ならば何とか最小限の被害で収まるだろう」

 

「有難う御座います」

 

「礼を言うのは此方の方だ。あと、不躾で悪いが艦船の修理用の鋼材等の搬入の手配をお願いしたい」

 

「ええ、分かりました。必要なモノが仰って下さい」

 

「ああ、書面で必要なモノを書き出した。代金はコレ位で足りるか?」

 

 学園長に必要な物品の見積書とその代金となる日本銀行券(楯無から受け取った現金)を同時に差し出した。

 

「手際が良いですね……そして律儀なのですね。何処からお金を用意したのか敢えて聞きません。理由等は此方で揃えて置きます」

 

 取り敢えず必要なモノの手配は完了はした。使われず放置されていた第六アリーナとその整備室を拠点として使える上に修理素材の確保も現実的に実現した。ミゾレの目的に一歩前進したと言える。

 

「さて、学園長の要件は終了したわね。それで貴方からの要件は、何かしら? 簪ちゃんの事でしょうけれど……?」

 

 連絡を取り合った時にミゾレは予期せぬ事態と告げた。楯無は瞬時にそれは簪に関する事だろうと察した。短い期間の様子からしてミゾレとしても良くない兆候と認識出来た。まさか、侵食症候群が現れたのだとしたら……と思えばゾッとする。

 

「ああ、くだらん前置きは放置して。単刀直入に言おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「簪が『カウンター』に覚醒した」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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