遊戯王 デュエリストのお兄さん 蒼銀の導き   作:ひろやん(すぴ出身)

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更新遅くなりました。


第3話 神VS究極竜

「遊戯、海馬の事が気になるんだろ。俺の事は大丈夫だから海馬の後を追いかけるんだ」

「でも城之内くんが」

「大丈夫だ、遊戯から貰ったカードがある」

「分かったよ、ありがとう城之内くん」

 

*****

 

 デッキの準備を終えて海馬を待つ間に今の海馬の状態を青子から聞いた。何故海馬がオベリクスを持っているのかは分からないが、もう1人の遊戯がバラバラにした海馬の心のパズルはまだ完成していない。その状態でオベリスクを使った影響でどうやら海馬は暴走しているらしい。

 

 そしてその暴走を止めるには海馬の3体の青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)が持つ残りのビースを海馬に与えるしかない。その為にはデュエルで青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)を使って海馬のライフにダメージを与えればいい。

 

 つまりペガサス会長から青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)を借りて正解だったと言う訳だ。ただ厄介なのは青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)で3回ダメージではなくて、1枚づつで3回ダメージを与えないといけないという事か。せめてもの救いは私のデッキは青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)の召喚に特化していると言う事か。

 

 それからオベリクスに対抗する戦略を考えながら海馬を待っていると海馬と木馬と後から遊戯がやってきた。

 

「星はそろえた、中に通してもらうぞ」

「ええ、予選通過おめでとうございます。でも海馬くんのオベリスクの巨神兵。そのカードを本選で使わせるわけにはいきません。ですから私とデュエルをしてください。もし私が勝てばオベリスクの巨神兵はいただきます。その代わり海馬くんが勝てばこの3枚の青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)のカードを返しましょう。ただしこれからのデュエルで青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)を使わせてもらいますが」

 

 私がそう言うと海馬は不適に笑った。

 

「いいだろう。もはや青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)に用は無いが、青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)などもはや過去の遺物である事をこの神のカードで証明してやろう」

 

 だめだ、海馬は完全に暴走している。でなければ青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)が必要ないだなんて言うはずが無い。私は海馬を城内のデュエルリングまで連れて行ってデュエルを開始した。

 

「先攻は俺がいただく。俺は(X-ヘッド・キャノン 攻撃力1800)を攻撃表示で召喚。ターンエンドだ」

 

 もうXYZをデッキに投入しているのか。それにカードを伏せないのか。一体何を考えているんだ。

 

「私のターン、ドロー。(青き眼の乙女(あおきめのおとめ) 攻撃力0)を攻撃表示で召喚。装備魔法(磁力の指輪)を装備。(青き眼の乙女(あおきめのおとめ))の効果でデッキから(青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン) 攻撃力3000)を攻撃表示で特殊召喚。バトル、(青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン) 攻撃力3000)で(X-ヘッド・キャノン 攻撃力1800)を攻撃」

 

 海馬ライフ 4000 - 1200 = 2800

 

 あっさりとダメージが通ってかえって不気味である。しかしこれでピースを1枚海馬に届けた。

 

「俺のターン、ドロー」

「にいさま…」

 

 しかし海馬の様子に変化は無く海馬はデッキからカードをドローした。

 

「(Y-ドラゴン・ヘッド 攻撃力1500)を攻撃表示で召喚。(Y-ドラゴン・ヘッド)で(青き眼の乙女(あおきめのおとめ))を攻撃」

 

 海馬、容赦なく青き眼の乙女(あおきめのおとめ)を攻撃したな。

 

「(青き眼の乙女(あおきめのおとめ))の効果を発動。攻撃を無効化して表示形式を守備表示に変更。そして(青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン) 攻撃力3000)を攻撃表示で特殊召喚」

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

 攻撃が通らず、青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)が増えたのにこの余裕は何だ。だがまずは2枚目の青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)のピースを届けなければ。

 

「私のターン、ドロー。(青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン) 攻撃力3000)で(Y-ドラゴン・ヘッド 攻撃力1500)を攻撃」

「リバース、(攻撃の無力化)。攻撃を無効化してバトルフェイズを終了させる」

「カードを2枚ふせてターンエンド」

 

 攻撃が通らなければピースは届かない。けれど竜魂の城を伏せれたのでドラゴンを墓地に送れば青き眼の乙女(あおきめのおとめ)を使って青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)を召喚できる。

 

「俺のターン、ドロー。フハハハハ!この勝負俺の勝ちだ。見せてやる神の姿を」

「何!」

「魔法カード、(クロス・ソウル)を発動。互いのプレイヤーはお互いのモンスターをリリースしてアドバンス召喚することができる」

 

 クロス・ソウル。原作とOGで効果が違うので忘れていた(しかも登場するたびに効果も微妙に違っていた)。たしか原作のカードはバトルフェイズの無効化は無かったはず。

 

「これで貴様の3体のモンスターをリリースして(オベリスクの巨神兵 攻撃力4000)を召喚」

 

 まずい、手札にリリース1で召喚できるモンスターがない。これではY-ドラゴン・ヘッドをリリースしてアドバンス召喚をする事ができない。

 

「どうやら召喚できるモンスターは無いようだな。バトル!(オベリスクの巨神兵 攻撃力4000)でダイレクトアタック!神の前に沈め!

 

 オベリスクの巨神兵の攻撃をくらって私は4000のダメージを受けた。しかし私のライフは4000のままだ。

 

「ばかな!何故ライフが4000のままなのだ!」

「攻撃宣言時にに罠カードを使いました」

「神には罠カードは通用しない。攻撃の無効化は出来ないはず」

「ダメージ4000は貰いましたよ。私が使ったのは(ホーリージャベリン)。攻撃してきたモンスターの攻撃力分だけライフを回復させるカードです。効果の対象は私のライフなので神の効果は関係ないです」

 

 桐野ライフ 4000 + 4000 - 4000 = 4000

 

 もっとも神の一撃をくらった身体的なダメージはでかい。蒼銀が守ってくれなかったらこれで倒れていたかもしれない。

 

「ならば、(Y-ドラゴン・ヘッド 攻撃力1500)でダイレクトアタック。俺はこれでターンエンド」

 

 桐野ライフ 4000 - 1500 = 2500

 

「私のターン、ドロー。これは…」

 

 ドローしたカードを見た時、青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)達の声が聞こえた。どのみちこれをやら無ければオベリクスは倒せない。ならばやるしかない。

 

「魔法カード(竜の霊廟(りゅうのれいびょう))を発動。デッキから青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)を墓地に送る」

 

 青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)は通常モンスターなのでもう1枚ドラゴンを墓地に送れるが、今回は青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)1枚だけにしておく。

 

「そして魔法カード(龍の鏡)を発動。墓地の(青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン))3枚を除外して(青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン))の3対融合モンスターを融合召喚する。海馬くん、君は大切な事を『忘れて』いるよ。ブルーアイズは神を越えたモンスターだということを。いでよ(青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン) 攻撃力4500)!」

 

 まさか海馬よりも先にこのモンスターを召喚することになるとは。でも海馬の心のピースは2つとも青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)が持つ事になった。これで2回ダメージを与えればいいことになる。

 

「ばかな、青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)の3体融合だと」

「攻撃力4500…」

「神を超えたモンスター」

 

 海馬が遊戯が木馬が驚いている中、私は青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)で攻撃した。

 

「バトル、(青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン) 攻撃力4500)で(オベリスクの巨神兵 攻撃力4000)を攻撃」

 

 海馬ライフ 2800 - 500 = 2300

 

 ここで、Y-ドラゴン・ヘッド 攻撃力1500を攻撃すれば私の勝ちだった。しかし面倒な勝利条件が有るのでそれは出来なかった。

 

「ふっ、(Y-ドラゴン・ヘッド 攻撃力1500)を攻撃すれば3000のダメージを与えられて勝てたものを。その余裕をを後悔するがいい。俺のターン、ドロー。(Z-メタル・キャタピラー 攻撃力1500)を召喚。そして魔法カード(死者蘇生)を発動。神の効果でこのターンのみだが蘇れオベリスク!(オベリスクの巨神兵 攻撃力4000)を墓地から攻撃表示で特殊召喚」

 

 オベリスクとYとZの2対のモンスター、狙いは攻撃力の∞かか。

 

「(オベリスクの巨神兵)の効果を発動!自分の場の2対のモンスター、(Y-ドラゴン・ヘッド)と(Z-メタル・キャタピラー)を生贄にささげ、(オベリスクの巨神兵)の攻撃力を∞にする」

 

 リリースとは言わずに生贄といったか。前より神の影響が酷くなっていないか。

 

「バトル!(オベリスクの巨神兵 攻撃力∞)で(青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン) 攻撃力4500)を攻撃。神を越えるだと!そんなものはまやかしだ」

 

 海馬は高笑いをしているが、この状況は予想済みだ。対応策は練ってある。

 

「手札からオネストを墓地に送り効果を発動。(オベリスクの巨神兵)の攻撃力分の数値を(青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン))の攻撃力に加算させる。(オベリスクの巨神兵)の攻撃力は∞。よって(青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン))の攻撃力も∞になりこのバトルは相打ちになる」

「何!」

 

 ∞の攻撃力を得たオベリスクに対抗できる数少ない手段であり。勝利条件があったので今まで使えなかったカードだ。

 

 神と究極竜。2対のモンスターのバトルは衝撃を生み、一瞬デュエルリングがゆれた。そして青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)は3体の青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)に分離してオベリスクと共に消えて行った。

 

「私のターン、ドロー。このデュエル私の勝ちだ」

 

 最後の最後で私のデッキは勝利条件を満たすために答えてくれた。

 

「装備魔法(|D・D・R《ディファレント・ディメンション・リバイバル》)!手札を1枚捨てて除外されている(青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン) 攻撃力3000)を攻撃表示で特殊召喚。そのこのカードを装備」

 

 除外された青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)は再びフィールドに舞い戻り海馬の前に立ちふさがった。

 

「なんだこれは。この光景以前どこかで…」

「俺もこの光景、以前どこかで…」

 

 蘇った青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)を見て海馬は突然頭を抱え始めた。オベリスクは完全に倒されたので影響が少なくなってきているようだ。そしてこの光景、もしかして操られた神官セトをキサラの精神が宿ったブルーアイズが助けようとした時と似ている。

 

 海馬ともう1人の遊戯はこの光景に記憶を刺激されているのだろう。

 

「これで終わりです。バトル!(青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン) 攻撃力3000)でダイレクトアタック」

 

 私の命令に青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)はブレスを吐かず、全身から光をだして海馬を包み込んだ。それは最後のピースが海馬に届いた証だった。

 

 海馬ライフ 2300 - 3000 = 0

 

「にいさま!」

「海馬くん!」

 

 そしてライフが0になった海馬は意識を失い、その場に倒れたのだった。




補足

 クロス・ソウルの効果はイシズ戦の時の物を使用しています。攻撃力∞同志のバトルの裁定は遊戯王Rの神祖・オベリスクVS邪神アバターを参考にしました。

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