遊戯王 デュエリストのお兄さん 蒼銀の導き   作:ひろやん(すぴ出身)

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 今回のバトルロイヤルのルールでは敗退した人の墓地のカードは蘇生できません。


第10話 バトルロイヤル決着

 簡単なおさらい。ペガサス会長、遊戯、城之内と私の4人でバトルロイヤルを始めたよ。

 シンクロ召喚で『トリシューラ』を呼んだよ。でも危険視されて3対1に。

 そんな中ペガサス会長が子供たちを出し抜いたからずるい大人に制裁を加えたよ。

 

*****

 

 青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)の連続攻撃でペガサス会長のライフは0になった。

 

「ではペガサス会長、罰ゲームの時間です」

「キ、キリノ。私は会長であなたの上司デ~ス」

「ペガサス会長…。デュエルに身分は関係ないって言ってましたよね。だったらデュエルモンスターズの生みの親はその事を身をもって証明しないと」

 

 私はにっこり笑ってそう言った。そして待機していたウーマンを呼んだ。

 

「ウーマン、ペガサス会長に罰ゲームを」

「はーい」

「キ、キリノ…」

「大丈夫ですよ。ウーマンにはキースと同じ位のレベルにしておけって言って有りますから」

 

 私がそう言うとペガサス会長は絶望の表情を浮かべた。

 

「まってくだサ~イ。それだと待ちうけているのは…」

「さあ、逝きましょう」

「ノォォォォ!!!!!」

 

 叫びながらペガサス会長は連れて行かれた。キース…、仇は取ったよ。

 

「じゃあ、デュエルの続きをしよう」

「お、おお」

 

 2人とも引き攣った顔でデュエルを再開した。

 

「といってもまだ私のバトルフェイズなんだけどね。まだ攻撃力3200になった『青き眼の乙女(あおきめのおとめ)』が攻撃していない。さてどちらを攻撃しようか…」

 

 遊戯と城之内、どちらもペガサス会長のせいで壁となるモンスターが居ない。ただし伏せカードは遊戯が3枚、城之内が2枚有る。私は2人の表情を見比べると城之内に攻撃する事にした。

 

「怖く無いほうに攻撃しよう。城之内くんにダイレクトアタック!」

「俺が怖く無いだと」

 

 城之内が叫ぶなか、青き眼の乙女(あおきめのおとめ)は城之内に攻撃した。伏せカードを使わなかった、やはり伏せているのはカウンター系ではなかったか。遊戯を見たとき表情からカウンターを狙っていたようだったから城之内を攻撃したのだが正解だったようだ。だがここで遊戯が罠カードを発動させた。

 

「リバーズカードオープン!『マジシャンズ・サークル』、僕はこれでデッキから『ブラック・マジシャン・ガール』を特殊召喚する!」

 

 マジシャンズ・サークルは魔法使い族の攻撃宣言時に発動できてデッキから魔法使い族・攻撃力2000以下のモンスターを特殊召喚する罠カードだ。青き眼の乙女(あおきめのおとめ)は魔法使い族なので発動条件を見たしている。

 

「私のデッキに対照となるモンスターはもう居ない」

「俺もだ」

 

 青き眼の乙女(あおきめのおとめ)は1枚だけなので対象となるモンスターは居らず特殊召喚は出来ない。ちなみにデュエルリングのシステムがデッキをサーチしているので強制効果を満たせなくても相手にデッキをさらさなくて済む。

 

 結果遊戯の場にモンスターが召喚された形になった。

 

「「「「「『ブラック・マジシャン・ガール』…、ウーマンさんと違ってピチピチだ!!!!」」」」」

 

 現れたブラック・マジシャン・ガールに対してギャラリーがそんな事を言った。ウーマンが居なくて良かった。いたら後が怖い。

 

「プレイを続行する。城之内くんの場のモンスターの数が変わらなかったのでこのまま攻撃は続行!」

「うわ!」

 

 攻撃力が3200まで上がった青き眼の乙女(あおきめのおとめ)の攻撃を受けて城之内のライフは一気に削られた。

 

 城之内 ライフ 4000 - 3200 = 800

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 キリノライフ 1700 手札1 伏せカード2

 

 これで私のターンが終わった。次が3順目か、バトルロイヤルは時間がかかるな。

 

 3順目

 

「僕のターン!ドロー。魔法カード『賢者の宝石』を発動!自分フィールドに『ブラック・マジシャン・ガール』が存在のでデッキから『ブラック・マジシャン』を特殊召喚!」

 

 賢者の宝石か、これでブラマジ師弟がフィールドに揃ったな!

 

「バトル!『ブラック・マジシャン・ガール』で青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)(星7)の方を攻撃。そしてリバースカードオープン『ブラック・スパイラル・フォース』!自分の場に『ブラック・マジシャン』が居る時、『ブラック・マジシャン』以外のモンスター一体の攻撃力を2倍にする。僕は『ブラック・マジシャン・ガール』の攻撃力を2倍にする!」

 

 ブラック・マジシャン・ガール 攻撃力2000 × 2 = 4000

 

 ブラック・スパイラル・フォース…、まったく知らないカードだ(注タッグフォースオリジナルのカードです。OCGには有りません)

 

「ならこちらもリバースカードオープン!『竜魂の城』、墓地の『伝説の白石』を除外して攻撃対象にされた『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』の攻撃力を700ポイントアップする」

 

 これでダメージを減らすしかない。ブラック・マジシャン・ガールの攻撃を受けてレベル7になっていた石版ブルーアイズが破壊された。

 

 キリノ ライフ 1700 - 300 = 1400

 

「僕はこれでターンエンド。桐野さん1つ聞いてもいいですか?」

「何だい?」

「城之内くんの事です。どうしてさっき怖くないだなんて言ったんです?キリノさんは城之内くんの事を誰よりも評価していたのに…」

 

 ああ、その事か。

 

「別には弱いとは思っていない。ただ妹さんの手術費を手にいれて決勝で遊戯君と戦って負けて、もう燃え尽きたなと感じただけだ」

「俺が燃え尽きた…」

「違うのかい?後先考えず勢いに乗って強いカードを出しているだけかと思ったけど」

「…確かに、俺はもう満足して心のどこかでこのデュエルは遊戯が勝てばいいと思っていた」

「勿体無いでしょ、デュエルはゲーム、遊びなんだから楽しまないと。このデュエルは何も背負っていないのだから思いっきり楽しめ」

 

 私がそう言うと城之内はふっきっれた用だった。

 

「野野さんありがとう。遊戯も!おかげで目が覚めたぜ!俺のターン!ドロー!…このカードは!」

 

 何かいいカードが出たようだ。

 

「魔法カード『強奪』を発動!桐野さんの場の『青き眼の乙女(あおきめのおとめ)』に装備!コントロールを得るぜ!」

「この瞬間『青き眼の乙女(あおきめのおとめ)』の効果を発動!デッキから『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』を攻撃表示で特殊召喚!」

『貴様もブルーアイズよりも美少女を選ぶのか~!』

 

 私の場に反転ブルーアイズ、通称Sin子が召喚された。

 

「うわ、なんだあのブルーアイズ!」

「あんな禍々しい、瘴気に満ちたブルーアイズ始めて見た」

「何なんだあのカードは」

「…インダストリアル・イリュージョン社の地下に封印されていたエラーカードだ」

 

 Sin子の瘴気はソリッドビジョンに反映されたので私はそう説明した。そしてブルーアイズの特殊召喚処理が終わると強奪の効果で 青き眼の乙女(あおきめのおとめ)のコントロールを奪わた。

 

「城之内!貴様何をしている」

 

 強奪に描かれている盗賊に青き眼の乙女(あおきめのおとめ)がさらわれたのを見てカイバーマン(海馬)が吼えた。

 

「それにしても『強奪』のカードなんてよく持っていたね」

 

 原作では使っていなかったカードだ。

 

「決勝の前にキースが俺にくれたんだ。もっと強くなれって魔法カードと罠カードを数枚俺に…、うっ」

 

 キース、そんな事をしてたのか。城之内はその時の事を思い出して顔を俯かせた。そして…

 

「…、だっはっは!駄目だ!あの格好!思い出したら今でも笑えてくる」

「城之内くん、笑ったら失礼だよ。っく」

 

 そう言う遊戯も思い出し笑いをしている。キース…、ウーマンにどんな格好をさせられたんだ…?可哀想だから2人の気をデュエルに戻そう。

 

「所で『青き眼の乙女(あおきめのおとめ)』に装備された『団結の力』は有効だけれども城之内くんの場には『青き眼の乙女(あおきめのおとめ)』1体しかいないから攻撃力は800になるよ」

「それでも桐野さんの場に置いておくよりはいい。これでもうブルーアイズの召喚は封じたも同然なんだから。それに場のモンスターはこれから増やす。魔法カード『スケープ・ゴート』!これで守備力0の羊トークンを4体、守備表示で特殊召喚する。これで俺の場のモンスターは5体!『青き眼の乙女(あおきめのおとめ)』の攻撃力は800×5で4000になる。バトルだ!『青き眼の乙女(あおきめのおとめ)』(攻撃力4000)でその禍々しい『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』に攻撃!」

「『竜魂の城』の効果で『ラビードラゴン』を除外して攻撃対象の『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』の攻撃力を700ポイントアップ!」

 

 ちなみにラビードラゴンは遊戯の手札抹殺で墓地に行ったカードだ。それでも遊戯の時と同じく攻撃力が足りずにダメージを減らすので終わった。

 

『魔法少女に~!!!』

 

 Sin子、青き眼の乙女(あおきめのおとめ)は仲間、ブルーアイズのサポートカードだからね、仲良くね。

 

 キリノ ライフ 1400 - 300 = 1100

 

「だあ!ライフを削れねえ!ターンエンド!」

 

 そうだね、強奪のデメリットを考えるとマイナスだね。

 

「私のターン、ドロー。この瞬間『青き眼の乙女(あおきめのおとめ)』に装備された『強奪』の効果でライフを1000回復」

 

 キリノ ライフ 1100 + 1000 = 2200

 

「げ、ライフが回復した」

「何やっているんだ城之内!せっかく遊戯が削ったライフまで回復させてどうする」

「うるせえ!次の俺のターンになったら挽回してみせる!」

「残念だけど次は無いよ。リバースカードオープン『リビングデッドの呼び声』これで墓地の『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』(石版の方)を攻撃表示で特殊召喚」

「きた3枚目の蘇生カード!」

「でもこれでもうブルーアイズは打ち止めのはず」

 

 はしゃいでいるけどまだ『戦線復活の代償』が有るからね。持っていないから今は使えないけど。

 

「そして魔法カード『巨竜の羽ばたき』。蘇らせた『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』を手札に戻してフィールド上の魔法、罠カードを全て破壊!」

 

 これで厄介な伏せカードは全て破壊できる。

 

「っつ!リバースカードオープン!『墓荒らし』!墓地の『死者蘇生』をって…、しまった!俺の場はモンスターでいっぱいだった!じゃあ桐野さんの墓地の『禁じられた聖槍』を拾って場に残っている『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』に使い攻撃力を800ポイント下げて置くぜ」

 

 ちなみにもし城之内が禁じられた聖槍の効果対象を石版ブルーアイズにした場合、チェーンの順番で手札に戻せるモンスターを選び直せるので青子の方を手札に戻す。その場合リビングデッドは破壊されても聖槍の効果で石版ブルーアイズはリビングデッドの効果を受け付けず場に残る事ができる。つまり城之内の言う通りブルーアイズの攻撃力を下げるだけに終わる事になる。

 

 が、予定がくるってしまった。手札の『暴風竜の防人(ぼうふうりゅうのさきもり)』をブルーアイズに装備させて貫通ダメージを狙っていたのに…。でもまあいい装備できるモンスターは他にいる。

 

「そしてこの効果で墓地に送られた『竜魂の城』の効果を発動!除外されている『ラビードラゴン』(攻撃力2950)を攻撃表示で特殊召喚!」

 

 しかしラビードラゴンは私の目の前には現れなかった。

 

「あれ、ラビーどこだ?」

 

 モンスターが見当たらないのを不審に思うと青子の足元から鳴き声が聞こえた。

 

『もきゅ!』

「もきゅ?」

 

 見ると子ウサギサイズのラビードラゴンが青子の足元にいた。

 

「キャーかわいい!」

「可愛いのか?ってラビーあんなに小さかったのか…」

 

 まあ攻撃力は高いしデュエルに支障は無いので気にしないで置こう。

 

「さらに『強奪』が破壊されたので『青き眼の乙女(あおきめのおとめ)』のコントロールが戻る。『団結の力』も破壊されたから攻撃力は0になるけどね」

 

 そう言うと青き眼の乙女(あおきめのおとめ)は私の場に帰ってきた。精霊が宿っていないのでなんのアクションも無しだ。

 

 これで私の場には青子、乙女、ラビー、守備表示のレベル・スティーラーの4体。遊戯の場にブラマジ師弟の2体。城之内の場に守備表示の羊トークンが4体になり。全員伏せカードは無くなった。

 

「最後に『暴風竜の防人(ぼうふうりゅうのさきもり)』の効果で『ラビードラゴン』にこのカードを装備。これで守備貫通効果を得る」

『ふぎゅ!』

 

 装備された防人がラビーに乗って、ラビーを潰した。ラビーは防人の下から抜け出すと防人の肩に乗った。こいつら本当に精霊が宿って居ないのか?見事なリアクションだぞ。

 

「バトル!『ラビードラゴン』(攻撃力2950)で羊トークン(守備力0)を攻撃!貫通ダメージで2950のダメージだ」

「くっ!ここまでか…」

 

 城之内 ライフ 800 - 2950 = 0

 

「安心していいよ。ウーマンがいないから罰ゲームは無しだよ」

 

 城之内を倒したけどまだ遊戯が残っている。青子の攻撃力はこのターン2200だからブラマジガールを倒すことは出来る。

 

「続いて『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』(攻撃力2200)で『ブラック・マジシャン・ガール』(攻撃力2000)を攻撃」

『きゃぁぁぁ!』

 

 遊戯 ライフ 4000 - 200 = 3800

 

 ブラック・マジシャン・ガールは悲鳴を上げながら破壊されていった。幸いな事にこの場に熱烈なブラマジガールのファンは1人しか居らず彼女もヤジを上げるような正確では無いのでGXで起きるような反応は無かった。

 

 これで遊戯の場にはブラック・マジシャンが一体だけ。手札も次のドローの1枚。まず青子とラビーで押し切れるだろう。しかし相手が相手なので用心したほうがいい。

 

「メインフェイズ2に入る。私は『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』に『青き眼の乙女(あおきめのおとめ)』をチューニング!」

「え?」

「ここでシンクロだと」

 

 シンクロ召喚の宣言に遊戯達は顔色を変えた。

 

「安心していいよ、私のエクストラデッキにトリシューラは1枚だけだ。それにこれはトリシューラの組み合わせではないから」

 

 さて召喚するのは相棒の蒼銀なのだし前口上を叫ぶとしますか。

 

「輝けし蒼の眼と銀の体躯を持つ守護龍よ、今ここに降臨し地上の竜に加護を与えよ!シンクロ召喚!レベル9『蒼眼の銀龍(そうがんのぎんりゅう)』!守備表示(守備力3000)で召喚」

 

 私の口上とともに蒼眼の銀龍(そうがんのぎんりゅう)は神々しく召喚された。

 

「凄い!神々しい!」

「『蒼眼の銀龍(そうがんのぎんりゅう)』の効果を発動!このカードが特殊召喚に成功した時、次の相手のターン終了時まで自分の場のドラゴン族モンスターは効果の対象にならず、効果では破壊されない」

「破壊されないってそんなんありか!」

「これが桐野さんの守護龍!」

「そう、遊戯君の『ブラック・マジシャン』、海馬社長の『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』かそれぞれの魂のカードであり戦い方の象徴であるように、この『蒼眼の銀龍(そうがんのぎんりゅう)』こそが私の魂のカードであり戦い方の象徴だ」

 

 私がそう言うと蒼銀は照れてもじもじした。これで打てる手は全て打った。

 

「私はこれでターンエンド」

 

 キリノ ライフ 2200 手札1(青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)) 伏せカード0

 

 4順目

 

 次は遊戯のターン、表の遊戯にがどこまで出来るか見ものである。

 

「僕のターン!ドロー。魔法カード『光と闇の洗礼』を発動。『ブラック・マジシャン』をリリースしてデッキから『混沌の黒魔術師』(攻撃力2800)を攻撃表示で特殊召喚する。城之内くんのおかげだよ。城之内くんがブルーアイズの攻撃力を下げてくれたから『ブラック・マジシャン』は生き残る事ができたんだ。そして『混沌の黒魔術師』の効果を発動。このカードは召喚・特殊召喚に成功したとき、自分の墓地から魔法カードを1枚手札に加えることが出来る。僕は墓地の『死者蘇生』を手札に加えてこのカードを発動!僕の墓地から『カオスソルジャー-開闢(かいびゃく)使者(ししゃ)-』(攻撃力3000)を攻撃表示で特殊召喚」

「『蒼眼の銀龍(そうがんのぎんりゅう)』の効果で『レベル・スティーラー』以外のモンスターは効果の対象にはならず、『カオスソルジャー-開闢(かいびゃく)使者(ししゃ)-』の効果で除外できない」

「分かっているよ。僕は『混沌の黒魔術師』で『レベル・スティーラー』を攻撃!この『混沌の黒魔術師』が戦闘破壊したモンスターは墓地には行かずゲームから除外される。これで墓地から蘇ってリリースに使われることは無い。そして『カオスソルジャー-開闢(かいびゃく)使者(ししゃ)-』(攻撃力3000)で『ラビードラゴン』(攻撃力2950)に攻撃」

「『ラビードラゴン』に装備された暴風竜の防人(ぼうふうりゅうのさきもり)の効果を発動。装備モンスターが破壊される時代わりにこのカードを破壊する」

 

 防人は切りかかってくるカオスソルジャーの攻撃からラビーを守るためにその身を盾にした。

 

『もふー!』

『ふっ』

 

 カオスソルジャーのよって胸を貫かれた防人はラビーの頭を撫でると消えて行った。

 

 …お前等本当は精霊が中に入っているだろ!

 

「今の攻撃で戦闘ダメージは受けたけど、モンスターは破壊されなかったのでカオスソルジャーの追撃効果は発動しない」

 

 キリノ ライフ 2200 - 50 = 2150

 

「僕はこれでターンエンド」

 

 遊戯 ライフ 3800 手札0 伏せカード0枚

 

「よし、遊戯の勝ちだ!フールドにはカオスソルジャーを倒せるモンスターはいねえ。もしフィールドのモンスターをリリースして手札のブルーアイズを召喚したとして、カオスソルジャーと相打ちなら残った『混沌の黒魔術師』は桐野さんのライフを0にする。もし『混沌の黒魔術師』を攻撃したとしてもカオスソルジャーが残ってブルーアイズを除外する」

 

 そうだな、普通はそう思うよね。でもフィールドにいるのは蒼眼の銀龍だ。

 

「私のターン、ドロー」

「ぐおぉぉぉ、ぉ!」

 

 

 私がカードをドローするとスタンバイフェイズになる。そして蒼銀が吼えた!吼えた後恥ずかしそうにもじもじした。女の子だから吼えるところを見られるのは恥ずかしかったのだろう。

 

「銀龍の轟咆…」

 

 今の光景を見て遊戯がそう呟いた。

 

「そう銀龍の轟咆、魔法カード『銀龍の轟咆』の元になったものだ」

「それってつまり!」

「『蒼眼の銀龍(そうがんのぎんりゅう)』の効果を発動。自分のスタンバイフェイズ時に墓地の通常モンスターを1体、特殊召喚できる。私は墓地の『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』を攻撃表示で特殊召喚」

 

 蒼銀の力で青子はフィールドに舞い戻った。

 

「これが私のデュエルスタイル。墓地からモンスターを召喚する事で相手フィールドを制圧する。『蒼眼の銀龍(そうがんのぎんりゅう)』を攻撃表示に変更」

 

 蒼眼の銀龍(そうがんのぎんりゅう) 守備力3000 → 攻撃力2500

 

「城之内くん、さっき言っていたデュエルの予想だけど1つ穴が有る。もし私がドローでモンスターの攻撃力を変化させるカードを手にしていたらカオスソルジャーは戦闘で破壊可能だよ」

「げ…」

「魔法カード『トレード・イン』を発動。手札のLV8モンスター『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』を墓地に送りデッキから2枚ドロー」

 

 そしてドローしたのは禁じられた宝物の1枚。

 

「魔法カード『禁じられた聖衣』を発動。このカードの効果でこのターンの間『カオスソルジャー-開闢(かいびゃく)使者(ししゃ)-』の攻撃力を600ポイントダウンさせる。その代わりこのターン間、カオスソルジャーは効果の対象にはならず効果では破壊されない」

 

 カオスソルジャー-開闢(かいびゃく)使者(ししゃ)- 攻撃力3000 - 600 = 2400

 

「それでも遊戯のライフは残る!遊戯なら…」

「残念だけどそうは行かない」

 

 城之内のセリフを遮って私は言った。

 

「手札から『ミラージュ・ドラゴン』(攻撃力1600)を攻撃表示で通常召喚。遊戯くん、前のターン私が怖かったのは『死者蘇生』でカオスソルジャーを復活させる事ではなく、『天よりの宝札』で手札を増しカードを伏せられる事だった。テクニカルタイプのデッキでパワーファイターにパワーで張り合ったのは失敗だったね」

 

 もっともミラージュ・ドラゴンが手札に来たのでさほど問題は無かったかもしれない。

 

「…僕のミスだ。もう1人の僕ならこんな事には…」

「これで終わりだよ。仇を取らせよう。『ラビードラゴン』(攻撃力2950)で『カオスソルジャー-開闢(かいびゃく)使者(ししゃ)-』(攻撃力2400)を攻撃。『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』(攻撃力3000)で『混沌の黒魔術師』(攻撃力2800)を攻撃。最後に『蒼眼の銀龍(そうがんのぎんりゅう)』(攻撃力2500)と『ミラージュ・ドラゴン』(攻撃力1600)でダイレクトアタック!」

 

 私のモンスターの怒涛の攻撃で遊戯のライフは0になり、私はバトルロイヤルに勝利した。

 

 もっとも自分1人だけシンクロを使いカードプールも違う。さらに遊戯はまだ成長していない時期の表人格だったので自慢にはならないが。

 

 それに、王国での私の戦いはまだ残っている…

 

 千年眼(ミレニアム・アイ)を狙い襲ってくるであろう獏良との戦いを考えて私はデュエルリングを後にした。 




 感想で御指摘を頂いたのですが『団結の力』でカウントするモンスターの数はコントローラーのモンスターの数になります。よって装備モンスターのコントロールが相手に奪われても攻撃力は変わりません。よって今回の『団結の力』の効果の扱いはおかしいのですが、修正案が思い浮かばないので今回だけこのままで生かせてもいます。(12/13)

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