遊戯王 デュエリストのお兄さん 蒼銀の導き   作:ひろやん(すぴ出身)

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 この第3編はデュエルが無いです。デュエルモンスターズクエスト編やファラオの記憶編のような感じで行きます。
 残酷な描写は有りませんがファラオの記憶編のように人が死にますので受け付けれない人は気をつけてください。


青き目の一族編
第1話 未知の物語へ


 ペガサス会長のお使いでエジプトに着くとすぐに千年首飾り(せんねんタウク)の所有者であるイシズ・イシュタールが迎えに来た。ペガサス会長の予想通りである。

 

「待っていました、希望の人よ」

「希望の人?」

「見せたいものが有ります付いてきてください。そして移動しながら詳しい話をしましょう」

 

 そう言われるとついて行くしかない。墓守の一族らしい男が運転する車に乗ると隣に座ったイシズが話を始めた。

 

「始めにペガサス会長に謝罪の言葉を。神のカードの封印を解いた事、深くお詫びします」

「今の言葉、ペガサス会長に伝えます」

 

 私がそう言うとイシズか弟であるマリクとグールズについて説明し、最後にマリクが残りの2枚の神のカードの封印を解き持ち出したことを話した。真面目に聞いていたが私の持つ原作の知識と変わりない。

 

「私の持つ千年首飾り(せんねんタウク)の力で見る未来は絶望しか有りませんでした。しかしある日、おそらくあなたがペガサスの元を訪れた日、私は違う未来を見ました。それはあなたがマリクの闇の人格を千年眼(ミレニアム・アイ)の力で封印する光景でした」

 

 …それは予想外だった。確かに千年眼(ミレニアム・アイ)の力なら闇の人格だけ白紙のカードに封印できるかも知れない。ペガサス会長からもしもの時の為に白紙のカードを何枚か貰っているし理論上は可能だ。

 

「私は千年眼(ミレニアム・アイ)を使いこなせてはいない。どうして千年眼(ミレニアム・アイ)を失う前のペガサス会長に助けを求めなかったんですか?グールズの結成は随分と前でしょう」

「残念ながら神のカードを恐れるペガサスでは神のカードを持つマリクには適わないでしょう。あの時点では神のカードに勝てるにはいずれ蘇るであろう名も無きファラオだけだと私は考えていました」

 

 私の疑問にイシズはそう答えた。確かにペガサス会長に神のカードの相手は荷が重い。

 

「じゃあどうして海馬社長にオベリスクの巨神兵を渡したんですか?名も無きファラオに心を砕かれて修復中の彼には神のカードは扱いきれないと分かっていたはず…。まさか私を試すための試金石にした?」

「その通りです。海馬は名も無きファラオと因縁が有る者。ですが今はまだ時は来ていない。いずれ訪れるファラオへの試練。その時の為にまずは呪われたイシュタール家の因縁を終わらせたかった」

 

 真面目すぎるな。弟を助けたい、一族の使命を果たしたい。悩んでいるところにイレギュラーな存在である私がやってきたから利用するために暴走した。そういう事か。

 

「着きました、付いて来て下さい」

 

 考え込んでいると目的地に着いたようだ。私は案内されるまま墓守の一族が守ってきた遺跡の奥に進んだ。そして見たものは1枚の石版だった。

 

「これは…」

「名も無きファラオと海馬の因縁を描いた石盤を移動させたら奥に隠されていました。絵がかれているのはあなたと名も無きファラオの友人、そしてそのモンスターで間違いないですね」

 

 左側に表人格の遊戯と彼のモンスター。そして城之内と真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)、杏子に本田それとこれはカイバーマン?

 

 中央には真ん中に目が有る盾を掲げた男がいて多くのドラゴンを従えている。掲げている盾は千年盾とは違う、特に目の部分は青く塗られている。青き目の盾と言った所か。そして従えているドラゴンは…

 

「これは蒼眼の銀龍(そうがんのぎんりゅう)。それにF・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)混沌帝龍(カオス・エンペラー・ドラゴン)。他にも名前が分からないドラゴンか2体も」

 

 アルティメットとは違う2つの頭のブルーアイズと雷を纏ったドラゴン…。元の世界のOCGでは存在しているのだろうか。

 

 最後に右側は…、欠損していてよく分からない。

 

「これが実際の過去に起きた出来事なのか、それとも未来を予言したものなのかは分かりません。分かるのはこの盾を掲げた男があなたであるということだけです」

 

 確かにこの世界で蒼眼の銀龍(そうがんのぎんりゅう)を持っているのは私だけだ。

 

「はるか北へ、千年首飾り(せんねんタウク)があなたの行くべき道を指し示しました。そこへ行けば答えが得られるはずです。何故あなたがここにいるのかも…」

 

 それは何故私がこの世界に来た理由が分かるかもしれないという事なのか。私はペガサス会長に一報を入れるとイシズの指し示した場所に向かった。地中海を越えて遥か北へ。

 

 そしてたどり着いたのは人目に触れぬように隠された朽ちた霊堂だった。


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