遊戯王 デュエリストのお兄さん 蒼銀の導き 作:ひろやん(すぴ出身)
海馬を更生するためにペガサス会長は海馬コーポレーションを傘下に収める事にした。ペガサス会長は海馬を社長の重圧から解放してそこから教育をしなおすつもりのようだ。それで海馬コーポレーションを乗っ取ろうとするのはソリッドビジョンシステムをビッグ5に任せるのは不安なのだろう。インダストリアル・イリュージョン社の利益も考えないといけないのだろうし。
その為の第一歩としてペガサス会長は海馬が
それで今私が何をしているのかと言うと、開ける事が出来ないパックを睨みっこをしていた。
別に遊んでいるわけではない。月光くんたちが海馬コーポレーション乗っ取りで忙しいからエキスパートルールの作成を一時中断しているだけだ。そしてこれはペガサス会長から言い渡された任務でもある。
現在シンクロ・エクシーズ・ペンデュラムのカードはインダストリアル・イリュージョン社では作られていない。作りたくてもサンプルが無いから無理と言ってもいいだろう。
シンクロは
けれどもエクシーズはサンプルがない。だからこそエクシーズが入っているだろうパックを開けてエクシーズのカードを手に入れなければならないのだが…
「開けられないんだよな~」
ペガサス会長が開けれなかったのは元の持ち主ではないと思っていたのに、購入した私でも開ける事ができない。手でも開けれないし刃物の刃が入らないのだ。
「ここにいましたか」
「ペガサス会長」
パックを開けれずに困っているとペガサス会長がやってきた。
「申し訳ありません。いまだにパックを開ける事が出来ない状況です」
「シンクロだけでも大きな革命になるでしょう~。エクシーズは焦らなくても大丈夫デ~ス。実はキリノに渡したい物がありマ~ス」
そう言ってペガサス会長は私をインダストリアル・イリュージョン社本社ビルの地下に連れて来た。
「ここには封印されたカードが眠っていマ~ス」
「封印されたカ~ド?」
「たいそうな物ではありまセ~ン。エラーカードと呼ばれる印刷ミスをしたカードデ~ス。実は未完成品という事で世に出さなかった
そう言うとペガサス会長は資料庫をいう部屋のロックを外して中に招き入れた。資料庫と銘打って入るが中は金庫室みたいだ。
「これデ~ス」
そう言って渡されたのはカード名こそ
「本来こういったエラーカードもルール上は正規のカードとして使う事ができマ~ス。しかしこのカードはソリッドビジョンシステムには反応しないでしょう」
そう言うとペガサス会長は済まなさそうな顔をした。
「本当なら新たに
それだけでも十分にありがたい。行き場の無い私に居場所を与えてくれてここまで気を使ってくれる。感謝こそすれ文句を言えるわけが無い。
そう思い感謝の言葉を口にしようとすると、何処からか女の子の声が聞こえてきた。
『許さない…』
「?」
「ワッツ?」
『お前だけは許さない、許してなるものか!!!』
その声と共にエラーカードの
「そう、こっちがいいんだ。じゃあこのデッキはあげるよ」
あの頃はカードを集めるよりも純粋にカードで遊びたかった。だから2個入りのデッキセットをかって
「罠カード、落とし穴を発動。召喚された
『いや~』
「ブラック・マジシャンでミノタウロスを攻撃。残された
『また落ちるの~』
「リバース、
『いや~!虫いや~!』
「異次元の戦士で
『やっと2人っきりになれたね』
『ぎゃ~!こんなのと2人っきりはやだ~』
「強奪で
『やっと、やっと私の価値を理解してくれたのね』
「そして生贄に捧げてブラック・マジシャン・ガールを召喚」
『え?』
『うふん』
『もうやだ~!お家かえる!』
「…」
「キリノ…」
「いや、あの頃は攻撃力が高い
同じビジョンを見ていたペガサス会長が名前を呼んだのでそう言い訳をした。あの頃はデッキを調整したら弟とデュエルしていたのであの
『(ひそひそ)あの子人間界から逃げ帰ってきたんですってね』
『(ひそひそ)それも対戦相手からデュエルで酷い目にあわされたっていう理由で』
『(ひそひそ)やーね、おちこぼれよね』
「…」
『私を酷い目にあわせたのに、こんな目に会わせたのに。新しく
そう言って私の目の前に
『ああ力がみなぎってくる。今は私はSinの力を手に入れた。生まれ変わった私は
『いいかげんにしなさい!』
黒くなり私に襲い掛かろうとした
「カードを狩る死神?」
いつの間にかもう一体カードの精霊が現れて
『どうもご迷惑をおかけしました。そのカードはお詫びです』
そう言うとカードを狩る死神は
「キリノ…」
「こんど
その後エラーカードだった