(パチュリーの本気喰らった上にまだ動けるんだ…)
パチュリーのスペルの後の轟音。おそらく反撃か何か受けたのだろう。
大体の敵の位置はわかった。美鈴と咲夜は巻き込まれないようにかなり遠くへ移動している。
(作戦通りね、ここまでは)
音をたてずに目標地点まで移動する。
「じゃあ、やりますか」
フランはスペルを発動させる
「! 殺気!?」
急な気配に振り向くと、そこには金髪の少女がいた。
赤い剣を持ちこちらへ向かってくる
レミリアの妹、フランドール・スカーレットだ
「堂々来ますか、なら!」
相手は正面から来るなら反撃は容易い自分に剣が刺さる直前に彼はスペルを発動させる
「《壁符》リフレクション・インパクト!」
すると、彼を緑色の光が包み込み、ダメージを吸収する
「喰らえ!」
そしてそれをフランに向けて放つ
それは赤い光線となってフランに直撃する
これがパチュリーのスペルを防ぎ、弾き返したスペルである
発動直後に自身へのダメージを吸収し、
彼が守護者という異名を持つ理由の一つだ
「案外呆気ないなぁ」
放った光線はフランドールの心臓部を貫き、その体を消滅させた
恐らく
「あと三人」
その時、再び美鈴がと咲夜が仕掛けてきた。
その後ろにはレミリアも見える。
「早いですね、到着が」
「まだ終わってませんからね?」
「でも、あと三人だけですよ。先程二人目を倒しましたし」
「「?!」」
二人の顔に驚愕の表情が浮かぶ
「ッこのぉ!」
「待ちなさい!美鈴!」
美鈴は怒りに身を任せ全力をぶつけてくる
そこへ
「よくも妹を!」
レミリアが加わる
「丁度いい、三人まとめて御相手しますよ!」
・・・・・
「はぁ…はぁ……」
「化け物、ね」
「どうも、あまり嬉しくはありませんが」
戦闘開始から一時間弱
攻めては弾かれ攻めては跳ね返されを繰り返していた
奴の反射のスペルもそうだが、二枚の大楯も厄介だ
攻撃を防ぐだけでなく、ぶつけることで攻撃もできる
ダメージ自体はさほどでもないが、こちらの動きを制限してくる
精神をすり減らしながらの戦いは、非常にキツい
いい加減私も咲夜達も限界だ
「美鈴、咲夜、どれくらい余力がある」
「スペル一枚くらいは、何とか」
「ははは、私は無理そうです」
咲夜はスペル一回、美鈴は限界か
私もあと一発くらいだろう
奴の周りの盾、そしてあの反射のスペル
恐らくは連続しては使えないはずだ
現に先程からの戦闘でも
そこが唯一の勝機
逃せば勝ち目はないだろう…
上等だ
あきらめてなるものか
「美鈴、時間を稼げ! 咲夜は私に合わせろ!」
「「了解」」
なんだ?まだ何かする気か?
何か話していた三人が急に動き出す、咲夜とレミリアが下がり美鈴が接近してくる。
「時間稼ぎですか!」
そう言って美鈴に拳を叩き込む
「まだ足掻くんですか?」
「ええ」
「何故そこまで!」
「私達は、お嬢様を信頼しています!だからこそ、諦めない!」
美鈴の全力の一撃を避け、彼女の体にこちらの一撃を叩き込む
「ガフッ」
「終わりです!」
そのまま振り抜き、美鈴を吹き飛ばす
彼女はそのまま木に激突し動かなくなる
すると、彼女のからだが光って消えた。
「ロスト、確認。」
あと二人だ
だが
「これで終わらせる!」
二人は最後の一撃を放とうとしていた
「《幻符》殺人ドール!」
「《神槍》スピア・ザ・グングニル!」
その二つのスペルは守護者に向かって放たれる
が
「甘い!」
彼がここでは一枚上手だった
彼のリフレクションは
よって、複数人が相手でも対処できるのだ
「《壁符》リフレクション・インパクト!」
再び彼の体を光が包み込む
そしてレミリアと咲夜のスペルを吸収し……
「終わりだぁ!」
それを光線として打ち出した
咲夜のスペルはまるでマシンガンの弾のように飛び彼女の体を蜂の巣にするかのように穿ち、彼女を倒した
グングニルは砲弾のように発射されレミリアの体を貫いた
「はあ……はあ…」
彼の壁符は使う間隔が短いほど次の発動までの時間がかかる、次に撃てるのは恐らく3分後くらいだろう
問題はない、相手は全滅したのだ
「さて、次の相手h」
グサッ
「え?」
陸斗の体を一本の剣が貫いたその色は
深紅の色
その剣を陸斗はよく知っている
その剣は元は零が所有していたがとある人物に渡した剣
剣の名はヴァルムヘイル
とある人物の名は
フランドール・スカーレット
「何故?!馬鹿な!」
抜こうとするが既に遅かった
ヴァルムヘイルは赤い光を放ち陸斗の体の内側から爆発させる
壁符は使えない
「……負けですね、僕の」
そう言って彼はヴァルムヘイルによって爆破された
「終わったかな」
爆心地から数メートル先にフランはいた
何故、彼女が無事か。それは……
戦闘開始前
「フランは参加しないでくれ」
「どういうこと? 黙って見てろって?」
「いや違う、正確には囮だけを使ってほしい」
「なんで?」
「恐らくだが、一回でも倒したと相手に認識させれば油断が誘えるかも知れない。」
「なるほど、じゃあフォー・オブ・アカインドを使えばいいのね」
「ええ、頼むわね」
「わかった!」
「こうも上手く行くなんてね」
実際に最初にレーヴァテインを持っていた分身は倒され、彼に錯覚させることに成功した
恐らく、失敗していたら勝ち目はなかっただろう
「さて、紅魔館に戻ろうかな」
そう言って帰ろうとしたときだった
「いやー、お見事お見事」
「??!」
後ろからの声に振り返る
そこには
陸斗がいた
「な…なんで?」
「ああ、あの程度じゃ死にませんよ?」
そう言いながら彼はこちらに何かを見せる
「…それは?」
彼の手にはペンダントがあった
それには緑色の水晶のようなものが装飾としてつけられていたが、割れてしまっている
「僕らの残機、とでもいいましょうか。僕らは驚異的な回復力があるので、死亡判定になるとこれが代わりに割れるんですよ」
「じゃあ」
「ええ、今回は貴女方の勝ちです」
そう言って彼はそのペンダントをしまう
「さて、僕は帰りますが、その前に情報を差し上げましょう」
「情報?」
「ええ、まあ報酬とでも思っておいてください」
「それで?内容は?」
「次の相手は《演奏家》です」
「! 教えていいの?」
「そういう指示ですから」
ハッタリ、というわけでもなさそうだった。
「まあ、精々頑張ってください。」
「ちょっと!まだ話は…」
既に彼はここから消えていた
「……とりあえず、戻ろ」
「やられちゃったなー」
陸斗は次元の狭間に戻っていた
「……お疲れ様」
「あれ?翼さんじゃないですか?お出迎えですか」
「…マスターの指示」
「なるほど、怒ってますかね?」
「……いや。でもまだまだだな、って」
「あはは、そうですか」
どうやら、機嫌は損ねていなかったようだ
「凛音はどこに?」
「……もう準備してる、かなり張り切ってたよ」
「そっか」
僕の役割はここまでのようだ
「僕は休むよ。何かあったら連絡してくれるかな?」
「……わかった」
恐らく、凛音はさほど驚異にならないだろう
恐らくすぐに倒されるはずだ
だって
彼女は
「……優しすぎるからなー」
次回 vs《演奏家》 鳴り響く音色
凛音「……戦わなきゃ…だよね…」
ここまで読んでいただきありがとうございました
次回はvs凛音です
そんなに長くはならない予定です
四章が終わったら…
-
描かれなかった日常編
-
そのまま五章に突入