幻想郷と別世界からの来訪者   作:フォーウルム

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こっちでは久々の投稿ですね。どうも、フォーウルムです
今回のお話は紅魔館でのお話になります

質問で零の本命は誰か、というのがありましたが、今のところは決めかねています
完結までには決まったらいいな


第五章 日常編II
お留守番


「いい天気ですね」

「そうだな」

「貴方とこうやってゆっくりとお茶を飲むのは初めてですね」

「言われてみればそうだ。紅魔館に来るはずの予定が潰れてしまったからな」

紅魔館の庭が見えるテーブル

そこで菓子を食べながら紅茶を飲んでいるのは咲夜と零であった

「にしてもいいのか?二人がいないからって」

「いいんですよ。お嬢様も、『ゆっくりしなさい。たまには羽を伸ばすのも大事よ』とおっしゃってましたので」

それは昨日の夜のこと

 

 

 

「吸血鬼の茶会?」

「そうだ」

レミリアから相談されたのは『留守の間、紅魔館を任せたい』というものだった

「誰も残らないのか?」

「咲夜しか残らん」

「なんでだよ」

「人間だからだ」

「……あー、そうか」

「わかってくれたか」

以前フランから聞いた話だ

人間のことをめちゃくちゃ見下す吸血鬼の茶会に呼ばれる事があって非常に面倒と言っていた

なんでも主催者の吸血鬼は大の人間嫌いで食事以外では人間を見ることを拒むらしい

その割と他の妖怪や魔女は好意的に見るとかいうので何かしらの偏見を持っているのだろう

「それで、引き受けてくれるか?」

「別に構わんよ。神社には最近行ってないしな」

討伐戦争の後、霊夢から『しばらく神社には戻ってこないで』と言われてしまった

理由は『秘密の特訓』らしい

なので最近は狭間に作った館を式神たちと使っていた

「感謝するわ、咲夜一人じゃ寂しいだろうし」

「そうだな。まあゆっくりさせてもらうよ」

「そうしてくれ。部屋は自由に使ってもらって構わないわ」

「りょーかい」

 

 

 

現在

「それで、今日はどうするんだ?」

「そうね、たまには何もせずにゆっくりするのもありね」

「なら部屋に戻ることをお勧めする。季節的に冷えるからな」

今の季節は秋

すでに山は紅葉し綺麗な赤い色に染まっている

日当たりがいいから暖かく感じるが気温は低いのだ

「そうね、あなたは?」

「俺は…もう少しここにいさせてもらうよ」

「そう。またあとでね」

「ああ」

そう言って咲夜はその場を後にする

 

 

咲夜Side

 

 

「はぁ、難しいわね」

自室に戻った(咲夜)はベットに倒れ込む

他の人といるときはそんなに気にならないが、二人きりだと意識してしまう

会ったばかりの頃は全く気にならなかった

お嬢様が連れてこいというから向かって拉致っただけだった

その後の強さを見るまでは…

実力もそうだが、心も強靭であった

挫けそうになっても、壊れてしまいそうな状況でもあきらめない

自分にはない強さに惹かれた

お嬢様に抱く「尊敬」とは違う何かが私の中に渦巻いている

 

以前霊夢に聞いた事があった

なぜ零が他の子と付き合うのを許すのか、と

霊夢はこう言った

「零が楽しそうだから」と

「あいつ、私といる時と他の子といる時で表情が違うのよ。悔しいけど私にはしない顔で他の子に笑いかける。でも、他の子にしない顔を私に向けてくれる。無意識なんだろうけどね。きっと心の中で助けを求めてるんだと思う。私たちには明かせないような闇を持ってるから。だからあいつが望むなら他の子と一緒にいてほしい。複雑なのよ、色々と」

 

以前はわからなかったが、今ならわかる気がする

彼の心の闇は底知れない、一人で背負うには重すぎる

私に渦巻くこの想いも、貴方の抱えるその闇も

一緒にいる事ができれば

解りあえるのかしら

 

 

零Side

 

 

咲夜に戻れと言ったくせに、どうやら自分は寝てしまったらしい

ゆっくりと目を開く

目の前に広がるのは一面の赤

空も海も陸も

見渡す限り赤

誰もいない世界で1人

誰もいなくなってしまった世界で1人

ただただ赤い世界に俺は立っている

「……またこれか」

最近よく見る夢

俗にいう悪夢とやらなのだろう

最初は戸惑っていたが

もう驚かない

この夢以外にも青、黄、緑、紫があることがわかっている

式神たちを切り離してからよく見るようになった

「…相変わらず寂しい世界だ」

ただ世界が赤くなっているだけなのでほとんど変なところはない

全てが赤系統の色に包まれていることを除けば

いつものように散歩をする

歩いている内に目が覚めるはずだ

いつもはそうだ

そうやって歩いているうちにとある場所にたどり着く

「…紅魔館」

今、俺が寝ているであろう紅魔館があった

そして、自分が寝ているはずの椅子の上に奇妙なものを見つけた

薔薇

それは見事な薔薇だった

本来なら真っ赤なはずの薔薇は

なぜか青く輝いていた

「零さん?」

俺を呼ぶ声が聞こえる

誰だ?

「起きて、零さん」

一体、誰なんだ

 

 

 

 

 

 

 

「起きたようね」

「咲夜?」

そこには咲夜がいた

なぜか俺に覆いかぶさるような格好で俺の上にいる

「起きないから心配したわ。うなされていたけれど、大丈夫?」

世界はいつも通りの色だ

もっとも、暗くなってしまっているのであまり見えないが

「大丈夫だ」

「嘘ね」

「…なぜそう思う?」

「そんな苦しそうな顔で言われても、ね」

「…そうか」

「何かあったの?」

「そうだな、咲夜には話してもいいかもな」

零は咲夜に話した

最近の悪夢も、自分が抱えている闇も

全ては無理だったが、話せるだけ話した

「そう…」

「笑いたければ笑ってくれ。自分の圧に押し殺されそうな俺を」

自虐的に笑う零を、咲夜は抱き締めた

「…なんの真似だ?」

「あなたが苦しいのはわかったわ。そこまで深く悩んでいることも」

咲夜は言葉を紡ぐ

目の前にいる男に、伝わるように

「あなたの悪い癖ね、なんでも1人で溜め込んでしまう」

「何がわかる。何も知らないお前に」

「何もわからないわ。だから教えて?貴方を救える方法を」

「俺にもわからん」

「なら見つけましょ。私も手伝ってあげる」

「見つからないかもしれないぞ」

「大丈夫。見つかるまで、一緒にいてあげる」

咲夜の言葉は零に届いているようだった

「なぜそこまで?」

「貴方が好きだから。それじゃダメ?」

「はぁ、いつか刺し殺されそうだ」

「ふふふ、貴方なら大丈夫でしょ?」

「まあな」

「それで…」

「?」

「一緒に、ついて行っても、いい?」

咲夜の顔は赤くなっていた

暗がりの中でもわかるくらいに

「ああ、いいぜ。よろしくな、咲夜」

「ええ、よろしく」

零と咲夜は互いにキスをする

まるで、互いの存在を確かめるかのように

 

 

おそらくあの青薔薇は、咲夜だったんだろう

もしかしたら、彼女なら

 

 

 

 

俺を救ってくれるかもしれない

 

 

 

 

 

次回に続く




ここまで読んでいただきありがとうございました
今回から日常IIが始まります
ネタが尽きなければ早めに投稿しますので
途中に出てきた夢は5章に本格的に出ます

四章が終わったら…

  • 描かれなかった日常編
  • そのまま五章に突入
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