翡翠の夢とリクとの出会いから数日経った
あれから俺は特に異常なことが起こる事なく日々を過ごして
たらよかったんだが
というのも、最近になって俺の能力のひとつである『干渉』が本気でチートになってきた
理由としては『無制限の他者への精神干渉』が可能になったからだ
範囲を指定すればその中の奴らを眠りに落とせるし、対象を絞れば精神状態を意のままにできるとかいうぶっ壊れになってしまった
そして俺はそれを
妖夢に打ち明けていた
「そ、そんなことに……」
「ああ、ほぼ完全になんでもできる」
「例えば、どんな感じですか?」
「『相手に恐怖を植え付ける』『敵意を失くさせる』。やろうと思えば『相手の体の自由を奪う』事もできる」
「へ、へー」
妖夢は顔を赤くしながらそっぽを向いてしまう
「どうした、妖夢」
「な、なんでもありません!それよりも稽古しましょ!」
「わかったよ」
俺は木刀を構える
妖夢はいつものように二本持ちだ
「行きます!」
「よし、来い!」
妖夢は木刀を思いっきり叩き込んでくる
彼女の剣捌きにはいつも驚きを隠せない
研ぎ澄まされた鋭さ、無駄のない動き。どれをとっても見惚れてしまう
しかし、ただ見ているだけでは負けてしまうので多少なりと反撃はする
いなし、かわし、受け止める
霊夢のような弾幕×体術ではなく剣術だけでここまで戦えるのは、やはり彼女の才能なんだろうと思う
「そら!」
「あ!?」
妖夢の木刀を上に弾き飛ばし、こちらの木刀を首に押し当てる
「………参りました」
妖夢は力無く項垂れる
「以前よりも上達している。危なかったよ」
事実、何度か気を抜いたら負けそうな所はあった
「……零さん」
「ん?どうした……?!」
妖夢を見ると、彼女は白楼剣と楼観剣を抜刀している
「本気の手合わせ、お願いします」
「…………本気か?」
「はい。もし私が勝てたら私のお願いを聞いてほしいんです」
「………じゃあ、俺が勝ったら俺の言うこと聞いてもらうからな」
「………わかりました」
「決まりだな」
本気でやるために、俺は羽を顕現させる
「…さあ、いくぞ」
結果は案の定、俺の勝ちだった
俺の羽は『耐久型スペル』というものに分類されるらしい
妖夢は二枚目のあたりでダウンした
まあ、本気と言っても殺すのはまずいので死なない程度に手加減はした
「俺の勝ちだな、妖夢」
「……はい」
「じゃあ、約束通り」
「わかっています」
「なんでこんなことを?」
「?!」
「どうした?」
「い、いえ。でも、そんなことでいいんですか?」
「俺が知りたいんだからいいんだよ」
「……わかり…ました」
妖夢は俺の方を見る
「羨ましかったんです」
「…え?」
妖夢の言葉に困惑する
「羨ましかった?」
「……はい。霊夢さんが羨ましかったんです」
「なんでまた」
「だって、だって!」
妖夢の目から涙が溢れる
「私だって零さんのことが好きなのに…霊夢さんばっかりで。だからこれで勝てば独り占めできるかもって……。」
「……」
零は思い出していた
かなり前のことだ
「私もだけど、恋愛なんて考えたことなかったの。好きになるような人なんていなかったから」
「だから、俺か?俺みたいに能力持ちで死ににくい。だから俺を好きになったとか?」
「どうかしらね?少なくとも私はあなたの能力ではなくあなた自身に惚れたのよ?」
「そうか、それが嘘でないことを祈るよ。他がどうかは知らないがな。」
「他の子も同じよ」
「何か言ったか?」
「いいえ、おやすみ」
「???、ああ、おやすみ」
霊夢に言われたあの言葉
(こういう事だったのか)
目の前で泣いている妖夢の顔に触れる
「なあ、約束はまだ有効だよな?」
「え…」
妖夢は困惑した表情をする
「それにさっき俺が
「?!!! いや、その…」
妖夢は顔を真っ赤にしている
「覚悟はいいな?」
妖夢の腕を押さえて畳に押し倒す
「え、ええ、ええ!?」
「どうした、いやか?」
「で、でも!霊夢さんが!?」
「あいつからは許可もらってるから」
「ええ??!!」
妖夢の必死の抵抗を軽くあしらう
「さて、他に言うことは?」
「……や、優しくお願いします」
「……努力するよ」
次の日、妖夢は腰が抜けて動けなくなった
ここまで読んでいただき、ありがとうございました
どうも、フォーウルムです
今回のは深夜テンションで書いたのを昼間に書き直しました
ちなみに霊夢は零の正体が判明した日の夜にヤってます
四章が終わったら…
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描かれなかった日常編
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そのまま五章に突入