「私は一向に構わんッ!」
「僕は基本的に戦うつもりはありませんからね?」
「俺は……まぁ狙撃手でも殺せたらいいかなぁ。」
「人間以外の生物に会えるなら何でもいい。ぜひとも動かしてみたいものだ。」
幻想郷に新たな争いの火種が落とされた。
式神と龍義の話があったあと、零は式神たちを幻想郷のいたるところに配置した。
翼は迷いの竹林に、凛音は人里に。
紅魔館の近くには陸斗を配置し、地底には竜胆を向かわせた。
残った焔と零本人は八雲紫や博麗霊夢たちとともに神社で作戦会議をしていた。
「それで、敵の名前とかはわかるのか?」
「残っているのは階級第二位の『
零に聞かれた焔が残りの幹部の名前を挙げる。
「階級ってあんたは何番なのよ?」
「俺は一位だ。」
「流石、妖怪の山を半壊させただけはあるわね。」
順位を尋ねた霊夢はその返答に苦笑いする。
「特徴とかがわかれば、対処の仕様はあるな。」
「追跡者は比較的友好的かと。」
「何故だ?」
「何故ならこいつは元民間人で俺等とは作りが違うんすよ。」
「作りが違う?どういうことかしら?」
紫が疑問を抱く。
「本来順位持ちの幹部は戦闘用のパラサイトが変異してるんすけど、こいつだけは
「パ、パラサイトって医療用もあったのね…。」
「実際は機械で無理やり治してるんで怪しいっすけど、それでも特殊能力持ちには変わりないんすよ。」
「なるほど。それでこいつの戦い方は?」
「無いっす。」
「「「は?」」」
焔の返答に霊夢や紫だけでなく零も反応する。
「こいつは影を移動する『潜影』の能力持ちですが、それ以外は何も。」
「ナイフ持ってたりとか銃で狙撃とかは?」
「持てないです。もとから筋繊維の病気持ってたみたいで。歩けるっぽいっすけどそれ以外は……。」
なんとも言えない空気が漂う。
「他に何かないのか?」
「あとは名前の通り対象を追跡し続ける能力ぐらいですかね。」
「外見とかは?」
「普通の男児の見た目ですよ。それこそ……」
そんな時だった。
「見つけた!捕食者さん!」
「そうそう、あんな感じの……はぁ!?」
話の話題に出ていた追跡者が現れたのだ。
「追跡者!久しぶりだな!元気だったか?」
「あ、はい。お陰様で……。」
「こいつが追跡者か?」
「あ、あなたはまさか?!」
「零だ。よろしく。」
「よ、よろしくお願いします……ってそんな場合じゃない!」
話の流れに呑まれれそうになった追跡者が声を張り上げる。
「急いで人里に行ってください!被害が拡大するまえに!」
「?! どういうこと!」
霊夢が話に加わる。
「殲滅者さんはわざと暴れて捕食者さんをおびき寄せるつもりです。人が多く住んでいるところで暴れれば確実にあなたが来るだろうと……。」
「くそっ、あの野郎!」
焔が悪態をつく。
「他の奴らはどうしてる!?」
「え、えと。監視員さんは狙撃手さんを探しに。博士は八意さん…?という方を狙って竹林のほうへ。」
「…だろうと思った。」
「何か共通点でもあるのか?」
零の問いに焔が答える。
「監視員は狙撃手…翼がくるまで幹部一の狙撃の達人、博士は幹部の中でも薬物の扱いに長けているんです。」
「なるほど。同業者を狙ってか。殲滅者は?」
「あいつは俺が来るまでの一位でした。」
「あるあるだな。この機会に殺してしまおうという考えか。」
「追跡者、統制者は何してる!?」
焦った様子の焔が追跡者に聞く。
「さ、さぁ…あの人は特に何も目的がなさそうな感じでした。」
「そうかよ…。御主人、俺は人里に向かいます。」
「わかった。気をつけろよ。」
焔は急いで人里に向かった。
「それで、お前はなんでこんなところに来たんだ?」
零は追跡者に問う。
「僕は別に戦ったりするつもりはありません。非力ですしね。」
彼は悲しげな表情をする。
「ここに零さんがいたのは誤算でしたが、ここで死ぬなら覚悟はできてます。」
「いや殺さないが?」
「え?」
意外な返答に追跡者は困惑する。
「な、なんで……?」
「いや、敵対してないやつを殺すのはおかしいだろ?」
「で、でも!」
「んじゃあ死にたいのか?」
零の率直な問いに追跡者はしばらく口を閉ざし俯く。
しばらく経ってから口を開いた。
「……死にたく、ないです。」
「だろ?じゃあ仲間になれ。」
「ちょ、ちょっと零!?」
「別にいいだろ。な、紫?」
「そうね、私も下手に殺すよりは味方になってもらったほうが有難いわね。」
「ゆ、紫まで。」
霊夢は困惑しているが紫は賛成派のようだ。
「と、いうことで今日からお前も仲間だ。」
「い、いいんですか?」
「嫌か?」
「いや……そんなことは。」
「ならいいだろ?」
「…役立たずですよ?」
「ん?」
「銃も持てないし、剣も振れない。何もできないんですよ僕は!」
「でも影の中を潜ったり追跡できるだろ?それで十分だ。」
少年の叫びを零は受け止める。
「無理に戦えとは言わん。辛くなったら辞めてもいい。その穴埋めは俺らがやってやる。」
「……。」
少年は涙する。
「おいおい……泣くなよ。」
「だって…今まで頼られたこと無かったから…。」
「そうか……ならとことん頼らせてもらうぞ。」
「…はい!」
こうして新たな仲間を迎えると同時に新しい戦いの幕が上がる。
続く
はーい、ども!フォーウルムです!
今回は第十位の追跡者の回となりました。
もとから追跡者は戦闘させる気ありませんでした。
能力的にはもっと上位でもおかしくありませんが、戦闘力が低すぎるので最下位です。
しかたないね、戦闘向けじゃないもんね。
いまはこっちのモチベがあるのでこちらを進めていくつもりです。
あと最近になってまた小説の評価やお気に入り登録してくれた方がいらっしゃったようでありがたい限りです。
今後のモチベにもつながるのでぜひともお願いいたします。
それでは今回はここまで、またお会いしましょう!
感想とかもお待ちしてますのでぜひ。
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