幻想郷と別世界からの来訪者   作:フォーウルム

47 / 52


パラサイト達との戦いが終わってしばらく経った。
ゼロにもう一人の人格が宿ったり、その人格がゼロよりも礼儀正しかったけどやっぱり頭がおかしいくらいの強さだったりと驚きと呆れの日々だった。
だが、退屈かといわれればそうではない。


『グオォォォォォォ!!』

妖怪でもパラサイトでもない化物が現れるようになったからである。
最初は週に1匹、小型のが出るだけだったのだが最近では大型のものが出るようになってきたのだ。

「化物だー!」
「た、助けてくれー!」

里の人々は逃げることしか出来ない。

「きゃっ?!」

そんな中、一人の少女が転ぶ。
平民の生まれである彼女に武芸の心得などなく、怪物が迫ってきてもただ怯えることしか出来なかった。

『グルゥ…』
「ひ……ぁ……」

恐怖で悲鳴もあげることが出来ない。
怪物の巨大な手が振り上げられた。

「…………?」

腕が振り下ろされるのを待つしか出来ないと少女は目を瞑っていたが、いつになっても何も音沙汰がない。

「え…?……えぇ?!」

恐る恐る目を開けた少女が見たのは
体が崩壊し、崩れていく怪物の姿だった。





回路と術式

 

 

「今のは何?」

 

人里のとある飲食店の個室にて、二人の男女が食事をしていた。

と言っても食事をしているのは男の方だけだが。

 

「『夢想封印・穿』。霊夢の新技だ。」

 

蕎麦をすすっていた男、零が解説をいれる。

 

「今までの夢想封印で出していた弾幕を収束させ、光線として打ち出す高火力技。ちょっとアドバイスしただけで完全にものにしちまうとはなぁ。」

 

零は感心しつつも呆れたように言う。

 

「それは貴方のアドバイス?それとも彼?」

 

そう問うのは八雲紫だ。

 

アイツ(レイ)だよ。アイツ曰く『出来ないかもしれないが。』だったはずなんだがなぁ。」

 

零は天麩羅に塩をかけながら言う。

 

「霊夢の中にある回路は霊力。魔力運用がベースの圧縮術式が上手く機能するとは思わなかったんだろ。」

「回路?圧縮術式?」

 

聞いたことの無いワードに紫は首をかしげる。

 

「あ?あーそういえばそっちの技術じゃないんだっか?」

 

あー旨ぇ、と言いながら天麩羅を頬張る。

 

「折角だし教えてやるよ。」

 

 

 

所変わって紅魔館図書室。

 

「魔力回路……?」

「はい。」

 

紅魔館でホワイトボード(零作)にペンで字を書きながら追跡者は頷く。

 

(…なんで解説してるんだろ。)

 

追跡者は内心ビビっていた。

何故ならば目の前には魔理沙にパチュリー、アリスと幻想郷でも屈指の魔法使いが揃っている。

戦闘力皆無の追跡者はビクビクしながら三人に授業をしていた。

 

「その回路っていうのは魔力だけなのかしら?影貞(カゲサダ)先生?」

 

影貞というのは零が与えた名前だ。

 

「いいえ、回路は人によってことなります。魔力、霊力、妖力などの回路があります。」

「じゃあ私達のは魔力回路ってことね。」

「そうですね。」

「じゃあ、その魔力回路に他の力流し込んだらどうなるの?」

 

アリスの質問に影貞は頭をフル回転させて答える。

 

「人にもよりますね。大体は体に異常を来すか、最悪死に至ります。」

「そうなのね。」

「なるほどな。よし、回路についてはわかったから術式についてお願いしてもいいか?」

「はい!」

 

魔理沙の話題転換に影貞は答える。

 

「術式は一言で言えば『分類』にあたります。その魔法の効果に応じて分類されます。」

「どんなのに分類されるんだ?」

「そうですね、基本の属性攻撃の『属性術式』。魔法の威力をあげる『濃縮術式』。発動速度をあげる『加速型圧縮術式』に単に容量をあげる『増強型圧縮術式』。あとは……」

「わ、わかったわかった!とりあえず沢山あるんだな?」

「え?…ええありますよ。」

「知識量の多さは流石の一言ね。」

 

魔理沙やアリスが感心する。

 

「私の上海や蓬莱操るのも分類名あったりするの?」

「ありますよ。操作系の魔法は『傀儡術式』ですね。」

「か…傀儡……?」

「可愛らしいお人形とは似てない名前なのね。」

 

アリスは少ししょんぼりする。

 

「私のはほとんど属性術式かしら?」

「パチュリーさんのは属性術式に違いありませんが、格が違いすぎて分類しかねますね。」

「そうなのね。案外そっちの世界の魔法ってショボいのね。」

 

パチュリーは嬉しそうに胸を張る。

 

「私のも属性術式、か?」

「そうですね。」

 

魔理沙はそう確認すると少し考える。

 

(…怒らせちゃったかな?)

 

 

 

そんなこんなで追跡者こと影貞の授業は終わった。

 

 

 

 

「き、緊張したぁ。」

 

何事もなく終えた影貞はひと安心する。

 

「確か買い物しなきゃなんだっけ。」

 

影貞は自分の影からメモを取り出す。

そこへ

 

「影貞、少しいいか?」

「魔理沙さん?どうかしましたか?」

 

魔理沙がやってきた。

 

「今度でいいんだが、家に来てくれないか?もっとお前の知ってる知識を教えて欲しいんだ。」

「構いませんよ。」

 

影貞は満面の笑みで答える。

 

「…っ!こ、今度予定教えろよ!迎えに行くから!」

「は、はい!」

 

魔理沙が急に声を荒げたので影貞は背筋を伸ばす。

 

「じゃあな!」

「は、はい…また……?」

 

 

 

「………くっそ、調子が狂うんだぜ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 




どもー、フォーウルムです。
今回は霊夢の新技と、この世界における用語を少々解説しました。
影貞君はレイほどではありませんが、知識豊富です。

今回よりゼロとレイの表記は
ゼロ→零
レイ→レイ
になります。
感じだったら主人公とでも思っておいてください。
次回か次次回あたりに式神10人の紹介を書きます。
お楽しみに!

実装して欲しい兵装(元ネタの名前で募集)

  • しめ縄
  • 千岩
  • 雷のような怒り
  • 楽団 
  • 剣闘士
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。