幻想郷と別世界からの来訪者   作:フォーウルム

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「………なんか久々だな。」

零がやってきたのは狭間のとある場所だ。
辺りには黒い、枯れた気が点在しており方向感覚が狂いそうな雰囲気を醸し出している。
この近くに零が式神達のために作った屋敷がある。辺りの木々は特殊なものであり、外部からの侵入を防ぐためのものである。
近付くためには一定の手順を踏むか、能力で妨害を無効化する必要がある。
これはこのあたりで放し飼いにしている六幻魔と呼ばれる最上位使い魔「アビス・シャドウ・ハウンド」の能力だ。

「さて、ゆっくりいきましょうかね。」

そう思い歩みを進めようとした時だった。

御主人!!今日の夕食は天麩羅蕎麦ですよ!

「な、何ぃ!?」

焔の声が零の耳に届く。

(馬鹿な、ただでさえ最近油もの食べ過ぎと言われているのに!)

そう、零は最近食事を制限されている。
成人病云々ではなく、翼や影貞達に影響が出ないようにである。


最も式神たちはその程度で体調を崩すことは無いし、成人病にもかからないが。


「こんなことしてる場合じゃねえ!」

天麩羅が冷める前にたどり着こうと、零は大地を蹴り飛び立った。














異界からの救援要請

 

 

 

ここは狭間、様々な世界が繋がる場所だ。

そこへ、狐面の男が息せき切って現れた。

「零さんはどこに……!!」

狭間は思ったより複雑なようで、今自身が何処にいるかもわからない。

本来なら簡単に現在地を把握できる彼も頭を悩ませる。

 

「侵入防止なんだろうけどこういう時に困るなぁ……!!」

異界の紡ぎ手は、()を探して走り続ける。

 

走っても走っても、景色は変わらない。

 

「方向感覚狂いそう……。」

 

彼は、敢えて斜め右に向かっている。じゃないと同じ所を回るはめになるからだ。しかし、一向に探し求める人物は見えてこない。

それゆえに、気づかなかった。

それに気づいたとき、背後から何か硬いものを背に突きつけられていた。

 

「動くな。」

「僕です。一度お会いしたと思うのですが。」

 

両手を上げ、冷静に告げる。

 

「……悪いが、俺はあんたとは会ったこと無いな。」

 

そう言って銃を構えながら正面に移動してきたのは、水色の髪と黄緑色の目の青年だった。

 

「あー、すみません。声が似てたので。くらんもちと申します。ゼロさんはいらっしゃいますか?」

「なぜその名前を知っている……?」

「以前こっちの世界に遊びに、もとい戦りに来てたので。」

「…なるほどな。あまりにも馬鹿みたいに走り回ってるからどんなやつかと思ったぞ。」

 

男は銃をおろす。

 

「それで、あなたのご主人はどこですか、凪さん?」

「……なんで俺の名前を知ってるかはこの際聞かないが、あの人は今不在だぞ。」

「くそ……、これじゃ救援が……!」

 

紡ぎ手は苛立たしげに拳を握り締める。

 

「焔さんか翼さんなら、雪華が危ないと言えば分かるのですが……。」

「あの二人は今館にいるはずだ。とりあえず行くか?」

「お願いします。」

「よし。」

 

そう言って男は歩きだした。

 

「あとどれくらいもつか……。」

 

監視員について行きながら、彼はひとりごちた。

 

「着いたぞ。」

 

いつの間にか目の前には巨大な館があった。

 

「お邪魔します。焔さんか翼さん、居ますか!」

「ん?何だい?あいつに何かようか?」

 

そう言ってきたのはオレンジの髪と瞳の女性だった。

 

「凶禍さん、焔さんか翼さんの居場所は!」

 

彼の表情からして、何か切羽詰まった事情があるようだ。

 

「…待て、何でアタシの名前を…?」

「呼んだか?」

 

困惑する凶禍を見下ろすように、二階から焔が顔を出した。

 

「焔さん、零さんはどこに!雪華達が危ない。」

 

彼女を無視し、焔へと問う。

 

「…あ?どういうことだ?」

 

飛び降りてくらんもちの近くに焔が来る。それを聞き付けた他の式神達もやってくる。

 

「今、雪華が元居た軍とあいつらが戦っています。兵力差は絶望的、いくら精鋭揃いでも、あまり長くはもたない。」

「なるほど。要は俺らの救援が欲しい、と?」

「その通りです。故に、貴方達の主たる彼を探していたのですが、不在となると……。」

「…ご主人はもう少しで戻ると思うが……。」

「いいえ、待てない。決壊はもうすぐそこです。どうすれば……。」

「……待ってろ。」

「……?」

 

焔は二階に上がり、窓を開け放つ。

 

「……焔さん?」

 

連絡をするわけでもないその行動を訝しむ。

焔は息をおもいっきり吸い込む。それを見た他の式神達は耳を塞ぐ。

 

「あんたも塞いだ方がいいぜ?」

「え?あ、はい……。」

 

困惑しながらも言われた通りに耳を塞いだ。

 

「御主人!!今日の夕食は天麩羅蕎麦ですよ!」

 

空気を震わせんばかりの声を焔が張り上げる。

すると

 

「それは本当か?!」

 

なんと零がどこからともなく飛んできた。

 

「食い物に釣られて来たぁ!?」

 

異界の紡ぎ手は驚愕する。式神達ってこんな子供っぽい理由で召還するの?

 

「普段は週一だからな!で?今日は何の……」

「嘘です。」

「ウソダソンナコトォ!!」

 

焔の一言で絶望に叩き落とされる零。

 

「ドンドコドーンじゃないんだ……。」

 

オンドゥル語かと思いきや違った。

 

「んで?嘘までついて俺を呼ぶ理由は何だ?」

「お客人ですよ。」

「ん?……なんでここにいるんだ狐面。」

「……あそうだ、雪華達が危ないんです!下手をすれば戦死、あとどのくらい耐えられるか……。」

「あいつが戦死?馬鹿なこと言ってんじゃねえよ。」

「それが馬鹿じゃない。『熾天会』との兵力差は絶望的、精鋭揃いではあれどいつまでもつか……。」

 

紡ぎ手は焦りを隠さずに言う。

 

「よって、神薙 零、及び式神たる10名に、救援を要請します。」

 

やおら頭を下げた。彼の目にあったのは、決して失わないという決意と覚悟。それを遂げるためならどんなことでもする。それが紡ぎ手の矜恃(プライド)だ。

 

「……まあ、あいつが他のやつに負けるとは思わんが…アイツを倒すのは俺だ。」

 

零は式神達を見る。

 

「これからあいつの世界に殴り込みに行く。準備はいいな?」

 

その言葉に彼らは頷いた。

紡ぎ手は安堵の溜息をつく。これで駄目だったら最終手段を使わなければいけないところだったな。

 

「早速行こうか?」

「こちらへどうぞ。」

 

彼は後ろに()を作る。

 

「よし。さあ、行こうか!」

 

零の言葉を合図に、式神たちは道を通り、別の世界に向かったのであった。

 

 

 

続く。

 

 

 

 

 




どうもどうも、フォーウルムでっす。
地憶譚でもですが、こちらでもコラボです!
コラボ先はくらんもちさんです。
毎度毎度お世話になりますm(__)m

しばらくはあっちでのお話になります。
ぜひ見に行ってあげてください。
零達も喜びます。

それでは、今回はこの辺で。

実装して欲しい兵装(元ネタの名前で募集)

  • しめ縄
  • 千岩
  • 雷のような怒り
  • 楽団 
  • 剣闘士
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