【求む】カオス転生でダークサマナーが就職する方法   作:塵塚怪翁

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続きです。


第46話 新しい家族と新しい問題

 

 

  第46話 新しい家族と新しい問題

 

 

「お疲れ様、和、なのは、加奈」

 

「お産てこんなにも大変だったんですね」

 

「悪魔と戦うより難敵だったの」

 

「桃子のときと比べたら、とても楽なものでしたよ?

 『男子を産めない石女の嫁』って、姑にお腹を蹴られるような事もありませんでしたし」

 

 

 新しくデモニカーが来てからしばらく経ち、そろそろ冬になる頃になった。

 

 新しく来た大型車の運転や給油口に入れる傷薬や魔石の粉を溶かした水などのMAGを含んだ水の用意に、屋敷側の地下シェルターに続くガレージへの出入りの確認など隆和がデモニカーに慣れるうちに、ガイア系列の産婦人科に入院していた3人の出産が起こっていた。

 ただ、他のメンバーがさっさと手助けや事務手続き等を済ませていた為に隆和は彼女らの側にいるだけだったので、荷物持ちと運転以外は手伝える事もなかったが何か手伝おうとしては空回りする様は彼女らには愛情を感じる事ができていた。

 

 3人とも無事に帝王切開の必要もなく産むことが出来て、最初に華門和が娘の【花蓮(かれん)】を、次に高橋なのはが同じく娘の【梨花(りか)】を産み、最後に吉澤加奈が息子の【悟(さとる)】を産んでいた。何事もなく産後の入院も終わり、早速ワンボックスカーであるデモニカーを使って彼女らは華門神社に帰って来て、異界内の屋敷でいろいろと持ち込んで子育てを始めていた。

 神社の人員や異界内の悪魔たちも構いたがっていたおかげで、ワンオペ育児になる事もなく子どもたちの周りは賑やかであった。

 

 

 

 

 戻ってから数日、彼女らがゆっくりと育児に専念していた頃、子どもたちを抱き上げると何故か泣かれてしまう隆和は屋敷の北にある畑のエリアでひとりで農作業に精を出していた。

 ちなみにトモエは普通に家事もできるため、補佐のため彼女らの側に付いている。

 

 異界内では普通のトラクターは動かせず、さらに馬や牛などもいないためにもっぱら人力で何とかするような電気や車が来る前の日本の田舎の農村のような風景がそこには広がっていた。もっとも、主に作業をしているのは今の隆和のような手の空いた神社の人員か、ルサルカやスダマに夜刀神華が主要な作業員となっていた。

 ルサルカなのだが、「古代のスラヴ神話では人を水中に引きずり込む水妖でなく水源を守る豊穣神だったし、レベル上げもしたのだから頑張れ」と隆和に言われて、今では地霊スダマ2体を率いて鍬や鎌を持つのが様になる程に風景に馴染んでいた。

 またオシラ様といえば、2mに達する白く大きな巨体のために畑に入れずに農作業の監督をしているのだが、ゆっくりと歩いてきたそのオシラ様に雑草取りをしていた隆和は話しかけられた。

 

 

「チョットチョットヾ(^_^」

 

「どうしました、オシラ様?」

 

「(⌒^⌒)b」

 

「ええ、大根と茄子にキャベツと畑の作成は順調ですね。

 旬とか時節とかあるんでしょうけど、ここではいろいろ栽培できますからねぇ」

 

「(o*゚ー゚)oワクワク」

 

「もう少しで初収穫が食べられますので楽しみですね。

 保存の方も地下シェルターの冷蔵保管庫や、天日で干して乾燥させたりと大丈夫ですよ。

 漬け物の方は今、子どもたちが来て人手がないので少しずつになりますね」

 

「あのうヽ(^_^;)」

 

「品種を選んだ理由ですか?

 比較的栽培しやすい野菜だというのもありますが、異界で野菜を育てれば変異してカエレルダイコンなどに成るのを期待してだと聞いています。

 え? 普通の大根だけじゃなく京野菜の大根も植えたい、ですか?」

 

 

 彼が言っている京野菜の大根とは、『聖護院大根』『淀大根』『丸大根』と呼ばれる蕪のように丸い形状の京都南部で主に栽培されている大根である。

 直径はおよそ20cm、重さに関しては1~4kgにもなる大きいもので、そのルーツは約180年前に尾張の国から黒谷(京都市左京区)の金戒光明寺に奉納された長ダイコンをもらい受け、栽培を続けているうちに形の丸くて味の良い今の淀ダイコンが生まれたといわれている。

 

 今は門跡のみが残る京都市内の聖護院近くが主産地だったのを、大正の頃に今の京都南部で農家の方の努力で栽培されるようになっており煮崩れしにくく甘くて苦味が少ないため、主に煮物の材料となりおでんにも京都ではよく使われている。また、京漬物の大根漬にすると宮重大根より柔らかくなるため好みで漬け分けられるそうだが、家庭で出来る手軽な千枚漬けなどはご飯にとても合うので試してみて欲しい。

 

 どこで聞いたのか大根の神様として来ている東北出身のオシラ様としては、その『淀大根』がとても気になるらしい。

 うーんと考え込んだ隆和は、伺うように見るオシラ様にこう答えた。

 

 

「とりあえず、種か苗か買えるか聞いてみますね」

 

「d( *^ω^*)bヤッター!」

 

「マスター、出かけるなら肥料にするのでその抜いた雑草を片付けて下さい」

 

「はい」

 

 

 隆和は近くで作業をしていたルサルカにそう注意され、片付けてから異界の外に出かけて行った。

 

 

 

 

 気分転換も兼ねて出かける事にしたのだが、千早は中東でのニュースの詳しい情報を得るのとそれに関連して他所との交渉に出掛けていてトモエは母親たちが仮眠を取る間に子どもたちの世話をしているため、封魔管に昼寝をしていたカーマとその横で寝ていたマーメイドのエイプリルを入れて外に歩いて出た。

 

 ここ華門神社がある場所は京都市伏見区淀本町にあり、元々この辺は淀城跡公園に隣接する與杼神社を守る現地組織と京都競馬場にガッツリと資金投下している富豪の俺らの人の勢力範囲にあった。千早はここに拠点を構える際に周囲の現地組織への戦力供給も請け負っていて、神社のメンバーの覚醒者たちを修行も兼ねて派遣しているそうである。

 もっとも、この辺には隆和たちのような高レベルのメンバーを必要とするような悪魔は出現しないため十分なようだった。逆に、少し前に起きた京都の寺社に放火して回る表の左系活動家集団の検挙に協力するなど、人相手の方が多い始末だった。

 それもあってか、この辺は駅周辺に競馬場で一儲けした相手を目的にしたタカリが出るくらいで、宇治川の向こうにある祖国の経済がガタガタになった外国人が最近多く入り込んだ地域よりは治安がいい場所であった。

 

 だからこそ気づけたのだろう。

 大根の種を販売所で買いさらに異界の女性陣が要望していた菓子類10kgを買い込んだ隆和は、散歩がてら背中に背負って歩いていたエイプリルがトラブルに気づいて指をさす方向に向かった。

 

 

「…あの、急いでいるので困ります」

 

「ねぇ、君たち。少し遊ぼうよ?

 君ら、あそこの“美女だらけ神社”の巫女さんだろ、なぁ?」

 

「そうそう。

 そんな重い荷物、俺らの車に乗っていけばすぐだよ?」

 

「ねぇ、マスター。

 あそこで絡まれているの、うちの人たちじゃない?」

 

「そうだな。ちょっと行ってみよう」

 

 

 隆和の視線の50mほど先には、東海ナンバーの白いワンボックスカーの窓から顔を出した金髪に染めたチーマー風の若い男の二人組が、買い出しから戻る途中の華門神社の巫女の二人を昼間の住宅街の歩道に車を寄せてしつこく声を掛けているようだった。隆和が向かううちに一向に靡かない彼女らにしびれを切らしたのか、横のドアが開き中にいた4人ほどの男達が出て来て彼女らを取り囲み始めた。

 

 

「いいから乗りなよ、なぁ? 楽しいことをしてやるからよ」

 

「そうそう。

 いろいろとあの中についてもお話聞かせて欲しいし?」

 

「大人しくついてくれば、痛い思いはしなくて済むぜ?」

 

「これはしょうがないね」

 

「そうだね。やっちゃおう」

 

 

 男の一人が威力を上げる違法改造したらしいスタンガンを取り出した所で、彼女らは反撃に出る事にしたようだ。いくら容姿が可憐な少女でも、彼女らは華門神社の覚醒者でもある。

 大柄な体格のチンピラに囲まれても、相手が未覚醒なので対処できてしまうのだ。

 

 

「えい、この!」

 

「ぐげっ」

 

「やっ!」

 

「ぐおっ」

 

 

 身体能力の差と加奈の護衛術の指導により、隆和が午後の住宅街でも目立たない速度で走り寄る間に四人のチーマーを叩き伏せる二人の巫女。バックミラーで外の様子が分かっていたのだろうか、隆和が来たときには四人を置き去りにして車は走り去ってしまった。

 周りの家の人たちが事態に気が付き通報している中、走り寄ってきた隆和に彼女らは気が付いた。

 

 

「あ、総代様!」

 

「おおい、大丈夫だった…ようだな。良かった。

 ええと、……あさぎとまゆらだっけ?」

 

「はい、和さまのお付きの者です。

 助けに来ていただきありがとうございます」

 

「いや、それはいいんだ。

 とりあえず、警察が来るまでこのままだな。

 逃げないように、こいつらも押さえておかないと」

 

「買い出しに来ただけなのに、こんな事になるなんて思いませんでした。

 ……あのう、ところで何で背中に人魚の娘を背負って歩いているんですか、総代さま?」

 

「深い意味はないよ。散歩だよ、散歩」

 

 

 昼寝していた所を連れて来られた不機嫌なカーマにげしげしと足を蹴られながら、隆和はそう答えた。

 

 

 

 

 

 その日の夜、あの後来た警察に事情を説明しチンピラ達を回収して貰い後日に事情を改めて聞きに来るのでと解放された事を異界ではない神社の方の屋敷の夕食の席で、隆和はなのはたちに話していた。千早はモリソバを連れて山梨の方に泊まると連絡が来ていて、この場には産後明けの彼女らと和のお付きの三人が配膳の手伝いをしながらいた。

 トモエが子どもたちの主に面倒を見ているためにゆっくりと食事を取っている中、加奈は桃子の方も気にしながらお付きの彼女らに尋ねた。

 

 

「あさぎさんとまゆらさん、その人達は“美人だらけの神社”ってここの事を呼んで中の事を聞いて来たのよね?」

 

「はい、そうです。

 断ると車に押し込めようともしていました」

 

「隆和さんもその事は見ていたんですよね?

 何か変わった事はありませんでしたか?」

 

「車のナンバーが東海の方だったのと、あの連中は関西出身の話し方じゃなかったな。

 関東の方ぽかったかな?」

 

「……嫌な感じがするの」

 

 

 ぽつりと、なのはがそう零した。

 隆和が周りを見ると、母親になっても依然その勘は衰えていないなのはに同調するように加奈と華が頷いていた。考え込んだ隆和は皆にこう言った。

 

 

「何かしらこっちに害するような真似を考える奴が居るようだ。

 これからは外出する際は、必ず複数人で行動するようにした方がいいな。

 神社内は侵入者避けの警報も機械と結界で両方あるが、寝ずの番の頻度を増やした方がいいかな?」

 

「隆和さま、神社の皆にもそうご命じ下さい。

 わたくしと皆は既に隆和さま方と共に暮らしているのですから」

 

「千早にもさっそく連絡しておくの。

 そういう纏め役は彼女の仕事だし、黙ってやったら後で面倒くさいの」

 

「桃子の学校の送り迎えも車でした方がいいかもしれません。

 お願いできますか?」

 

「先生。私もそれに参加するね。

 私だって強くなっているんだから」

 

「よし。一応、関西支部の方にも連絡はしておこう。

 また何かあるかもしれない前提で行動するように。いいね?」

 

「「はい」」

 

 

 そう決まると隆和たちは、神社全体にその通達を出して今までより一層気をつけて行動するようになった。

 

 

 

 

「お前ら、着いたぞ。

 この中はじじいと若い男が一人きりで後は女しかいない上に、最近新車を購入できるくらい貯め込んでいるらしい。

 高い金を払うんだ、中の大まかな建物の位置は判るだろうから手早く済ませろ。

 30分過ぎたら車は出すからな。明白了吗(分かったか)?」

 

『………ああ、分かった』

 

『判ってるよ。いちいち指図するな、日本人』

 

 

 動きがあったのはその翌々日、10人ほどの大陸人や半島人の実行役と日本人の指揮役であるダークサマナーと運転手がいる強盗団が2台のレンタカーで乗り付けて深夜に押しかけて来た時だった。

 全員が目出し帽やフードにマスクをして顔を隠して手に手に鉄パイプにバールのようなものや催涙スプレーに改造スタンガンなどを持っており、手慣れた手付きでガレージ横の裏口の戸の鍵を工具で壊すとゾロゾロと中に侵入して来た。

 その内2人が新車の黒い車に行き、他は庭に出る扉を開けて庭から屋敷に入るために移動した。

 入り込んだチンピラの連中が、どう金目の物をポケットに突っ込むかを考えていられたのもそこまでだった。

 

 

「よう。支部付きの占術師の言うとおりの時間だな。

 よくもまあ、1~3程度とはいえ覚醒者のチンピラをこんなに集められたものだな」

 

「先生。こいつらを叩きのめせばいいんですか?」

 

「ああ、そうだ。

 殺すのと術は無しだが、思う存分訓練の成果を試すんだ。

 車の方にはカーマが行っているし、周囲にはもうトモエや神社の皆が行っているから逃げられんぞ、お前ら」

 

 

 そこまで言った時、ガレージの方で大きな物が壊れる音と悲鳴が響いた。

 それが合図のように、チンピラの連中が逃げようとしたりこちらに襲いかかるなど動き始めた。

 それを見て、舌打ちをした隆和は夜刀神華と共に彼らに襲いかかった。

 

 

「ちっ。デモニカーの奴、我慢できなかったか。始めるぞ、華!」

 

「はい、先生!」

 

『たかがその人数でどうにか出来るとでも思っているのか、日本人!』

 

 

 しばらく、経って。

 

 

「それではこいつらは我々の方で逮捕して連れていきますね、安倍隆和さん。

 ご協力ありがとうございます」

 

「ええ、よろしくお願いします。

 対処に困ることがあったら関西支部の方へ連絡して下さい、刑事さん」

 

 

 30分後、襲撃に来ていた連中は皆、動けない怪我を負って近所の通報でやって来た警察の方にと引き取られて行った。

 

 騒ぎで飛び起きた神社のメンバーや睡眠を妨害され怒り心頭で宿泊施設にいたガイア連合関係者も参加し、あっという間に連中は一人残らず叩きのめされ無力化されて突き出されることになった。

 カーマの弓でタイヤを壊され、周囲も回り込まれて逃げられなくなった指揮役のダークサマナーが切り札らしい【幽鬼ガキ】を召喚したようだが、あっという間に倒され自身も取り押さえられて御用となった。

 結局、事情聴取などで警察に一緒に行った隆和が寝られたのは、翌日になってからだった。 

 

 

 

 

 それから、数日後。

 ガイア連合の関係者への襲撃という事もあり、関西支部や帰って来た千早も調査に協力したのでほんの短期間で今回の事件のあらましが判明した。

 

 今回の襲撃の発端は、捕まったダークサマナーが計画した事だったらしい。

 元々この男は、大阪のあるヤクザ組織の構成員だったのだが横領がバレて破門の後に追放され、組でも後ろ暗い仕事のオカルト方面の人員の斡旋をする手配師を稼業としていた。

 ある時、伝手からおいしい話があると聞かされ華門神社の情報を手に入れたのそうだ。

 曰く、

 

『あそこの神社には男は少なくほとんどが女しかいないので、深夜に寝静まっている間に宿泊施設の方でなく屋敷の方に行けば仕事も簡単に済む』

 

『子どもを産んだ女が3人程居るので、何かあれば子どもを人質にすればいいだろう』

 

『黒の新車のハイエースを手に入れたらしいので、逃げる時にそれも奪って車専門の海外組織に持ち込めば高く売れる』

 

『日本人の霊能組織など、ガイア連合の直接に関係した場所じゃなければ大したことはない』

 

 など、その伝手から建物の位置を書いた書類を含めこれらの情報を手に入れたこの男は、大陸系のブローカーから人員を集めて襲撃に至ったのが真相のようだった。あの日、巫女の彼女らに声をを掛けていたのはこいつの手駒の連中が勝手にした事で、急遽襲撃をしたのもこの事が露見するので焦ったからだそうだ。

 

 実行役に外国人を使ったのも、自分への足取りが分かり難くするためと日本に密航して来て連中が金に困っていたので安く雇えるからだった。

 

 大陸の国は、この時期に本来なら工業化が進み『世界の工場』として経済的に飛躍するはずが、アメリカの背後に居るメシア教の影響で欧米が混乱した事で製品の買い手がいなくなり経済も鳴かず飛ばずとなった。

 

 また半島の南の国といえば、本来なら数年後に国家デフォルト後にIMFによる融資が行われるはずが大陸の国以上に貧弱な内需より外需に頼った経済がそれより早く破綻し、またメシア教が資金の調達と海外の霊能組織の弱体化のためにIMFと世界銀行にあったアメリカの資本を引き上げた影響で、融資審査が厳しくなってしまい国の経済がどん底になっていた。

 

 そこに来て、ガイア連合のお陰で好景気に沸く日本がそこにある。

 

 隆和たちの前世でもこの時期にテレビで言う『武装スリ団』のような出稼ぎが増えたように、こちらでも日本国内の在日の同胞の伝手やブローカーのお陰で合法非合法問わず訪日する彼らは日増しに増えていた。

 この動きは、後にガイア連合の手で空港や港に結界施設が敷設されるまで続くことになる。

 

 とにかく、こうして襲撃者たちは警察の手により収監される事になり解決するのだった。

 

 

 

 

 大阪の某ビルの事務所。

 人払いを済ませた事務所の豪華な椅子に座る神経質そうな半島人の形質を色濃く表した顔を、その男は不愉快気にしながら電話先の女と話していた。

 

 

「おい。連中、しくじって全員警察に逮捕されたぞ。

 少なくない金を使って、こんな事をして何の役に立つんだ?」

 

『不法滞在の迷惑な連中を減らせるのだから、貴方にとっても好都合でしょう?

 私としても気に入らないあの女への嫌がらせにもなりますし』

 

「仮にも、お前もあそこに所属していたのだろう?

 あそこの怖さは理解しているのか?」

 

『私を不当に扱って評価も出来ないようなあんな連中に、遠慮する義理なんて無いわよ。

 それに、こっちの事が術で追えないようにする物が手に入ったから実行に移したのよ。

 そっちだって、人を何人も介してあの情報を持ちかけさせたんでしょうに』

 

「もちろんだ。

 ただでさえ、この辺のゼネコンが軒並みあのガイアグループに尻尾を振るようになってやり辛いんだ。

 俺の会社にも悪影響が出ているしな」

 

『貴方の同胞の孫請けに仕事を割り振るのに、ゼネコン側が仲介を渋るようになったのはしょうがないでしょう?

 貴方の会社や貴方自身、いい噂は聞かないのだし』

 

「おい、俺が金を出していたジングォンの兄貴を潰したのはお前らの仲間だろうが!

 力でどうにかされないと思って、孫請けの連中が叛意を出し始めたのはそっちのせいだろう!?」

 

『私に怒鳴らないでくれるかしら!?

 もうこっちはあそこから抜けたのよ!』

 

「まあいい。

 しばらくはこの手は使えないからな、顧問弁護士殿?」

 

『ええ、それで構いませんとも。

 グレーなやり方はいくらでもありますから。

 依頼主様、それでは』

 

 

 受話器を置くとその男【金上金作(かねがみかねさく)】は、棚から度数の高い高級酒を取り出しグラスに注いで煽るように飲み干した。

 そして、机の上の華門神社の調査資料とそこに添えられた安倍隆和の写真を見て、金上は舌打ちし写真を灰皿で燃やした。

 

 

「こいつが絡むといつも俺に面倒なことが起こる。本当に忌々しい。

 まあいい。直にアメリカからアレが来さえすれば、あの女だって用済みだ。

 いずれ、俺に頭を下げるようになるぞ。ガイアグループめ」




後書きと設定解説


・関係者

名前:珠島あさぎ・まゆら・じゅり
性別:女性
識別:異能者・17歳
職業:華門和側付き巫女
ステータス:レベル6・マジック型
耐性:破魔無効
スキル:九字印(ハマ)
    遠当ての術(ザン)
    薬師如来呪法(ディア)
    護符作成
詳細;
 華門和と共に暮らす元土御門家の華門神社の家人たちの一人
 全部で人員は十数人いるが、このデータは覚醒した3人のもの
 容姿は、ガンダムSEEDのアストレイ3人娘

・敵対者

【ダークサマナー】

レベル6 耐性:破魔無効
スキル:悪魔召喚(ガキ)
    アギ(敵単体・小威力の火炎属性攻撃)
    脅迫・脅し
詳細:
 今回の襲撃を依頼され取りまとめていた手配師のダークサマナー
 元はやり過ぎて地元の組から破門されて追放されたヤクザの男
 集めた連中はレベル1~3の覚醒者で、チンピラとしては優秀だった

現地のダークサマナーの襲撃って、こんな感じでしょうかね?


次は出来るだけ早く。
もし、読んでくださった方がいるならありがとうございます。
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