【求む】カオス転生でダークサマナーが就職する方法   作:塵塚怪翁

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続きです。

※「waifulabs」と言うサイトで作成したイメージ図を追加


第51話 淀神社からの依頼

 

 

  第51話 淀神社からの依頼

 

 

「それで、施設の方はどの程度準備は出来ていますか?」

 

「船を納めておく地下シェルターと船着き場は完成しています。

 ただ、実際に動かす船の方にいろいろと問題が」

 

 

 家族と過ごすのに忙しかったゴールデンウィークも終わった5月も半ば、隆和はトモエを伴って淀城跡公園にほど近い桂川に面した古民家の中にいた。そこは、淀神社を護る霊能組織が管理する関西支部が敷設を進めている淀川水系を利用した霊道計画の【船着き場】のあるシェルターであった。

 

 関西支部が計画を進めている大阪と京都間にある各派出所を結ぶ淀川水系を利用する【霊道計画】であるが、支部側から梅田の南に淀川支流沿いに用意したビルの地下にある【港】から大阪城を経由して淀川大堰を東に曲がり、川を遡るように京都方面へと進むものである。

 なお、サラリマンニキが所長を務める派出所の隆和の義理の娘である百々地希留耶がいるカプセルホテル『ガイア大阪』は大阪城の北の支流沿いのホテル街の一角にあり、今いる淀城跡近くに来るには桂川まで遡る必要があった。

 

 隆和たちの目の前には、桂川の堤防が上に開き河に出ることが出来る仕掛けがある地下通路につながる船着き場があり、水のないモーターボートの大きさの小型船舶を停めるはしけが2つあった。河川もここまで遡って来ると、船が通れるギリギリの深さまで浅くなるのでこのサイズの船でしか通行できないためである。

 船の無いはしけだけが完成しているそこを見て、隆和は淀神社と華門神社との連絡役を任されている困り顔の女性【藤野秋葉】に視線を向け話しかけた。

 

 

「船の方はまだ無いのかな?」

 

「父からは今のところ、関西支部の方で運行可能な小型船を確保して改装中だと聞いています。

 こちらとしては何かあった際の人員を確保しておくように指示が出ているので、覚醒している何名かで小型船舶の免許を取得している所です」

 

「淀神社と華門神社の間の行き来は非常時は俺がデモニカーで出るが、その場合はどうなっている?」

 

「はい。

 非常時には出来る限り、ここと地下道で繋がっている淀神社地下のシェルターと連携する様に指示が出ています。

 ですが、うちが持たないか避難に間に合わない時はそちらに逃げ込むようにと」

 

 

 彼女が連絡役を任されているのは、兄二人が父とは折り合いが悪く関東に出て行ったのと淀神社側からの見合いなどの隆和たちへの余計な干渉を抑えるためであるらしい。

 手元の資料を見ながらも時々横にいるトモエの胸をチラチラと見ながらそう答える彼女に、ふと先日の事を思い出し隆和は尋ねてみた。

 

 

「そういえば、この間助けた君の友人がうちに訪ねて来て何か俺を見て引いている様子だったけど、何か聞いていないかい?」

 

「ああ。あの子はこっちの業界では素人だから失礼な事をしたかもしれませんね。

 うちの学校、完全に休校になって転校先がない生徒は残りの単位を課題の提出だけでもいい事になったんです。

 それで、関西支部の筋肉支部長さんの初心者合宿に放り込んできたのでもう失礼な事はしないと思います」

 

「そうなのか。

 君がこの連絡役をしているのもその辺が関係しているのかい?」

 

「ええ。ここは父が面倒を見ているんですけど、まともに除霊も出来る人が少なくて。

 ここ最近、そういう相談が持ち込まれるのが増えて宮司さんが過労死しそうなんです。

 おかげで『暇なら行ってこい』と私も父に駆り出されているんです」

 

 

 彼女の父が面倒を見ている淀神社であるが、主祭神であるトヨタマヒメの他に2柱の神を祀っていたがメシア教により2柱の神は滅ぼされて主祭神の彼女も封印されていた。それを協力の見返りに、異界の封印の解除を実際にやったのは隆和たちであった。

 現在の彼らはガイア連合の傘下として地元に密着した神社としての活動をしていたのだが、その御蔭か地元からの除霊相談や地鎮祭に持ち込まれる多数のお祓いの依頼に追われるようになっていた。

 また華門神社は関西支部からの依頼を扱うだけなのと、この前の襲撃騒ぎの噂でそういう相談は持ち込まれることが殆ど無かった。

 

 

「そういう訳で私たちでは手に負えない上に、関西支部に依頼を出していては間に合わないものをいくつかお願いできますか?

 報酬の方は用意しておきますので」

 

「今は手が空いているから構わないが。

 この後は関西支部で依頼を探す予定だったしな。

 他に何かあったかな? トモエ、カーマ」

 

「主様。帰りが遅くなるようなら連絡はしておいて下さいね?」

 

「面倒ですけど、私も行くんでしょう?

 聞かないでも付いていきますよ、面倒ですけど」

 

「よし、それじゃあどういう物か教えてくれないか?

 少しは稼がないとプレゼントも買えないしな」

 

 

 済まなそうな表情でそう言う彼女に、隆和はトモエとカーマに確認を取ると家の皆にも相談した後で了承する事にした。

 

 

 

 

 ケース1:逃げ出した一家

 

 隆和たちが今いるのは淀神社近くの郊外にある一軒家。

 そこには外からの侵入を防ぐ強力な結界が張っており、そこにはとある廃村から逃げて来た一家が住んでいた。

 家長らしい老人の男性はこう語った。

 

『儂らのいた村は、深い山の中にあり人がいなくなって廃村となりました。

 儂ら一家はそこで代々小さな神社で山の神を宮司としてお祀りしていました。

 廃村になる以上、神社も廃社にしなくてはなりません。

 公式に届け出を出して、決められていた慰霊祭をして儂らも村を出たんです。

 でもしばらくして、家族に怪我や病気が増え続けて親戚だった淀神社の宮司殿に良くないモノに追われていると聞かされました。

 実際、家の周りを何かが彷徨くようになり外にも出れません。

 どうか助けてください』

 

 彼らのいた村は過疎になり過ぎて廃村になり彼ら一家が宮司をしていた神社も廃社となったので慰霊祭を行ない引き上げてきたのだが、そこに祀られていた山の神が良くないモノだったのか、霊感の無い彼らにも怪我や病気が続いて後を追われていると気が付いて親戚だった淀神社の宮司のもとに逃げ込んだのだそうだ。

 

 隆和はその家で待ち伏せる事にして隠れていたが、その日の深夜、家の周りを彷徨く身長3mはあるかのような頭頂部が剥げている猿のような化け物が現れた。そのレベル19【妖鬼ヤマワロ】と隆和の目に映るそれに、隆和は一人で話しかけてみた。

 

 

「おい、ここで何をしているんだ?

 ここは里だぞ。山の住人のお前がいる場所じゃないだろう?」

 

『オレヲマツルト、ヤクソクシタヤツノシソンガニゲタ。

 ヤクソクヲヤブッタノハ、オマエラダ。

 ヤクソクヤブリハ、クッテヤル!』

 

「代わりに別の人を送って祀るようにしてやるから、ここの人は諦めろ」

 

『イヤダ!

 ヤクソク、ヤブッタ! クッテヤル!』

 

「そうか。

 こいつは破魔と呪殺が弱点だぞ、二人とも」

 

『ナニヲイッテ……ア、アババ、ナ、ナン、アエ♡♥?♡?』

 

 

 その言葉と同時に隆和に軽く叩かれたヤマワロは、意味も分からないまま至福と混乱に思考を飲まれて舌を出した快楽の表情のまま立ち尽くしてしまった。

 そこにトモエとカーマから魔法が飛んだ。

 

 

「今です。【マハンマ】!」

 

「うわ、気持ち悪い。消えて下さい、【ムドオン】」

 

『イッタイナニガ…ヒグッ』

 

 

 同時に飛んだ破魔と呪殺の呪文により何も判らないままにヤマワロは消えて行った。

 こうして、人里まで彼らを追って来ていたヤマワロは消えて元宮司の一家は逃れることが出来たのだった。

 

 

 

 

 ケース2:カルト教団「聖なる光」

 

 隆和たちがヤマワロ退治に出掛けていた同じ頃の午後、なのはとモリソバは淀神社から頼まれた急ぎの依頼の一つを引き受けていた。

 彼女らは依頼の目的地であるとある山中にある神道系を自称するカルト教団の本拠地に向けて、案内役の男性の運転する車に乗って山道を進んでいた。外行き用の黒いスーツの霊装姿のモリソバと、例の白い霊装の上に黄色い雨合羽を着たなのはがその車の後部座席でお互いに喋っていた。

 

 

「…なのは、それで前衛役が欲しいからわたしを引っ張り出した訳?」

 

「若返って旦那と盛っているばかりのふぇいとちゃんに文句を言われる筋合いは無いの。

 結局、買っていおいた若返りの水も全部飲んじゃったし」

 

「それは、自分の分を他の瓶に分けるのを忘れたなのはが悪いじゃない。

 わたしとしては助かったけど、それに盛っているのはお互い様でしょ?」

 

「それは仕方がないの。

 週7日で一日が休みだと、他はそれぞれ6人が違う日に交代で相手をするのが決まり事になっているんだもの。

 娘も出来たし、彼以外とはする気にもなれない位にされているのは否定しないけど」

 

「わたしだって彼以外とはする気になれない位に相性はいいんだけどね。 …あっ」

 

 

 運転席で『こいつら大丈夫か?』とバックミラーで見る案内役の彼の視線に気が付き、ゴホンと咳をつくと二人は気まずそうに書類を取り出すと仕事の事に話題を変えた。

 

 

「えーと、相談主は今から行くカルトの連中の被害者だっけ?」

 

「そうなの。

 相手に悪霊を取り憑かせて弱ったところを勧誘して仲間に引き込むのが手口なの。

 何でも祭壇を高値で購入させて、それを拝むと連中の神様の所に信者の生命力が吸われていくらしいの」

 

「それでその相談者の大学生の彼は、途中で除霊してもらうために神社に逃げ込んだと」

 

「勧誘していた相手は偽学生だったらしくて、調べたときにはいなかったの。

 幸い、勧誘のビラから本拠地は分かったからこれから乗り込むの」

 

「着きましたよ」

 

 

 市街地から約1時間ほどの距離のその場所に車は着いた。

 そこには車でこれ以上は入れない細い山道が続いており、その入口には黒ずんだ石で出来た鳥居があって人が立ち入るのを拒むかのような空気が広がっていた。

 二人は車から降りると車の荷物入れからなのはが木製の先が鈍器ようになった杖を、モリソバは片手剣と樽を取り出し背中に背負った。

 

 

「それじゃ連絡をしたらまたここまで迎えに来てください。

 それまでには終わると思うので」

 

「よっし、それじゃ行くの!」

 

「はあ、わかりました」

 

 

 納得できない表情で引き上げる車を見送ると、モリソバは小型のデジタルカメラ型のアナライズ機器を取り出して鳥居を眺めた。そして、表情をしかめると見ろとなのはにそれを渡した。

 

 

「うわ。

 この鳥居の黒ずみ、瘴気とか死霊とかが凝り固まったものじゃない。

 ここで何人死んでいるのか解らないくらいなの」

 

「この先、異界になっているみたいだけど行くの?」

 

「相手が人間を辞めているなら、返って対処が簡単なの」

 

 

 そう言って意気揚々となのはが鳥居をくぐると、その先は道の横のあちこちに人の姿をした黒い木が並ぶ山道が上へと続いていた。

 試しに樽の中に大量に入っていたガイア連合製の清めの塩と業務用の塩化ナトリウムを混ぜた塩を、なのはは黒い木々に一掴みほど掛けてみた。すると、『ギュアアア』と苦鳴のような声を発するとそれらは溶けるように消えてしまった。

 

 

「なにこれ、すごい悪趣味な代物なの」

 

「逆に情けを掛けなくてもいいと思えば楽じゃない?」

 

「それもそうか。それじゃあ前は任せるの」

 

「OK。

 こんな所、さっさとなのはの魔法で吹き飛ばして帰ろう」

 

 

 そう言って歩き出す二人は、屍鬼と化していた元信者たちや殺されたらしい人たちの悪霊を塩をばら撒き手に持った武器で殴り飛ばしながら山道を歩きながらしばらく進み、やがて本拠地らしい立派な作りの神社に似た建物の前に着いた。

 そこには拝殿に当る正面の建物の祭壇に鎮座する仏像を中心とした悪霊の塊がおり、その周囲を屍鬼の信者たちが取り囲んで拝んでいる最中であった。教祖らしい屍鬼が二人に気がつくと、振り返って大仰な仕草で叫び始めた。

 

 

『ミヨ! オロカモノガマタコノチヘトアシヲ……』

 

「生きてる人はなし! 【コンセントレイト】【メギドラ】!」

 

『『『ギャアアア!!』』』

 

 

 相手の口上を遮るように、ビデオカメラを覗いていたなのはの広範囲万能魔法が炸裂する。

 屍鬼たちは全て吹き飛び、唯一ボスらしい悪霊が建物ごと砕けてバラバラになった仏像の欠片の上で蠢いていた。

 それに近づいたモリソバが仏像に向けて樽をひっくり返した。

 

 

「これをぶっかければ終わりかな?」

 

『ヤ、ヤメ……ウボブワバフォブバ…グフッ』

 

 

 悪霊が消えて周囲の嫌な気配が消えると異界化が解けて、後にはなのはの魔法で廃墟と化した元拝殿と塩の山に下敷きになった元祭壇がありそこに二人は立っていた。

 

 

「終わったみたいだねぇ」

 

「もう2、3発撃ちたかったの。頑丈さが足りないの」

 

「結構早く終わったんだし、たまには二人で帰って飲まない?」

 

「彼も今日は外で泊まりだって言っていたし、たまにはいいかもなの。

 皆んなにもお土産買って帰ろうかなの」

 

 

 そう言うと二人は笑い合いながら、携帯で連絡をするともと来た山道を下って行った。

 

 

 

 

 ケース3:姑獲鳥の初夏

 

 他の二組が依頼の解決に向かっていたと同じ頃、夜刀神華も依頼を解決するために依頼主たちと合流していた。

 向かった先は、淀神社の関係者専用の駐車場であった。

 依頼主らしいその集団は取り巻きの連中と淀神社の親戚を名乗る男を中心としたグループと、華と同じように護衛として関西支部で男に雇われたらしい大剣を持った美少女だった。

 依頼主である男【松平総司郎】は、現地までの移動のために用意した小型バスの前で胸や尻に視線を向けつつ2人に向けて説明を始めた。

 

 

「今回の仕事はこの俺、名家の生まれである松平総司郎の名声を上げるためのものだと心得てやれ。

 そのためにも伝手を使ってこの俺に相応しい護衛を雇ったのだ。

 いいか、夜刀神華と【岸辺奏多(きしべかなた)】よ。

 働きによっては俺が頂点についた時には取り立ててやっても構わんからな」

 

「それはいいから仕事の内容の説明をしてくれ。

 護衛の仕事はちゃんとするからさ」

 

「私は淀神社と関係のある華門神社の代表の先生の愛弟子だよ?

 下手なことをするなら、藤野さんにも報告するように言われているからね?」

 

「わ、わかった」

 

 

 華の言葉にたじろぐ男を岸辺奏多と呼ばれた少女は、頭部から角のような何かと金属製の尾のようなものを生やした露出の多い服を着て剣を肩に乗せつつ睨みつけている。

 感情が高ぶったせいだろうか、急に今まで無かった尾と角が生えてきている。

 

 説明を始めた男によると、とある山中の過疎により廃棄された集落に女の姿をした何かが出るらしいという噂が広まって度胸試しや好奇心で集落に行った若い連中が帰って来ない事件が起きたとの事だが、その中に彼の取り巻きの男も含まれていたらしく彼が独自に探しに行くと名乗りをあげたと彼は言っている。

 そのために警察の上層部のコネを使い、関西支部に回されるこの依頼の情報をこっちに持って来たと自慢気に言っているその様子は、この仕事に対する二人のやる気を的確に削いでいた。

 

 

「よし、出発するぞ」

 

「岸辺さんだっけ?

 私、夜刀神華と言うのだけどよろしくね」

 

「うん。あんな奴の護衛とか憂鬱だけどお金は貰えるしね。

 僕は岸辺奏多、よろしく」

 

 

 挨拶し合う彼女らも乗せた一行の車は、山道を3時間ほど掛けて件の村へと到着したがそこには異様な光景が広がっていた。

 村のあちらこちらに食いかけと思われる女性の遺体や食い尽くされた思しき白骨の遺体が散乱し、崩れかけた家々からは女の嬌声が響いていた。 

 車から降りてその様子を見た男達は完全に引いた様子でいたが、華は彼にどうするのかと尋ねた。

 

 

「それでこれからどうするの?

 この村、異界に成りかけているみたいだし、かなりの数がいるみたいだけど」

 

「空を飛んでいる相手は僕には厳しいなぁ」

 

「ま、まずは、……ひぃっ!」

 

 

 新しい男が増えたのに気がついたのか、近くの廃墟にいたらしい美女の頭と胴体に鳥の翼と下半身を持つ姿の多数の悪魔が空に飛び上がった。それを見て恐怖に駆られた男達は、彼女らが止める間もなく二人を置き去りにすると車を急発進させてもと来た道を走って行ってしまった。

 

 

「え、どういう事!?」

 

「あの馬鹿達、やってくれたなぁ! とにかくここを切り抜けよう、夜刀神さん」

 

「うん。今は生き残らないと」

 

 

 せめて餌だけにでもするつもりか、鳥悪魔たちは彼女らに襲いかかってきた。

 

 

「燃えちゃえ、【ファイアブレス】!」

 

「このっ、【薙ぎ払い】!」

 

『『ギキィ!』』

 

「痛っ。この鳥、羽ばたいて衝撃波を飛ばして来た!

 お返しっ、【ウィンドブレス】!」

 

「もう一回、【薙ぎ払い】! よいしょ!」

 

『『ギャキャア!』』

 

 

 華が火炎や衝撃波の息で攻撃し、奏多の方も飛び上がっては大剣を振るって攻撃する事を繰り返す。

 そうして数十分、もうかなりの数を落としたはずだが村の奥の方から数羽ずつだが増援が飛んで来る。

 華が隆和から持たされた多数の傷薬のおかげで疲労や怪我は何とか襲撃の合間にしているが、これではキリがない。

 

 

「このままじゃジリ貧だよ、夜刀神さん」

 

「こういう時は先生なら、……うん。頭を狙おう」

 

「頭?」

 

「こういう悪魔の集団は、必ず群れのリーダーかそれに代わる祠か何かがあるはずだよ。

 だから、向かうとしたら飛んで来るあの方向」

 

「わかった。じゃあ行こう」

 

「うん」

 

 

 奥に向けて走り出した彼女らであったが、結果を言えば村の奥にあった祠を壊すことで群れのリーダーの悪魔と共に他の鳥悪魔達も消滅し事件は終結を見た。

 所詮、ここの集落を飛び回っていたのはレベル3~7の【妖鳥ハーピー】達であるし、レベル18の華と華と同程度の実力の奏多の彼女ら二人に敵うはずもなく両足を変化させた華の尾と奏多の大剣が祠を砕くことで終結を見る事となったのだった。

 

 

 

 

 さて、ケース1と2は関西支部の協力もあって速やかに後始末はされたが、問題はケース3だった。

 

 が、この件で活躍した彼女らの「足手まといがいなくなって返ってやり易かった」という意見と、結果的には依頼の護衛対象は生きて帰っている事を加味されて、この男達は向こう10年の間(つまりは終末になるまで)はガイア連合の協力者や連合員の登録から弾かれる処分が降った。

 

 そうした後始末が終わったある日、夜刀神華を訪ねて華門神社まで岸辺奏多が訪ねてきた。

 そして、彼女は隆和たちに向かってこう言ったのだ。

 

 『僕と親友の女の子を助けて欲しい』、と。




後書きと設定解説


・関係者

名前:夜刀神華
性別:女性
識別:異能者(悪魔人)・16歳
職業:夜刀神家末娘→華門神社見習い巫女
ステータス:レベル12→18/23・マジック型
耐性:氷結弱点・破魔無効・呪殺耐性
スキル:ファイアブレス(敵複数・2~4回の小威力火炎属性攻撃)
    ウィンドブレス(敵複数・2~4回の小威力衝撃属性攻撃)
    薙ぎ払い(尾)(敵全体・小威力の物理攻撃。
            龍変化時のみ使用可能)new!
    引っかき(敵単体・小威力の物理攻撃)
    龍眼(攻撃の命中率が大きく上昇する)
    龍変化(下半身が蛇の姿になり、水中の移動力が上昇する)
装備:鍵の飾り付き黒色のチョーカー(呪殺無効の霊装)new!
   スカート型巫女服(魅了無効付与。ガイア連合霊装)new!
詳細:
 地方の名家「夜刀神家」で生まれた異形の眼の娘
 黒髪をポニーテールにした起伏の少ない体型の美少女
 実家では冷遇されていたが、主人公に救われ明るくなった
 修行の結果、龍変化の状態でも上手く戦えるようになった
 身長154cm、B:75(A)・W:57・ H:80


【挿絵表示】

夜刀神華のイメージ図

名前:藤野秋葉(ふじのあきは)
性別:女性
識別:異能者・18歳
職業:高校生
ステータス:レベル4
耐性:破魔無効
スキル:霊視(サイコメトリーに近い霊視)
    ハマ(敵単体・低確率で即死付与)
    アギ(敵単体・小威力の火炎属性攻撃)
詳細:
 ガイア連合の富豪俺たちの一人藤野槇雄の娘
 長い黒髪が映える気の強い印象のちっぱい美少女
 淀神社と華門神社の連絡役を父から言い使っている
 胸が小さいのをコンプレックスにしている

・敵対者

【妖鬼ヤマワロ】
レベル19 耐性:破魔弱点・呪殺弱点
スキル:ザン(敵単体・小威力の衝撃属性攻撃)
    暴れまくり(敵複数・1~4回の小威力の物理攻撃)
詳細:
 とある山中の祠で祟り神系の山の神として祀られていたナニカ
 贄をよく要求し、収穫物だけでなく村の人間を殺して喰っていた
 廃神社にして自分を祀るのを辞めた宮司の子孫を喰うために追っている

【屍鬼ゾンビ】
レベル4 耐性:火炎弱点・破魔弱点・呪殺無効
スキル:引っかき(敵単体・小威力の物理攻撃)
    噛みつき(敵単体・小威力の物理攻撃)
詳細:
 幽鬼に取り憑かれ力を授かったと思いこんでいた元カルト信者
 完全に取り込まれて屍鬼に変貌した

【悪霊レギオン】
レベル13 耐性:電撃弱点・破魔弱点・呪殺無効
スキル:突撃(敵単体・小威力の物理攻撃)
    ムド(敵単体・低確率で即死付与)
詳細:
 自称神道系カルト教団「聖なる光」で御神体とされていた像の神
 神道系と名乗るもあちこちから手かざしなど教義をパクっていた
 力を授けると言って自分の分体を取り憑かせていた呪いの像の悪霊

【松平総司郎】
レベル7 耐性:破魔無効
スキル:突撃(敵単体・小威力の物理攻撃)
    九字印(ハマ)
    遠当ての術(ザン)
詳細:
 伏見地区にある淀神社宮司の親戚に当たる家の次男
 徳川将軍家の血を引くと称する名家の出身
 尊大で自分は優秀だと思いこんでいる

【妖鳥ハーピー】
レベル7 耐性:銃弱点・電撃弱点
スキル:羽ばたき(敵単体・小威力の疾風属性攻撃)
    マリンカリン(敵単体・中確率で魅了付与)
詳細:
 美女の頭と胴体に鳥の翼と下半身を持つ姿の悪魔
 祀られていた産女が祠を放棄され変異し人間を攫っていた
 男は番と勃たなくなれば餌に、女は全て餌にしていた
 子宝を望まれて祀られていたので盲目的に行動していた


このお話もそろそろ終了。
次からは、物語の締めに入ります。
もし、読んでくださった方がいるならありがとうございます。
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