【求む】カオス転生でダークサマナーが就職する方法 作:塵塚怪翁
第58話 これにて閉幕
それでは、ガイア連合の記録に“聖母降臨事件”と記される事になる今回の事件のその後を語るとしよう。
崩れ始めた地下から地上に脱出した隆和たちが見たのは、後続にいたガイア連合のメンバーと合流しているなのはたちと突入前には天使召喚機により倒れ伏していた男達がふらつきながらも自分で歩いて回収されている様子であった。
合流とお互いの無事を喜ぶのも束の間、建物全体が揺れ始めデモニカーに救助者を乗せれるだけ乗せると全員が駆け足で異界を脱出するために異界の出口へと走り出し、背後に30階建てのビルが崩れ落ちる様を光景にほぼ全ての人員が出る事が出来たのだった。
その後の調査では大まかな詳細が判明した。
まず異界消滅後のその地は、ビルの瓦礫の地下に埋もれた諸々は掘り出す事はせずにそのままになる事が決定され、公的機関が廃墟のビル街の取り壊し費用が捻出できないという事情もあり結局、終末が訪れるまでそのままであったという。
捕らえられた賀来神父とその部下から聴取により事件のあらましが判明し、聴取後に日本メシア教に後始末を任せる形で引き渡された彼らはその後、存在しなかったかのように姿を消し教会の人員リストからも抹消された。
ただ、被害者とされたシスターマーテルに関しては関西方面の人員の葬儀を執り行う「墓標教会」の慰霊碑に名を刻まれて死後を弔うという形になったという事だ。
また、沈んだ貨物船に関する事は事故として処理され、メシア教系列の貨物船会社が港湾の修繕費用を払う形で決着した。
ゲームをクリアする事で巻き込まれて意識不明になっていた少女たちであるが、彼女らは一人も欠ける事もなく全員が意識を取り戻しリハビリは必要ながらも日常に帰って行く事となる。
これは隆和の提出した報告書にも記載されたあの時、降臨した【女神マリア】の【リカームドラ】による作用だと判明した。
なおこれに関する調査は、『あのメシア教の関係者がそんな殊勝なことをする筈がない』と考えた霊視二キやアンチメシアの黒札たちに加え、ショタオジも駆り出され徹底した執拗な調査の末に間違いがないと判断され混乱したり懐疑的にまだ疑う者もいる中で、
『地母神に近い彼女が召喚されたからだということにしよう。
メシアンの事を深く考えると疲れるだけだから、これは例外だったとして終わったと考えよう』
と、疲れたように言う霊視二キの発言もあって皆も自分の生活へと帰っていった。
こうして、独り善がりのメシアンと大天使の起こした事件は終わった。
そして、今回の事件の後、華門神社に帰還した隆和たちと言えば…。
†
帰った日のその数日後、異界内の屋敷にて関係者一同が集まりこの後に定例となる会議が行なわれていた。
いつもの面々を含めた華門神社の人たちと今は外部にいる人たちがここに参加しており、司会進行の千早の宣言で会議は始まった。
「皆んな揃ったようやし、始めよか。まずは、蔵六はんからや」
「神社の社務所や派出所の事務は滞り無く順調で問題は起きとらん。
わしからは以上だな」
樫原蔵六(かしはらぞうろく)
古くからこの神社の面々の面倒を見ながら、家伝の美容法を伝えていた薬草師。
自分の技術を弟子達に伝え終わると、孫のような子どもたちの世話をして過ごす。
終末後の混乱時に運び込まれる人員の治療に当たり、その最中に息を引き取った。
「薬草やヤドリギの成育も順調ですので、近いうちにガイア連合のものには及びませんが各種治療薬の補充と貯蔵は可能になります。
これらの成長には、オシラサマにも助けて頂いていますので」
「(⌒^⌒)b」
ヨハン・ファレンガー
欧州から逃げて来てスカウトされここに参加したドルイドの薬師。
神社の人員の姉妹の二人の攻勢に陥落し、姉妹を共に娶る羽目になった。
樫原翁がいなくなった後、ここの治療師として終末後も過ごすことになる。
神樹オシラサマ
隆和が恐山支部からスカウトして契約した農業担当の神様。
異界内の作物をずっと守護し続ける事となる。
栽培する大根の種類をどんどん増やすのだけは皆も困ったという。
「異界内の湧き水の水質は問題ありません。
それと、“豊穣”の方も順調に増えているみたいです」
「畑の方も問題はないわよ。
ただ今後を考えると、作業員をもう少し増やして欲しいのよね」
天女アナーヒター
隆和によって救い出され契約した元アプサラスの水の女神。
異界内の水源の管理を一手に引き受け、豊穣の女神として安産にも寄与して過ごす。
後に水源の管理だけでなく、子供たちの養母役としても駆け回る羽目になる。
妖精ルサールカ
隆和がある異界のボス戦時にスカウトして契約した水妖。
こちらではスダマやコダマを手下にして、畑の管理を一手に引き受ける事になった。
半終末時、収穫祭を行なった夜に隆和と関係を持ち妻の一人に加わる事になる。
「海の中も問題ないです。
魚や海中の中の生物もどんどん増えていますよ」
「今のところ、悪魔になるようなものもいないね」
「ちゃんと私たちが監視しているしね」
「マカラだっているものね」
人魚マーメイド
名前がエイプリルの個体をリーダーにベルタ・クリス・ドーラの4体がいる人魚たち。
異界の海の管理を任され、4体姦しく過ごしていく事となった。
隆和に救い出された出自のエイプリルは、後年想いを打ち明けて隆和と結ばれる。
龍神マカラ
とある異界から苦労の末に隆和がスカウトして契約した龍神。
人魚たちと共に異界内の海の安全を守る事となった。
カーマや子供たちの大勢を背に乗せて海上を泳ぐのが密かな楽しみとなる。
「あのう、妊娠していました。
本当なら警備担当なのに産休に入ってしまってすみません」
モリソバこと、田中菲都(たなかふぇいと)
なのはの親友で紆余曲折の末にここの警備担当として雇われた異能者。
一目惚れしたここの男性人員と交際の後に正式に結婚した。
その後、3人の子どもを設け警備から保育担当に配置換えする事になる。
「なんでここにオレが参加しているんです?
重要な用があるからって、彼女に連れて来られたんですが??」
「それは皆んなにも正式に紹介しないと、ね?」
「旦那様。諦めが肝心ですよ」
ナイスボートニキ(伊東誠)
ガイア連合の黒札で、サーバーの管理などのPCの扱いに長けている転生者。
これから数年後に彼女の妊娠が発覚し、半終末の忙しい中正式に結婚した。
2人目の女性型シキガミを始めとして、その後も何度か修羅場に突入する事になる。
百々地希留耶(ももちきるや)
とある事件で助け出され、隆和に養子として引き取られた悪魔変身能力者。
なのはを始めとした女性陣の薫陶を受けて立派な肉食系に進化し、彼を捕まえた。
彼とは2人の子どもを設けて自分の新しい家族を手に入れる事になる。
コズワース
ナイスボートニキが最初に購入したロボット型のシキガミ。
戦闘力よりも彼のサポートに徹し、彼を時々諌めながら過ごしていく。
二人の子どもの面倒も見ながら、彼なりに幸せに過ごしていく事となる。
「えっと、僕は岸辺奏多って言います。
友達だった子も今は目が覚めて元気になりました。
ここでお世話になりますので、改めてよろしくお願いします!」
「大丈夫だよ、奏多。
私だって受け入れて貰えたんだし、一緒に頑張ろう!」
岸辺奏多(きしべかなた)
とある事件で覚醒時に性転換し隆和たちに救い出された悪魔変身者。
親友となった夜刀神華と共にここで暮らして行くことになる。
後に葛藤しながらも心も女性化し、隆和の妻の一人に加わる事になる。
夜刀神華(やとがみはな)
とある事件で悲惨な境遇から隆和に救い出された悪魔変身能力者。
龍の血を引くからか、正式に隆和の妻になってからは夜の行為に積極的だった。
ある時、煮え切らない態度の奏多を引き摺って隆和の寝室に突入する事になる。
「子どもたちもすくすくと育っているので、後で顔を見せてあげて下さいね。
武術のインストラクターのお仕事は、さっぱりになりましたけど」
「お母さんも年齢を気にしないで、もっとガッツリ行っていいと思うっす。
学校の方も問題はないっすよ、隆和お義父さん」
吉澤加奈(よしざわかな)
とある事件で隆和に救い出され、その後口説かれるままに妻になったくノ一異能者。
最年長にも関わらず、女性陣で二番目に多く子宝に恵まれる事になる。
後に、成人した長男の悟の父親譲りの女性関係で頭が痛くなる事になる。
吉沢桃子(よしざわももこ)
吉沢加奈の前夫の娘で、卓越した潜伏のスキルの素質がある少女。
子供たちの良きお姉さん役となり子供たちの面倒もよく見ていた。
後に、ここに出入りするナイスボート二キに懸想し修羅場になる。
「隆和さま。あの、恥ずかしながらまた授かりました。
三ヶ月になるそうです」
「まあ、お嬢様も積極的になっていたしアレだけヤればねぇ?」
「寝室の後始末とか掃除とか、私らの担当ですしねぇ」
「そうですよ。私らは決まった相手もまだいないのに」
「「「そうそう」」」
華門和(はなかどのどか)
華門神社の巫女代表にしてアメノウズメの転生者。
自らの魅了の術は封じ、隆和の妻でいる事のみを望んで過ごす。
隆和の妻の中では最も多く子宝に恵まれる事になる。
珠島あさぎ・まゆら・じゅり(たましま)
華門神社の巫女であり、華門和のお付きをしている少女たち。
隆和の妻たちの世話を主に担当して家事をして過ごしていた。
後に和の勧めもあり3人共、隆和と子を成す事になる。
「隆和はんたちも無事にまた戻って来てくれたけど、ここの備えはまだまだや。
まだまだ何やけど、……うちも出来てしまったみたいなんや。
そんで、暫くの間はなのははんに諸々頼む事になるんや。
あんじょう頼むんで、堪忍やで?」
「そういう訳で、千早が落ち着くまでわたしが全体の指揮をするの。
だからトモエにも助けて貰うけど、遊び呆けていないで少しはカーマも手伝うの!」
天ヶ崎千早(あまがさきちはや)
ガイア連合の黒札で、卓越した事務関係のスキルを持つ転生者。
この神社の立役者であり、裏方として隆和の内助の功を担って過ごす。
なのはとは終生、友人でありライバルでもある関係であったという。
魔王ネキ(高橋なのは)
ガイア連合の黒札で、比類なき威力の万能魔法で悪魔を薙ぎ払う転生者。
子どもを身籠っていない時は、彼の横で悪魔を薙ぎ払い続けて過ごした。
平時の家庭での様子に、他の黒札は目を疑う事が多くあったという。
「それはまあ、可愛い可愛い主様の子供たちの為でもあるから手伝います。
でも、主様が外に赴く時は離れませんので」
「え~、働かなきゃ駄目ですか~?
マスターの横で弓を引く仕事だけでも良いんですけど~。
それはそうと、肝心の彼はどこにいるんです?」
トモエ
隆和が最初に手に入れたシキガミにして、最初の相棒が宿っているパートナー。
その彼女の意識が薄くなりつつも、彼の忠実なシキガミとして過ごしている。
終末後に産むことになった娘には『コレット』と名付ける事になる。
カーマ
コレットの代わりにマーラ様によって派遣されて来て契約した相棒(居候)。
愛欲の神として隆和の濡れ場で発生するMAGを得て気楽に過ごしている。
なんだかんだと言いつつ、隆和が亡くなるその時まで側で助け続けたという。
†
異界内の畑で彼は、何かから逃避するように黙々と雑草を抜く作業に没頭していた。
側には、色々な農作業具を積んだ黒い車であるデモニカーが停まっている。
そして、何かを問うようにエンジン音が鳴った。
「会議に参加しなくてもいいのか聞きたいのか?
まあ、ああいう細かい決め事は彼女たちがまとめた方が上手くいくからな。
『男は女の尻に敷かれるくらいが丁度いい』って知り合いからも聞いたしな」
更に鳴るエンジン音。
「何? 誰が言ったのかだって?
千早の父親の佐川のおやっさんに、世話になっている一条さんや藤野さんが口を揃えて同じような忠告をくれたよ。
俺はこうして現場で体を動かす方が性が向いているからな。
遠くまで来たが、【彼女らの旦那】もやり甲斐のある就職先だと思っているよ」
「隆和くん!
会議も終わったから、そろそろお昼ご飯の時間だし戻って来て欲しいの!」
遠くからなのはの呼びかける声がして、隆和は作業を止めて立ち上がった。
そして、デモニカーの車体を軽く叩くと歩き出した。
「ほら、行くぞデモニカー。飯の時間だ。
これからもよろしくな」
デモニカー
シキガミ制御機能を搭載した山梨支部で試作された電気自動車型シキガミ。
彼で得られたデータは『多脚戦車』や技術部車両班で活用されたらしい。
終末後もここの人たちの足として長年使われる事になる。
安倍隆和(あべたかかず)
マーラ様の転生体を師匠に持ちカーマに加護を授けられた転生者。
陰陽術師の術とマーラ様直伝の技を混ぜた変なスキルで色々な悪魔を倒して来た。
この後も色々な事件に遭遇して切り抜け、妻と認知した子が増える事になる。
なお、最終的に妻の数は10人を越して、子供の数は20人を超える数になる。
†
隆和たちを写していた画面から場面は離れ、それを見ていた緑色の雄々しくそそり勃つ卑猥な形をした顔がヌウっとこちらを向いて話しかけて来る。
「これにてあやつの物語は一旦、閉幕ぢゃ。
この後も、半終末で日本神がICBM目当てに居なくなった隙に暴れた茨木童子を【理解させ】たり、終末時に某混沌のせいで京都で怨霊として復活した葛の葉狐と殺り合ったりといろいろとあったがそれは別のお話ぢゃ。
あやつの波乱万丈な人生は続いていくが、家族と力を合わせて乗り越えて行ったようぢゃ。
今はあやつが手に入れた大事なものに祝福をぢゃ。
あやつが求めた欲望の物語は幕を引こうかの。
それでは皆の衆、またいつかどこかでの!」
【求む】カオス転生でダークサマナーが就職する方法 ~完~
後書きと設定解説
リアルの都合もありエターより良いと思い、駆け足気味ですがこれにてこの物語は閉幕となります。
最後まで読んでくださった方がいるのならば、本当にありがとうございました。
それでは。 塵塚怪翁