【求む】カオス転生でダークサマナーが就職する方法   作:塵塚怪翁

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続きです。
これで今回の事件は全て終わり。


第8話 異界突入・あとしまつ

 

 

  第8話 異界突入・あとしまつ

 

 

 午前中に来た彼らが中に入って数時間が過ぎている。

 既に時間は夕暮れを過ぎて暗くなり、人払いの結界もあって人影もまばらである。

 一応はそれなりの準備はしてここに来たが、不安なので早く戻ってきて欲しいと思い地面の結界の発生機を指でつつき、温くなった缶コーヒーを飲みながら鈴谷はしゃがみ込んでいた。

 

 

「暇だよ-。いまだに異常な~し」

 

 

 彼女がそう言っていると、石碑の横の空間から切れ目が生じて中からぞろぞろと珠希とガイア連合のチームが全員とても疲れた表情で出て来た。

 ぎょっとして鈴谷が立ち上がると、真剣な表情の珠希が彼女に近寄り彼らから離れた場所に引っ張っていくと話し始めた。

 

 

「わ、わ。ね、ねえ、どうしたんえ?

 中で何かあったん?」

 

「ねえ、例の料亭の予約しているわよね?」

 

「ええ、料亭の『待宵草』やよね?

 対応専門の『夜顔』と『月見草』の待機させていたんやないか」

 

「『月下美人』にも連絡して」

 

「は? 本気なん?」

 

「本気よ。あの人達、出来れば男は誰かモノにしなくちゃ。

 他の寺社の連中や大阪や奈良の連中にはもったいないわ」

 

 

 ここで彼女らの言う語句についても説明しておこう。

 『待宵草』とは彼らの一族の息の掛かったお泊り可能な料亭の名であり、『夜顔』と『月見草』とはお酒の接待まではするコンパニオン系の年上のお姉さんとティーンの娘たちのことであり、『月下美人』は閨の作法と【魅了の呪法】を手に入れた選抜された色事系の娘の事を指す。

 また、「色分け」で言うと、珠希は『月下美人』に鈴谷は『月見草』の区分になる。

 

 これらはあの婆様達が言っていた隆和のいた孤児院の【牧場】もその一つになるが、戦後にメシア教の弾圧で払底した霊能者の再生産のために京都の特に矜恃と頑迷さの高い旧家がその面子の維持の為に集まった組織『京都ヤタガラス』の数十年掛けて作り上げた有能霊能者を外から簒奪する人間ダビスタシステムの成果である。

 

 不満げな鈴谷に珠希は問う。

 

 

「それで、貴女はどうするの? 参加する?」

 

「ウチは止めとく。

 そこまで動員を掛けるいうんなら、ガツガツいくのは趣味やないし」

 

「そ。じゃ、連絡はするから、その結界具の片付けはよろしく」

 

 

 こうして、珠希たちが今後の相談をしている横で、隆和たちも今回のことで話し合っていた。

 渋面のサラリマンニキがコレットを封魔管に戻した隆和に問い質す。

 

 

「安倍さん。今回のこう、やり方はちょっと、いや、かなり問題があり過ぎます。

 このやり方が一番効率的だったとか、命の掛かっている場で手段を選ぶなというのもあるでしょう。

 しかし、今回は初めて組む人や外部の人もいたんですからそのやり方は慎むべきです」

 

「あちらさん、出迎えにこう綺麗所を用意するのは美人局の意図もあるかなと思って。

 ここまでやれば、ドン引きして報酬を渡して終わりになるかな、と」

 

「ああ、そこまでは考えてやっていたんですね。

 かと言って、あのアレはわたしでも正直引きます。

 スキルのことは聞きましたが、ここまで絵面が酷いとは事前に相談して貰いたかったですよ」

 

「その辺は失念していました。

 今までは俺とコレットだけでやるか、高橋さんは『的の動きが止まるからちょうどいい』としか言わなかったものですから、ガイア連合の人なら大丈夫かと思って。

 配慮が足りずに、すいませんでした」

 

 

 自分に後頭部が見える角度で頭を下げる隆和に、サラリマンニキは溜息をついてどうするかを考える。その間に、アレについて興味があるのかナイスボートニキが聞いてくる。

 

 

「安倍さん。

 あのスキルって、要するに、相手が行動不能になるチャームとバインドとハッピーの状態異常のどれかになるんですよね。

 あの『アレな顔』になるのはどれが原因ですか?」

 

 

 頭を上げた隆和は山梨での事を思い出しながら答える。

 

 

「他で見ないスキルだから、山梨の研究者の人たちに色々と実験対象にされて教えてもらったんだけど、主に、チャームとハッピーの複合らしい。

 ハッピー、つまり【至福】の異常は人によってはアッパー系かダウナー系かは違うけど、違法ドラッグの快楽に近いらしい。被験者になった技術者が、マッスルドリンコのそれはよく似ているとか言っていたよ」

 

「自分で受けたんですか? その人」

 

「ああ、自分から。

 変になりながら正確に実況しているのは俺も怖かった。

 治療できるからと、気にせず記録を取り続ける周りの人も」

 

「それで、魅了の部分はどう関わるんですか?」

 

「『アノ顔』ってさ、もともとは快楽に意識が飛びかかってそうなるんだよね。

 語源は、三次かららしいけど。

 大雑把に言うと魅了はさ、一時的に術を掛けた相手が自分の一番信頼している愛している相手だと錯覚させるものだけど、一番愛している相手に与えられる幸福感からくる快楽の錯覚と薬物系のアッパー系快楽が合わさるからアノ顔になるらしい」

 

 

 なお、魅了のみでも快楽は凄まじいらしい。

 それについては、かつてその身をユキジョロウに物理的に貪られたTS魔人ニキネキが赤裸々に語っていたし、ショタオジもノンケの男性の被害者が性的嗜好を無視してホモの悪魔にメスにされた事例を語っている。

 そんな話題を真面目に議論している横で、こちらに背を向けて顔を俯いている耳の赤いトモエを横目で見てナイスボートニキはこんな事を言った。

 

 

「安倍さんて、今回のあのアレなやり方って創作で出てくる『竿役』も出来そうですね。

 こう、どんな女性や例え男性でも一度押し倒すと快楽でいいように出来る系の」

 

「伊東くん!」

 

「あ! ごめんなさい。失礼なことを言ってしまって」

 

「い、いや。貴重な意見だよ、うん。

 そんな事は滅多にしないから。

 少なくとも、そういう性癖はないから。ははは」

 

 

 笑ってはいたが、自分でもそう見えているのではないかと思っている部分を仲間だと思う人たちから言われて隆和は少し傷ついた。

 他に手段がない場合は躊躇いなく使うつもりの隆和だが、少なくとも男性を押し倒す趣味はない。

 間に入ったサラリマンニキが話を締める。

 

 

「とにかく、この件は一旦、山梨にも相談して決めよう。

 それじゃあ、彼女らに断わってから帰ろうか?」

 

「そうしましょう。

 これから帰ったら、着くと日付が変わる前ですよ」

 

 

 車に向かおうとする彼らの前に、微笑む珠希たちが現れた。

 彼女は隆和の手を取って、上目つかいで微笑みながら話し始めた。

 

 

「この時間から大阪に帰るとなると、かなり遅くなりますよ?

 こちらで宿を用意しているので、どうぞいらっしゃって下さい」

 

「いや、我々はもう……」

 

「それじゃ、俺だけは泊まるということで」

 

「安倍くん?」

 

 

 断ろうとしたサラリマンニキの言葉に、重ねるように答える隆和。

 彼の方を向いて隆和は答える。

 

 

「お誘いを掛けてくる彼女の真意なんかも聞いておかないと、と思いまして。

 車の運手ができるのは俺か服部さんしか今はいませんから、伊東くんはお願いします」

 

「ああ、うん。

 それは確かめた方がいいかな?

 安倍くん、あの道具は?」

 

「もちろん、持っていますよ。

 斉門さん、トモエも同行しますよ。いいですね?」

 

「え、でも、出来れば皆さんも……」

 

「トモエは俺の従者ですから、その時は控えさせますよ。

 俺は貴女だけの歓待なら受けたいですね」

 

 

 彼女の目を見て言う隆和。

 珠希の頭の中で、【自分の都合】と【組織への忠誠】が天秤を揺らす。

 自分ならとうに死んでいる異界の中での彼らの強さ。

 彼らの使用するアイテム類の豊富さ。

 アレな光景だったが、あのような大妖怪を手玉に取る未知のスキルを持つ目の前の男性。

 頭の中の【組織への忠誠】を蹴り飛ばし、彼女は行動することに決めた。

 呆れた表情でこっちを見る鈴谷に振り返り、彼女は告げる。

 

 

「鈴谷、連絡はまだだったよね?」

 

「何?」

 

「予定変更ね。『茉莉花』と『朝顔』でいくわ」

 

「ちょ、本気やの?」

 

「本気よ。そう、上に報告しといて」

 

「わかったわ。勝手にしい」

 

 

 そう答えると、鈴谷は怒りながら携帯で連絡している。

 珠希も携帯でどこかに連絡し、『茉莉花』と『朝顔』と言うと電話を切った。

 そうしていると公園の入口にタクシーが2台来て停まり、1台にこちらに頭を下げた鈴谷が乗り込み去って行った。

 珠希が、もう一台の方に隆和を連れて行く。

 隆和はサラリマンニキに目線で合図すると、トモエと共にタクシーでその場を後にした。

 

 

 

 

 さて、実際は旅館ではあるが料亭の看板を出しているその店に向かう車内で、珠希は笑みを浮かべどういう手順で行くか考えていた。

 先程の『茉莉花』と『朝顔』とは、要は「特別な用意ありで私が朝まで彼に絡みつく」の意味である。

 

 隆和からは珠希が何かを企む笑みを浮かべているのが夜の車窓越しに反射で見えるが、美人局をするだろうという以外にもう一つの事を考えていた。

 あの母蜘蛛を始末した際に、彼女が【髭切の破片】と呼ぶ金属片が2つ見つかった。

 その直前まであのようなアレな状況だったのにも関わらず、それを見た時の彼女が驚きと歓喜の表情を浮かべていたのを見ていた。

 それが気になってしょうが無いのだ。

 そう考えつつ、不安そうに隣でこちらを見るトモエの頭を撫でつつ車が着くまで無言で待っていた。

 

 

 

 

 料亭に入り、そのままある程度埃などを払って隆和はトモエと座敷に通された。

 しばらく待つと懐石料理を乗せたお膳が運ばれ、彼らの前に供された。 

 舞妓や芸妓だと思われる白塗りの着物姿の女性たちは料理を運んでくると、「しばしお待ちを」と言い退出して行った。

 隣に座るトモエにも指示し何も口を付けずに待っていると、新しい巫女服に着替えたのか身綺麗にした珠希が現れて隆和の前に正座し頭を下げると話し始めた。

 

 

「本日はお越しくださいまし有難う御座います。安倍隆和さま。

 折り入って今日はお話したいことがございます。

 お疲れでしょうが、どうかお聞き下さい」

 

「ここまで来たので、はい、帰りますとはいかないでしょうから言って下さい」

 

「ありがとうございます」

 

 

 そう言ってすっと頭を上げると、珠希は隆和の目を見てこう告げた。

 

 

「わたしたち『京都ヤタガラス』をガイア連合の傘下として頂き、貴方様に組織の長を襲名して頂きとうございます。

 貴方様は我らの一族の血縁者の男子で、最も強く且つ真面目な方でございます。

 どうかお受け頂いた時は、わたしを含めお好きなだけ気に入った女子をお受け取り下さい」

 

「待った。待ってくれ。まず、理由の説明をしてくれ。

 それがないと、答えようがないぞ」

 

 

 前向きだと思った彼女は、懐からあの金属片を2つ取り出した。

 袂の胸元とそれを見せつつ、笑みを深くして答える。

 

 

「これはあの時にもお答えしたように、【羅生門】の異界を封じる結界の要でございます。

 うちの組織に管理する異界は、この羅生門以外に十数年前に発見した異界が1つだけありますが、異界の抑えとは本来命がけです。

 わたしを含め覚醒したものはその異界で成人の儀として鍛錬をする習わしですが、その異界が見つかる前は羅生門の異界に行っていたと聞いています。

 今回、馬鹿な身内が持ち出した金属片は1つで、あともう一つはどこから来たのでしょう?」

 

「あの絡新婦が盗んだとか?」

 

「いいえ。

 かつて20年以上前に羅生門で成人の儀が行われた時に参加者が壊滅し、監督者だけが逃げ帰った時に紛失したものです。

 其の者は、現組織の長【土御門みい】と【土御門けい】です」

 

 

 滔々と語られる内容にどんどんと嫌な汗が出てくる隆和。

 何で仕事を受けたら、こんな話を聞かさせることになっているんだと思えてくる。

 彼の内心には関係なく珠希の話は続く。

 

 

「これを血族の貴方が奪還したという功績があれば、あの二人の戦後から続く数十年の独裁に終止符を打てます。

 今こそ、組織は新しく生まれ変わる時なのです。

 そして、その時はお傍にわたしがいるのを認めてくだされば幸いです」

 

「うーん、すぐには答えられないよ。

 俺自身、ガイア連合では新参で立場も低いのだからね」

 

「それは当然でしょう。

 なら、夜も長いのです。まずはこちらをお召し上がり下さい……?

 ……なるほど。失礼致します」

 

 

 そういうと珠希は、隆和とトモエの膳の料理と酒を少しだけ口にし頭を下げる。

 

 

「この通り。何も入ってはございません。

 安心してお召し上がり下さい」

 

「……分かった。いただくよ」

 

「主様?」

 

「トモエも食べていいぞ。ただし、『作法通りに』」

 

「はい」

 

 それから30分程経ち、意外と酒精の強かった酒と料理で満腹になり隆和たちは赤みの増した顔で弛緩した雰囲気になっていた。

 それを見計らい、ニヤリと珠希が告げる。

 

 

「そろそろお泊まりの部屋にご案内しますね。

 内風呂もございますから、楽しみましょう隆和さん。

 どうか、わたしの物になって下さいね。【マリンカリン】」

 

「ああ。やっぱり、そうするんだ」

 

 

 珠希が掛けた魅了の呪法を意に介することなく、隆和が手を伸ばしてきた所で彼女は激しい快楽で意識を失った。

 

 

 

 

「それで?」

 

「あ❤。くーでたーがぁせいこうしたらぁ、ああ❤。とうしゅふじんにぃ、あ、そこ❤」

 

「余計な邪魔はしないで。【シバブー】」

 

「【ギロチンカット】、素手でも負けません。死になさい」

 

「ぐへっ、ここで終わりかよ。儂の女がそこにいるのによぉ。……がはっ」

 

 

 今、ICレコーダーを片手に持った隆和に言い様にされている珠希には誤算だっただろう。

 これは、今までこれで落ちなかった男はいない組織の鉄板のやり方なのだ。

 まず、彼らの料理には組織独自の秘薬が入っていた。

 それは、この料亭の名前にもなっている麻痺の感覚が深酒による酩酊にそっくりな薬『待宵草』で、さらに彼女らの魅了の呪法の【マリンカリン】と色仕掛けで既成事実を作れば大抵の男は一族に加わった。

 また彼女には万一の為に、己の身体と祭具で契約している高位の悪魔の【妖獣カクエン】も控えており万全のはずだった。

 

 しかし今の彼女は、身に付けていた貴重な【状態異常耐性の護符】諸共に全部の衣服を剥ぎ取られて、応援に来た他の女の帯で両手足を拘束され尋問をされている。

 薬もコレットの【パトラ】と持っていた【ディスパライズ】ですぐに解除できたし、彼女の守護をしていたカクエンはトモエとコレットに倒され、周囲に控えていた大勢の女性達も皆、手加減して叩きのめされ呻いている状態でこの部屋のあちこちに転がっている。

 

 

 

「他には?」

 

「あ❤。も、もうこれで、あ❤。おわりですぅ」

 

「それじゃ、ご苦労さま。逝っちゃていいぞ」

 

「ああああああああ❤❤❤❤!!!! ……あはっ❤」

 

 

 体のあちこちから液体を吹き出し白目でビクンビクンと震えながら倒れている意識のない珠希にシーツを被せ、レコーダーを止めて手を拭き携帯でショタオジへ直接メール連絡する隆和。

 忙しいのか暇なのかこの時間なのに、彼から数分後に返事が来た。

 なお、メールの登録名称は気の毒なので意味はまだ誰も教えていない。

 

アーッニキ:マリンカリンと薬で組織に婿入り強要されました。

アーッニキ:制圧後。連絡待つ。

神主:え、どこに?

アーッニキ:京都ヤタガラス

神主:国内にそんな事をする余裕のある組織があるのに驚いた

神主:人を送るから場所は?

アーッニキ:京都の料亭『待宵草』

神主:おけ

神主:そのまま待機で

アーッニキ:了解

 

 メールを打ち終わり、時計を見る隆和。

 すでに時間は翌日になっている。

 眠気からあくびをしていると、コレットが話しかけて来た。

 

 

「隆和。それで、この人達はどうするの?」

 

「逃げ出さないようにだけ見ててくれ。

 今、上の人に連絡したから、応援が来るまで待機だなぁ」

 

「そっか。じゃあ、家に戻ったら身体は念入りに洗ってね。

 一眠りしたら、トモエと一緒に頑張ってもらうから」

 

「何で??」

 

「他の女の臭いが染み付いているから上書きするの。

 そこのバカ女やクソ蜘蛛の臭いがするのが、我慢できないから」

 

「あ、はい」

 

 

 ニッコリと笑うコレットと真っ赤な顔で頷くトモエ。

 二人以外は今は抱くつもりはないよと隆和は考えながら、もう一度欠伸をした。

 

 

 

 

 隆和が無事にガイア連合の応援と合流し、帰れた後の話をしよう。

 

 京都ヤタガラスのやらかしは、ガイア連合の京都への来訪を待ち望む他の組織からの激しい怒りを買った。ガイア連合からの得点稼ぎをするために、手は出しかねるが監視だけはしていた周囲の家々はこれを機にガイア連合が動く前に強襲し、組織の敵対していた各家を潰して回る事態となった。

 そして彼らが動く時にはもう、手を出したくない【羅生門の封印】だけを残った宗家の土御門家の残りに押し付けると、それ以外の物は全て奪い取ってガイア連合に差し出す用意までしていてショタオジを呆れさせたという。

 結局、組織は解体して親類縁者を頼ってまともな人たちは他に移り、あかん人達はそれぞれで【有効利用】されたという結果になった。

 

 実行犯の【斉門珠希】は、調査が終わるとその素質だけは惜しまれた為に京都側の意向で【記憶は綺麗】にされた上で、とある地方の霊能家に嫁いで幸せに暮らせたそうだ。

 あの後、家に帰った【鈴谷あずみ】は、組織解体の報を聞いたがため息をつくと気にする様子もなく日常に戻って行ったという。

 

 そして土御門家では、この件の詳細が入り当主に相談しようとした時には既に双子の老婆の姿はなくどこを探しても見つからなかった。

 彼女らの居所が知れたのは、数年後。

 

 彼女らがいたのは京の山中にあるメシア教にも見つからなかった隠された庵で、そこは転移と隠形を使う天狗に守護されていた。

 彼は代々の当主のみが知るこの庵の守護を契約で守っており、求めに応じ彼女らをこの庵に連れて来たのだ。だが、彼女らはこの庵からは出ることは出来なかった。

 食料などを運ぶ世話人が山中で死亡し本当に場所が判らなくなったのと、【外敵からの守護】のみを契約とする天狗が外出させず契約外だと世話もしなかったためである。

 数年後、偶然天狗のいる庵があると知れてガイア連合のメンバーが調査に行き発見された。

 その時、彼女らは飢えを満たすためか泉の側で苦悶の表情で重なるように死んでいたということだ。

 

 この事件はこれで終りとなり、隆和は次の事件に向かうことになる。




後書きと設定解説


・関係者

名前:ナイスボートニキ(伊東誠)
ステータス:レベル3 
 ↓
ステータス:レベル9 

名前:鈴谷あずみ
性別:女性
識別:異能者・18歳
職業:神社アルバイト巫女/京都ヤタガラス所属
ステータス:レベル4 破魔無効
スキル:九字印(ハマ)
    護符作成(呪殺除けの身代わり札)
詳細:
 黒髪と清楚な雰囲気と豊満なスタイルが特徴の京都弁の美少女
 諜報を得意とする家の分家出身で、平時はお札作りと巫女のアルバイト
 実家の家業はカレンダー業者

・敵対者

名前:斉門珠希(さいもんたまき)
性別:女性
識別:異能者・24歳
職業:京都ヤタガラス事務員兼実働要員
ステータス:レベル10 破魔無効・魅了弱点
スキル:限定的悪魔召喚(妖獣カクエン)
    九字印(ハマ)
    遠当ての術(ザン)
    薬師如来呪法(ディア)
    魅了の呪法(マリンカリン)
詳細:
 茶色に近い髪質の長髪と後ろで纏めた白いリボンが特徴的なスタイルの良い美女
 幼馴染と年上の彼氏に同時に振られて関西に来て実家の組織に就職
 色々と尻軽具合がバレているので地元には帰っていない
 自分より強力な男性悪魔を身体と契約札(祭具)を使って契約し使役している
 
【妖獣カクエン】
レベル16 耐性:物理耐性・火炎耐性・衝撃弱点
スキル:ベノンザッパー(敵全体・中威力の物理攻撃・毒付与)
    アギラオ(敵単体・中威力の火炎攻撃)
    ポズムディ(味方単体・毒消去)
詳細:斉門珠希と祭具で契約していた悪魔
   人間の女性を浚い子どもを産ませる伝説のある猿の妖怪
   一回使役される度に一晩好きに抱く契約だった


次回は、新しい事件。
もし、読んでくださった方がいるならありがとうございます。
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