身体能力チート貰っても転生先が超次元だったら意味ないだろ!   作:村岡8bit

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超次元サッカー相手に低次元チートで挑むオリ主が見たかったので書いた。既出ネタかもしれないけど衝動が抑えられなかった、等と供述しており……


君の人生終わりね。あ、来世は超次元だからwww

 幼い頃から、サッカーが大好きだった。

 

 当時5歳、プロとして活躍する父さんに憧れて、サッカーボールとスパイクを買った。

 

 多忙を極める父さんに、なんとか時間を取ってもらってサッカーを教えてもらった。

 

 

『俺のシュートは大地を抉り雲を裂き海を割る!日本のエースストライカーとは俺のことだ!』 

 

『かっけー!ねぇねぇ、おれも父さんみたいなシュートうてるかなぁ!』

 

『ハッハッハ!お前ならきっとできるさ。なんってったて、この俺の息子なんだからな!』

 

 

 ビシッと決めポーズを取る父さんとはしゃぐ俺、なんともまぁ頭の悪―――微笑ましいやりとりだ。血は争えないってやつかな。

 

 多分、この頃が一番サッカーを楽しんでいたと思う。この頃は、ボールを蹴ることがただただ楽しくてしょうがなかったんだ。

 

 

 小学校に入ると、父さんはさらなる活躍のため海外へと旅立ち、俺は地域のサッカークラブに所属した。

 

 中休みと昼休みの時間は必ず校庭に出て、幼なじみのバカとサッカーをしていた。

 

 

『おれのシュートは大地をえぐり雲をさき海をわる!くらえ!どりゃああああ!』

 

『ぜったい止める!うおおおおおお!』

 

『うわー男子がまた変なことにしてるー。あっちいこー』

 

『いこいこー』

 

 

 毎日のように馬鹿なことをやって女子から引かれていたことも、今となってはいい思い出だ。

 

 

 中学校に上がると、父さんは全盛期と言われるほどに目覚ましい活躍ぶりをみせ、俺はサッカー部に所属した。

 

 全国大会を夢見て、幼なじみのバカと他の部員達と共に練習に励む日々だった。

 

 

『大地を抉り雲を裂き海を割る俺のシュート、とお前らがいれば全国だって行けるはずだ!やるぞ!』

 

『おー!』

 

 

 そんな青春の1ページ。今の俺たちならなんでも出来るって思ってた。それこそ全国大会優勝とかを本気でやれる気でいた。

 

 まぁ実際はそんなことあるはずもなく、地区予選二回戦敗退。

 

 弱小校のテンプレじゃねぇか、同級生からはそうツッコまれた。全く手厳しい。

 

 

 高校に上がると、俺はサッカーをやめた。父さんは未だ現役選手として海外リーグを荒らし回っている。

 

 自信満々で挑んでおいてあっさり負ける。そんな経験をしたらプライドがバッキバキにへし折れることもおかしくない。

 

 

『サッカー?んなもんもうやめたよ。おい、さっさと行くぞ』

 

『う、うん!』

 

 

 俺はやさぐれた。結果が出ないサッカーなんてやってられっか、って。マジで馬鹿野郎だよ。

 

 幼なじみのバカはそれでも着いてきてくれた。ホントいいヤツだった。愛すべきバカってこういうヤツのことを言うんだなって。

 

 

 

 

 

 

 とまぁこんなかんじで俺に人生大雑把に振り返ってみたのだが……うん。やっぱ俺サッカー大好きだわ。

 

 

「……なんでやめちまったんだろうな」

 

「……何が?」

 

 

 つい口から後悔の念が溢れた。隣で俺と同じ体勢、大の字で寝そべってるバカが聞いてくる。

 

 

「サッカーだよ」

 

「あー……高校入ってからやめちゃったもんね」

 

 

 腹部辺からじわじわと温かいものが広がっていっている。うへぇ、気持ちわりい。

 

 バカの方に目をやると、腕はひしゃげ、白かったYシャツは赤黒く染まっている。しかし、大した驚きはない。

 

 そりゃそうだ。俺たち二人揃って、トラックに跳ねられぶっ飛んだんだから。

 

 奇跡的に着地点が同じだった事は不幸中の幸いというべきだろうか。いやもうすぐ死ぬだろうから幸せなわけないんだが。

 

 

「なぁ」

 

「何?」

 

「もしもの話してもいい?」

 

「いいよ。でも死にそうだから手短にね」

 

「笑えない冗談はよせよな……。 ……もしも俺に来世があったらさ、もしこのあと白い空間で目を覚まして神っぽいジジイに出会ったらさ、身体能力チートもらってサッカーアニメの世界に殴り込みをかけようと思ってんだよね」

 

 

 少しの沈黙が流れる。数秒後、バカがため息をついてから口を開いた。

 

 

「……君って馬鹿だよね。思考がシンプルに馬鹿」

 

「ハァ?どの口が言ってんだよ。補習常連の癖に」

 

 

 確かに、とはにかんでみせるバカ。その童顔にはよく似合ってる。

 

 

「……俺のシュートは大地を抉り雲を裂き海を割る、くらえー、つって原作キャラ共のド肝を抜いてやんのよ。父さんが海外の奴らにやったようにさ」

 

「……そっか。やっぱり、君はサッカーが大好きなんだね」

 

「そりゃそうよ。……てかやべぇ、そろそろ死にそう。視界暗くなってきた」

 

「同じく。もう体の感覚ないや」

 

「……本当に来世があって、俺もお前も仲良く同じ世界に転生できたらさ、また、サッカーやろうぜ」

 

「……うん。約束ね」

 

「あぁ、約束だ」

 

 

 その言葉を最後に、バカは死んだ。俺ももうじき死ぬ。

 

 なんだかんだ悪くない人生だったとは思う。後悔はありまくるが。

 

 

「……あぁ……死……ぬ……」

 

 

 それじゃあ神様、転生先はサッカーアニメの世界で、チートは身体能力でお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここはとある河川敷にあるサッカーコート。

 

 俺は、黄色を基調としたユニフォームを着た少年たちがサッカーの練習をしているところをベンチに座って眺めながら顔を顰める。

 

(いや、確かにそうは願ったけどさぁ……)

 

 

「行くぞ円堂!ドラゴンクラッシュ

 

 

 ピンク頭のいかつい少年が放ったシュートは、それに伴って顕現した手足の無い青い龍と共にゴールを捉え一直線に突撃する。

 

 

「絶対に止める!ゴッドハンド

 

 

 それを迎え撃つのはオレンジのバンダナを頭に巻いた少年。

 

 少年が右手のひらを天へ掲げると、金色に輝くオーラで形成された巨大な手が現れた。

 

 バカでかい音を立てながら衝突する青い龍と巨大な手。

 

 

「ぐっ……うおおおおお!」

 

 

 最初はバンダナの少年が押され気味だったが、雄叫びと共になんとか持ち直しボールを右手に収める。

 

 

「クッソ、止められたか!やるじゃねぇか!円堂!」

 

「染岡こそ!いいシュートだったぞ!」

 

 

 そんな超次元的攻防の後、二人の少年はお互いを褒め称える。その様子を見て俺は思わずため息をこぼし、心の中でこう叫んだ。

 

 

 

 

身体能力チート貰っても転生先が超次元だったら意味ないだろ!

 

 

 

 

 

 

 




帝国戦までは書く予定。それより先は反響次第。

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