身体能力チート貰っても転生先が超次元だったら意味ないだろ! 作:村岡8bit
あと、今更ながら原作既視聴推奨です。本当にいまさら。原作見てなくても分かるように書こうとは思いますが……
練習試合をすることになった。相手はなんと帝国学園。言わずとしれた超強豪校だ。中学サッカーの全国大会、フットボールフロンティアの絶対王者で、40年間ずっと優勝し続けているとのこと。
なんでそんなバケモン中学と練習試合することになったのかは分からないが、どうやら負けたら廃部らしい。理不尽すぎてウケる。
「そもそも部員が足りねぇから試合以前の問題なんだよなぁ……」
元からいた8人と最近入部したマックス、それとちょうど今入部届を提出しに行っている豪炎寺。合計すると十人になるのだが、サッカーの試合に必要な人数は11人。試合をするには一人足りない状態だ。
「どーしたもんかねぇ……」
「それなら心配なさそうだよ」
「おわ、お前いつからいたんだ」
「今来たとこー」
ぬるっと現れた優。いつも気付かない内に隣いるんだよなコイツ……
「心配なさそうって、どーいうことだよ?」
「なんかねー、風丸くんが助っ人で試合に入ってくれるらしいよー」
「マジで?」
「まじまじ」
風丸というと、陸上部に所属している2年生の風丸一朗太のことだろう。
風丸は円堂の幼なじみで、ときたまサッカー部の特訓に混ざって参加しては「ここの練習ストイック過ぎないか……?」程度の感覚で特訓をこなしているまぁ超次元なやつだ。
その風丸が助っ人として練習試合に参戦してくれるらしい。ありがたい、願ってもないことだ。
「でも、風丸って陸上一本のイメージがあるんだが、よく助っ人になってもらえたな」
「円堂が直々に口説いたみたいだよ」
「あー、納得」
円堂ってよくわからんがこう、人を惹き付ける魅力?みたいなのがあるんだよな。リーダー気質があるというかなんというか……
ともあれ、これで試合前から廃部確定っていう最悪の事態は避けることができる。風丸様様だな。
つっても、相手は日本一のチームだ。正直勝てる気がしない。だがしかし負けたら廃部、俺の二度めのサッカー人生が早々に終幕してしまうのでどうにかするしかない。
俺たちがどれ程まで帝国相手に戦えるのか全く見当もつかないが、とにかくやるしかないだろう。
練習試合まであと一週間。この期間を如何に活用するかによって、俺たちの廃部の危機がどちらの方向に傾くのかが決まる。
取り敢えず、一人ずつの特訓メニュー作るところから始めるとするかね。
「今日は徹夜だな……」
「え、なんで?」
「ちょいとトレーニングメニューの見直しをな。豪炎寺と風丸の分も1から作らにゃならんし」
「ふーん、そっか。……無理はしちゃだめだよ?」
「分かってるよ。心配してくれてサンキューな」
「えへへ、ならよし」
お前は俺の母ちゃんかとツッコミたくなったが、これも彼女なりの優しなのだろう。
優が俺のことを心配して気遣ってくれている。そう考えると、ちょっと胸が暖かくなった。
◆
一週間が経った。それすなわち、今日が帝国学園との練習試合の日だということだ。
グラウンド周りにはたくさんのギャラリーがいるが、その多くが俺達が負けるところを見に来ていると思うと……かなしいなぁ……
クソデカいバス?みたいな乗り物でダイナミック入校を決めきてきた帝国学園。
レッドカーペットを敷地内まで広げ、何故かサッカーボールを持っている帝国学園の生徒たちをカーペットの脇に侍らせながら、帝国サッカー部のメンバーがこちらのグラウンドへと歩みを進めてきた。
訳がわからない光景だが文字に起こすともっと訳がわからない。ギャグじゃんこんなん。
天気はどんよりとした曇り空。こういう日は気持ちも自然とどんより落ち込んでしまう、かもしれない。俺はそんなことないが。
「よう豪炎寺、調子どうよ?……って聞くまでもなかったな」
「亭慈、あぁ、言うまでもなく最高だ」
隣に居る豪炎寺に今日のコンディションを尋てみたが、見て取れるほどに調子が良さそうで聞く必要もなかったみたいだ。
瞳に炎を宿し獰猛な笑みを浮かべている豪炎寺。やっぱりこいつはサッカーバカだな。でなきゃ廃部がかかったこの状況を、こんな表情で楽しむことはできないだろう。
「雷門中サッカー部の円堂守です。練習試合の申し込み、ありがとうございます」
円堂の居る方に目を向けると、円堂にしては落ち着いた様子で帝国学園のキャプテンに握手を求めていた。ふぅん、偶には部長らしいこともできるじゃん。
「初めてのグラウンドなんでね、ウォーミングアップしてもいいか?」
「ど、どうぞ」
……握手ガン無視かよ。いけ好かねぇ野郎だな。なんだ、あれか?強者の余裕ってやつか?くっだんな。握手くらいしろよ。礼儀だろうが。
「源、顔がいかつくなってるよ」
「ありゃ、顔に出てた?」
「うん、人殺せそうだった」
「やば」
えっ、俺の人相……ヤバすぎ?
腑抜けた会話を優と交わしつつ、帝国の奴らがグラウンドでウォーミングアップしているところを眺める。
シュートの練習をしていたり、リフティングの練習をしていたり。その様子から分かるのは帝国学園サッカー部の名は伊達じゃないということ。一人一人のレベルがとても高い。
ますます勝てる気がしないな……
「……なんというか、すごいんだろうけど……」
ん?
「俺達がいつもやってる特訓の準備運動の方がもっとすごいっス」
あれ?
「相対的に普通に見えちゃうよね」
あれれのれー?
ふーん……え?何言ってんのお前ら。いやいや……え?冗談でしょ。これが普通に見える?嘘だろ?え?えぇ……
「俺、なんだか行ける気がしてきたでヤンス」
「奇遇だな栗松、俺もだ」
「皆……!よーっし!俺たちならきっと、いいや絶対に勝てる!……お前ら!サッカーやろうぜ!」
『おー!』
知らないです、俺。こんな化け物たちを育てた覚えなんてありません。ええ、本当ですとも。オデ、ウソツカナイ、ゼッタイ。
「亭慈!」
「……なんだ」
「俺達がここまで成長できたのは間違いなくお前のおかげだ!ありがとうな!」
「……そーいうのは勝ってからにしろよ。それで負けたら恥ずかしいぞ」
「へへっ!そうだな!」
あー……なんかもう、俺も勝てる気がしてきた。
こうなったら相手が日本一なんてこと知ったこっちゃねー!超次元上等!やったらぁよ!
さぁ、かかってこいよ帝国学園!
……その前にトイレ行こう。色々と吐き出したい。
次回はいよいよ初試合。主人公も頑張るよ。そして風丸と豪炎寺をいっぱい喋らせたい。人が多いと難しいね。
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次話投稿は一週間以内。
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