二話の投稿です。
ところで話は書き溜めておいた方がいいですかね?
私、結構書くの気まぐれがあるので…
その辺の御意見いただけると嬉しいです!
暗闇の先に光が見える。
手を延ばせば届く。
なのに、体は動かない。
何かに縛られているかのように。
何もできず、光を見続けた。
いつしか、自分が光であると思った。
自分が光で、今見えているものはニセモノだと。
思って、しまう。
もう、精神は限界を迎えていたのかも…しれない。
「…ここに普通の奴が来るなんて今時珍しいね」
暗転した視界。
未だ暗闇は晴れぬまま、声が聞こえてきた。
「ん?…ああ、世界変動に脳がついてこなかったのか。ふむ、すぐに治してやろう」
声質的に女か。
しかも何故か容姿まで想像できた。
だが、できればその容姿は想像したくないものだった。
「…おいおい、これは何かの冗談か?」
視界が晴れてゆく。
女は千夜を見て驚愕を隠せずにいる。
千夜自身もそうだった。
何故なら___
そこに居たのも千夜煌貴だったから。
全てが同じというわけでは無かった。
髪の長さはあちらの方が長い。千夜は肩までの長さであるのに対しあちらは腰の辺りまで髪が伸びている。
「…成る程。君は月耀蓮に触れ、ここに来たのか。あれはこっちとあっちを繋ぐための物だったがまさか人間がこっちへ来るとは思っていなかったよ」
不意に、今いる空間に軽いノックのような音が響き渡る。それを聞いたもう一人の千夜煌貴は入ってこい、と言い、その視線を『何も無い』方向へと向ける。
「クロウ、また客が来そうだ…ってもういたのか」
今度は何者かわからない。機械音にも聞こえるその声は兎に角、人間の出せる声では無い。つまりこいつは人間ではない何か、ということだ。
「いや、こいつはどちらかというと私の客じゃない。来訪者ってところか。…まあ、一歩間違えば客になるところだが」
客。それが何を意味しているのか全くわからない。もしかしてここは喫茶店とかなのだろうか。だがそれにしては殺風景すぎる。この空間にあるものは椅子と机。そして外の見えない窓。
外が見えないとは窓の外が暗闇で何も見えないからだ。
「さて君。少しばかり質問をするがいいね?うん。それじゃあまず一つ目。君の名だ。ここではまず名を聞かないことには始まらないからね」
何故名を聞くのか。それが妙に引っかかるが、先程月耀蓮がどうとか言っていたのでもしかすると元の世界へ帰れるかもしれない。ここは素直に答えるべきか。
「千夜…千夜、煌貴……」
喉から声を絞り出す。
声が出ないわけではないが出しにくいことこの上ない。
「やはり、か…」
彼女…クロウと呼ばれた女は千夜煌貴という名を聞いて何か謎が解けたような顔をしている。
そして彼女は、千夜煌貴の予想を大きく上回る事を云った。
「…ま、いずれにせよ君はここに来るべきだった。夜翔流を継ぐならば、いや…生きたいのならば私と契約をするんだ」
千夜はここにきて自分がどれだけ大事に巻き込まれたかを理解した。
夜翔流…それは剣を使う者たちの中では伝説と云われるほどの流派だ。かつて「その剣、見切れし者現る事無き」、「かの剣を超える事は不可能」と云われてきたくらいのものだ。
「何、契約と云っても私の半身になるくらいの者だ。身体能力が異常に強化される程度で変な能力が付くわけじゃない」
決断の余地は無い。
夜翔流。この最強の流派を護るため、そして自分を守るため。
彼女…クロウと契約をしなければならない。
「…返事は聞くまでも無い、か。ああ、私は夜翔流を知っているが別にそれの存続などどうでもいい。君を半身にしたいのはただ単純に私と似ているからだ。自分と体が似ていればそれを自分の体だと認識することで肉体へ魂が定着しやすくなるしな」
確かにその理論は一理ある。
自分の体は動かすのに慣れているが他人の体だとどうしても自分とは違う肉体のためまともに動くこともままならない。
だが、自分とよく似ていれば自分の体と暗示をかけることで自分の体と同じように動かすことができる。
「それにしても似ている、ではなく同一人物と云ってもいいくらいではないか?微々たるところまで寸分の狂いなく私と同じではないか…」
「…もしかすると、俺はお前のドッペルゲンガー、なのかもな」
その発言を彼女は神のコピーなどあるわけない、と一蹴してしまう。
「おっと話が逸れたか。…契約だが、結構手順があってな。少なくともここの時間で一週間は居てもらうことになるだろう。だが安心しろ、ここでの時間は千夜、お前の居た世界の千分の一だ」
一週間の千分の一…約10分といったところか。
千夜煌貴は頷き、尋ねる。
「…半身になることだし、アンタの名前を聞かせてくれよ」
「ん、私か?そうだな…ディゼルタ=クロウ、とでも呼んでくれ」
今思うとディゼルタ=クロウってなんなんだろう。
何故こんな名前を付けたのか当時の自分に聞いてみたいよ…
さて、次回も取り敢えず最新のものを書き終えたら上げる事にしますね。