環境侵食特務課    作:あいあむわたし

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プロローグ

 

 

 

 環境侵食現象

 

 

 約20年前に初めて確認された現象。アメリカのコロラド州、タンザニアのドドマ、日本の神奈川県、フランスのボルドーなど様々な地域で初めて確認された異常現象であり現在でも世界中地域問わず頻発している。

 

 現在解明されている情報は以下の通りである。

 

 ・最大半径120キロメートル程の同心円状に発生する。

 ・発生地域内では外とは全く異なる環境によって侵食され、時間と共に円は広がっていく。

 ・円中心部に存在する『コア』を破壊する事で収束、消滅する。

 

 

 侵食された環境内から未知の生命体が出現する場合があり中国遼寧省で発生した環境侵食現象の際には未知の大型生物が多大な人的被害を出した。放置すれば無限に環境侵食が行われる為、国際環境侵食現象対策条約により発生国では迅速な収束が義務付けられている。

 

 

 ここ日本でその責務を担っているのは環境侵食特務隊、通称『カントク』である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ねぇ〜アサヒぃ〜この間のプリステのオンラインライブ見た?」

 

 「見てないけど?」

 

 「えぇ!!見てって言ったじゃーん!!」

 

 そんな事言われても困る、オンラインライブだってお金がかかるし時間だって取られる。私は忙しいしアイドルグループにかけるお金も無いのだ。

 

 

 「……アサヒはホントにカントクになるつもりなの?」

 

 「そうだけど…、洋子の方こそ就職活動してるの?大学卒業してどうするのさ」

 

 「う゛っ、それがさ〜!!」

 

 「どしたの」

 

 「そもそも留年しそうだしアパートも追い出された」

 

 救いようがない。

 

 

 「お願い!!暫く泊めて!!」

 

 「わかった、わかったから抱きつくなってば!!」

 

 

 やった〜!!と言いながら私のベットに飛び込む洋子を尻目に環境侵食特務隊入隊筆記試験の過去問題集を解く、入隊には一定以上の知識と学力、そして実技が必要だ。実技試験では射撃や簡易的なサバイバルが行われるらしい。

 

 

 「アサヒはさ、怖くないの?毎年何人も環境侵食現象で人が死んでるのに」

 

 「怖くないよ、どちらかと言うと好奇心の方が強いかな?」

 

 「…そっか」

 

 

 この幼馴染は私が心配らしい。洋子とは幼稚園の頃からの付き合いで、思い遣りがあり誰とでも仲良くなる洋子と自分の興味が優先で友人が少ない私とでは合わないと考えていたがなんだかんだで今でも仲良くさせて貰っている。

 

 

 「じゃあ約束してよ、いつも無事戻って来るって」

 

 「勿論、まだカントクになれると決まった訳じゃないけどね」

 

 「あはは、そうだったね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日の事だった、洋子が環境侵食現象に巻き込まれ行方不明になったのは。

 

 

 

 

 





私に期待するな
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