どうかお体にお気をつけてお過ごしください。
今年も少しずつですが投稿頑張っていこうと思います。
やけに多い人口密度と車道を走る車。
平均的に見ても高い建物がが建ち並ぶ風景はまさに
「むぅ〜〜…悩ましいにぇ〜…」
「はぁ…っ…はぁっ…」
息を切らし冷や汗ダラダラになっている僕と対面するhololiveが誇るアイドルと五目並べをしていた。
「バイト。お前hololive事務所に潜入してこい」
「…はいっ?」
お昼時、holoxにて間食のたらこおにぎりを食べていた際総帥から言われた言葉だった。
「すみませんが今たらこ食べてる領域を展開してるんで余計な情報入れないでください」
「なんで吾輩との会話よりもたらこの方が勝ってるんだよ。おかしいだろどう考えても」
「総帥もおにぎり食べます?」
「うん。食べる」
肯定の言葉を返しながら僕の横に座ると共におにぎりが何個か詰められた袋からツナマヨと書かれたソレを取り出す。自ら選んだおにぎりを両手に持ち、口いっぱいに頬張りながら先程の話の続きを語り始めた。
「吾輩たちって秘密結社だろ?」
「まぁそうですね」
「性質上、不特定要素の多い団体との不用意な接触はリスクが伴う危険性があるから極力避けているんだが…今回は今後の関係を考えた際のメリットが大きくてな?」
「一理あります」
「ならば吾輩らがやる事は一つ!情h…」
「情報を集める事ですね」
「…すみません。吾輩今カッコつける所だったんですけど?」
詰まる所hololive事務所に潜入したのち情報を抜き取ってこいとの命令なのだろうが、最後まで言おうとした台詞を奪ってしまった僕を睨みつける総帥の目線を物ともせず、自分の意見を投げかけた。
「───荷が重過ぎません?」
どう考えても僕が任される様な仕事ではない。
「もっと沙花叉さんとか適任者いっぱい居ますよね?」
「言いたいことは分かる。でも人選の理由もしっかりあるんだ」
「理由?」
「バイトはそもそも何故hololive事務所がholoxの名を知ってると思う?これでも吾輩たちは最低限、秘匿でやってきた身だ」
「…やっぱり窓ガラスじゃないんですか?」
「やっぱそう思うよな」
思いつく辺り1番有力なものを述べた。
そんな意見の反例を出すかの様に総帥は携帯を僕へ見せ、とある動画を再生させる。
「……文化祭の映像?」
見せられたのはとあるSNSサイトに上げられた我が高校が誇る文化祭の後夜祭の映像だった。…秘匿って言葉が1番似合わない秘密結社だな。
「これそれなりに再生されていてさ。これがもしもの可能性」
「…認知した経緯が動画って事ですか?」
「そっ。その場合映像に映っていないバイト以外のメンバーは把握されているんじゃないかって危惧しているんだよ」
呼ばれた経緯がなんであれ注意を払うという点で僕が選ばれたのは合理的ではあるが、ここで問題となるのが技術的面から見て役不足という点だ。
「人選については納得しました。でも潜入と言われましてもステルスとかそんな高等技術、一端の高校生である僕には出来ませんよ?」
「最初潜入って誇張はしたけど別にスパイ映画とかあんな凄い感じのヤツを頼んでるわけじゃないからな?」
「じゃあどうやって入り込むんですか?」
「正面から」
「…へっ?」
「だから正面からだって」
きょとんとしている僕を差し置き以前購入したポッカリと穴の開いている求人雑誌8月特別号を徐に机の上に置き開き始める総帥。ペラペラとスムーズに捲られていく雑誌であったが特徴的な三角マークが描かれているとあるページにてその動作は止められた。
「これって…」
「この夏の期間、多忙期故かhololive事務所が簡単な映像編集などで短期バイトを求人していてな。…バイト。お金に困ってるんだろ?」
悪知恵を働かせてやったぞっと言わんばかりに口角を上げながらとある提案をする。
「
生活費を稼ぐ題目で掛け持ちバイトというのは喉から手が出る程の交渉材料ではある。
「こっちとしては欲しい情報さえ抜き取ってくれるなら以前の発言を取り消すつもりだぞ」
「……うわっ。結構良い時給してますね」
「だろっ?吾輩これ見た時気絶しそうになったもん」
「…転職しようかな」
「おいっ!当たり前だけど戻ってくる前提で許してるからな!一定数に需要ありそうな展開は吾輩守備範囲外だから!」
自分自身、現金な性格である事は理解している。
しかしこのままでは偏りのある誤解がされそうという思いが込みあがり少し補足を入れる事にした。
「…まぁ元から断る気なんてありませんけどね」
「えっ。そなの?」
そんな弁明を聞いた総帥は意外だと言わんばかりに目を丸め、分かりやすい程動揺していた。
「そもそも手が後ろに回るぐらいの覚悟を持ってここに入ったんです。今更怖気付いたりしません」
「あら。意志が固いようで」
「でも捕まる時は一緒ですよ」
「お前偶に怖いこと言うよな」
「…まぁ断るも何も採用されるかはまた別の問題ですがね」
了承はしたは良いがまずは「採用」という吉報を僕は掴み取らなければならない。これだけの好条件なバイトだ。それなりの倍率は叩き出してくるだろう。
「正直あまり自信ないです」
「一応別途の作戦も用意してある。だからあまり責任を背負い込むな。確か面接選考会は今週の土曜日だっけかな?その間まで幹部にみっちり対策してもらえ」
「…仕事増やしている様で申し訳ないんですけど」
「いや?今回の作戦自体が成功すれば幹部の仕事量もかなり減少するんだよ。間接的に自分の仕事が減るって喜ぶと思うぞ?なっ?幹部」
「えっ?幹部?」
今のは僕に向けられた共感ではない。
背後から感じた途轍もないオーラに背筋が凍る事を感じ後ろへ視線を向けるとメラメラと何かが燃えているかの如く凄味のある鷹嶺さんの姿があった。
「た、鷹嶺さん?」
「…海君。私、厳しいよ?」
「えっ」
「この数日間で海君を面接合格獲得マシーンに改造してあげる!」
「それ比喩的な意味ですよね⁉︎物理的じゃないですよね⁉︎」
「…そりゃ海君の頑張り次第かな?」
「ご教授!よろしくお願いします!」
「頑張れよ〜バイト〜」
受からないと危ない。僕の体が。
最近どうにも時間が経つのが早く感じる。
気が付けば面接当日。
気が付けば既に面接会場であるhololive事務所に足を運んでいた。こんな経験滅多に出来ないだろう。
僕らの街から乗り換えを加えて10駅ほど離れただけでここまで街並みがガラッと変わる物なのか。など呑気に考えているが現在僕は面接の真っ最中。意識は依然" 友人A "っと書かれた社員証をぶら下げ、眼鏡をかけた女性へ向けていた。
「───質問は以上になります。お疲れ様でした」
面接の終わりを告げられ肩の力が少しばかり抜けた事を実感する。言葉通り死ぬ気で受けた鷹嶺さんのサポートのおかげか質疑応答に対してもつまらず答えられた。根拠はないが不思議と自信もある。
「ありがとうございました」
「合否については後程ご連絡致します。採用された際は配布致しましたプリントに記載されている内容に従う様お願いします。何か最後に質問などはありますか?」
…取り敢えず一つ目の課題は終わらせられた。
これ以上僕が出来る程の事は無い。最後の質問に関しては鷹嶺さんから教えてもらったテンプレでも聞く事にしよう。
ふと以前の三者面談で起きた事を思い出す。
そういえばあの時、風真さんや鷹嶺さんの乱入で話し合いどころではなかった。
流石のあの人たちでもこの面接会場までは踏み込んでこないだろう。っと心の中でありもしない出来事を妄想する。
瞬間。
勢いよく開けられた扉。
まさかっと扉の方へと視線を向けるがどうやら僕が想像した人物とは違う様だった。
「あれっ?えーちゃん?何してるの?」
少し崩れた巫女服を着飾り、鈴の様な髪留めをワンポイントに持つ桜色の髪を靡かせながら扉の前に立つ少女は意気揚々とそう聞く。
「ちょっと!
「あっやべ。忘れてた…」
どうも" さくら "さんという方が間違えて入ってきてしまった様であるのだが、見た所社員証は首にぶら下げられていない辺りタレント…つまりhololiveで活動している方なのだろうか。
「面接選考の当日はもう一つ上の階って昨日あれ程…」
「おん?てことはこの人が面接受けに来た子?あんまり
「…みこさん」
「えっ!なんでみこの名前知ってるの!まだデビュー前なのに!」
「……まぁ超能力ですかね」
「超能力っ⁉︎かっっけぇええ!」
…自分で言っていた事気が付いていないのかな。
それに「デビュー前」というワードが口から出た辺りやはりタレントの方という事。同じ事務所のアイドルとはいえ星街先輩とはまた違った雰囲気が漂っていた。
「ねぇねぇっ!他に何が出来るの!」
「空飛べます」
「空飛べる⁉︎うおおおお!」
きゃっきゃしてる赤ん坊みたいな姿を見て知人である角が生えてる宇宙人が横切ったがまぁ気のせいだろう。
既視感を感じている中、友人Aさん…っと言うより呼び方はAさんの方が良いのだろうか?Aさんは僕の方へと近付きとある助言をしてくれた。
「…みこさん。あぁ見えて上山さんよりも歳は一つ上なんですよ」
「えっ。年上なんですか?」
一つ上。つまり星街先輩と同い年という事になる。
「あっすみません。気が抜けてたいぶフランクに接していました…」
「面接自体は先程で既に終わっています。ここから先の事は合否には関係ないので安心してください」
「…ありがとうございます」
「上山さんは現在、hololiveのタレントがどの様な組み分けをされているかご存知ですか?」
「…確か0期生、1期生の2つで分けられていますよね。最近2期生が加入するという情報も出回っていますし…みこさんは2期生に位置するんですか?」
「よくご存知ですね」
「箱推しなもんで」
「付け加えるとみこは少し特殊でにぇ〜。0期生の方に加入するんだぁ」
…訂正を教えてくれる事自体はありがたいのだが
「こういうのって社外秘なんじゃ」
「まぁどの道数日後には公表するモノですので支障はそこまでありません」
「…なんだか得した気分です」
「与えてばかりは釣り合わないので情報の代金はみこさんへの精一杯の応援でお願いします」
「善処します」
損得を天秤にかけたそんな会話をしていると何かを思い出したかの様にAさんはみこさんへとある質問を投げかけた。
「そういえばみこさん」
「んっ?何?えーちゃん」
「要件の方は?」
「……あっ!そうだったそうだった!えーちゃんに用事があるからこの部屋に来たんだった!」
何やら肝心なことを忘れていた様子。
「実はえーちゃんにボードゲームの練習に付き合ってほしくてさっ!」
「ボードゲーム?なんのですか?」
「五目並べ!」
五目並べ。
確か碁石を使い先に5個で形成された列を先に作った方が勝ちのシンプル且つ分かりやすいルールの遊びだった気がする。
「お相手したいのは山々なんですが私は自分の仕事がまだ残っていまして…他の方は相手にしてくれないんですか?」
「違うんだよ!ひっそりと練習して皆んなを驚かせたいの!みこは!」
「ハハッ!」
「おいなんで今笑ったんだよ!」
「だって…ふふっ…み、みこさんが…」
「笑い過ぎだろ!決めた!えーちゃんもいつか倒す!じゃいあんとくりーにんぐしてやんよっ!」
いや綺麗にしてどうするねん。
「…みこさん…クリーニングじゃなくて多分キリングだと思います」
「えっ?し、知ってるし!わ、わざと間違えただけだし!」
…本当なのかな。
「あっ。そうだ。折角なのでどうです?上山さんが相手をするってのは」
「えっ?僕がですか?」
「うおぉ!良い案だよえーちゃん!」
「今日担当する面接の人は上山さんで最後でしたし、時間があればみこさんの練習相手になってあげてください」
「囲碁盤はもう持ってきてるにぇ!上山くんは何色の碁石が良い?みこは白が良い!」
そう言いながら囲碁盤を机の上に置き、五目並べの準備を颯爽とするみこさん。
…これあれだ。断れない空気のやつだ。
仕事をこなすAさんを横目に僕は頭をフル回転させていた。
Aさんは先ほど面接は終わっていると発言しているが合否はまだ決まっていない。ならば今この五目並べ自体も審査の内に入る可能性だってあるわけだ。その際、見られる分野は僕が思うに大きく分けて二つ。
一つは戦略などを即座に思い付けるか否か。
もう一つは人間性ではないかと考えている。
後者に関しては相手を傷付けずにどうやり通すのか…そういう課題が裏にあるのではと僕は想定していた。
その為、一度は相手に勝たせる場面を設けていたのだが…
「はぁ…はぁ…」
「ん〜…ここだっ!」
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● ◯ ●
●◯●◯◯◯←パキッ
◯◯ ●
◯ ●
何故だ!何故勝たない!さくらみこ!
こんなにも綺麗に白が隊列を組んでこんにちわしてるのに!なんだ⁉︎僕は今何を試されているんだ⁉︎
「あ…あのぉみこさん?」
「ふふん!海くん!みこの策略に踊らされないでよねぇ!」
「…っ!」
やはり何かを企んでいるのか!
一体何を⁉︎この場面で勝たない策略って一体なんなんだ!
…良いや落ち着け上山 海!頭を回せ!起こりうる現象を頭の中で造りパターン化させ幾つかの対策を模索しろ!もしかしたら本当に気が付いていないだけかもしれない!
…そうだ!
心理学の中に混雑する情報中に自分が興味のある部分だけが上手く処理されるカクテルパーティ効果たるものがある。盤面全体ではなく一部の盤面へ条件を絞り込めば…!
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● ◯ ●
●◯●◯◯◯
◯◯ ●
◯ ●
●←パキッ
どうだ!みこさん!
これなら5個が揃いそうな黒色に意識がいく!それと同時に自分の勝利が確実だと気がつくはずだ!
「ん〜。ここっ!」
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● ◯ ●
●◯●◯◯◯◯←パキッ
◯◯ ●
◯ ●
●
さくらみこぉおお!!
勝ちに貪欲な所が仇となったか!
いや!違う!次にみこさんのターンになれば彼女が狙う勝ち方が出来る!
ここで僕がわざと外し負ければ…
いや落ち着け自分。
もしかすればその行動が仕事を適当にこなす人材と判断されかねん。かと言ってみこさんの一手を封じたとなればまた更なる読み合いへと発展する。
「あっ!海くんごめん!置き直しても良い?」
「あ。だ、大丈夫ですよ」
ま、まさか自分の勝利に気がついたのか!
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● ◯ ●
●◯●◯◯◯
◯◯ ●
◯ ●
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◯←パキッ
「ふぅ〜危なかったぁ…」
さくらみこぉおおぉお!!
いややってることは間違ってない!間違ってないんだけど違うんだよ!
「…あっ!」
…今一瞬みこさんの方から歓喜に満ちた声を僕は聞き逃さなかった。そして僕は碁石を少し離れた場所に置く。
●●←パキッ
● ◯ ●
●◯●◯◯◯
◯◯ ●
◯ ●
●
◯
さぁみこさん。貴方が勝つ道は既につくられている。その一手でこの心理戦に幕を下そう。
「…海くん」
「はいっ?」
「手を抜いたでしょ?」
…もしかして最初から気が付いていた?
今気が付きましたよみたいな反応はブラフ…つまりあれは僕の行動を見る為の罠!
あの一瞬にいくつかのフェイント。
…この人───策士だ!
「みこは真剣に闘いたいの!」
「すみません…みこさん」
「次はちゃんとやるよ!海くん!」
…っ!
一度の過ちを許してくれる寛大な心!そして博士に負けぬ頭脳!
「みこさn…いや!みこ先輩と呼ばせてください!」
「にぇ?よく分からないけど…良いよ!まぁみこはえりーとだからにぇ!」
「エリートみこ先輩!」
「うへへへへ…」
そんなやり取りをしているならパソコンをタイピングしているAさんがぼそりと呟いた。
「───あの2人五目並べのルール知ってる?」
読み直してみて変だと感じた部分や地の文サボってた回の話は空き時間を見つけ編集するつもりです。