その方が幸せだと思ったから。   作:飼いならされたreruhuさん

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 やっぱ、プロローグだけじぁ……味気ないよねぇ!!

 あ、やっとリコリコ1話見ました(アマゾンプライムビデオで)
 ……トリガーハッピーなんやね。


花の少女(本編5年前)
プ―リン爆誕!!


 初めに感じたのは水の冷たさだった。

 ひとえに火照った体を癒してくれる、聖なる水。まるで、真夏の暑い日にプールに入ったかのような心地良さが支配していたのだ。

 

「ぁー?」

 

 ゆっくりと瞼を開ける。

 視界に広がるのは綺麗な青空、端にはちょろっとしたビル群が自己主張している。

 ん?ビル……?おかしい、俺の住んでいる場所は老人6割のクソ田舎なのにこんなに高い建造物が立っていたのだろうか?

 そもそも、何で俺は水の上に浮かんでるんだ。俺は昨日何をっ!

 

「――っ!!はぁっ」

 

 ガバリ、瞬時に両腕を水中の砂利に付けて上体を起き上がらせる。そうだ、俺は……事故に巻き込まれて。

 襲る襲る、腕を水中から上げる。水滴をまとわせた綺麗な腕には負傷の後はない。

 自分が浮かんでいる水には……赤い色は混じっていないようだ。

 

「くそ、あの老害め……免許返納しやがれってんだ。あぁっ、水が耳に入ってごろごろする……これが寝耳に水ってか」

 

 小さくため息を付きながら、首を傾け反対側の頭を叩く。

 自らの体温で暖められた液体が、体内を出ていく感覚と共に……掌が何かをつかんだのだ。

 それは、こりこりしたものであった。先から頭に近くなるにつれ太くなる二等辺三角形……むぎゅっと握れば脳が柔らかさと痛みの信号を受け止める。

 

 痛み?あれ?これ?

 何処か焦ったかの様子で反対側を触る、とんがってる。近くで指を鳴らす、大きく聞こえる。

 もしかして、俺の……耳?

 こ、こんなエルフ耳みたいなのだったか俺っ、どうなってるんだ。

 視線を下に向ければ、自身の視界を妨げる2つの凹凸に水面に映る何時もの……何時もの?

 

「な、ななな。女の子になってるじゃねぇか!」

 

 いつものフェイスではなく可愛らしい美少女の素顔がそこにあった。

 さらさらと流れる銀色の髪は絹のように滑らかで光沢を放ち、紫色の瞳はアメジストのように透き通っている。

 容姿は儚げなさもありつつも妖艶さ持ち合わせ、妹のような幼さをありつつも母のような母性をも併せ持っている。

 衣服も仕事で使っていた作業着ではなく、白い純白なドレスは美しさと魔女のような不明さがあった。

 

 何処を見ても第一印象で、二つの反対の感情を思い起こさせる少女の容姿は何故か見覚えあるもので……。

 

「……これ、プ―リンじゃね」

 

 と、桜色の唇が動きソプラノボイスが音を紡いだ。

 

 プロトマーリンとはFateの最初の案。蒼銀のフラグメンツが初出らしい……残念ながら俺は読んだ子がないからわからない。

 知る人ぞ知るキャラクターそんな感じの扱いであった。

 だが、FGOACでオリジナルサーヴァントして実装されると一重に話が変わってくる。

 マーリンの要素を受け止めつつもサキュバスと言う事で、色っぽさやくどくないお姉ショタ感は色々なプレイヤーの心を射止めツイッターのサジェストにもなった。

 

 一応、FGOACプレイヤーとして彼女の性能は把握している。と言っても殴り合いはそこまでではなく、アーツ素振りからの宝具耐久サポでうざいと言うものであるが。

 因みにゲームで使う際には1番手をおすすめする。宝具に魔力回復速度アップが付いており、前衛が動きやすくなる。

 

 ほっぺたをむにーと摘まみながら立ち上がる。

 ”グランドクソ女”グランドろくでなしお姉さん”と話題のあの人である。

 そこら辺に転がっている杖を拾い上げ。

 

「どうしてこうなった?」

 

 と、言葉をこぼした。

 

――

 

 辺りを見渡せばここは……河川敷か?よく整備されているのであろう、雑草が綺麗に切り揃えられているし遊具もさびているのは見当たらない。うちとは大違いだぜ。

 正面には、中学校の修学旅行で行った東京の街並みを彷彿とさせるビル群。後ろには以下同文……せめて違いを言うなら斜めになって倒壊しかかっている塔があるくらいか?

 とにかく、ここで右往左往しても意味はない……プ―リンの姿になっちまったが異世界転生をしたわけじゃない、とりま電話で母親呼ぼ。

 

「あれ?」

 

 何時も財布やスマホを入れるポーチが、ない!

 うっそだろ!?彼、いや彼女は必死に紫色の瞳を使って辺りを見渡し、時には川に沿って生える屑をかき分けて探すが、ない。ない、ないないない!!

 

「財布が、免許証が、保険証がぁ」

 

 「orz」とまるで絶望にあったかのように落ち込む成人女性。最も、救いなのは平日の昼間で人通りが居なく彼女の醜態を見る人が少なかったと言う事だろう。

 

「なんだよふざけんな。神様転生ものか?最近のトレンドは白い空間でチュートリアルが挟まるんじゃないのかよ。それともあれか……鯖憑依物か?そだ、サーヴァント!」

 

 プ―リンはキャスタークラスのサーヴァント。ならば、魔法もスキルも使えるんじゃないか。

 ACでのモーションはどんな感じだったけ?確か。

 

「こうして、こうすると……どうなのかな?……ぅおお!」

 

 ――英雄作成。

 FGOACではバスター強化とクリティカル威力アップを持つスキルだ。もっとも、ACでは一部キャラを除きバスター攻撃は、出始めゴミ後隙ゴミの”0に何掛けても0なんだよ”と言う使えないスキルだった。

 実験にはもってこい。とりあえず杖をもって上にヒョイっと振り上げれば、紫色の花びらが杖を基準にして散り……。

 

「ん?使えるのはわかったんだけど……強くなってるのかコレ?」

 

 こう、スーパーサイヤ人のようにオーラが出るわけでもないし……なんか、微妙。

 

「てか、サーヴァント憑依系ってマスターがいるパターンじゃないの?マーリンって単独行動持ってたかな……嫌だよ俺は魔力切れで消えていくのは。てか、霊体化すれば金なんて盗み放題じゃね?消えろ、霊体化!……ダメか」

 

 と言うか、サーヴァント憑依系なら聖杯で知識が入ってこないとおかしいはず。

 つまり、完全にほっぽり出された?

 

「ぁぁぁぁぁぁ……。これからどうやって生きればいいんだ」

 

 明日になったら鮮やかな人生が待ってる?確かに、容姿端麗な美少女になれて外観は鮮やかになったな。

 でも、社会的地位が無いと現代日本ややっていけない。

 俗に言う「服がないから買いたい……でも、服がないから服を買いに行けない」と同じ。

 

「魔術を使って強盗。いやいや、それは現代人として最終手段でしょ。そもそもさっきまともな出力出ないのは確かめたじゃん。一体どうすれば――」

「ねぇ、そこの嬢ちゃん」

「はい?」

 

 ふと、後ろから話しかけられる。社会人の経験上、こう言った場合は返事をした後、柔らかく微笑みながら振り返る。

 視界に映るのは二人の男性。髪を派手に染めたウェーイ系の近寄りがたい男、後方にはハザードランプを点滅させた軽自動車。

 

「……っ!」

「あの?何か私に用があるのでしょうか?」

「あ、えっとお困りのようだったので声を掛けさせてもらったんだけど……」

「……そうそう、特に日本は世界一治安が良いって言われてるんだ。犯罪なんて5年前の電波塔ジャック事件以降起こってないから、君みたいな観光客はよく来るんだ」

「5年前から犯罪が起こってない?」

「だから、現地民は良く迷子になった観光客を案内してやってるのさ。だから嬢ちゃん車に乗りな、送ってやるよ」

 

 そう言って俺の手を握ってくる。ずるずると停車している軽自動車に引っ張るように力を入れて。

 

「あ、いえ。そこまで迷惑をかけるわけには行きませんから」

「だいじょーぶだって」

「あの、警察署までの道筋を聞ければ――」

「良いから黙って乗れよ!!」

「キャ!?」

 

 腕を引っ張る男に合わせていた視線が突如、真っ暗になる。

 何?何々何??一体何が起こってるんだ――っ。

 

 動揺してるうちに浮遊感。

 じたばたと、足を動かし抵抗するがお腹に固いものが押し付けられる。

 見えない……けど、明らかにやばい!

 

「動くんじゃあねェ。腹に穴開けられたくないだろ?」

「しっかし上玉だな。高く売れそうだぜ……しかし、妙に軽いなこいつ」

「あぁ高く売れそうだ。最悪暴れるなら四肢ぶった切って達磨にしてもいい……顔と胸と子宮がありゃ、買ってくれるやつはいらぁ」

「やーと大人しくなったか……。沖に上がった魚みたくビチビチと跳ねるさまは滑稽だったぞ」

 

 これは、全身を包む布製の袋!なんだよ、さっきの前向上の犯罪0は嘘だったのかよ。

 くそ、最悪だ。プ―リンの容姿の良さを見余っていた……警察は何をしてるんだ!今ここで犯罪が行われてるってのに。

 

「おっし、後部座席に詰めろー。お前は見張っとけ」

「なぁ、俺こいつを使いたいんだけど」

「だめだ。初物以外だと値段が暴落するんだ……バージンは取って置け。最も、色が変色するぐらい使い込んでる方が好きって物好きもいるようだが」

 

 魔術……いや、訳が分からん不思議パワーをぶっつけ本番で使えと!?そ、そもそも魔力がなくなったら消滅してしまうかもしれない。

 そもそも、大の大人に立ち向かえられるのか俺は?

 

 必死に足りない頭を使って打開策を考えるが、数分ほど前まで子市民だった彼女がそんなご都合主義を思いつくわけなく。

 無様に車内に収納され――。

 

「待ちなさい!」

 

 耳に届いたの少女の声。その何処か芯があるボイスは、音からは想像できない頼もしさがあって。

 

「ぐっ!?」

 

 突如、下から伝わる振動と浮遊感。力を失った袋はもはや閉じ込めると言う仕事を放棄し、もう一度視界に彩りが戻ってくる。

 空中で舞う花びらのように、身を翻しながら着地した視線の先には……学生服を着た三つ編みの少女が俺を拘束してたであろう男性に金的を決めていた所であった。

 

 これが、自身の運命の歯車が始動した出来事。

 

 ――月乃陽鞠との初めての出会いだった。




Q、河川敷ってどこにあんだよ。
A、川があればあるでしょ。因みに参考元はアニメ第一話の「00:26」で映ったテレビ画面。

 祝、パートナーも名前決定!月乃陽鞠(つきの とまり)さんになりました!
 三つ編みの可愛らしい女の子です。さぁ、一体彼女は主人公にどのような影響を与えるか……今後の活躍が気になります。

 そもそも、5話ぐらい書いてから出そうと思ったのに……キャラ紹介だけだと自動非公開にされちゃうよぉ(ハーメルン初心者)
 でも、メモ帳的な事しか書いてないプロローグ出しただけじゃつまらないし……。じゃあ、アニメ見ながら書くかって感じに書きました。
 本来なら不定期更新なのでこんな速くありません。



(別に、インスピレーションを受けたなら私の変わりに同じような設定で書いてもいいのよ……。実際この小説書いたのってDA敵対ルートが見たくて。ない?じゃあ自分で書けばいいじゃんって思って書いたものだし。主人公紹介の最後にプロット乗せてるのも、続きで書く人の参考になれば程度だしね)
(あ、別になろうと同時進行するのめんどくさいなーとか考えてないから。……うん)
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