モンスターハンター:クロスサバイブ   作:Wandarel

2 / 2
卵納品クエストで欲をかいた二人。
そこに無慈悲にも生まれた生命。
二人と四匹の共生(クロスサバイブ)が始まる。


第一猟「小さき生命」

二人は密林から二匹を上手く隠しながらジャンボ村に連れて帰り、デイビッドとナオミの元に連れてきた。

だが、反応は予想外のものだった。

デイビッド「………お前たちもか。」

ナオミ「えぇ、懐かしいわねぇ。」

ダンテ「え、どういう事だ?」

ナオミ「メアリもモンスターを手懐けて来たことがあったのよ。」

バージル「なんだと?」

デイビッド「メアリが手懐けたのはライゼクスだ。」

流石の二人も衝撃を隠せなかった。

あのライゼクスの幼体とはいえ手懐けたのはすごいことである。

デイビッド「それで、育てるのかお前達も。」

バージル「興味深いからな。」

ダンテ「俺もたまにはバージルの気まぐれに付き合ってやろうかな。」

デイビッド「そうか……。」

ナオミ「いい、ダンテ、バージル。小さい命でこの二匹は貴方達の事を親だと思ってるわ。大きくなるまで片時も離れず大切に、まごころをこめて育てるのよ?」

ダンテ「うーい。」

バージル「分かった。」

デイビッド「で、名前は決まってるのか?」

ダンテ「俺はこいつを「エボニー」って名前にするぜ。」

バージル「……黒狼鳥からとって『ベオウルフ』にしようと思う。」

デイビッド「ほう……いいセンスだ。」

ナオミ「困ったらいつでも頼りなさいよー!」

そう言って各自で育成を始めた……が。

鳴けば食事などの合図のため、ろくに眠れない。

ダンテ「あー!エボニー、テメェ!!」

エボニー「ヒャオッ!ヒャオッ!」

糞は色んなところで発生。

バージル「………。」

荒れに荒れたボックス。

ベオウルフ「キュウゥゥーッ!!」

ヤツザキ「……こいつらバラしていいかニャ、ご主人。」

バージル「落ち着けヤツザキ。」

すると、ベオウルフが飛び、バージルの頭に着地し、フンをしてから元の位置に戻った。

ベオウルフの顔は実に嬉しそうだった。

バージル「………ヤツザキ、奴をバラしてもいいだろうか。」

ヤツザキ「落ち着いてくださいご主人。」

エサやりの時も苦戦した。

バージル「成体の時はクンチュウを丸呑みしているとは聞いた事はあるが……。」

思いっきり肉も野菜も貪ってる。

だが意外なのは……。

ダンテ「エボニーも野菜食ってるぜ……。」

肉食竜鳥竜種のランポスが肉以外のものを食べていた。

ダンテ「割と雑食なのか?」

バージル「かもしれんな。」

二人は一生懸命に特産キノコの納品の採取クエストをこなしてハンターランクを少しずつ上げながら二人は着々と強くなっていった……。


バージル「ダンテ、異国では翔蟲という狩猟技法があるらしい。」

ダンテ「ほほぉ?どこ発祥なんだそれ?」

バージル「母さんの故郷のカムラの里かららしい。」

ダンテ「どれどれ……あーなるほどな、どうりで俺達がどんだけ高い所に隠れても母さんは必ず俺たちを見つけてたわけだ。」

バージル「俺達に専用の翔蟲をくれるらしいな。」

バージルは藍色の翔虫を、ダンテは真紅の翔虫を手に入れた。

ジャスミン「ニャニャ、翔蟲の技術があれば手綱代わりにもなるって書いてあるニャ。」

ダンテ「すげぇなぁ。」

ヤツザキ「これであのクソ鳥を………。」

バージル「ヤツザキ、ベオウルフも大事な家族だ。それは忘れるなよ。」

ヤツザキ「………チッ。」

バージル(こいつ今舌打ちしたな。)


二ヶ月後

ベオウルフ「キュウウウッ!!」

ベオウルフが火球ブレスを使えるようになり元々イタズラ好きだったベオウルフは至る所にブレスを吐く。

その結果、ダンテとバージルの住んでいるマイハウスが火事になった。

ダンテ「あっちぃぃぃっ!!」

ジャスミン「し、しっぽが燃えてるニャァァァッ!!」

ダンテとジャスミンに燃え移り、

エボニー「ヒュウー……ヒャオウ………。」

エボニーは火を見て怯えている。

だがそんな混沌としたやりとりも終わりを迎えた。

ヤツザキ「ニャ。」ドスッ

ヤツザキが冷静に、かつ正確に麻酔投げナイフを突き立て、ぐっすりと眠り大人しくなった。

ヤツザキ「このクソ鳥が……ご主人に迷惑かけてるんじゃないニャ。次は殺してやるニャ。」

ダンテ&ジャスミン「おおぉー。」パチパチ

エボニー「ウォウウォウウォーウッ!!」

二人は拍手し、エボニーも賞賛するように雄叫びをあげる。

バージル「よくやった、ヤツザキ。」

バージルが頭を撫でると、ヤツザキはしっぽをピンと立ててゴロゴロと喉を鳴らした。

ジャスミン「お姉ちゃん照れてるニャ。」

ダンテ「だいぶ分かりやすいなあの子。」

モンスター。またの名をオトモンと呼ばれる二匹も大きくなってきた。

そして、実力もかなりつけてきている。

ダンテ「……一回は野生に返したんだがなぁ。」

強いかどうかで言えばこの二匹はかなり強かった。

一応は野生に返したのだが、気がついたらマイハウスまで戻ってきているのだ。

狩ってきた獲物を分け与えるがごとく口に沢山咥えて持って帰っている。

バージル「………小さめのアプトノスとクンチュウか。それにカンタロスまで……。」

エボニー「ヒャオッ!ヒャオッ!!」

エボニーは食べてくれると言わんばかりに嬉しそうにしている。

ダンテ「……これ食べなきゃいけないか?」

バージル「む、無下にはできまい。」

バージルがベオウルフに視線を向けるとベオウルフも食べてくれると期待の目をしている。

バージル「……調理をしてもらうか。」

ヤツザキ「お任せ下さいニャ。」

ジャスミン「キッチンアイルーの腕前を見せてあげるニャー!」

元々キッチンアイルーとしての適性も高かった二匹が仕上げた。

ダンテ・バージル「い、いただきます。」

まずはカンタロスの唐揚げなるものを食べてみた。

ダンテ「う、うめぇ!!」

バージル「これは……。」

思わず箸が進む。

そして、クンチュウは殻を割いてエビみたいになっていたが、これもまた美味い。

バージル「凄いぞ、これは!!」

ベオウルフとエボニーも食べていたがとても満足そうに食べていた。

ダンテ「やるなぁ!ジャスミン、ヤツザキ!!」

ヤツザキ「メルシーだニャ。」

ジャスミン「ふっふーん、いっぱい練習した甲斐があったニャ!」

そうして色んな日々を過ごしていた。

時には喧嘩をし時には家出をすることもあったが、お互いの絆は深くなっていった。


ダンテ「さてと、バージル。俺達もようやく大型モンスターの狩猟許可が出たな。」

バージル「最初はモンスターとの共生などアイルーメラルーくらいしかできないものだと思っていたが、案外そうでも無いな。」

二人と二匹は翔蟲などなくとも、意志を汲み取れるほどに成長した。

ダンテ「そんじゃ、大型初心者の関門イャンクックを狩りに行くか!」

バージル「足をすくわれるなよダンテ。」

その2人の掛け声に四匹もそれぞれに呼応した。

ジャンボ村の二人と四匹の英雄の初陣である。




ダンテ「よっしゃぁ!叩き切ってやるぜ!」
バージル「少しは冷静になれ。」
ヤツザキ「貰ったニャ……。」
ジャスミン「くらええぇ!!」
ベオウルフ「キュウウゥ!!」
エボニー「オウオウオォォウ!!」
次回、モンスターハンター:クロスサバイブ
第二話「クック狩り」
ダンテ「次も待ってろよ。」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。