テンプレによるテンプレのためのテンプレ君。

百合に挟まってないのでセーフ。

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初めて小説を書いたので許して。



テンプレ一般リリベル君

OK。じゃあもう一度説明しよう。

 

僕はスパイダーマン……ではなく一般暗殺兵。

この世界に生まれ落ちた時から黒ずくめの怪しげな組織に連れていかれ、目が覚めたら……!!

 

体が縮んで――――

 

『――おい、聞いているのか』

 

 

なんて現実逃避をしていたら耳に装着していたインカムから堅苦しい声が響く。

 

「ハイハイ、聞いていますよ」

『……ならいい。作戦は事前に共有した通りだ。2300実行する』

 

他隊員の肯定する掛け声を聞きながら、時計をチラリと確認。

時刻は22時57分。あと3分だ。

 

今、俺たちはとあるマンションを囲っている。命令はとある少女の暗殺。治安維持部隊の名前が泣けちゃうね。そんな部隊に所属しているリリベルと呼ばれる組織の対をなすリコリスと呼ばれる暗殺集団。その中でもトップクラスの実力を持つ錦木千束を殺せとのこと。

 

なんでも彼女は、かの電波塔事件を単独で対処し、抜きん出た実力がこちらに牙を剥く前に殺せとの事だ。

 

……全くバカバカしい話だ。対をなす、バランスのため〜、なんてカッコよく言ってるが、電波塔ジャックによる大損害を防いだリコリスに上層部が嫉妬しているだけだ。だからこれ以上置いていかれないように今後も活躍するやつを消そうとしているだけ。

 

『行くぞ』

 

なんて愚痴をこぼしていたら時間になったらしい。掛け声とともに外階段を昇る。

 

今回の作戦の俺たちの部隊は4人。大規模による集団行動を得意とするリリベルらしからぬ行動だ。認識しやすいようにと用意された派手な制服も返って邪魔になる。他メンバーのやや後ろに陣取った俺を見てリーダーである赤服の少年が頷く。それに合わせ白服が予め用意していた合鍵で開け――――

 

「どうもー」

 

瞬間、抜けた挨拶とともに鈍い発砲音が鳴り響た。鍵開け担当がそのまま倒れた。

 

 

「ッやべ」

 

全身を襲う悪寒に従い全力でバックステップで後退する。

 

……先程までいた場所は弾痕が散らばっていた。ドアを軸にしてこっちに跳んできたのか。身体能力どうなってんだ。

 

赤服は無事だ。前方の鍵開け担当がやられた瞬間に反応し、こちらへ発砲される弾を回避。伊達にファーストは名乗っていないらしい。だけどもう1人の白服は一瞬だったが赤い粒子を漂わせた後に倒れた。なにあれサイコフレームの光? 弾がファンネルにでもなってんの?

 

「キミたちさぁ、リリベルだよね。襲う相手間違えてない?」

 

なんて、この場にそぐわない軽口が響く。

そんなことはわかっている。赤服も自覚しているのだろう。障害物越しに舌打ちとともにハンドガンを乱発する。ただその射撃は正確だ。そのままヒットするかと思われたそれは

 

「……な!?」

 

薄い笑みと共に、錦木千束は当然のように回避した。赤服の動揺する声が聞こえる。

 

弾を避けるなんぞ芸当をされたら驚くのは当然だ。こちら側はまさに主人公の驚異的な能力に驚かされるモブの表情をしているだろう。どこかにカメラでも仕掛けれあるかしら。

 

と、同時に赤服ダウンのお知らせ。カウンターとして放たれた弾がクリーンヒット。こちらも同様に一瞬赤い粒子がでてその場で崩れるように倒れて逝った。

 

錦木千束と目が合う。

 

――――咄嗟に物陰へ回避した。

 

銃声はない。撃たれなかった。いや、俺が回避する動きを予見して撃たなかったのだ。

 

「キミ、目がいいのかな。それとも勘かな。やるじゃん」

「ありがとう、どちらかと言うと後者かな。ねぇ、錦木さん」

「なに?」

「攻めてきた俺たちが言うのもなんだけど、なかったことにならない?」

 

正直、勝てない。俺の勘がそう囁いている。

今言うと言い訳気味になってしまうが、現実逃避していたのは今回の任務が失敗するのはわかっていたからだ。だって考えてみ? テロ組織数十人をたった1人で制圧できる戦力相手にたった4人で勝てるわけないじゃん。これ絶対上も分かっててやってるじゃん。

 

「ごめんねー、先生に舐められて襲撃繰り返させないように痛めつけてやれって言われてんの」

「デスヨネー」

 

勝ち目は無い。ただおいおいと何もせずに帰りましたじゃ、このまま帰っても役ただずと消されるだけだ。

 

深呼吸をする。

 

意識を一段階集中させろ。

理性を捨て、直感だけに身を任せろ。

 

よし

 

 

「ッッ」

 

角から出ると同時に向こうから放たれると同時にしゃがみ、弾を回避する。

対象の目が見開かれるがそれを無視して前へ進む。

 

距離は8m

 

こちらからも撃ち込むが、当たり前のように避けられる。それは分かりきったことだ。

だから事前にピンを抜いておいたスモーク弾を飛来する弾の射線上に置き、爆破させる。

 

あと5m

 

煙はまだ広がり切っていないが突っ込む。

次は平行に展開された2発。反復横跳びの横領で左右へ跳ぶ。

 

「ッッ!!」

 

あと2m

 

銃をすて、仕込んでおいたコンバットナイフを対象へ振りかざし――――

 

 

 

 

横から放たれたライフル弾にナイフが弾かれた。

 

「いッッッ!!」

 

 

 

衝撃で吹き飛ばされる。一体どこのどいつだ。

煙の中、ナイフに弾を当てるとかいう頭のおかしいことをやるやつは!!

 

 

 

倒れたまま腕を見る。

ちぎれてはいないが、出血が酷い。

 

 

出血のせいで女の子が増えてオジサンに見えるようになったらしい。錦木千束とダンディなオジサンが騒いでいるがそれどころじゃない。

 

 

朦朧とする意識の中で、ふたりがこちらに来るのが見える。

 

ああ、死ぬのか。

 

けど最後は割といい線行ってたんじゃないか?

 

 

銃を構えられてるなこれ。なんて当たり前のことを思ったあと意識を失った。

 

 

 

 

◾︎

 

 

 

ハロー、皆さん。こんにちわ、こんばんわ。

 

みんなごめん、同級会には行けません、いまDA本部にいます。

と言ってもリコリスの方だがね。どうやらカッコよく意識を失ったはいいものの死ななかったらしい。腕はぐるぐる巻きにされ足は釣り上げられている。アニメとかでよく見るヤツだ。実際は痒いところもかけないし死ぬほど辛いよ。

 

さて、意識が戻ってそうそう俺は尋問されるらしい。怪我人を労るっていう福利厚生この組織にはないらしい。目の前には赤い髪のイケメン系のお姉様。聞く話ではリコリスの司令官だとか。

 

「それで千束から聞いたぞ。貴様も弾を避けることができるらしいな?」

「出来るわけないじゃないですか。それが出来たらソイツは変態です」

 

何を言ってるんだ、このおばさん。

そんなのはマトリックスだけで充分だ。現実にそんなのはいらない。つまり蛇は二匹もいらないってこと!?

 

「そうそう、弾を避けるなんて映画じゃないんだし、って誰が変態かーい!!」

 

……

 

……

 

……

 

 

「アッ、錦木さん、居たんですね」

 

……俺のスルースキルも虚しく、空気が冷えてしまった。改めてこの場を確認しよう。

リコリスの司令官x1に護衛のリコリスx3にダンディなオッサンx1と氷の魔女x1だ。笑いそうなタイプは1人もいないのだ。

 

まぁいい。気になるのは俺の安否だ。

正直、襲撃がバレていた時点で俺から得られる情報は皆無だろう。末端の俺が持つ情報なぞ把握していないはずがない。

 

尋問の事など忘れて素直に聞こう。

 

「リコリスの司令官殿にお伺い致します。私はこれからどうなるのでしょうか?」

「……そうだな、簡潔に言おう。私は無駄話は嫌いでね。先程リリベルと話をつけた。貴様は以降、DAの支部リコリコで働いてもらう。向こう側は失態をセカンド1人でもみ消せるならと喜んでいたよ」

 

 

 

 

 

why…… なぜに!?

 

 

 

 

◾︎

 

 

さてさてさて、あれから数週間後が経ちましたと。俺は無事、解放され喫茶店に来ている。

 

え? 重症ならもっと治療に時間がかかるだろうって? 知らん! ドン!!

 

 

話を戻して、なんでも電波塔、強いては日本を救い大英雄となった少女、錦木千束氏は上層部に掛け合ったらしい。曰く、私の好きにやらせろと。あれだけの功績を残した彼女を無下には出来ないと支部を作り好きにやっても良いと言ったらしい。すごいね、うちにも頭のおかしいマッチョメンはいっぱいいたけど、ここまでとは、やるな。

 

それで、その支部で喫茶店を始めたとか。これが2年ほど前。

 

 

「おぉー、来たね。逃げなくて良かったよ」

「えぇ、まだやりたいことがあるんで」

 

元気な声とともにドアを開け喫茶店に入ってきたのは噂の大英雄。言外に逃げていたらどうなっても知らないからと言われてる気がしなくもない。

 

こちらを見てうん、うん頷く錦木千束。

彼女がみているのは俺の制服だろう。もちろんリコリスに所属しているとはいえ、フリフリのスカートを着る訳には行かない。なので制服は変わらない。白を基調として青が混じったおぼっちゃまが着るような見た目のものだ。だがそれの話ではなく、この喫茶店の制服だ。和服になっており元の制服の白がメインで使われている。正直、馬子にも衣装という感じだが慣れだろう。

 

何がヨシと頷いた錦木千束は更衣室へ向かっていた。

 

「あんた、千束と同じで弾を避けられるって本当な――――」

「誤解です。そもそも自分はリリベルでもセカンドでしたし、成績もぱっとせずにまぁまぁといった感じで」

 

食い気味に否定する。

話しかけてきたメガネの美人は中原ミズキさん。なんでも元DAの情報部のエリートだったが、色々あって辞めたらしい。羨ましい。妬ましい。でも色々あってリコリコに来たとか。

 

1週間前に顔合わせをしたのだが、食い気味に男を紹介できるか聞いてきたのでキアヌをおすすめしといた。

 

「落ち着け。もうすぐ開店だ。準備をしろ」

「……申し訳ありません。つい」

 

んで、この我が愛しのナイフを打ち砕き狙撃してくれた、ダンディなオッサンがミカさんだ。フルネームは教えて貰えなかった。

 

「よし、それじゃあ改めて、ようこそ喫茶リコリコへ。これからよろしくね。あ、名前なんだっけ」

 

着替えてきた錦木千束が器用にニシシシと笑う。ゴム弾を使ってるのってまさか…… 後で麦わら帽子探しておこう。

 

「そっか、錦木さんには名乗ってなかったな。俺は西宮 蓮。これからよろしくお願いします」

 

俺たちの戦いはこれからだ!!!(続く!!)


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