曇らせ愉悦部VS曇らせ許さないマン   作:コ↑コ↓ナッツ

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亜人ちゃんはメタ思考

 

「メル、そろそろ昨日の男の人と何を話していたか教えて」

 

行きつけの酒場のテーブルに2人並んで

朝食を食べていたが不穏な空気が漂っていた

 

「大したことじゃないよ、久しぶりに男の人と話してびっくりしただけ」

 

「大体何語を話していたの?聞いたこともない言語だったけど...」

 

「むー...田舎の猫語だって!トイレ行ってくる!」

 

「あ、ちょっとメル!」

 

はぁ...昨日からセラフィの言及がしつこい

あの男は何故か僕が転生者だと知っていたけど

曇らせを僕から奪うつもりなら絶対に仲良くなれない

 

トイレを済ませドアを開けると昨日の眼鏡の男が立っていた

 

ここで騒いでセラフィと鉢合わせるとますます面倒な事になる

 

 

「ストーカー、変態、メガネ」

 

「メガネは関係ないだろ」

 

「で?何しに来たわけ?」

 

「曇らせを阻止しに来た」

 

「アンタの眼鏡が曇ってんじゃないの?」

 

「お前の性根は腐ってるがな」

 

「こんのぉ...」

 

「お前は邪悪だ、人の親切や心配をさせ快楽を得る」

 

「誰にも迷惑掛けてないからいいじゃないか、なんならセラフィの事を守ってあげてるし」

 

「飼い主が1番守りたい者はお前だがな」

 

マズイ...

セラフィがこっちに来る気配がする

 

「時計塔のてっぺん深夜3時に来て、そこでケリをつけよう」

 

「俺に行くメリットが無い、今飼い主にお前の事を話せば済む」

 

「チッ...僕を犯罪者にしたいの?...」

 

殺気を込め睨みつけ

ヒョロガリの眼鏡男をトイレに押し込んだ

 

「メル大丈夫?トイレ長かったけど」

 

「うん、早くご飯食べよ」

 

後ろのトイレのドアを振り返えると

男が出てくる事は無かった

 

 

__

 

 

街が寝静まった深夜

時計塔の屋上に2つの影があった

 

 

「眼鏡の名前は?」

 

「鈴木だ」

 

「色々聞きたいこともあるけど、鈴木はどんな力を持ってるの?」

 

「さぁな」

 

「じゃあ僕がどうしたら鈴木は満足するわけ?」

 

「曇らせをやめろ」

 

「嫌だと言ったら?」

 

「拒否権は無い」

 

「殺るつもり?手加減しないよ?」

 

「昨日も殺す気で魔法を打ってきただろ」

 

 

メルはパチンと指を鳴らすと

ガタンッと床下から音が響いた

 

「ざんねんニャ〜〜」

 

屋上の床が一気に全て抜ける

メルは持ち前の身体能力で猫の様に屋根を伝い

落ちていく鈴木を見下ろした

 

(鈴木は魔法を無効化する能力を持っているから落としてしまえばいいよね♪)

 

 

僕の唯一の愉しみを奪うつもりなら同じ転生者でも容赦はしないよ

 

 

...

.....

........

 

 

「え?」

 

何分待っても下の階に落ちた鈴木の反応が無い

 

(ま...まさか本当に死んじゃった?)

 

その程度では死なない!みたいな流れになるはずだよね!?

怖くなり下の階へと急いで降りていくと瓦礫から足が飛び出ていた

 

 

ズボッ

 

 

すね毛の生えた汚い足を瓦礫の中から引っこ抜く

 

「鈴木生きてる?」

 

「カヒュ...ヒューヒュー」

 

よかった死んでない

骨があちこち折れてるし

呼吸も苦しそうだ

 

「今後僕に関わらないと約束するなら助けてあげてもいいけど?」

 

「せない...」

 

「聞こえないよ」

 

「誰も曇らせないッ!!ゴフッ」

 

 

なんなんだこの男は...

 

 

初級聖魔法(ヒール)

 

緑のオーブが舞い鈴木を包むと身体の傷を癒やしていく

 

体が楽になったのか鈴木はスッと立ち上がった

 

「何故傷を治した」

 

「側から見た曇らせってこんな感じなのかなぁって」

 

「ようやく自分の愚かさに気付いたか」

 

「いや、見ててイライラしてきただけ」

 

メルはその場で胡座座りをし耳を掻いた

 

「僕はさ美少女に生まれ変わったけど鈴木はキモオタのままなんでしょ?」

 

「親から貰った容姿が1番だ」

 

「鈴木は変身願望とかないんだ」

 

「知らんがお前の曇らせ願望は止める」

 

メルはため息を吐くと

鈴木を見上げた

 

「じゃあ身体をはった曇らせはしないけど男性恐怖症設定は続けるから」

 

「俺がお前と関わればその設定も薄れる」

 

「お願いしますそれはだけは勘弁してください鈴木禿げちゃいます」

 

「誰が禿げだ」

 

「さっき落ちていく時見えたけどつむじ危ないよ」

 

「なん...だとッ!」

 

__

 

 

とある教会の質素な懺悔室

 

 

「シスター...愛する妻がいながら酔った勢いで浮気をしてしまいました...」

 

「神は見ています、その事は己の中にしまって妻のみを愛しなさい」

 

「私は赦されるのでしょうか?」

 

「許す赦さないではないのです、カリーナさんの性格だとまず離婚でしょう...この事は公にせず一生罪悪感を背負って逝くしかないです」

 

「うぅ...カリーナ...」

 

「ですが一度目なら私が許しましょう、シスターミホリの名の下に貴方の罪を一緒に背負います」

 

「あぁ...ミホリ様...」

 

「また何か有ればいらして下さい」

 

「シスター...ありがとうございます...ありがとうございます...」

 

...

.....

 

シスターは不敵に微笑んだ

「もう少しで私の願いが叶う」

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