曇らせ愉悦部VS曇らせ許さないマン   作:コ↑コ↓ナッツ

3 / 13
シスターは曇らせたい

 

「この村だな」

 

一見すると田んぼや家が立ち並ぶ普通の村だが

スキルによってTS転生者がこの村に滞在している事が分かる

 

(さて、いきなり転生者と対面するか情報収集をするか)

 

鈴木はメアからいきなり魔法で攻撃をされた

無傷だったものの、ある程度人物を見極める必要がある

 

(まずは情報収集からだな)

 

田んぼの多いこの村で

適当な農家のおじさんを見つけて話しかける事にした

 

「この村で変わった女性はいないか?」

 

「変わった女?兄ちゃん人探しでもしてんのか?」

 

「あぁ、例えば最近この村に引っ越してきたとか」

 

「その女の名前は何ていうんだ?」

 

「分からないな、ただ曇らせる為に注目を集めているはずだ」

 

「注目を集めてる新参の女...シスターか?」

 

「シスター?」

 

「廃墟だった建物を1人で修繕して教会にしたすごい人だよ、シスターはこの村に来て半年くらいだしな」

 

「なるほど...」

 

...

....

 

 

こじんまりとした教会のドアを開けると懺悔室と書かれている部屋を発見した

 

 

コンコン

 

 

「どうぞ入ってお座りください」

 

「失礼する」

 

小部屋はカーテンで区切られており相手の顔は見えないが

気配からTS転生者で間違いない

 

神託が発動しこのTS転生者の情報は大体分かった

 

「神も見ているこの場では嘘偽りなく罪を告白してください」

 

「では、俺から質問をするぞ?」

 

「え?質問ですか?」

 

「隣国のガビンは知っているな?」

 

「は...はい」

 

「そこで奇妙な事が起こった」

 

「なんでしょう」

 

「盗賊団が次々と姿を消していった、勿論国や村は盗賊が減って大喜びと言った話だが」

 

「それが...どうかされましたか?」

 

「でも1つおかしな点がある、盗賊団から襲われていた街や村の5箇所共通して1人の女性が犠牲になっている」

 

「........」

 

「名前は全て違うが誰もが振り返る美貌と人柄の良さを持ち合わせていたと」

 

「........」

 

「盗賊団を前に自身と多額の財産を全て渡すのでどうかこの村に手を出さないで下さいと...5箇所全て」

 

「シスターは偶然だと思うか?俺はマッチポンプにしか見えないのだが」

 

「何故かバレているようですね」

 

カーテンから出てきた修道服を着たブロンド色の髪の女性は

豊満な胸と絵画の様な美貌を兼ね備えていた

 

「ガビンの盗賊達は危機感を感じ他の国に逃げ出した、そして平和なガビンでは大勢を曇らせる事ができない、そして次の標的がここアルトラン国の盗賊を利用しようとしている」

 

「えぇそうです、村人の信頼を得て盗賊や悪人に身を差し出す事に喜びを感じていました」

 

ミホリは目を細め白く艶やかな手を鈴木の手に重ね耳元で囁く

 

「ですが悪人は全て屠ってきました、それは正義だと思いませんか?」

 

「正義を盾に人を曇らせるTS転生者を止めさせる為に俺はここにいる」

 

「ッ!?」

 

ミホリは驚愕で目を見開き鈴木から距離を取った

 

「どうして転生者だとッ!!」

 

「お前が元男だと云うのも分かっている」

 

「なにが目的ですか...」

 

「他人を曇らせるのをやめろ」

 

 

ミホリは目を泳がせ胸に手を握った

 

 

「...む...無理です」

 

「改心するまで俺が阻止する」

 

「あなたには私の苦悩なんて分からない...」

 

ミホリは部屋を飛び出していくが鈴木は座ったままだった

 

 

__

 

 

「ボス!!村が見えてきやしたっ!!」

 

「ここが金貨を貯め込んだ貴族の隠し家があるって村か」

 

 

盗賊団100名が村を蹂躙しようと息巻いていた

 

 

「なんやあいつ」

 

もうすぐで村の入り口という所で1人の男が仁王立ちしている

 

「轢き殺せ」

 

「了解っす!!」

 

「グボッベラッ!!」

 

痩せた眼鏡の男は勢いよく宙を舞い血飛沫を上げながら林に飛んでいった

 

「先に貴族の家を見つけろ、その後はお前たちの好きにしていい」

 

「オォォォォォォォォ!!」

 

盗賊団の声が村に響き渡る

 

 

「お止めください」

 

麗しいシスターが馬から降りた盗賊達の進路を塞いだ

 

「ミホリちゃん!!」

「ミホリ様!?」

「ミホリお姉ちゃん!!」

「シスターァァァァァ!!」

 

影に隠れていた村人達はシスターの行動に驚きを隠せない

 

「お金が目的でしたら私の教会の地下を見てください、全員が袋一杯の金貨を持ち帰れます」

 

「あぁん?お前もしかして貴族か?」

 

「...没落貴族ですが、お金は差し上げますので村人には危害を加えないでください」

 

盗賊団のボスはシスターを舐め回すように視線で嬲る

 

「そいつは無理なこったなぁゴミ共も溜まりに溜まってんだわ、女も子供も村の全てを頂く」

 

シスターは胸元から虹色に輝く十字架のネックレスを取り出した

 

「そ!そのアイテムは!!」

 

「戦争で使われるレジェンドアイテムです、指定した範囲の人と物に結界を貼ります」

 

「チッ...だが時間を掛ければ結界は弱まる」

 

「私と財産を全て差し上げますのでこの村だけには手を出さないでください」

 

シスターは地面に頭を擦りつけた

 

「ボス!どうされますか、半日を過ぎると騎士団が来る恐れがありますぜ」

 

「あの女とレジェンドアイテムと金が手に入ればお釣り以上だな...よし、あの女を連れてこい」

 

無骨な盗賊から両脇を拘束され連れ出されるシスターに村人達はただ慌てる事しかできない

 

「約束です、村には手を出さないでください」

 

「おうよ、その代わり楽しいパーティーが待ってるのは理解してるよな?」

 

シスターは何も言わず澄んだ目で盗賊のボスを見つめ返した

 

「そんな顔が出来るのも今のうちだ」

 

教会から大量の金貨を持ち出され

シスターは盗賊から連れ去られていった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。