曇らせ愉悦部VS曇らせ許さないマン   作:コ↑コ↓ナッツ

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盗賊の最期

 

シスターが連れ去られてしばらく

村人は集まり今すぐ救出に行くか騎士団の到着を待つか悩んでいた

 

「今もミホリちゃんは乱暴されているのよ!?男達は何の為にいるのよ!!」

 

「俺たちも助けに行きたいが農家ばかりのこの村じゃ助けに行っても死人の方が多くなる...」

 

「この玉無し!いいわ私達だけでも行きましょ!!」

 

 

「待て、お前達」

 

 

村人達の白熱した口論に割って入ってきたのは長い木の枝を杖代わりにした血だらけの冴えない男だった

 

「誰だ君?というかその傷は大丈夫なのか?」

 

「問題ない、それよりシスターについて話す事がある」

 

村人達は水を差され高まった熱が一旦ひき

とりあえず男の話を聞く事にした

 

「シスターはかなりの実力者だ、恐らく盗賊どころか騎士団ですら1人で殲滅できるほどにな」

 

「こんな時に冗談言ってる場合じゃねぇぞ!!」

 

村人が鈴木の胸ぐらを掴み上げ鈴木はウッと呻き声を上げる

 

「ほ...本当だ、証拠は無いが隣国で盗賊団が幾つか壊滅した噂は誰か知っているだろう、それをやったのはシスターだ」

 

「馬鹿馬鹿しい!もしミホリ様にそんな力があったとしたら今さっき盗賊達をやれば良かったじゃねぇか!」

 

鈴木は村人を安心させようと話しかけたのは悪手だったと目を瞑った

 

「俺がシスターをこの村に連れて帰る、俺の発言が嘘であったとしても現実的に騎士団の到着を待つしかない」

 

既にボロボロで強そうにも見えないこの余所者に村人達は頭のおかしい狂人を見ている様な視線を向ける

 

「勝手に死んでろ」

 

胸ぐらを離した村人はまたあーでも無いこーでも無いと口論を始めた

 

 

__

 

 

仮アジト「洞窟」にて、

金貨で出来た山に盗賊達の気分は最高に昂っていた

 

 

「うひょぉぉぉこれ全部でいくらだぁぁぁ!?」

 

「この女、貴族どころか王族だったんじゃねぇか?」

 

「ボス!早くこの女ヤッちゃいましょうぜ!!」

 

「おい新入り!お前チェリーだろ!先に譲ってやんよ」

 

ミホリは手に鎖を枷られ身動きが出来なく静かに身を寄せている

 

「おい女ぁ」

 

盗賊のボスは乱雑にミホリの長い髪を掴み顔を上げさせた

 

「今から全員の相手をしてもらうが言う事あるか?」

 

 

「相手になりません」

 

 

バタバタバタバタバタバ

タバタバタバタバタバタ

 

 

盗賊全員が一斉に同じタイミングで地面へとめり込んだ

 

 

「ヌギギギギギギィィ」

 

「潰れるッ!!潰れるッ!!」

 

「なんなんだチキショウ!!身体が動かねぇぞぉ!!」

 

 

鎖を破壊し

ただ1人だけゆっくりと立ち上がるシスター

 

 

「お...んな...何をしやがった」

 

「重力を操る魔法です、もっと派手なのがお好みですか?」

 

ミホリが右手をかざした場所に空間の歪みが出現し周りの金貨や岩石が吸い込まれていき

 

1つの巨大な球体を作り出した

 

「重力...なんなんだそりゃ...」

 

ミホリは人差し指をチクタクと振ると

巨大な球体も指に合わせ軽々と浮かぶ

 

 

「まずは半分」

 

 

ズガッ

 

 

球体は一瞬地面に落ち直ぐ様浮上すると

地面には血の海が広がっていた

 

 

「今死ねた人は慈悲です、今から1人ずつ己の肉体の悲鳴を聴きながら死んで下さい」

 

「チッ...まんまと嵌められたって訳か...」

 

最初に盗賊のボスが悲鳴を上げながらカエルの様に轢き潰されると他の団員はあまりの恐怖で無様に命乞いをするしかなかった

 

...

.....

 

 

「あなたが最後です、新人と言われていたので様子を見ていましたが何か言うことは?」

 

辺りは破裂した肉塊ばかりで

悲惨としか表現できない

 

「だ...びゅでげぇ...だぶ...」

 

新人の少年は穴という穴から汁を撒き散らし

ただ涙を流していた

 

「私がいなかったら貴方はあの村で奪い嗤っていたでしょう?」

 

「そびゅ...おればッ....じにゃい...グズッグズッ...」

 

新人はただ嗚咽としゃくり上げるだけで

何を言ってるか聞き取れない

 

「貴方は特別に苦痛なき最期を与えます」

 

「やめ...また死にだぐゅ...な」

 

 

頭上の岩石が落ちてくる瞬間

 

 

目の前に男が横切る

ボロボロと砕け散った岩の霧の中に眼鏡の男が立っていた

 

 

「シスター村に帰るぞ」

 

(どうして此処が...いや...村から私を見つけだした時点で...)

 

ミホリは眼鏡の背にいる盗賊を睨む

 

「その盗賊を殺します」

 

「俺に神託が降りてきた、この子は見逃せ」

 

「庇うなら貴方も同罪ですよ?」

 

「よしみを2人も殺すのか?」

 

「罪と分かっていて加担したんです、どんな言い分であれ殺します」

 

盗賊を岩ではなく重力で一気に潰すそうとするが

 

 

「私の魔法が効かない...」

 

 

新人の盗賊は重くのし掛かっていた重力から解放され体を横にしていた

 

 

「ち...近寄らないで...」

 

岩石を石を重力を全て全て全て全て

出し切れるだけ出力しても何も起こらない

 

私は絶対的な自信があった魔法を使えず戦意喪失した

 

そして目の前にいる何故かボロボロの眼鏡の男

 

「気は済んだか?村のみんなが心配してる」

 

「村のみんなとは会わせる顔が無いわ...」

 

「シスター、あんたは盗賊に金の情報を掴ませて村を襲わせた」

 

「はい...」

 

「結果的に盗賊は退治した、ハッピーエンドだ」

 

「村のみんなの良心を裏切りました」

 

「アンタが帰らないと村人の表情が曇ったままだ」

 

「ダメ...この世から盗賊を消し去るまでは...」

 

「わざわざ村人と交流を持ったって事は盗賊の中にも良心がある人がいる事を信じていたんだろ?」

 

シスターはポカンとした顔で首を横に振る

 

「全然違います...」

 

「そうか...」

 

鈴木は咳をし、のびている盗賊を背負いシスターと共に村に帰った

 

__

 

 

「ミホリちゃん良かったぁぁぁ!」

 

気の良さそうなおばさん達から抱きしめられ目を回しているミホリ

 

「まさかあの不審者がシスターを本当に連れて帰ってくるとはなぁ」

 

「んだんだ、お前は謝るっぺ」

 

胸ぐらを掴んだ村人がお詫びに野菜や果物を持って鈴木の元へ

 

「悪かったな疑って、だが本当にミホリ様は強いのか?」

 

「あぁ、全員容赦なく殺した」

 

「うひぁ...女ってやっぱり怖いのな...」

 

鈴木の後ろには盗賊少年が着替えを済ませスヤスヤと眠っている

 

「むにゃ...おやびん腹が減ったっす...」

 

「その子は女の子か?」

 

「顔は女に見えるが男だ」

 

「こんなガキでも盗賊やってるんだな」

 

会話に気付いたのか少年はゆっくりと瞼を開くとカタカタと震えだし

 

「あばばばばばばばばばばばば」

 

震えながらダイナミックおねしょをかまし落ち着くまで10分の時間を要した

 

ベッドに縮こまった少年はホットミルクをちびちびと口に含む

 

「助けてくれて感謝っす...」

 

「あぁ」

 

「俺の体...見たっすよね?」

 

「拭かないと色々汚かったからな」

 

「ワタシノハジメテガコンナ...」

 

少年は顔を伏せぶつぶつと何か言い始める

 

「名前は?」

 

「リオンっす」

 

村人は粗相したシーツを干し終え

部屋に入ってきた

 

「お前なんで盗賊なんか入ったんだ?」

 

リオンは村人に一言謝り話を続けた

 

「どうしても欲しいレジェンドアイテムがあるんすよ、だったら盗賊になればいつか見つかるかなって」

 

鈴木はレジェンドアイテムという言葉に興味を示す

 

「どんなレジェンドアイテムなんだ?」

 

「ケケケ...助けてくれたお礼っす、ここだけの話っすよ?」

 

リオンはニヤついた顔で口に手を当てた

 

「伝説の玉を7つ集めると願いが叶うっす」

 

鈴木はピクッと反応しリオンを見つめる

 

「合言葉はあるのか?」

 

「日本語といわれる古代語が必要っす」

 

「玉から緑の龍は出るか?」

 

「なんで知ってるんすかッ!!」

 

「お前と同じ転生者だからな...」

 

村人は話について行けず「?」を浮かべた

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