曇らせ愉悦部VS曇らせ許さないマン   作:コ↑コ↓ナッツ

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もーーごもももーごん!!【女神の聖域!!】

 

ベッドにリオン

椅子に鈴木

村人はドア付近に寄りかかっている

 

「俺以外にも転生者いたんすね...」

 

リオンは鈴木の顔をまじまじと観察した

 

「転生者と明かす理由もないからな、探せば結構居るぞ」

 

「てっきりこの世界は◯◯◯◯ボールの世界かと思ってたっすよ」

 

「...◯◯◯◯ボール?」

 

「色々な種族がいて、空を飛んでいる金髪の人を見かけた時はそう確信したっすね」

 

「確かにこの世界は漫画みたいだな」

 

「お前らさっきから何話してんだ?」

 

鈴木は「大した事じゃ無い」と椅子から立ち上がり

村人達から揉みくちゃにされているミホリのいる場所へ移動する

 

ミホリは鈴木に気がつくと軽く会釈した

 

「鈴木さんとお話しがあるので少し外しますね」

 

「ミホリちゃんにも春が来たのね〜」

 

「正直あの人ちょっと薄気味悪いわよね...」

 

「ほら、人は見た目じゃなく中身って言うじゃない」

 

「失礼します」

 

ミホリはスッと集団から抜け出し鈴木の前にやってきた

 

「人気の無い場所に行きましょうか」

 

__

 

 

村の外れに移動し改めて向き直る

 

「単刀直入に言う、人を曇らせるのを止めろ」

 

「分かりました、他人を曇らせないと誓いましょう」

 

鈴木は訝しむ

 

「やけにあっさりだな」

 

「私が無事に帰ってきて泣いてる女の子が居ました、それを見て私も変わらないといけないと思いましたので」

 

鈴木はミホリの真意を探ろうとするが

愉悦の気配は薄まっている

 

「ならいい、また曇らせようとしても俺が阻止する」

 

「分かりました」

 

話は終わり少しの沈黙

 

「私からも1つお聞きしても?」

 

「なんだ?」

 

「盗賊の様な犯罪者は粛清しないのですか?」

 

「俺に悪人を裁く力は無い」

 

ミホリは鈴木にニコりと微笑む

 

「転生者の場所を特定する能力、それに恐らくその能力も封じる、貴方は神の遣いですか?」

 

「俺はTS転生の曇らせを許さない、ただそれだけだ」

 

鈴木はフッと鼻で笑ったがお漏らしを思い出した

 

「盗賊の新人...リオンがトラウマになっているから顔を見せないでやってほしい」

 

「わかりました、あの子もこれに懲りて悪の道に進まないといいのですが」

 

 

__

 

 

大きな蒼い瞳に暗闇でも煌めくような白髪

声も顔も瓜二つで判別のしようが無い辺境伯の娘2人

 

双子の姫は月明かりの漏れたベッドの上で身を寄り添う

 

「レミィ、今夜も頑張りましょうね」

 

「美しいお姉様の姿を早く見たいです」

 

「では行きましょうか」

 

背中から禍々しい翼を生やした妹のエミリーは姉、フランを抱き寄せ満月の夜を舞った

 

 

...

 

 

カンカンカンカン!!

カンカンカンカン!!

 

「グールが攻めてきたぞぉ!!」

 

「なんだあの量は...」

 

「身体強化を使えない奴は後衛にまわれ!!」

 

無数の腐ったグール達が村の第一防壁に群がる

 

「このままじゃ壁が保たない!門を開き1箇所で駆逐するぞ!!」

 

「偶然だが魔法使いもいるから心強いぜ!」

 

魔法使いの尖り帽子、エナンを被った丸眼鏡とソバカスが特徴の少女

イーリヤは首を勢いよく横に振る

 

「ききき期待しないでくださいね...私は3属性初級魔法しか扱えませんので...」

 

「魔法が使えるだけで百人力よぉ!派手に頼むぜ嬢ちゃん」

 

「何でこんな...」

 

実践経験がほとんどないイーリヤは痛む胃を誤魔化す様に杖を強く握りしめた

 

...

 

 

無理をしない前線維持と

イーリヤの回復魔法が功を成し死人こそ出ていないが

 

状況は最悪

 

「また剣が折れやがった!!鍋でも何でもいいから殴れるもん持ってこい!!」

 

「そもそも平民が沢山のアンデットと戦うなんて正気の沙汰じゃないですよぉぉぉぉ」

 

「嬢ちゃん!!喚いてないでコイツを回復させてやってくれ!!」

 

村人のグールから噛まれた痛々しい腕にイーリヤは回復魔法を施す

 

「傷は治りますが私の初級魔法じゃ血までは増えません...これ以上怪我をすると本当に...」

 

魔力の使いすぎにより脂汗を浮かべ顔色の悪いイーリヤは力が抜けペタンと座り込む

 

「大丈夫か嬢ちゃんッ!?」

 

 

バゴンッッッッ

 

 

グールの入ってくる量を制限する為に半分だけ開閉していた門が突如破壊された

 

ピダッ

 

グールの動きが一斉に止まり跪くと

門から黒いドレスに仮面を被った謎の女が姿を表す

 

「黒の魔女...」

 

「まさか、嘘だろ...」

 

村人達の異様な反応にイーリヤも嫌な予感を覚える

 

「すみません黒の魔女とは?」

 

「このクソ野郎達を作り出してる張本人だ、姿を見せたって事は本気で此処を潰すつもりなんだろ」

 

満身創痍の村人達は事前に話あっていた行動をとる

 

「俺達が囮になるから嬢ちゃんは村のみんなを連れて逃げてくれ」

 

「回復はどうするんですかッ!?」

 

「死人に回復は効かねぇだろ?まぁそう言う事だ、付き合わせて悪いな嬢ちゃん」

 

黒の魔女はユラユラとこちらに近づいてくる

 

「私がやるしか...」

 

イーリヤは決心し村人達の前にでた

 

「聖級魔法を使います、皆さん離れてください」

 

突然の出来事に村人達は呆然とする

 

「嬢ちゃん早く逃げろっ!!」

 

「私の命と引き換えに結界を張ります」

 

「「!!」」

 

イーリヤは詠唱を開始しようとするが村人達から肩を掴まれる

 

「よせ!嬢ちゃんはそこまでしなくて良い、村は俺達に任せてくれ」

 

「静かなるマナよ妖精の加護よ母なる大地を愛する...」

 

「やめろッ!!話を聞け!!」

 

村人は詠唱を続けるイーリヤの口を手で塞いだ

 

「もごもごこん、もごごご、もごんんんごも、ごもももん」

 

「やべ!!口を塞いでも詠唱を続けてるぞぉ!!」

 

 

【もーーごもももーごん!!】

 

 

イーリヤの命と引き換えに

結界は張られ村人達は難を逃れた

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