リコリス・リコイル 運命を切り開く者たち 【リメイク】 作:hayato0121
約2週間ぶりの投稿になってしまいましたが、前回も言った通り今回はオリジナルストーリーをお送りします。
「クルミ、ちょっと聞きたい事があるんだけどいいか?」
「何だ?」
本部でライセンスの更新を終えてから数日が経過し、いつものように営業していた喫茶リコリコの営業時間が終了した後に俺はクルミに聞きたい事があったので今も座敷の中で画面を操作しているクルミのところへやってきた。
「単刀直入に聞くけど、銃取引があったあの日、ラジアータをハッキングしたのはお前か?」
「・・・・何故そう思った?」
するとクルミはキーボードを打つのをやめて真剣な表情で首をこっちに向けてきた。もしかして当たりか?
「本部で知り合ったエリカちゃんが言ってたんだよ。あの日、ほんの数分だけど通信障害が起きたって。ラジアータがモニタリングしてる任務中に通信障害なんて普通に考えたらありえない。だから誰かがハッキングしたとしか思えないんだよ。」
「それで何で犯人がボクだと思ったんだ? ハッキングってだけなら犯人がボクだと断言する理由にはならないと思うが・・・・」
「確かにな。けど、あのラジアータをハッキングできるって事はそいつは相当な実力をもったハッカーだってことだ。んでもってそれから数日後にお前からの護衛依頼がきた。ウォールナットって凄いハッカーなんだろ? そんな奴があのタイミングで誰かから狙われるなんてまるでラジアータをハッキングした事に対する口封じの為に狙われたとしか思えないんだよ。実際、何でクルミが狙われたのか? その理由を俺達は教えられてないわけだしな。だから俺はお前がラジアータをハッキングした犯人だと判断したんだが、どうなんだ?」
「・・・・半分正解ってところだな」
半分かよ。まぁそれでもちょっとは答えに近づけたってことか?
「じゃあやっぱり・・・・」
「あぁ、確かにラジアータをハッキングしたのはこのボクだ。だが、狙われた理由は別にある」
「別の理由?」
「そうだ、ボクは無知でいるのが嫌いでね。だからラジアータへのハッキングを依頼してきた依頼人は何が目的でこんな事をしたのかを知ろうとした結果、狙われる羽目になったんだ。要するに深追いしすぎたのさ。」
「その依頼人って誰なんだよ?」
「・・・・・・・・」
俺がクルミに依頼人が誰かを聞くとクルミは黙ってしまった。
「頼む教えてくれ。俺も無知であるのは嫌いなほうなんだ。いざという時にお前や千束達を守る為にも相手が誰なのか知っておきたいんだよ」
「・・・・知ったらお前も狙われるかもしれないぞ?」
「その時はその時さ。こういう仕事してる以上、狙われる覚悟はできてるつもりだ。だから教えてくれ」
「・・・・ハァ・・・・『アラン機関』だ」
「っ!?」
アラン機関だって!? 何でその名前がこのタイミングで出てくるんだよ。一体どういうことだ?
「何でだ? 何でアラン機関がそんな事を・・・・」
「知るか・・・・それを突き止めようとした結果、ボクは狙われる身になったんだからな」
「そっか・・・・」
ますますわかんねぇ、一体アラン機関は何がしたいんだ?
「蓮! クルミ!」
「ん?」
すると店の方から千束が声をかけてきた。
「どうした?」
「先生が話あるから2人とも来てくれってさ」
「わかった、すぐ行く」
俺がそう答えると千束はお店の方へ戻っていった。
「さてと・・・・」
「待て」
俺も戻ろうとするとクルミに呼び止められた。
「ボクがハッキングの犯人だと知って、お前はどうするつもりだ?」
「どうって?」
「千束達にはこのことを伝えないのか?」
そうだな・・・・
「んん〜、今はまだいいかな」
「何故だ? ボクが犯人だと打ち明ければ、事件は大きく進展するかもしれないし、たきなのDA復帰だって叶うかもしれないんだぞ?」
「そうかもしれないけど・・・・けどやっぱり仲間を売ってまで事件を解決しようだなんてどうしても思えないんだよなぁ・・・・」
「仲間? ボクが?」
「あぁ、クルミだってなんだかんだ言いながらも俺達に協力してくれるし、それにここでの生活もとても楽しそうにしてただろ? ほら、ボドゲ会の時だって常連のみんなとも仲良くしてたしさ」
「それは・・・・」
「クルミはただ依頼を遂行しただけでそれを計画したわけじゃないし、たきなだって、今はここでの生活を少しずつだけど自分のものにしようと頑張ってるからその邪魔をしたくないんだよ」
たきなは本部での出来事があって以降、少しずつだけど俺達に心を開くようになってきた。そんな彼女の姿を見てると俺も、きっと千束達も嬉しくなるんだよなぁ・・・・
「だから、今はこれでいいんだよ」
「・・・・そうか」
するとクルミは自身のノートパソコンを持って座敷から出てきた。
「まっ、お前の好きにすればいいさ」
そう言ってクルミは俺より先にお店の方へと歩いていった。
「あぁ、そうさせてもらうよ」
俺もその後に続いて歩いていった。
「こちら蓮、指定されたポイントに到着したぞ」
『よし、こっちから連絡があるまでそこで待機だ』
「了解」
俺はバイクで移動してクルミに指定されたポイントに到着したのでそれを通信で知らせると、ドローンを使いながらリコリコで指示を出しているクルミからの連絡を受けてこの場で待機することになった。
リコリコ閉店後に先生に呼ばれた俺達はお店の中で"仕事"の話を聞いた。
勿論喫茶店とは違うほうの仕事の話だ。
内容は裏取引で悪さを働いている連中の制圧と確保だ。
今頃は千束とたきなが内部に突入して連中を取り押さえている頃だろうが、念のためにとバックアップを担当する俺は奴らが潜伏している二階建ての建物から100mくらい離れた場所にある有料駐車場で待機している。
そして待機し始めてから数分が経過した。
『蓮、連中の仲間らしき男が2人、建物から出てきて車に乗って逃走しようとしてるぞ。車は銀色の普通自動車だ。急げ!』
「わかった」
ドローンで周辺を監視していたクルミからの連絡を受けた俺はビートチェイサーのエンジンをかけて走りだした。
〜たきなサイド〜
店長から今回の仕事の話を聞いた私達は千束と共に標的が潜伏していると思われる建物の入口から気付かれないように侵入しました。
『その先を右に曲がったところに大きな部屋がある。恐らく連中はそこにいるはずだ』
「了解です」
建物の構造を把握したクルミからの指示を受けた私達は指示通りに歩き続けると・・・・
「ここですね」
私は到着した部屋の扉を少しだけ開けて中を覗いてみると標的と思われる人物達の存在を確認できました。
「たきな、どう?」
「いました。どうします? 突入しますか?」
「そうだなぁ〜、よし! 私が先に行くからたきなは後から入ってきて後ろから援護して」
「わかりました」
私達は作戦を立てると千束が扉を開けて部屋の中へと入っていきました。
「こんばんは〜っ!」
「っ!? 誰だお前!?」
すると中にいた男達5人が千束の声に反応してこちらを警戒していました。
「お兄さん達さぁ、いけない取引してるんでしょ? ダメだよぉ〜、そんな事しちゃ・・・・」
「うるせぇ! ・・・・ていうかよく見たらまだガキじゃねぇか。 ダメだぜ、ガキが一丁前に警察の真似事なんてしたらよぉ。そんな子にはお仕置きしなくちゃな・・・・」
そう言いながら男の一人が千束に近づいていくとその手で彼女の胸に触ろうとしていたので私は銃を構えると・・・・
「ぐあっ!」
「ほい! 正当防衛成立っと!」
そう言いながら千束は男の手を掴んでそのまま投げ飛ばしました。
「このガキ・・・・うっ!」
倒れた男が立ち上がって千束に突撃しようとしましたけど、その前に千束は男の頭を非殺傷弾で撃ってそれが命中した男は頭から非殺傷弾が命中した際に出る赤い煙を出しながら仰向けに倒れました。
「っ! この野郎!」
すると仲間の男の一人が私達を狙って銃を発砲しますが、私と千束はそれぞれ左右に飛んでそれをかわすと私が一人、千束がもう一人を狙って発砲し、私が狙った相手は左肩、千束が狙った相手は上半身の身体にそれぞれ命中して戦闘不能にしました。
「こ、こいつらヤベェ!」
「に、逃げろ!」
「あっ、コラ!」
千束が叫んでましたけど残りの男二人はここが一階という事もあるので窓を開けてそのまま外へ出て逃げてしまいました。
けど、絶対に逃がさない!
「千束、ここはお願いします!」
「え? ちょっ!? たきな!?」
私は千束にそう伝えると男達の後を追って窓から外に出て追いかけました。
しかし男達は駐車場に止まっていた銀色の普通自動車に乗ってそのまま逃走してしまいました。
「クルミ!」
『わかってる。今そっちに援軍を送ったから少し待て』
「援軍?」
私は援軍と言われて誰が来るのかと考えたけど、この状況で来てくれるのは誰かと言われて思い当たる人物は私の中では一人しかいませんでした。
するとそこへバイクのエンジン音と共に一台のバイクがやってきました。
そのバイクは私の思ったとおり、黒い車体に赤いラインが入っていて、それに乗っているのはいつもの黒い制服に黒いオフロードヘルメットを被ったあの人がバイクに乗ってやってきました。
「たきな、乗れ!」
「はい!」
そう言って蓮さんは私に、私や千束がバイクに乗る時はいつも貸してくれる白いシールド付きジェットヘルメットを渡すと、私はそれを受け取って被り、蓮さんの後ろに座って背後から彼の身体にしがみついた直後にバイクは走り出しました。
〜たきなサイドアウト〜
「クルミ、相手の車の位置はわかるか?」
『その先のT字路を左に曲がった先を走ってる。今ならまだ追いつけるぞ』
「了解!」
俺はドローンで追跡をしてるクルミの指示に従ってビートチェイサーを走らせた。
住宅街を抜けてT字路を左に曲がって走り続けると今はもう夜の23時過ぎということもあるので他の車は走っておらず、目の前に走る銀色の普通自動車の存在にもすぐに気付けた。
やっぱりこのバイクめちゃくちゃ速ぇな。
「たきな、あの車で間違いないか?」
「はい。間違いないです」
俺は念の為に後ろにいるたきなに確認を取るとどうやら目の前の車が目的の車で間違いなさそうだ。
「けどどうやってあの車を止めるか・・・・」
「なら私に任せてください」
「え? たきな!?」
するとたきなは銃を構えたまま身体を横に逸らして相手の車を狙っていた。
まさかここから中の人間を狙う気か?
「たきな、ちょっとま・・・・」
パン!
俺が最後まで言い終える前にたきなは発砲してしまった。
そして彼女の弾は相手の車の左後ろのタイヤに命中してパンクすると全速力で走っていた車はバランスを崩して左右に揺れながら走り続けた後、車道の外にあった柱に激突して動かなくなった。
スゲェ、こういうのテレビや映画でよく観るけどホントにやる人っているんだな。
そんな事を考えながら俺は相手の車の左斜め前にバイクを止めて車の中を確認すると車内はエアバックが作動しているおかげで男2人は生きていた。
そしてどこか負傷しているのか2人とも車から出てくるとフラつきながらも何とか逃げようと歩き続けていた。
それを見たたきなはヘルメットを被ったままバイクから降りると男2人に対してアメリカで使われている『ボラ・ラップ』と呼ばれる相手を糸で拘束する時に使うアイテムを改良した物を使って男達の手足を縛って拘束した。
「たきな?」
「ふぅ・・・・これでいいんですよね?」
たきなは被っていたヘルメットを取り、風で靡く髪を片手で抑えながら俺にこれで良いかと聞いてきた。
その時の彼女の姿はどこか綺麗で少しだが俺はその姿に見惚れてしまった。
「蓮さん?」
「え? あぁ・・・・上出来だ」
そう言って俺は右手を出すと、たきなも最初はキョトンとしていたがその後すぐに俺が何をしたいのかを理解したらしく、彼女も微笑みながら右手を出して一緒にハイタッチをした。
それから男達と現場の後処理をクリーナーに任せると俺はバイクで、千束とたきなは近くで待機していたミズキさんの車に乗ってそれぞれリコリコへと戻っていった。
「ぶぅ〜」
店に戻った俺達はかなり遅い夕食、いや最早夜食を俺が作る事になり、人数分のカルボナーラを厨房で作っている。といってもレストランで作るような本格的なものではなく、スーパーで売ってる麺やソースを使って作ってるんだけどな。その間もなぜか千束はリコリコに戻ってからずっとカウンター席に座ってうつ伏せになりながら唸っていた。
因みに服装はみんな帰ってきてからもそのままなので、俺と千束とたきなは制服、ミズキさんとクルミは私服で先生はいつもの和服を着ている。
「うっさい! さっきから何唸ってんのよ!」
そして痺れを切らしたミズキさんが千束にツッコんだ。
「だって、最近のたきなと蓮ってなんかすっごい仲良いじゃん?」
「そうですか?」
千束の側で立っていたたきなが千束にそう言ったけど、まぁ、確かに最初の頃よりは仲良くなれたかなって俺的には思っている。
「そうだよ! 私がフキ達とバトってる間に何か2人で話してたっぽいし、今日だっておいしい所は2人に取られちゃったし・・・・何かズルい!」
「別にズルくないですよ」
千束が変な事を言ってるがたきなは普通に思ったことを言ってくれたけど、とんだ言いがかりだな。
「ほらほら、そんなこと言う奴は飯ぬきな」
「えぇ!? 嫌だ嫌だ! ごめんなさい! 謝るからどうかお許しを・・・・」
「はいはい。わかったからとっとと食べろ」
「やったぁ!」
「切り替え早っ!」
ミズキさんの言う通り、めちゃくちゃ切り替え早いなぁ、まぁいつものことだけど・・・・
「喫茶店なのにパスタですか?」
「いいのいいの! 別にメニューで出してるわけじゃないんだし、いただきま〜す!」
たきなの思う事もわかるけど、千束の言う通りメニューとして出してるわけじゃないし、今は営業時間外だし大目に見てもらえると助かります。
「んん〜、美味しい!」
「ほら、たきなの分もあるからどうぞ?」
「ありがとうございます」
そして俺がたきなや他のメンバーの分のカルボナーラを持ってくると、先生やミズキさん、クルミもカウンター席に横並びで座り、たきな以外のメンバーも自分の分を食べ始めた。
「ほら、たきなも食べなよ」
「冷めないうちにどうぞ」
「い、いただきます」
千束と俺に勧められてたきなも俺が作ったカルボナーラを食べた。
「・・・・美味しい」
「でしょ!」
「口にあって良かったよ」
「蓮さんって和菓子以外の料理もできるんですね?」
「まぁな。でも俺の場合、一緒に住んでる先生は和菓子以外の料理は苦手みたいだし、クルミも料理できないから俺が料理するしかなかったんだよな」
「「悪かったな」」
すると先生とクルミが声をそろえて俺に文句を言ってきた。
ごめんなさい。
俺が悪かったです。
「そうだたきな、この前のボドゲ会の事なんだけどさ・・・・」
それからカウンター席の隣同士で食事をしていた千束とたきなは楽しそうに話をしていた。
それを側で見ていた俺はいつまでもこの2人や周りのみんなが笑顔で過ごせる場所やそんな日常を全力で守ろうと改めて誓ったのであった。
次回はアニメ本編の話をお送りしますのでお楽しみ!
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