リコリス・リコイル 運命を切り開く者たち 【リメイク】   作:hayato0121

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遅くなって申し訳ありません。


サイレント・ジン

松下さんを狙っているサイレント・ジンを追って俺はビートチェイサーに乗って道路を走っているが、その前方を黒いコートを着たジンが同じくバイクに乗って道路を走っていた。

 

流石にこんな場所で銃を使うわけにはいかない。

 

そう思った俺は少しでもジンに近づこうとスピードを上げた。

 

「なっ!?」

 

するとそれを予測していたからのようにジンはワザとバイクの速度を下げて俺の隣に並ぶ瞬間を狙って右隣にいる俺の胸に肘打ちをしてきた。

俺はそれをギリギリ肘を曲げた左腕でそれをガードしてそれからすぐに左手を横に勢いよく振って反撃するがジンはバイクを遠ざける事でそれを回避して再びこちらに寄せてくる時には右足で蹴りをしてきたので俺もビートチェイサーをジンのバイクから離す事でそれを回避する。

 

その後もお互いに相手を殴ったり、それを防いだりをしながら横一列でバイクを走らせ続けた。

 

くそっ、このままじゃ埒があかない。どうする?

 

すると・・・・

 

「っ!? 待て!」

 

車線の外側を走っていたジンは途中で車線変更して俺の近くから離れてしまった。

 

「まずい!」

 

俺は慌てて来た道を引き返してジンを追いかけるが完全にジンを見失ってしまった。

 

「あぁくそっ! やられた!」

 

ジンはこれを狙っていたんだ。俺を千束達から引き離す事で確実にターゲットを仕留める環境を準備していたんだ。俺がジンを引き離しているつもりだったけど逆に俺が引き離されていたんだ。

 

「クルミ悪い、ジンを見失った。千束達に警戒するように伝えてくれ。俺もすぐに戻る」

 

『わかった』

 

クルミに通信を終えた俺は千束達がいる美術館へとビートチェイサーを走らせた。

 

 

 

〜たきなサイド〜

 

『ミズキとの連絡が途絶えたが気絶しているだけらしい。蓮も振りきられてしまった。ジンが仕掛けてくるぞ』

 

「私に任せてください」

 

「ちょったきな!?」

 

まさか蓮さんが相手を仕留め損なうなんて・・・・

 

それだけ相手が強敵だと判断した私は早速クルミと店長にサイレント・ジンの画像を端末に送ってもらった。

 

『屋内の監視カメラの映像を顔認証にかける。野外は予備のドローンを向かわせたから十分後には解析を始められる』

 

「ミズキさんは何処で襲われたんですか?」

 

『そこから500メートル離れた場所だ。美術館の入口はデパートの通路側だから館内のカメラで確認する。たきなは出口側に向かって目視で見張ってくれ・・・・ん? ちょっと待て』

 

私が鞄を胸元に持ってきていつでも銃を取り出せる状態にして待機しているとクルミが何かに気づいた。

 

『ミズキがジンに発信機を付けてた!死んでもこっちに情報を残した!』

 

『死んではいないだろ』

 

勝手にミズキさんを殺さないでください。

とはいえ、相手の位置がわかるのはこちらとしてもありがたいですね。

 

『もう美術館に来てる』

 

「外ですか? 中ですか?」

 

『・・・・後ろだ、たきな』

 

「・・・・っ!」

 

私が咄嗟にしゃがみ込むとさっきまで私の頭があった場所に相手の弾が命中していた。

 

私は振り向きながら3発連射で発砲するが相手の黒いコートによってそれを阻まれた。

その直後にジンは階段に繋がる通路へと逃げて行った。

 

「コートが防弾です!」

 

『そのまま千束達から引き離せ・・・・・・・・扉を出て右に走って行った』

 

「はい!」

 

私はクルミの指示に従いジンを追って美術館の屋上へとやってきた。

 

『15m先の室外機の裏に居るぞ』

 

私が目視で確認すると黒いコートが室外機からはみ出ていたので反対方向へと回り込んだ。

 

そして私はジンのいる室外機の裏に銃を構えた。

 

「なっ!?」

 

そこには発信機がついた防弾のコートだけが残されていた。

 

「クルミ!」

 

やられた、ジンを見失った。きっと蓮さんもこれにやられたんだ。

 

私は慌ててクルミに連絡して状況を知らせた。

 

 

〜たきなサイドアウト〜

 

 

〜千束サイド〜

 

「松下さん・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・何処行っちゃったの?」

 

私は松下さんと一緒に東京駅のホームから電車で逃げようとしていた所に先生から通信がきてミズキから連絡があったと知らされて安心した後に松下さんの方を見ると先程まで松下さんがいた所には誰もいなかった。私は慌てて駅の中を探し回ったけど松下は何処にもいない。

その後も駅の外に出て松下さんを探していると東京駅の赤レンガ駅舎の側で松下さんを見つけた。

 

「松下さん、どうしたんですか? 行きたい所があったんですか?」

 

『ジンが来ているんだね?』

 

「え?」

 

『アイツは私の家族を殺した。確実に私を殺しに来るはずだ』

 

『千束、たきなが撒かれた。気をつけろ』

 

私はクルミからの通信を聞いて相手が近づいてきている事に警戒しながら松下さんの話を聞いた。

 

『日本にいる限り、アイツは絶対に殺しに来る』

 

「なら、一度店に帰りましょう。避難してからどうするか考えましょう?」  

 

『私には時間がないんだ』

 

「千束! 逃げて!!」

 

「っ!」

 

近くからたきなの声が聞こえてきたと思ったら松下さんの車椅子のハンドルの部分に銃弾が当たったのに気づいた。

 

そしたら近くの工事現場の上の方でたきながジンに体当たりしてそのままジンと一緒に下へと落ちてくのが見えた。

 

「たきなーーーーーっ!!」

 

私は思わずたきなの名前を叫んだけど、すぐにはたきなからの返事が返ってこなかった。

 

『千束! 松下さんを避難させてください!』

 

良かったぁ・・・・たきな無事だったんだ。

 

「わかった。たきなが惹きつけてくれている内に急いでここから離れましょう」

 

『私の本当の依頼はジンを殺してもらう事だ』

 

「え?」

 

『君のペンダントの意味を私は知っている。君には使命がある筈だ』

 

「・・・・・・・・」

 

何で、どうして松下さんがそれを知ってるの?

  

「あああっ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

すると前からヘロヘロになりながらミズキが走って来た。

 

「・・・・ミズキ、松下さんをお願い」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・了解・・・・」

 

そして私は松下さんをミズキに任せて急いでたきなの所へ向かった。

 

でもどうして? どうして松下さんがペンダントの事知ってるの?

 

 

 

〜千束サイドアウト〜

 

 

 

「クルミ、東京駅に着いた。ジンとたきなは何処にいる?」

 

『赤レンガ駅舎近くの工事現場だ』

 

「了解」

 

ジンに逃げられた俺はクルミの指示に従い急いで東京駅に向かい、たった今到着した。

 

「うわああああっ!」

 

工事現場に到着すると作業員らしき人達が次々と逃げていく姿が見えたのでここにたきな達がいるのは間違いなさそうだ。

 

そして中へ入りたきな達を探していると走り回っているたきなの姿を見つけて近づこうとした途端、たきなが足を撃たれて転んだのが見えた。

 

「たきな!」

 

そして俺はすぐにたきなを撃った銃弾が放たれた方角を見ると上からたきなとの距離を縮めようと走ってくるジンを見つけた。

 

ヤバい・・・・今からジンの所に向かっても間に合わない。なら・・・・

 

「天童式戦闘術、水天一碧の構え」

 

間に合わないと判断した俺は右足の義足のスラスターを点火してジンとたきなの間に割り込んでたきなに向かっても撃たれた弾丸を全て右腕の義手を前にする形で両手をクロスささて防いだ。

 

「っ!?」

 

「蓮さん!?」

 

「悪いたきな、遅くなった。後は任せてくれ」

 

たきなにそう声をかけると彼女は何処か安心した表情を俺に見せてくれた。それから俺はジン方へと振り向きながら右手の義手を隠していた肌色の皮膚を弾き飛ばして義手の姿を露わにした。その状態で義足のスラスターを点火して一気にジンの所へと飛んで行った。

 

「っ!」

 

ジンは慌ててこちらに向かって発砲してくるが俺は再び右手の義手でそれを防いだ。

それを見たジンは距離を取ろうとその場から走って逃げた。

 

松下さんを狙い、たきなを、大事な後輩を傷つけたアンタを、絶対に許さねぇ!

 

「天童式戦闘術一の型三番・・・・轆轤鹿伏鬼(ろくろかぶと)!!」

 

俺はそのまま捻りを加えた拳を使って繰り出す『轆轤鹿伏鬼』でジンに殴りかかるがギリギリの所で回避されて俺の拳は鉄骨に直撃し、その鉄骨は俺の拳の所為でひん曲がっていた。

 

「逃すかよ!」

 

撤退を考えているのか明らかに逃げようとしているジンを追って再び義足のスラスターを点火して高くジャンプする事で走って逃げるジンの目の前に着地した俺は構えを取った。

 

「くっ」

 

ジンは逃げられないと悟ったのかようやく俺と戦う気になったみたいでこちらに銃を構えてきた。

 

お互いにその状態が少しの間続き、どちらが先に動くかという状況で互いの読み合いが静かな空間で続いていた。

 

パン! パン! パン!

 

「っ!」

 

すると近くから聞こえてきた銃声とほぼ同時にジンの周りで赤い煙のようなものがジンの周りを漂っていた。

 

俺はその赤い煙をこれまで何度も見てきた。

 

そしてジンが俺から離れるように逃げていくと、先ほどまでジンがいた場所に俺が予想した通りの赤い制服を着た少女が空中から着地してそのままジンを追いかけて行った。

 

隅に追い込まれたジンは何発も発砲するが、彼女は自身の銃弾を再装填しながら全てかわした。

 

「んぬぅ!」

 

そしてゼロ距離まで辿り着いた彼女、千束はまるで拳で殴るかのように銃の先端をジンの腹に直撃させるとそのまま再装填した弾全てを放ち、その直後にジンは吹っ飛ばされてそのまま気絶していた。

 

それを確認した直後に千束は俺の方に振り向いて『やったぜ!』と言っているようなドヤ顔でこっちを見ていた。

 

「お疲れさん」

 

「蓮もね」

 

俺は千束に近づきながら声をかけると千束も返事を返してくれた。

そして互いの手が届く距離まで近づいた俺達は互いに左手を出してハイタッチをした。

 

「蓮さん」

 

「ん? たきな!」

 

俺は声がした方を向くと柱に寄っ掛かるたきなの姿が見えたから彼女の所へ向かった。

 

「足大丈夫か?」

 

「大丈夫です。 ちょっと掠っただけですから」

 

「でも血が出てんじゃん。千束!」

 

俺が千束を呼ぶと千束がこっちに近づいてきた。

 

「どったの?」

 

「たきなが足を怪我してるんだ。俺はジンを拘束してくるから千束はたきなの手当てを頼む」

 

「えぇ!? たきな大丈夫!? ちょっとそこ座って!」

 

「え? いやでも・・・・」

 

「早く!」

 

「は、はい・・・・」

 

そう言われたたきなは近くの柱に背中を預けて右足を伸ばし、怪我をした左足を曲げた状態で座って千束の手当てを受けていた。

 

「・・・・すみませんでした」

 

「え?」

 

「任せてって言ったのに最後は結局千束と蓮さんに助けられちゃって・・・・」

 

「そんなの気にしなくていいって、私達は仲間なんだから・・・・でしょ?」

 

「・・・・はい」

 

千束に仲間だと言われたのが嬉しかったのか、たきなは笑っていた。

 

『殺すんだ』

 

そんな光景をジンを拘束しながら見ていた俺は近くから声が聞こえてきたのに気づくとそこには松下さんがいて、その後ろの方ではミズキさんがバテていた。

 

『そいつは私の家族の命を奪った男だ。殺してくれ』

 

「でも・・・・」

 

何でだ? もう狙われる心配はないのにどうして松下さんはそうまでして千束に殺させようとするんだ?

 

『本来なら私の手でやるべきだった。家族を殺された20年前に・・・・・・・・君の手で殺してくれ。君はアランチルドレンのはずだ』

 

「・・・・・・・・」

 

『何の為に命を貰ったんだ。その意味を良く考えるんだ』

 

「・・・・アンタいい加減に「松下さん」」

 

俺が話に割り込もうと前に出ようとしたら千束が手を出してそれを遮った。

 

「私はね、人の命は奪いたくないんだ」

 

『は?』

 

「私はリコリスだけど、誰かを助ける仕事をしたい。これをくれた人みたいにね」

 

そう言って千束は首から下げている金のフクロウのペンダントを松下さんに見せる。

 

『何を言っ・・・・千束・・・・』

 

「え?」

 

『それではアラン機関は君を・・・・その命を・・・・』

 

すると松下さんが何かを言おうとしている時にパトカーのサイレンの音が近くまで迫っていた。

 

「あらら・・・・面倒な事になる前に逃げちゃおう」

 

「ですね。 たきな、一人で歩けるか?」

 

「はい。何とか」

 

ミズキさんからの提案に俺も賛同した。

 

「とりあえず場所変えません? 一度落ち着いて・・・・あれ松下さん? 松下さん? 松下さん!」

 

俺が手足を縛ったジンを背中に背負って戻ると千束達が何か騒いでいた。

 

「どうした?」

 

「松下さんが返事しないの。何で?」

 

「・・・・これ、機械の電源が切れてるぞ!」

 

「えぇ!?」

 

俺はすぐに車椅子についていた機械の電源が切れているのに気づいた。

 

「どうしよう!? このままじゃ松下さんが!」

 

「落ち着け千束! とにかく場所を変えるぞ! たきな、クリーナーに連絡してくれ!」

 

「う、うん!」

 

「わかりました!」

 

こうして俺達は警察が来る前に松下さんとジンをつれてその場から離れたのであった。

 

 

そして日は沈み夕方になった頃、近くの河川敷でジンを乗せたミズキさんの車と俺のビートチェイサーを止めるとそこには既に先生が待っていてくれてジンがいる車のトランクを開けるとジンは既に目を覚ましていた。

 

「ミカ? お前の部下か・・・・良い腕だ」

 

それから先生はジンを解放して見逃す代わりに今回ジンに松下さんを狙うように仕向けた依頼人に関する情報を聞いていた。

 

因みに松下さんはここへ来る前にクリーナーに預けて病院に搬送してもらった。

 

それから少しして話が終わったのかジンがバイクに乗って走り去っていくと離れてその様子を見ていた俺達の所に先生が戻ってきた。

 

「先生、依頼人について何かわかりましたか?」

 

「あぁ、3週間前に依頼人の女がジンの所に来たらしい。その女については何も聞かなかったからわからないそうだ」

 

「そうですか・・・・あの、本当にサイレント・ジンは20年前に松下さんの家族を殺したんですか?」

 

「いや、その頃ジンは私と一緒に仕事をしていた。だからジンが松下さんの家族を殺したなんて事実は存在しない」

 

「そんな!? じゃあ誰が松下さんの家族を殺したの!?」

 

「千束落ち着いて」

 

俺と先生の話を隣で聞いていた千束が興奮するとそれをたきなが沈めた。

 

「わからん。とにかく今日はもう帰るぞ。松下さんの事はクリーナーからの連絡がきてからまた考えよう」

 

先生の意見に賛成した俺はビートチェイサー、他のメンバーはミズキさんの車でそれぞれリコリコへと帰ろうと道路を走っていた。その途中でミズキさんの所にクリーナーから連絡がきた事を俺もビートチェイサーの通信機を通して聞いた。

 

『クリーナーから連絡があったわ。指紋から身元が判明、先々週に病棟から消えた薬物中毒の末期患者だって。もう自分で動いたり喋ったり出来ないらしいわよ』

 

『そんな!? みんなと喋ってたじゃない!』

 

『第三者がネット経由で千束達と話してたんだよ。ゴーグルのカメラに車椅子はリモート操作で音声はスピーカーだよ』

 

俺もおかしいと思ったがその理由はクルミからの通信ですぐにわかった。

 

『松下さんは存在しない?』

 

『え? じゃあ誰が? 何で殺させようとしたの? 何の為に?』

 

「っ!」

 

アラン機関だ。多分だけど松下さんが言ってたアランチルドレンっていうのはアラン機関から支援を受けた人の事を言ってるんだ。もしそうなら千束もそれに当てはまる。でも何で千束にジンを殺させようとしたんだ?

松下さん、いや、アラン機関の目的は何なんだ?

 

俺は松下さんが千束にジンを殺させようとした理由をずっと考えていた。

そうして一人で考え続けた結果、一つの結論に至った。

 

・・・・確かめたかったんだ。千束が人を殺せるのかどうかを・・・・

 

確かに千束はリコリスだ。狙った標的を殺すのがリコリスの使命。

でも今回の依頼はまるで千束が人を殺せるのかを確かめる為に松下さんという架空の人物を用意したようにも感じる。

 

何でそんな回りくどい事をするんだ?

 

才能のある人達を支援したり、テロリストに銃を提供したり、千束に人を殺させようとしたり、連中の目的が全然わからねぇ・・・・

 

俺はそんな事を頭の中でずっと考えながら運転していると気がついたらリコリコに到着していた。

 

 

リコリコに到着した後は先生とミズキさん、クルミ達大人組がクルミの所に集まって今日の任務の詳細や、クリーナーからもらった松下さんに関する情報を纏めていた。

 

その間俺、千束、たきなの3人はお店の中で大人しくしていた。

 

俺は店のカウンター席に左肘をテーブルについて座り、その近くで千束が畳のある席の上に仰向けで寝転がり、たきなはそんな千束の隣に座っていた。

 

「いっぱい話して良いガイドだって言ってくれたのも全部嘘か・・・・」

 

「そんな事ないと思うぞ。実際、旅のしおり作ったり、色々な所の案内や説明もちゃんとしてたじゃんか。だから全部が嘘だったなんて俺は思わないな」

 

「そうですよ。側で見てましたけど、良いガイドだったというのは嘘ではないと思います」

 

「・・・・ありがとう」

 

いつもより元気がない千束を俺とたきなが励ますが中々元気な返事が返ってこない。まぁ、自分が騙されてたと知って落ち込むなっていうのは流石に難しいよな。

と俺がどうやって千束を元気づけようかと考えていると隣に座っていたたきなが突然仰向けで寝転がる千束の胸に頭を乗せた。

 

「ちょ〜い、ちょいちょいちょい」

 

「今は蓮さん以外誰もいませんよ」

 

「俺はいいのかよ」

 

「・・・・・・・・」

 

最初は驚く千束だったがそのままたきなに身を委ねて大人しくなった。

 

「・・・・本当に鼓動、ないんですね」

 

「・・・・そうなの。凄いだろ?」

 

たきなと触れ合う事でちょっとだけど千束に元気が戻った気がした。

 

「・・・・よし! とりあえず飯にするか。今日は千束の好きな物何でも作ってやるぞ」

 

「マジ!? 何でも!?」

 

俺の言葉に食いついた千束が起き上がるとその目をキラキラさせながらこっちを見ていた。

 

「マジだ。まぁ、俺に出来る範囲の物になるがそこは配慮してくれよ。ついでにたきなも良かったら一緒に食べていってくれ」

 

「やったぁ!」

 

「ありがとうございます」

 

俺の言葉を聞いて少しは元気を取り戻した千束、そしてたきなに夕飯の準備を手伝ってもらい、その後はみんなでワイワイ騒ぎながら夕飯の時間を楽しく過ごした。

 

 

そして千束達が帰り、俺も寝ようと思ったがその前に俺の部屋にある箪笥の中にあった青い四角形の小さな箱を取り出してその箱の蓋を開けた。

 

「アラン機関、アンタらが何者だろうと関係ない。もしも俺の大切なものに手を出すつもりなら・・・・俺は・・・・」

 

そんな事を考えながら俺は箱の中に入ってる千束のとは別の"金色の梟のペンダント"を眺めていた。

 

 




次回はオリジナルストーリーをお送りします。

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