リコリス・リコイル 運命を切り開く者たち 【リメイク】   作:hayato0121

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前回の話から一ヶ月以上経ってしまいましたが最新話を投稿します。
今回はオリジナルストーリーをお送りします。



帰る場所

「はぁ・・・・アラン機関・・・・」

 

松下さんの護衛任務を終えた日の夜、俺はベッドで寝ようとしている時に今日の出来事について考えていた。

 

『松下さん、私が持ってるペンダントの意味を知ってるって言ってたんだ。でも何で松下さんが・・・・』

 

千束が帰る前に2人で話してた時に松下さんがそんな事を言っていたと千束が教えてくれた。

 

ペンダントの意味・・・・それはペンダントを直接渡した人間、もしくはその関係者しか知らない筈だ。それを知ってるって事は、今回松下さんとして俺達に接触してきた人物は千束がずっと探していた人間、又はその関係者である可能性が高いって事になる。けど何で今なんだ? もうあれから10年経つのに今まで何の音沙汰もなかったのはどうしてだ?

 

そんな事を考えてるうちに俺はそのまま眠ってしまった。

 

 

翌日…

 

 

「珍しいわね蓮がメンテ以外の日に私の所に来るなんて」

 

俺はまず涼子さんの所へ話を聞きにやって来た。

 

「ちょっと、聞きたい事があって」

 

「聞きたい事?」

 

「はい。コレについてなんですけど・・・・」

 

「っ!」

 

そして俺は今まで千束達にも見せなかった金色の梟のペンダントを涼子さんに見せた。

 

「10年前のあの日、涼子にしてもらった手術の後に目が覚めたらこれが俺の側に置いてあったんですよ。涼子さん、何か知りませんか?」

 

「・・・・ごめんなさい。知らないわ」

 

「そうですか」

 

「どうして、そんな事を聞くの?」

 

「実は・・・・」

 

俺は涼子さんを信じて昨日の出来事を全部話した。松下さんの事、その松下さんになりすました人物がアラン機関の人間である可能性が高い事を・・・・

 

「そう。そんな事が・・・・」

 

「俺は相手が何の目的で千束に人を殺させようとしたのか、その理由が知りたいんです」

 

「それを知ってあなたはどうするの?」

 

「もしも相手の目的が俺達にとって良くない事だったとしたら、全力でそれを止めます! 千束やリコリコのみんなを守る為に!」

 

「・・・・そうね。あなたならそうするでしょうね」

 

「涼子さん?」

 

「ごめんなさいね。けど本当に知らないの」

 

「そうですか・・・・突然すいません。それじゃあ「待って!」 はい?」

 

「折角来たんだからメンテしていきない。昨日も戦闘したんでしょ?」

 

「・・・・ありがとうございます」

 

俺が病院を出て行こうとすると涼子さんに呼び止められて義手や義足をメンテナンスしてくれるというのでお言葉に甘えさせてもらう事にした。

 

「それにしても、貴方がそのペンダントを持ってたなんてね。どうして千束ちゃんや他のみんなにまで秘密にしてるの?」

 

「俺にはこのペンダントを持ってる資格なんてないですから」

 

俺は涼子さんにメンテしてもらいながらペンダントについて話をしていた。

 

「資格?」

 

「俺は過去に沢山の人の命を奪いました。そんな俺に凄い才能とか世界の為に貢献できる事なんて何もありませんよ」

 

「蓮・・・・」

 

俺は千束達と出会う前に多くの命を奪った。そんな俺に世界が認める才能や世界に貢献できる事なんて・・・・ない。

 

もしも俺に出来る事があるとしたら、それは罪を償って相応しい罰を受ける事、ぐらいかな?

 

「資格があるとかないとかそんなの関係ないんじゃない」

 

「え?」

 

「確かに貴方は多くの命を奪ったかもしれない。けどそれと同じくらいこれまでに沢山の人の命を守り、救ってきたじゃない? そして今も大切な人達の為に動いてる」

 

「それは・・・・」

 

「大切なのは貴方がしてしまった事じゃなくて、これから何をしたいのかじゃないかしら?」

 

「俺が、何をしたいのか・・・・」

 

「さっ、終わったわよ! 行きなさい! 貴方の望みを果たす為に!」

 

「・・・・はい!」

 

涼子さんに背中を押してもらった俺は気合を入れて調査を再開した。

 

 

 

「・・・・こんな事して、千束ちゃんの支援者は一体何を考えているのかしら?」

 

 

 

 

〜クルミサイド〜

 

「あれ? そういえば蓮は?」

 

「何か今朝になっていきなり今日は休ませてほしいと言って何処かへ出かけたぞ」

 

「そうなんですか?」

 

いつも通りリコリコの営業中に千束とたきなが蓮の不在に気づいたのでボクが蓮のいない理由を説明した。

 

「先生何か知らない?」

 

「いや、私も知らないな」

 

「おかしいですね。蓮さんっていつも何かあると店長には事情を話してから行動していたのに今回はそれがないなんて・・・・」

 

ミカも蓮がいない理由を知らないらしく、たきながそれについて怪しんでいた。

 

「もしかして、アタシらに隠れて女の子とデートしてるとか!」

 

「デ、デ、デ、デート!?」

 

「千束、動揺し過ぎだ。ミズキもふざけるのはやめろ」

 

「アタシは真面目だよ!」

 

ミズキの発言に千束が珍しく動揺していたのでボクはミズキにふざけないように注意した。

 

「たきなからもミズキに何か言ってやってくれ」

 

「そうですよ。蓮さんに限ってそんな、デートなんてす、する訳ないじゃないですか」

 

おーいたきな、口では冷静に喋ってるように装ってるけど、グラスを洗ってる手がめちゃくちゃ震えてるぞ。こりゃ明らかに動揺してるな。ていうかたきなの奴、いつの間に蓮の事を意識し始めたんだ?

 

「まぁ蓮の事だ。きっと何か考えがあっての事だろう。詳しい事は本人が帰って来てから聞けば良い」

 

「それもそっか」

 

最後はミカが上手く話を纏めてくれたおかげで詳しい事は本人に聞こうという事でこの話は終わった。

 

 

 

〜クルミサイドアウト〜

 

 

 

「ダメだ、全然手掛かりが見つかんねぇ・・・・」

 

その後俺はアラン機関と繋がってるかもしれない例のテロリスト達を追って銃取引が行われたビルやクリーナーから教えてもらった沙保里さんを襲った連中が拠点にしていた場所など知ってる範囲で奴らの手掛かりを探し回っていたが、収穫は何もなかった。そもそも松下さんになりすましてた奴とテロリスト達が繋がってるかどうかも正直わからないけど今はそこ以外探れる事がないのもまた事実。

 

「ハァ・・・・これからどうすっかなぁ・・・・ん?」

 

すると俺のスマホから着信音が鳴って手に取ると画面には一真さんの名前があった。

 

「もしもし一真さん? どうしたんですか?」

 

『いやな、さっき姉さんから連絡があって俺に出来る事でお前に協力してほしいって言われてな。んで、これは上の連中から口止めされてるんだが、例の銃取引に関わってるテロリストらしき連中が拠点にしている場所を見つけたんだ』

 

「本当ですか!?」

 

『あぁ。ただ場所は特定出来たんだが、俺達警察はこれ以上関わるなって捜査が打ち切られたんだ。阿部さん達も納得してなさそうにしてたが恐らくこの先はリコリスに処理させるつもりなんだろう』

 

一真さんからテロリスト達の拠点を見つけたと連絡を受けた俺は驚きと手掛かりが見つかるかもという嬉しさでいっぱいだった。

 

「わかりました。わざわざありがとうございます一真さん」

 

『礼には及ばない。弟子が頑張ってるなら師匠の俺が手を貸すのは当たり前だろ。それより急げ、リコリスが動くより先に連中の拠点に行った方が良い」

 

「はい。それじゃあ早速『あぁそれと』ん?」

 

『ちゃんと帰って来いよ。お前がいなくなると悲しむ人達がいる事を絶対に忘れんじゃねぇぞ』

 

「っ!」

 

一真さんにそう言われた俺は頭の中で一真さん、涼子さん、クルミ、ミズキさん、先生、たきな、そして千束の顔が脳内に思い浮ぶと自然と俺は笑ってしまった。

 

「・・・・はい。一真さん、行ってきます!」

 

『おう。気をつけてな』

 

「はい!」

 

そして俺は一真さんとの通話を終えるとビートチェイサーに乗って一真さんから教えてもらった奴が拠点にしているという今は誰にも使われていない都内にある廃ビルへと向かった。

 

 

 

「ここか?」

 

外は日が沈み初めてもうじき夜になろうとしている時間だが、俺は例の廃ビルの正面に並ぶビルの屋上から相手に見つからないように隠れて様子を伺っていた。

 

「確かにいるな」

 

俺は右目に備わっている二一式黒膂石義眼で廃ビルを観察していると中に数人の人影を見つけた。相手は全員例の作業着を着ていたので恐らく例のテロリスト達で間違いないだろう。

 

「さて、あんまり帰りが遅くなると先生や千束に怒られそうだし、さっさと行きますか」

 

そして俺は義手と義足を覆っていた皮膚を弾き飛ばして戦闘体勢に入ると義足のスラスターを点火して高くジャンプして一気に廃ビル屋上へと降り立つと俺の銃、持ち手の部分から銃の先端まで真っ黒な『コルトパイソン.357マグナム 4インチ』を持ちながら中へと突入した。

 

 

 

 

「ぐあっ!」

 

「殺しはしない。お前達には聞きたい事があるからな」

 

その後俺は中にいた男達8人を一人ずつ倒していき、最後の一人を壁に叩きつけると少し離れた位置に立っている俺は男の顔に銃を向けて情報を聞き出そうとしている。因みに他の連中は部屋のあちこちで倒れている。

 

「お前達に銃を手引きして支援している存在がいるはずだ。ソイツは誰だ? 何処にいる?」

 

「し、知らねぇよ! ソイツとの連絡はいつもあの人がしてて俺達はただ言われた事を実行してるだけだ」

 

「あの人? それはお前達のリーダーか? ならそのリーダーは何処にいる?」

 

「そ、それは・・・・フッ」

 

「ん?」

 

男は不自然な笑みを浮かべた。何で笑ってんだコイツ

 

パン!

 

「うっ!」

 

すると背後から銃声が鳴り、俺の左肩から強烈な痛みが襲ってきた。俺は右手に銃を持ったまま左肩を押さえて振り返るとそこにはさっき倒した男がこっちに銃を向けていた。

 

「ハハッ、お前なんかに教える事なんて何もないんだよ!」

 

「この! 隠禅・玄明窩!」

 

「がはっ!」

 

俺は義足のスラスターを使って一気に距離をつめると男が持っていた銃を蹴り飛ばしてそのまま男の腹を蹴り飛ばして気絶させた。

 

「ひっ!」

 

「さぁ教えろ! お前達のリーダーは何処にいる! 言え!」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・うっ」

 

最初に話を聞こうとしていた男は俺が睨みつけながら銃を向けると恐怖を感じたのか勝手に気絶した。

 

「うっ、くぅ・・・・」

 

俺はその場に膝をついて左肩を押さえた。もの凄い激痛が左肩を襲い、左手の指先からは左肩から流れてきた血が地面にポタポタと垂れていて左肩を押さえている右手も既に血まみれだった。どうやら運良く弾は貫通しているみたいだが、このままというわけにもいかない。俺は着ていた制服のYシャツを脱いでそれで傷口を塞いで出血を抑えようとした。

その後はクリーナーと涼子さん、一真さんにそれぞれ連絡を取って状況の説明と怪我の治療をしてほしいと頼むとクリーナーが到着するのとほぼ同時に一真さんが来て俺を連れて涼子さんのいる病院に行ってもらい、そこで準備していた涼子さんによって緊急手術が行われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ・・・・ここは?」

 

俺は目を覚ますと部屋には日が差し込んでいるがここが何処かわからなかったから頭の中で状況を整理する事にした。

 

「蓮!? 目が覚めたの!?」

 

「千束?」

 

寝ている俺の顔を覗き込むようにリコリスの赤い制服を着た千束の顔が俺の目の前にいきなり現れた。この時の俺は左肩を包帯でぐるぐる巻きにされて三角巾で左手を吊るしている状態だった。

 

「良かった・・・・目が覚めて・・・・ホントに良かった・・・・うぅ・・・・」

 

千束は涙を流しながら俺が目覚めて良かったと安心していた。

 

「昨日の夜、みんなで蓮の帰りを待ってたら一真さんから蓮が撃たれたって連絡があって、私、頭の中が真っ白になって・・・・蓮が死んじゃったらどうしようって思って・・・・でも良かった。蓮が生きててくれて、本当に良かった」

 

「千束・・・・ごめんな。心配かけて」

 

「ううん。でももう二度と一人でこんな無茶しないで」

 

「いやそれは・・・・」

 

「しないで! お願いだから・・・・」

 

俺から見て右側にいる千束は俺の右手を両手で力一杯握りしめてきた。その手は震えていて目も再び涙目になっていてまたいつ泣いてもおかしくなかった。

 

「・・・・わかった。約束する」

 

「絶対だからね」

 

「あぁ」

 

「破ったら罰ゲームだから!」

 

「それは嫌だな」

 

その後は千束から連絡を受けたたきなや先生、ミズキさんとクルミも病院にやって来た。最初はリコリコもあるからと千束一人に俺の付き添いをさせていたが、みんなも心配していたからかリコリコを臨時休業にしてたきなはリコリスの制服だが、他のみんなはリコリコでのいつもの服装のまま病院に駆けつけてくれた。

 

「蓮さん・・・・無事で、本当に良かったです」

 

「たきな、心配かけてごめん。先生達も心配とか迷惑かけてすいませんでした」

 

「気にするな。お前が無事ならそれで良い」

 

たきなが涙目になりながら俺の無事を喜んでくれると俺はたきなや先生達にも謝罪した。

 

「いやいやこっちは大変だったのよ! アンタが撃たれたって聞かされて千束とたきなはこの世の終わりを見たかのように顔が真っ青になってそりゃもう大変だったんだから!」

 

「ミ、ミズキ!////」

 

「・・・・・・・・。////」

 

ミズキさんの話を聞いた直後に千束とたきなが頬を赤く染めながら恥ずかしそうにしていた。一体何があったんだ?

 

「それで、連中については何かわかったのか?」

 

千束達が騒いでいる間にクルミが一人、俺に近づいてきて話を聞いてきた。

 

「いや、わかったのは連中を纏めているリーダーがいて、連中を支援してる存在とはリーダーだけが連絡を取り合っているって事ぐらいだな」

 

「そうか、まだまだ先は長そうだな」

 

「そうだな」

 

それからは他愛のない話で騒いでいた千束達だったがその時の千束は最初の不安そうな表情ではなくいつもの元気いっぱいの姿に戻っていた。その時の千束やみんなの笑顔を見て、俺の命は俺一人のものではない。ここにいる千束や俺の事を思ってくれるみんなのものであり、ここが俺の帰るべき場所なんだと改めて認識したのであった。

 

 

 




次回は原作ストーリーに戻ります。

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