リコリス・リコイル 運命を切り開く者たち 【リメイク】   作:hayato0121

18 / 19
前回の投稿から一ヶ月以上経ってしまい申し訳ありません。

その分文字数が久しぶりに一万文字を超える話になってますので最後まで読んでくれたら嬉しいです。

今後ともよろしくお願いします。


襲撃

リコリス達が襲われる事件が発生して俺が千束やたきなと一緒に暮らし始めて2日が経過したが、今の所進展はない。これじゃあ単純に3人で仲良く暮らしてるだけじゃないか。

 

まぁそれは別に嫌ではないけど千束はやたら部屋を散らかすし、たきなは必要以上に働くしで正反対な2人の面倒を見るのは結構大変だったりする。

そんな2人と今日もリコリコでの仕事を終えた俺は買い物をしてそのまま一緒に千束の家へと帰宅しようとしていた。

因みに今日の夕食当番はたきなでメニューはカレーだそうだ。

 

「でね〜そこで主人公が敵に向かって銃を撃ちまくるんだけど・・・・」

 

「その話はもう何度も聞きましたよ」

 

「イイじゃんイイじゃん! でね・・・・」

 

千束は帰りながら最近見た映画の話をしているがその話はもう何度も聞いた内容で流石のたきなも聞き飽きたらしい。

そんな話をしながら俺達は帰宅してたきなが作ってくれたカレーを食べ終えると千束はテレビを見ながら爆笑し、たきなはみんなが使った食器を洗っていた。

そういえばたきなのポニーテール姿って初めて見たから何か新鮮だな。

そんな事を考えながら俺はたきなのいる台所へと向かった。

 

「俺も手伝おうか?」

 

「大丈夫です。これも決められた当番の役割なので」

 

「そっか、けどあんまり無理するなよ」

 

「蓮さんにだけは言われたくないです」

 

「ぐっ」

 

その一言は今の俺には効果抜群だよほんと・・・・

 

「ジャンケンでの勝率は統計的にどうなっても3割なのに・・・・」

 

あっ、たきなの奴まだジャンケンに勝てなかった事気にしてる。

いやいやたきなさん、普通のジャンケンで千束に勝てる確率は1%もないからな。

 

さて、その事を教えておくべきか・・・・まぁまた千束が調子に乗ったら面倒だし教えておくか。

 

〜♫

 

「おぉ〜チンピラがまた来た」

 

「は?」

 

すると千束の端末からアラーム音が鳴った。

どうやらまた誰かがこの家に侵入したらしい。それがわからないたきなは何が起こったのかまるで理解していなかった。

 

「手伝おうか?」

 

「いいよいいよ。私だけで十分だから蓮はたきなの淹れたコーヒーでも飲んでゆっくりしてて」

 

「・・・・わかった」

 

「え? どういう事ですか?」

 

「行けばわかるよ。たきなは千束のサポートを頼む」

 

「わ、わかりました」

 

そう言われて何も知らないたきなは千束の後を追って部屋から出て行った。

 

『うああああああああっ!』

 

「おぉやってるやってる」

 

まぁ流石に千束が正面からやり合って負ける姿なんて想像出来ないし大丈夫だろう。

 

そんな事を考えていると2人が戻って来た。

 

「おかえり、大丈夫だったみたいだな」

 

「まぁね。けど窓割っちゃったからまた注文しなきゃ」

 

「お前良く窓割るよな」

 

「うっさいなぁ、撃ちまくらなきゃ当たんないでしょ!」

 

「その弾使ってるからだろ。だから俺が行こうかって言ったんじゃん」

 

「蓮は怪我してんだから行かせられるわけないでしょ! もうちょっと自分を大事にして!」

 

「はい・・・・」

 

「わかればよろしい!」

 

はぁ・・・・何か最近千束もたきなもやたら俺が何かしようとすると止めてくるよな。そんなに俺って信用ないのか?

 

「セーフハウスってこの為にあったんですね」

 

「まぁね。あんな連中ならいいんだけど、昔はリリベルも来てたから・・・・」

 

「っ!」

 

「あっ・・・・」

 

リリベルって単語に俺が反応すると千束はしまった!と少し焦った表情を見せた。

 

「リリベルって確か、以前蓮さんが所属してたっていう?」

 

「あぁ」

 

「どんな組織だったんですか?」

 

「ええっと・・・・」

 

「まぁイイじゃんイイじゃん。さぁてテレビの続きでも観ますかね」

 

俺がどう答えようか考えていると俺に気を遣ってくれた千束が何とか話題を逸らそうと必死だった。

 

「いいよ千束、俺なら大丈夫だから」

 

「でも・・・・」

 

「確かにリリベルに見捨てられた時はショックだったけど、そのおかげで今こうしていられるんだから俺はそれに満足してるよ」

 

「そうなの?」

 

「あぁ、だから本当に大丈夫だ」

 

「そっか、なら良かった」

 

千束は俺の言葉を聞いて安心したのか少し嬉しそうな表情をしていた。

 

「あの・・・・」

 

「あぁ、ごめんごめん。たきなはリリベルの事が知りたいんだよな?」

 

するとたきながジト目で俺と千束の事を見てきたので慌てて視線をたきなに戻した。

 

「はい」

 

「アイツらヤバイんだよ。とにかくおっかない連中っていうのが私から見た印象ね」

 

「おっかない、ですか?」

 

「まぁな、リコリスを日本の警察に例えるならリリベルは様々な装備を所有する特殊部隊って感じかな」

 

「特殊部隊ですか?」

 

「あぁ。俺がリリベルにいたのは一年ぐらいだったけどその間も毎日かなりキツイ訓練をこなしつついざという時には状況に応じた装備や作戦で確実に任務を遂行する。そして自分達を認識する存在は決して許さない。それがリリベルって組織なんだ」

 

「うわっ、めちゃくちゃおっかないじゃん」

 

俺の話を聞いた千束がドン引きとまではいかないがかなり引いていた。

 

「まぁ、そんなリリベルが何度襲撃しても仕留め損なっている奴がそこにいるんだけどな」

 

「コラ! 人を指差すな!」

 

俺が千束を指差したら本人から怒られてしまった。

 

「そうなんですね・・・・」

 

「何たきな、もしかして男の子に興味あるの?」

 

「そういう事じゃないです」

 

「じゃあ蓮には興味ないの?」

 

「蓮さんは・・・・その・・・・」

 

たきなは千束から俺に興味がないのかと聞かれると何故か返事がなく黙っていた。

 

「たきな、もしかして蓮のこと・・・・」

 

「ち、違います! 蓮さんは私にとって頼りになる先輩で、困った時にはいつも助けてくれて・・・・とにかくそういうのじゃありませんから!」

 

「あ、ちょっ、たきな! まだ話は終わってないぞ!おーい!」

 

そしてたきなは部屋から出て行くと千束がその後を追いかけていった。

 

それ以前にたきなが俺の事を頼りになる先輩って言ってくれたのが自分の中で凄く嬉しかった。たきなと初めて出会った頃の俺はたきなから嫌われていると思っていたから今改めて頼りになるって言ってもらえるとそれがとても嬉しかった。

 

 

 

 

翌日俺達はいつも通り出勤し、店が落ち着くと俺は涼子さんの病院へ行き診察を受けた。

 

「ふぅ・・・・だいぶ良くなってきたわね。これも千束ちゃんとたきなちゃんが貴方の面倒を見てくれてるおかげかしら?」

 

「そう、なんですかね・・・・」

 

俺としては色々な事を制限されて複雑な気持ちではあるがそのおかげで順調に回復しているのだから文句は言えない。

 

「けど無茶な事はダメよ。最初は平気だったとして後から絶対ひびいてくるから」

 

「わかってますよ。けどいざという時は・・・・」

 

そう。もしも俺が戦わなければいけなくなるような時が来たら、その時は・・・・

 

「はぁ・・・・全く、そういう所は昔から変わらないんだから・・・・これを持っていきなさい」

 

すると涼子さんが何かの錠剤を渡してくれた。

 

「これは?」

 

「鎮痛剤、ようは痛み止めの薬よ。いざという時はこれを飲みなさい」

 

「涼子さん・・・・」

 

「けどこれだけは忘れないで。痛み止めはあくまで痛み止め。怪我が治ったわけじゃないんだからそこだけはちゃんと注意しなさい。いいわね」

 

「はい、ありがとうございます。涼子さん」

 

涼子さんの所で診察を終えた俺は任務中に着る制服姿に着替えるとビートチェイサーに乗ってリコリコへと向かい、帰った頃には外は既に夜になっていた。

 

「ただいま戻りました」

 

「あぁおかえり」

 

店の中に入ると先生が出迎えてくれたがその近くでもの凄く動揺しているたきなの姿があった。

 

「たきな、どうかしたのか?」

 

「蓮さん、蓮さんは知ってたんですか?」

 

「何を?」

 

「千束とのジャンケンについてです」

 

「あっ」

 

「アンタもしかして、たきなに教えてなかったの?」

 

「えぇっと・・・・」

 

どうやら俺がいない間にミズキさんと先生が千束がジャンケンに勝てる仕組みを教えてしまったらしい。

 

「ご、ごめんたきな! 教えようとは思ってたんだ。ただその、タイミングがなくて・・・・」

 

「もういいです」

 

「あっ」

 

やっちまったーっ! たきなの奴完全に不貞腐れてる。せっかく昨日は頼りになる先輩って言ってもらえたのにこれじゃあまた嫌われちゃうじゃんか! まぁ俺の自業自得だから反論も出来ないけどさ・・・・

 

「組長さん所に配達行くわ・・・・何よ?」

 

「いいえ別に」

 

「えぇ何何?」

 

そこへ千束が更衣室から出てくるが・・・・ダメだこりゃ、たきなはまだ機嫌を損ねてる。こりゃ何かお詫びしなちゃダメだな。

 

「いいから早く配達行ってきな」

 

「すぐ支度します」

 

「あぁ大丈夫。制服がバレてるんだろうってクルミが」

 

「リコリス制服ですか?」

 

「確かに、リコリスの制服は色が違うだけでそれ以外は全部同じだもんな」

 

「そそう。これなら〜絶対〜わかんな〜い」

 

成る程、だから千束は上からポンチョを羽織って制服を隠してるってわけか。

 

「私服で銃は使えないんだぞ」

 

「警察に捕まっちまえ」

 

「んな事わかってるよ。下に着てますほら」

 

先生とミズキさんから制服の事を指摘されるが俺の予想通り千束はポンチョの中にリコリスの赤い制服を着ていた。

 

「じゃあ私もそれで・・・・」

 

「あぁ大丈夫。たきな、今日も夕飯楽しみにしてる! 行ってきま〜す!」

 

そう言って千束は笑顔で出かけて行った。

 

ったく、相変わらず元気な奴だ。

 

しかしそんな能天気な考えは数分後に打ち消されてしまうのであった。

 

『わああ〜〜〜〜っ!』

 

箪笥の方からもの凄い音が聞こえてくるとその後すぐにタブレットを持ったクルミが俺達のいる店の方へと慌てて走ってきた。

 

「見てくれ! これは銃取引の時のDAのドローン映像、殺されたのはこの4人だ。これが犯人に流出して顔がバレてたんだ!」

 

クルミが見せてきたのはたきながリコリコへやって来るきっかけとなったあの日の銃取引事件の映像でそこに写っていたのは建物の外で待機している4人のサードリコリス達なのだが襲撃されたのは正しくこの4人だった。

つまりこの映像が犯人達に流出したのがリコリス達が狙われた原因だとクルミは判断したらしい。

 

「何でそんなもんが流出すんのよ」

 

「あの時のハッキングか」

 

「DAもまだそのハッカー見つけられてないようです」

 

「アンタの仲間じゃないの? さっさと調べなさいよ!」

 

「・・・・・・・・」

 

「何よ?」

 

「・・・・・・・・」

 

クルミは戸惑った表情で俺の方を見てきた。きっと自分がやったって言うかどうか迷ってるんだな。

 

はぁ・・・・仕方ない。

 

「ちょっといいですか?」

 

「何よこんな時に」

 

「蓮さん?」

 

ミズキさんとたきなが俺の方に顔を向けると俺は改めてクルミの顔を見た。

するとクルミも覚悟を決めたらしく何も言わずに頷いた。

 

「あの時のハッカーですけど、やったのはクルミなんです」

 

「はあっ!?」

 

「どういう事だ!?」

 

俺がクルミの隣に並び立った時に真実を伝えるとミズキさんだけでなく珍しく先生も大きな声を出していた。

 

「依頼を受けてDAをハッキングした。そのクライアントに近づく為には仕方なかったんだ」

 

「ちょっと! アンタが武器をテロリストに流した張本人ってわけ!?」

 

「それは違う! 指定の時刻にDAのセキュリティを攻撃しただけだ」

 

「そうですか。おかげで正体不明のテロリストが山程銃を抱きしめてたきなはクビになりました」

 

「待ってください! 確かにあの時ハッキングしたのはクルミですけど、それがきっかけでクルミは命を狙われるはめになったんですよ。クルミ1人が全て悪いとは俺は思いません!」

 

「そもそも何でアンタがその事を知ってんのよ。いつから知ってたの?」

 

「・・・・DAにライセンスを更新しに行った数日後です」

 

「そんな前から知ってたの!?何で今まで黙ってたのよ!」

 

「それは・・・・」

 

「もういいやめろミズキ!」

 

俺達が言い争いをしていたのを先生が止めてくれた。

 

「映像はそれで全部ですか?」

 

「おい千束は何処だ?」

 

「千束なら配達に出かけてるけど・・・・まさか!?」

 

「あぁ、そのまさかだ」

 

俺はクルミが千束を探している姿を見て嫌な予感がしたが、最悪な事にその予感は的中し、クルミが見せた新たな動画には千束の顔もバッチリ写っていた。

 

「いかんなこれは・・・・」

 

先生が最悪の事態を予測しているその横でミズキさんとたきなは何も言わずにかなり動揺していた。

 

そんな事、させるかよ!

 

「おい蓮待て!」

 

俺は先生の言葉を無視して机の上に置いてあったヘルメットを持って店を飛び出した。

 

「蓮さん!」

 

それを追ってたきなも店から飛び出してきた。

 

「行かせてくれ! このままだと取り返しのつかない事になる!」

 

「・・・・・・・・」

 

「頼む・・・・」

 

たきなは俺を行かせるべきかどうかを迷っているみたいだった。けどいつ千束が襲われるかわからない以上、ここで待ってるわけにはいかない。俺は真剣な眼差しでたきなに自身の意思を伝えた。

 

「・・・・わかりました」

 

「たきな!」

 

「ですが、私も一緒に行きます! 私は蓮さんの監視役ですから。それが条件です!」

 

「わかった。けどその格好じゃ流石にまずいだろ」

 

「・・・・すぐ着替えてきます!」

 

たきなは自身の服装を見て今自分が着ているのがリコリコの制服である事を認識すると慌てて店の中へと戻って行った。

 

それからすぐにリコリスの制服に着替えたたきなが慌てて店から出て来た。

 

「蓮さん! 千束との連絡が途絶えました」

 

「何だって!?」

 

「急いで組事務所へ向かってください!」

 

「わかった!」

 

たきなを後ろに乗せた俺はビートチェイサーで急いで組事務所へと向かった。

 

するとその道中で千束が着ていたポンチョとスマホが落ちていた。

 

それに気づいた俺とたきなはその側で止まるとたきなはヘルメットを取ってすぐに先生達に連絡した。

 

「千束のポンチョとスマホが・・・・」

 

『町中のカメラをハッキングする』

 

「行くぞたきな!」

 

「はい!」

 

たきなは千束のポンチョとスマホ回収すると再び後ろに乗って俺達は走り出した。

 

『DAはまだ犯人の素性を掴めてないの?』

 

『あぁ。あぶり出す為にリコリスを囮したけど返り討ちにあったみたいだな』

 

『リコリスを囮に、バカな事を・・・・』

 

同感だ。それで犠牲者が出てたら意味ないだろ全く・・・・

 

ミズキさんが相手の素性がわかっているのかを聞くとクルミからDAがリコリスを囮して相手をあぶり出そうとしたが失敗したという話を聞かされて先生も俺もそれをバカな事だと考えていた。

 

「千束・・・・」

 

すると後ろからたきなの弱った声が聞こえてきたのと同時に俺の腹に捕まっているたきなの力が無意識に強くなっているのを感じた。

 

「たきな、それちょっと痛い」

 

「っ! すみません!」

 

それを聞いたたきなは慌てて俺に捕まる力を弱めた。

 

「大丈夫だ。千束がそう簡単にやられるわけないだろ。アイツの凄さは近くで見てきた俺達が一番良くわかってるはずだ」

 

「蓮さん・・・・」

 

「だから絶対に間に合う。そして俺達が必ず助ける! だろ?」

 

「・・・・はい!」

 

そしてたきながいつもの元気を取り戻すと俺はそれに一安心した。

 

「っ! 蓮さん! あれを!」

 

「ん?」

 

俺はたきなが別車線の何かに気づき、そちらの方向を見ると複数の同じ車が同じ方向に移動していてそれに乗っているのが例の作業着を着ている連中だと義眼を使ってすぐにわかった。

 

あの車達の行き先は・・・・きっとそこに千束が・・・・

 

『千束だ。ナビに場所を送る。急げ! やられてるぞ!』

 

「そんな!?」

 

俺が千束の位置を特定するとその直後にクルミからの通信が入った。

 

「場所はわかった。急いで現場に急行する! クルミ、連中の車とは別ルートで千束の所へ行けるようにそっちからナビしてくれ!」

 

『わかった!』

 

「たきな、振り落とされないようにしっかり捕まってろよ!」

 

「はい!」

 

俺はビートチェイサーを加速させてテロリスト達の車とは別ルートで千束の所へ向かった。

 

それから数分後、俺達はテロリスト達と接触する事なく千束の近くまでやってくるとそこにビートチェイサーを止めてその先は自身の足でギリギリまで近づいた。

 

「千束・・・・」

 

「待て、無策で出て行ったら俺達も危ない」

 

「でも千束が・・・・」

 

「わかってる。だからまずは俺一人で行く」

 

「何言ってるんですか!? 蓮さんはまだ怪我が・・・・」

 

「大丈夫だ。俺達の目的はあくまで千束の救出で奴らを全滅させる事じゃない。だからそこまで暴れるつもりはないし、これもある」

 

「それは?」

 

「涼子さんからもらった痛み止めの薬だ。これがあれば少しはマシに動けるだろうぜ」

 

「そうかもしれませんけど、でも・・・・」

 

たきなの不安そうな表情を見た俺はたきなの頭を右手で優しく撫でた。

 

「だからたきなが俺を守ってくれ。俺が千束を助けに行って確実に戻ってこられるようにたきなはここで俺をサポートしてくれ」

 

「蓮さん・・・・」

 

「引き受けてくれるな?」

 

「・・・・全く、人の気持ちも知らないで・・・・」

 

「え? 何だって?」

 

「何でもないです。千束の事、頼みます」

 

「あぁ、任せろ」

 

そう言って俺が右手の拳を突き出すとたきなもそれに合わせて自身の右手の拳を出して互いの拳を合わせた。

 

 

〜千束サイド〜

 

「いいぞいいぞ!」

 

「やっちゃってくださ〜い!」

 

「ゴム弾じゃなくて実弾にしとけば良かったな」

 

「ぐはっ!」

 

イッタ〜ッ!何なのよもう!いきなり例の襲撃犯に襲われて目が見えないはボコボコにされるはでもう最悪!

 

そして私がようやく周りが見えるようになると目の前にいる緑色の髪をした男に銃を突きつけられていた。

 

「お前の使命は何だ?」

 

「え?」

 

「それ」

 

「っ!」

 

私はソイツにペンダントの事を指摘されると慌てて右手でペンダントを掴んで隠した。

 

「アランのリコリスか・・・・面白なぁお前」

 

「・・・・・・・・」

 

どうしよう。銃は落としちゃったし、周りはテロリスト達に囲まれちゃってるし、どうすれば・・・・

 

「っ!」

 

「?」

 

すると突然目の前の男が何かに気づいて別方向に銃を向けたけど、どうしちゃったの?

 

「隠禅・黒天風(いんぜん・こくてんふう)!!」

 

「ぐっ!」

 

すると目の前に現れた誰かが男が持っていた銃を回し蹴りで蹴り飛ばした。

 

ううん、違う。誰かなんかじゃない。私の目の前に立っているこの人の事を、私は良く知ってる。

 

「大丈夫か? 千束」

 

「蓮!」

 

蓮が、蓮が来てくれた・・・・もう! 怪我してるのに何で出てくるの!? バカなの!? バカなんじゃないの!?

 

私は心の中で蓮を思いっきり怒ったけど、それ以上に助けにきてくれた事が凄く嬉しかった。

 

もう! 本当にバカなんだから・・・・でも・・・・ありがとう。助けに来てくれて・・・・

 

 

 

〜千束サイドアウト〜

 

 

「何モンだテメェ?」

 

「人に名前を尋ねるならまずは自分から名乗ったらどうだ?」

 

「どうでもいいだろそんなの。それより、人の楽しみを邪魔しといて覚悟は出来てんだろうな・・・・ん?」

 

「?」

 

男は俺と話してる途中で何かに気づくと突然黙ってしまった。

 

「・・・・ハハッ、何だよおい。今日は面白い事ばかり起こるな。その後ろにいるリコリスといい、お前といい・・・・お前のその身体、普通の身体じゃねぇだろ?」

 

「っ!?」

 

何で、何で俺の身体の事がわかるんだよ! 何なんだよコイツ!

 

「誤魔化さなくてもいいぜ。俺にはわかっちまうんだよ。色々とな」

 

「色々ってお前何者なんだよ?」

 

「おいおい、人に名前を尋ねるならまずは自分から名乗るもんじゃなかったのかよ」

 

「ちっ」

 

「まぁいいや。さぁ、俺と遊ぼうぜ」

 

「蓮!」

 

千束が後ろから俺の名前を叫んでるけど、大丈夫だ。俺の目的はコイツと戦う事じゃない。

 

「悪いな。今日の所はこのまま帰らせてもらうぜ」

 

「はぁ? そんな事させるわけ「ぐあああっ!」 何だ?」

 

俺達が話してる途中で周りにいる男達が次々と手足を狙撃されて倒れていった。

 

よし、良いタイミングだ。

 

俺はその狙撃がたきなによるものだとすぐに気づき、千束に落ちていた銃を投げ渡した。

 

「千束!」

 

「うん!」

 

「ちっ!」

 

そして俺と千束も自身の銃で周りにいるテロリスト達に撃ちまくるとあの緑頭の奴にはかわされたけど他の奴らは戦闘不能にできた。

 

そしてそこへミズキさんの車が猛スピードでこちらに近づいてきて俺達の近くに止まった。

 

「千束! 乗れ!」

 

「とりゃあっ!」

 

先生が千束を呼ぶとそこへ千束が飛び込み、その反対側からはたきなが車に飛び込んだ。

 

「せ、狭い・・・・」

 

「詰めてください・・・・」

 

「うぅ、蓮も早く!」

 

「どう見ても定員オーバーだろ。俺は大丈夫だから先に行け!」

 

「ダメ! 蓮も一緒に!」

 

「先生!」

 

「・・・・ミズキ、出してくれ!」

 

「ばっちこい!」

 

「先生!」

 

「そんな、蓮さん!」

 

俺が先生に先に行くように伝えるとそれを先生とミズキさんは承諾し、千束とたきなはそれに反対したが俺は義手と義足を覆っていた皮膚を弾き飛ばしてテロリスト達に向かって高くジャンプした直後にみんなを乗せた車は走り出した。

 

「隠禅・上下花迷子(いんぜん・しょうかはなめいし)・・・・バーストォォォォォォ!!」

 

俺は天童式戦闘術二の型四番で、 大きく片足を上げて繰り出す踵落とし。 『隠禅・上下花迷子(いんぜん・しょうかはなめいし)』3つのカートリッジ全てを使って威力を限界まで上げてそれをテロリスト達のいる場所のど真ん中の地面に叩き込んだ。

 

『どああああああっ!』

 

それによって地面が割れて崩壊した事でテロリスト達もそこへ次々と落ちていった。

 

「れ〜ん!」

 

千束が車の窓から俺を呼ぶがその前方から車が猛スピードで突っ込んできていた。恐らく連中の車だろう。しかしミズキさんは上手くその車をかわして再び逃げようとするが・・・・

 

「くそっ! 逃がすかよ! 」

 

しかしあの緑頭の男が俺が空けた穴から這い上がると尚も千束達の車を追う為に今の車を使おうとしていた。

 

そして先程の俺の攻撃を逃れたテロリストの一人がロケットランチャーをみんなが乗った車に向かって放とうとしていた。

 

『ヤバいのに狙われてるぞ!』

 

「うわぁ、ヤバいヤバいヤバいヤバい!」

 

くそっ、俺が何とかしないと・・・・

 

『蓮、ここは任せてお前は離脱しろ』

 

「クルミ? けど、アレを何とかしないと!」

 

『大丈夫だ。アレは僕が何とかする』

 

「何とかって、どうやって・・・・」

 

『いいから行け!』

 

「・・・・わかった」

 

俺はその場をクルミに任せてビートチェイサーを止めている所まで向かった。

 

その途中で見ていたが、ロケットランチャーを持ったテロリストにクルミのドローンが激突して何とか狙いを外させるとみんなの車はそのまま離脱する事に成功したようだ。それを見届けた俺はビートチェイサーに乗ってその場を後にした。

 

 

その後俺達は全員無事にリコリコへと戻ってくると千束の怪我を先生が手当てしていると店の中で正座しているクルミの目の前にたきなが立っていて、その様子を店のカウンター席の方から俺とミズキさんが見ていた。

 

「いつつ・・・・成る程ね・・・・」

 

「つまり、コイツが全部原因って事」

 

「何だよ。助けてやっただろ」

 

「クルミ、その上から目線は今は逆効果だと思うぞ」

 

「うぅ・・・・」

 

「たきな〜アンタは被害者なんだから言ったれ言ったれ」

 

「どうすんのたきな、やっちまうか?」

 

「千束・・・・ごめん、たきな」

 

そしてクルミは素直に反省の意思を示す為に土下座してたきなに謝罪した。

 

「・・・・あれは私の行動の結果でクルミの所為じゃありません」

 

それを聞いた千束と先生は笑っていた。きっと今のたきなならこう答えるとわかっていたんだろうな。俺もそう思ってたけど。

 

「でもアイツは捕まえる。最後まで協力してもらいますよ」

 

「勿論だ! 早速だが奴の名前がわかったぞ」

 

そう言ってクルミは先程のタブレットを使って千束がボコボコにされている時の動画を再生した。

 

『真島さーん! 真島さーん!』

 

「真島さーん!」

 

そうかアイツの名前は真島っていうのか。けど何でアイツは俺の身体の事に気づいたんだ?アイツとはさっきのが初対面だったはずだし、何処かで情報が漏れたか? けどアイツの反応は俺の身体を見て気づいたような感じだったし・・・・わからん。

 

「さてと、クルミへのお説教はこのくらいにして次は蓮のお説教を始めま〜す!」

 

「え?」

 

「当然です。まだ怪我が治ってないのにあんな大技まで使うなんて何考えてるんですか?」

 

「それにアンタはクルミの事もずっと前から知ってたのに黙ってたんでしょ? その話もじっくり聞こうじゃないの」

 

「えぇ・・・・」

 

俺は今、千束、たきな、ミズキさんから詰め寄られて逃げ場を失っていた。

 

あっ、俺今日死ぬかも・・・・

 

そんな事を考えながら今度は俺が正座させられて土下座による謝罪をする事になるとは思ってもみなかった。

 

 

 

 

 

翌日、俺はみんなから言われて再び涼子さんの病院へとやってきた。

 

「全く、ああは言ったけどまさかホントにドンぱちしてくるとはね・・・・」

 

「あははは・・・・」

 

「笑い声じゃない!」

 

「すみません」

 

俺の苦笑いしていると涼子さんに怒られてしまい素直に謝った。

 

「まぁでも戦闘は最低限に抑えていたみたいだし、今回は大目に見てあげる」

 

「ありがとうございます」

 

「けどあんまり千束ちゃん達に心配かけちゃダメよ。あの子達、貴方がここに運び込まれてからずっと心配してたんだから」

 

「はい。わかってます」

 

そう、その辺の事も昨日の内にみっちりお叱りを受けているので痛いほどわかっていますとも。

 

そうして治療を終えた俺が千束の家に戻ると千束が慌てて俺の所に駆け寄ってきた。

 

「どうしよう蓮! たきなが、たきなが出てっちゃった!」

 

「は?」

 

話を聞くと千束がたきなとジャンケンをして勝ったら同棲を続けるという条件で勝負した結果、たきなが勝った事で同棲は終わり、ついさっきたきなが千束の家から出て行ったらしい。

 

って事は俺もリコリコに戻れるってる事か?

 

ふぅ・・・・やっと千束の世話から解放されるぜ。 

 

「なら俺もリコリコに戻るとするかな」

 

「えぇ!? 蓮もいなくなっちゃうの!?」

 

「当たり前だろ。元々俺が千束の家で生活してたのはたきなの提案でそのたきなが家を出たなら俺だけこの家に留まる理由がないだろ」

 

「そうだけど・・・・やっぱり寂しいよ!」

 

「とか言って、本当は掃除や家事洗濯をやってくれる人がいなくなるのが嫌なだけじゃないのか?」

 

「ギクッ! そ、そんなわけないじゃん! 私は純粋にみんなと一緒に暮らしたいだけなの!」

 

いまギクッて言ったよな。そう言ってる時点で既にバレバレなんだよ。ホント千束って嘘が苦手だよなぁ・・・・案外、それが弱点だったりして。

 

「それに、いつまでも先生やクルミだけにしておくわけにはいかないだろ。また時間ができたら遊びに来るからさ」

 

「・・・・ホントに?」

 

「あぁ、約束するよ」

 

「・・・・わかった。絶対に遊びに来てよね」

 

「わかってるよ」

 

そして俺は荷物を纏め終えて玄関の扉を開けて部屋から出ようとした時の事だった。

 

「んじゃ、またリコリコでな」

 

「あぁちょっと待って!」

 

「ん? どうした?」

 

「その・・・・昨日はちょっと言いすぎたかも・・・・だから、ごめん。それと、助けてくれてありがとね。」

 

「・・・・どういたしまして。じゃあな」

 

「うん。またね」

 

こうして俺達はそれぞれの家へと戻り、数日間の同棲生活は終了したかに思えたのだが・・・・

 

「・・・・何でここにいる」

 

「私は蓮さんの監視役です。だから今後も貴方の側にいます」

 

「それもういいから!」

 

するとたきなが今度はリコリコで一緒に暮らそうと言い出してしまい、何とか断ろうとするが聞いてもらえず、最終的に先生が同棲を却下した事で俺はたきなの監視から解放されたのであった。

 

 

 




この小説が面白いと思ったら、感想、評価、お気に入り登録をよろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。